電話応対でCS向上コラム

第13回 「三日・三月・三年」を乗り切る

「三日・三月・三年」という言葉をご存じでしょうか。新しい仕事に就いてしばらくすると、仕事がつまらなくなり、意欲が失せる。人間関係のストレスも溜まり、会社を辞めたくなる。こうした精神的な危機が訪れるのが、三日後、三月後、三年後に多いというのです。4月入社の皆さんにとっては、7月がちょうどその三月後になります。そこで今回は、すこし視点を変えて、この時期の乗り越え方について考えます。

三日・三月・三年目の危機

ひとくくりに「三日・三月・三年」と言っても、その状況は微妙に違います。勤め始めて三日後はまだ何も分からず、仕事にも人にも馴染めず、逃げ出したくなる最初の危機です。三ヶ月後、ようやく仕事も少し分かってきます。しかし、自分が描いていた理想とは違う。職場の雰囲気も面白くない。そして三年後、人にも仕事にも慣れてはきたが、毎日が単調で変化がない。先を考えると発展性がなく不安だ。もっと自分に合う仕事があるのではないか。みなさんの中にも、今この節目に立って悩んでいる方もいるでしょう。

「夢は夢であって実現できるとは限らない。だから私は夢は見ない」と言ったのは、大リーグに行った松坂大輔さんです。夢とは目標です。それも人生をかけた壮大な目標を持ち続けること、そしてもう一つ、容易に実現できる具体的な目標を身近に持つことだと私は考えます。その二つがあれば、安易にくじけることはないでしょう。

能力の差は5倍だが、意識の差は100倍ある

これは日本電産社長・永守重信さんの言葉です。入社三ヶ月のこの時期に、自分の能力への不安を訴える人がかなりいます。覚えが悪かったり、失敗して叱られたり、同期生との能力差を意識したりするところからきます。もちろん、人の能力には差があります。しかしその差は、あっても5倍程度。ところが意識の差は100倍あるというのです。自分には能力がない、と考えるのは意識です。三日・三月に味わう挫折感も意識です。意識を変えて、自分の能力をもっとポジティブに考えることで、力が湧いてきます。

あなたの能力は1割しか使っていない

「あなたは、自分の能力の何%ぐらいを使っていると思いますか?」こう問いかけますと、100%使っているよ、と胸を張る人もいれば、30%ぐらいかな、と控え目に答える人もいます。答えは10%程度なのだそうです。私たちには、使われずに眠っている能力が90%もあるのです。そのことを知らずに、三日・三月の節目に、「自分はダメだ」と落ち込んでしまうのは、あまりに勿体ないことです。

さあ、眠っている能力を優しく起こしてください。

岡部 達昭氏

日本電信電話ユーザ協会電話応対技能検定 専門委員会委員長。
NHKアナウンサー、(財)NHK放送研修センター理事、日本語センター長を経て現在は企業、自治体の研修講演などを担当する。「心をつかむコミュニケーション」を基本に、言葉と非言語表現力の研究を行っている。

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