企業ICT導入事例

-むさし府中商工会議所-
“快適な利用”を意識したセキュリティ対策を実施

【導入の狙い】よりセキュアなICT環境を構築するため
【導入の効果】職員に意識させることなくセキュリティの向上を実現

商工会議所のセキュリティ対策

▲中小企業相談所
経営支援課 課長・髙橋 佐喜雄氏

 東京都府中市のむさし府中商工会議所では、利用者である商工会議所職員の快適な利用と、セキュリティ対策を巧みに組み合わせたICT環境を構築しています。

 「商工会議所とは『営利を目的としない』『特定の個人や法人その他の利益を目的としない』『特定の政党のために活動しない』という三大原則のもとに活動する、特定認可法人です」(中小企業相談所 経営支援課 課長・髙橋 佐喜雄氏)

 では、同会議所は、これまでICT化を進めるなかで、どのようなセキュリティ対策をとってきたのでしょうか。

SOX法の施行をきっかけに、セキュリティ対策をさらに強化

▲中小企業相談所
経営支援課・城﨑 達也氏

 「当会議所は平成20年以降、日本版SOX法(サーベンス・オクスリー法:「金融商品取引法」に定める内部統制報告書作成義務のこと)の施行もにらみつつ、複数のセキュリティ対策ソリューションを導入してまいりました。(株)ソリトンシステムズの『SmartOn』により、PCへのログインに非接触式のICカードを利用。またUSBメモリ等へのコピー規制、プリンタへのICカード認証など、PCからの不用意な情報漏洩にも対策を行いました。また同じ(株)ソリトンシステムズの『InfoTrace』により、セキュリティ事案が発生したときの原因究明やファイル紛失による情報漏洩などの原因把握などに役立てることにしました」(中小企業相談所 経営支援課・城﨑 達也氏)

職員が意識することなく“うっかりミス”を防止

▲ICカードによる本人認証デバイスを使って、PCやプリンタのアクセスを制御

 商工会議所では、会員企業さまからさまざまな相談を受けるなかで、各種ファイルをやりとりすることが少なくありません。

 「従来は必要以外のファイルをメール送信してしまうことがないよう、添付ファイルの容量に制限を設けていました。しかし『それでは使いにくい』という声もあったのです。そこで現在はセキュアな共有ストレージとメールの内容によるフィルタリングで名簿などの重要情報のうっかり送信を防ぐ仕組みも採り入れています」(城﨑氏)

 各種のセキュリティ対策を個人のスキルに頼るだけでは、うっかりミスによる情報漏洩を100%防ぐことはできません。さまざまな規制によるセキュリティの確保は、ときに業務効率化と逆行する可能性もあります。同会議所が導入したソリューションは、職員を意識させることなくセキュリティ向上を実現することで、そうした課題を巧みに解決していると言えるでしょう。

「たまごネット」に施されたセキュリティ対策

▲中小企業相談所
振興活性課 地域振興係・ 秋山 亮氏

 同会議所が運営するネットワーク「たまごネット」にも、適切なセキュリティ対策が施されています。

 「『たまごネット』には、会員企業さまが無料でホームページを開設することができます。従来は、FTP(ファイル・トランスファー・プロトコル:ネットワークでファイルの転送を行うための仕組み)を使いコンテンツをサーバへアップロードする仕様でしたが、最新版では、WordPressというツールを導入。セキュリティリスクを防ぎつつ、ホームページの更新、コンテンツ追加が容易になりました。会員企業さまからはご好評をいただいています」(中小企業相談所 振興活性課 地域振興係・秋山 亮氏)

 最後に、テレコム・フォーラムについてのご意見もうかがいました。

 「テレコム・フォーラムは、ネットだけではあまり触れることのできない他企業さまのICTへの取り組みについて、わかりやすく紹介されています。今回の取材で当会議所の事例がお役に立てれば…と思っています」(秋山氏)

 このように、商工会議所内、そして会員企業さま向けのセキュリティ対策を着々と進めてきた、同会議所。会員企業さまにとって、頼もしい存在でありつづけることでしょう。

組織名 むさし府中商工会議所
設立 1970年(昭和45年)4月1日
所在地 東京都府中市緑町3-5-2
会頭 濱中 重美
事業内容 東京都府中市内の中小企業の経営支援、商店街振興、商工まつ りなどの実施、たまごネットの運営
URL http://www.tama5cci.or.jp/chamber/
たまごネット http://www.tama5cci.or.jp

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