ICTコラム
第23回 今日から始めるSEO対策専門家がいるくらいだからSEOは難しい。何をしたら検索順位が上がるかなんて分からないし答えがないから難しい。Googleのアルゴリズムが頻繁に変わるからよく分からない。今まで、このような声をウェブ業界の方や経営者の方からたびたび聞いてきました。
でも本当にそうでしょうか?私は今まで10年以上SEOを専門として業種業態を問わず様々な企業のお手伝いをしてきました。細かいやり方や難しい方法は抜きにして、本日はパソコンに詳しくなくても検索順位を上げるためにウェブサイトを改善できる方法をお伝えしたいと思います。
そもそもSEOとは?
SEOとは、Search Engine Optimizationの略称で検索エンジン最適化のことを指します。検索エンジン(YahooやGoogleなど)に評価=(自然検索で)上位表示されるようにサイトを最適化していくことです。
SEO対策とリスティング広告の違い
検索順位を上げる方法としてSEO対策とリスティング広告がよく比較されます。この二つはどのような差があるのでしょうか?簡単ではありますが表にまとめました。
SEO | リスティング | |
---|---|---|
掲載位置・内容 | 検索エンジンが決定 | 調整が可能 |
表示形式 | 365日24時間掲載 | 予算がなくなると停止 |
CTR※ | 高い | そこまで高くない |
効果 | 即時性なし・継続性あり | 即時性あり・継続性なし |
費用 | 無料 | クリック数に応じて従量課金 |
SEO対策を実施し上位表示されると広告と比べてCTRが高いため(これは、人が無意識のうちに広告を避ける傾向にあるためと言われています)、キーワードによっては多くの流入が見込めます。
どのようなウェブサイトが評価されるか
では検索順位を上げるためにはどのようなことをすればいいのでしょうか?YahooやGoogleなどの検索エンジンの役割や目的を考えると、高く評価されるウェブサイトが分かります。検索エンジンは、多くの人に検索をしてもらいたいと考えています。
ではどういう検索エンジンだったら利用したいですか?検索したキーワードに対して適切な答えが書いてあるウェブサイトを利用したいと思いませんか?それとも何回検索しても調べたい答えに辿りつかなかったり広告ばかり貼ってあるサイトが上位表示されている検索エンジンを使いたいですか?通常は、前者の「検索したキーワードに対して適切な回答を返してくれる検索エンジン」を利用したいと思うのではないでしょうか?ということは検索エンジンで上位表示をされるためにはそのようなウェブサイトにすればいいのです。
Googleが行っているアップデートや検索の仕組み変更
前述のとおり、Googleは利用ユーザーに対してより良い検索結果を出すために多くの改善を実施しています。今回はその中でも大きなアップデートについて説明させていただきます。
パンダアップデート
このアップデートの目的は低品質のウェブサイトを上位化させないということです。評価対象となるのが独自性や専門性がないウェブサイトや広告や引用などが多く独自コンテンツのないウェブサイト、テキストや画像などが少なく価値が低いとみなされるウェブサイト、ほかのウェブサイトや自分のウェブサイト内に同じ内容のものがあるサイトが対象となります。
ペンギンアップデート
このアップデートの目的は、過度なSEO施策をしているウェブサイトの検索順位を落とすことにあります。対象となるのは、ほかのウェブサイトから情報を寄せ集めたようなウェブサイト、隠しテキストや隠しリンク(白背景に白い文字や、フォントサイズを0にして人間が視覚で分からないようにする)をしているサイトクローキング(検索エンジンとユーザーに違う内容のページを見せること)、価値の低いリンクが大量に張ってあるウェブサイトが対象となります。
例えばどのように変わったのでしょうか?
現在「卵 人気」と検索すると検索結果は画像のようになります。「卵 人気」と検索したのに卵料理の人気レシピが上位に表示されます。
少し前のGoogleの検索結果でしたら、おそらく人気の卵を紹介するサイトが上位表示されていたでしょう。なぜこのようなことが起こりうるのでしょうか?Google上である言葉がどのくらい検索されているかを調べるツールとしてキーワードプランナーというツールがあります。このツールで「卵 人気」と「卵料理 人気」を検索したものが図になります。
お気づきでしょうか?検索のボリュームが大きく違うことを。「卵 人気」は90回であるのに対して「卵料理 人気」は約10倍の1,000回となっています。
このことから、Googleが「卵 人気」を検索している人は「人気の卵料理」を探しているのではないかというのを様々な観点から判断し、レシピサイトを出していると考えられます。
結局どんなサイトやコンテンツを作れば良いのか?
では、結局どのようなウェブサイトやコンテンツを作ればSEO対策ができるのでしょうか?
自分がユーザー側としてその商品やサービスを知りたい・調べたいと思った時、ウェブサイトに知りたいと思っていた答えや情報が書いてあるか、そして読みやすいかを考えてみると良い結果に結びつくでしょう。
※CTR=クリックされる確率。Click Through Rateの略。
矢部 貴也氏
株式会社シーオーメディカル 上席コンサルタント。
大手広告代理店にて多くの大規模サイトのコンサルを実施したのち、株式会社DeNAでグロースハッカーとしてサービスの成長を実現させ現在に至る。
中小からメガクライアント、業種業態、サイトの形態を問わずSEO対策を実施し成功に導いた実績多数。
ウェブ解析士マスター。GAIQ。Yahoo!プロモーション広告プロフェッショナル。AdWords公認プロフェッショナル。
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