2022年 もしもし検定実施機関表彰

日本電信電話ユーザ協会では、毎年、電話応対技能検定の発展に貢献された検定実施機関を表彰しています。2022年(表彰対象期間は2021年11月〜2022年10月)は右記の二つの選考項目について、6機関に表彰状を贈呈するとともに、各実施機関の代表者に検定に対する取り組みや今後の目標などについてうかがいました。
- ■1級~3級合計の受検者数
- 第1位:株式会社JBMコンサルタント
第2位:パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
第3位:株式会社ニットー
- ■4級の受検者数
- 第1位:NTTビジネスソリューションズ株式会社
第2位:損保ジャパンパートナーズ株式会社
第3位:株式会社マナフィス
株式会社JBMコンサルタント
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▲代表取締役社長 谷田 良純氏
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目標は人間力の向上に貢献すること
1993年の設立以来、人材育成事業・アセスメント(診断業務)を行っており、もしもし検定については、検定開始と同時に実施機関となり、企業や個人のお客さまの指導・サポートを実施しています。
研修を希望されるお客さまには、初めにニーズや状況を確認し、「対面研修」「オンライン研修」「動画」を組み合わせて効率よく学べるよう、研修設計、試験の実施方法などをご提案しています。また、「リスキリング※1」も含む多様なニーズへの対応やさまざまな研修実施方法の開発、LMS(ラーニングマネジメントシステム)を活用した学びの支援や学習状況管理などDX※2推進にも取り組んでおり、今回そうした点が評価いただけたのではないかと考えています。
電話応対の指導では、マナーやコミュニケーションスキルを土台に、「お客さまの心情や状況を察して寄り添う力」を養い、「人間力の向上」を図ることに重点を置いています。今後も「一番相談しやすい研修会社」を目指し活動してまいります。
- ※1 リスキリング
- 技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために、新しい知識やスキルを学ぶこと。
- ※2 DX
- Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略で、直訳すると「デジタルによる変容」。進化したICT技術を用いることで、人々の生活やビジネスがより良いものへと変容(変革)していくこと。
パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
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▲総務センター 企画管理部
部長 喜納 厚介氏 -
一人ひとりのマナー向上が経営理念の実践に
パナソニックグループでは、2004年度から顧客満足度の向上などを目指したマナー向上活動を全社的に推進しており、電話応対やコミュニケーション力の向上に関しては2010年度からもしもし検定を企業内へ導入し、実施しています。当社は高度専門人材が集う企業として2022年4月に設立、当部門は社内外ニーズに応じたマナー向上活動を支援しています。
電話応対の指導で心がけているのは、従業員一人ひとりが、経営理念『お客様大事の心、お客様第一』を実践できるよう、マナー向上の教育を支援することです。単に電話応対スキルの向上だけでなく、社会人としての基本的なマナーからコミュニケーション能力まで幅広く学べることから、もしもし検定の受検希望の相談・申込みを受けられる体制を整えています。
また、2015年度から国内家電商品の修理サービスを担うグループ会社が、人材育成体系の一つとしてサービス業務担当社員を対象にもしもし検定3級の資格取得を推進したことが、多くの受検者を生むことにつながりました。これからもグループの企業応対品質の向上による顧客満足度向上に貢献してまいります。
株式会社ニットー
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▲もしもし検定指導者級資格保持者
野村 留美子氏
「もしもし検定」を通じて女性の活躍を支援
電話・秘書代行、通信販売受付・管理やアウトバウンドなどのコールセンター業務とビジネス・コミュニケーションスクールを運営する弊社では、電話応対教育を通じて女性が社会で活躍できるよう支援することを目標に掲げています。1978年の設立から今年で45年目を迎えます。
もしもし検定指導者級資格保持者が中心となり、お客さまとの限られた時間でのコミュニケーションにおいては感動と満足を提供することを心がけ、クライアントさまの販売促進につながるアプローチをと、心がけて指導を行っています。
2022年は大規模なコールセンターの人材育成に関わらせていただきました。そうした取り組みにより、おかげさまで「1〜3級の合計受検者数134名」という成果につながりました。
テクノロジーなどの進歩により、電話応対業務を取り巻く環境は大きく変化しています。引き続き、お客さまへ感動と満足を提供できるよう努めてまいります。
NTTビジネスソリューションズ株式会社
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▲カスタマーサクセス部
カスタマーサクセス推進部門
部門長
清水 健二郎氏 -
4級合格者増加の理由はチャレンジするマインドの醸成
2013年10月に情報通信システムの提案、構築、サポートなどを行う企業として設立した当社に、2021年7月、グループ会社から一部事業を受け継ぎ、コールセンターを所轄するカスタマーサクセス部が誕生しました。
電話応対の指導では、どのような内容に対しても、「お客さまに満足いただける対応」ができるよう、声の表情を大切にして、お客さまに寄り添った応対を心がけています。
進んで資格取得を目指すなど、チャレンジするマインドの醸成にも力を入れており、その中で多くの社員が業務に必要な資格としてもしもし検定4級を選択し、お客さま応対スキルの証として合格という成果を残しています。それらが今回の表彰につながったのだと思います。
今後は、DXなどによりカスタマーサービスのセルフ化、フロースルー化を推進しながらも、真に人が対応するべきコールへの応対力を磨き、カスタマーサクセスの推進によるお客さまとの信頼関係構築、LTV※3の向上を目指していきたいと考えています。
- ※3 LTV
- Life Time Value(ライフ タイム バリュー)の略で、「顧客生涯価値」と訳される。一人、あるいは一社の顧客が、特定の企業やブランドと取り引きを始めてから終わりまでの期間内にどれだけの利益をもたらすのかを算出したもの。
損保ジャパンパートナーズ株式会社
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▲コールセンター
企画部
戸田 美奈子氏(写真右) -
「お客さまへの誓い」実践のために「もしもし検定」を活用
私たちは、国内全域のサービス拠点に保険のプロフェッショナルを配置し、お客さまの「不安」を「安心」に変えるサービスを提供することで、お客さまに喜ばれ、選ばれ続ける保険代理店を目指しています。
電話応対については、当社の行動指針である「お客さまへの誓い」を実践するために、お客さまの「声」に共感し、「想い」を叶え、「暮らし」に寄り添うよう指導しています。また、応対品質向上の取り組みとしては、「GoodCall」施策を展開し、その一環として全国から受検希望者を募集しています。各拠点の応対品質をけん引する役割のGoodCallリーダーは、未取得の社員に対し、もしもし検定4級受検を促すとともに、受検のための研修なども実施しています。
Withコロナの環境下では、電話や郵送、スマホを利用した非対面での手続きを希望されるお客さまが増えています。そこで「非対面」の品質を上げるための研修を実施し、電話応対品質の向上にも力を入れています。今後もさらなる応対品質の向上を目指していきたいと考えています。
株式会社マナフィス
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▲代表取締役社長
臼井 奈美氏 -
皆さまの声を大切にして継続的な展開を
企業や病院、教育機関を対象に、ご要望をうかがいながら検定を実施しています。2014年に筆記試験のみの4級がスタートしてからは、検定に興味を持っていただくきっかけとして、4級からの導入を提案する機会も増えました。
4級合格者には、早いタイミングでの3級取得を目標にしていただきましたが、感染拡大の影響で状況は変わりました。筆記試験の免除期間を延長する特例措置を活用し、講習と実技試験をリモート中心に切り替えました。
安全に配慮して検定を継続した結果、4級の受検者数は増加しました。昨年は134名、9年間で1,252名の皆さまが4級にチャレンジしてくださいました。
マナーの基本やコミュニケーションスキルを学ぶ4級は、新入社員や就職活動中の方にもおすすめです。これからも検定に取り組んでくださる皆さまの声を大切にして、「合格するまで!」「合格したらさらに上を!」をモットーに継続的な展開を目指します。
