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ICTコラム

第9回 ターゲットの明確化と、ウェブサイト改変で目的ページへの来訪数向上

ターゲットごとの施策の見極め、大幅なリニューアルを行わずにサイト改変を行う、その分析から施策までの実例をご紹介いたします。

BtoBへのアプローチと販売強化

今回の事例のサイトは時計(置き時計、掛け時計)を中心に扱うECサイトです。このサイトの売り上げデータより、販売先別の顧客構成を見ると、実に93%が一般のユーザー(BtoC)であり、残りの7%が企業ユーザー(BtoB)だということが分かりました。しかし、売り上げの構成比を見てみると、顧客構成とは比例しておらず、企業からの受注が30%近くを占めていました。

サイト利用ユーザーをBtoB、BtoCで二分してそれぞれ分析をしてみると、BtoCの顧客への対応時間とBtoBの顧客対応時間、その利益バランスを考えると、贈答利用が主である企業(BtoB)からの受注は圧倒的に客単価が高く、複数個注文しているケースも多いため、まずはBtoBに力を入れることで利益が確保できると考えました。

そこで、実際にアクセス解析によって、BtoBユーザーのアクセスや購入率はどの程度なのか、どのくらいの需要があるのかを調査しました。

▲上が全体、下が企業からのアクセス。このデータから、企業ユーザーは購入率が極端に低いことや、新規訪問率の割合が多いため、伸び代があることが分かります

すると、BtoBユーザーは新規のユーザーが多いということが、また1訪問者あたりのページの閲覧数の多さから商品選びに悩んでいろいろなページを見て、結局は購入まで至らない場合が多いことが分かりました。つまり、「これらのユーザーを適切なページに導くことができれば購入率を向上させることができる」という仮説を立てることができました。

そこで、まずはBtoBユーザーをターゲットとしたリスティング広告※を掲載し、その広告経由でアクセスしてくるBtoBユーザーのために下図のような法人向けランディングページ(一番初めに訪問するページ)を新たに設置しました。一般のサイトでは多くのページが閲覧されるように作りますが、ここでは「1訪問毎の閲覧ページ数」の割合が低くなる(迷わない)ことを目指し、多くのページを見ることなく購入まで完了できるように考えました。例えば、売れ筋商品をランキング形式で複数並べて掲載することで選びやすさの向上を図ったり、請求書払いなどのよく問い合わせを受ける内容を目立つように掲載することで購入までの不安点の早めの解消を図るなど、目的に到達しやすいサイトを構築しました。

※リスティング広告:検索エンジンでユーザーが検索したキーワードに関連した広告を検索結果画面に表示する広告。

▲購入率向上のために新たに設置した法人向けランディングページ

施策の優先順位とバランスを吟味する

ウェブサイトにおける施策は無数にあります。その中で、どの施策を選択し、選択した施策の中での優先順位をどうするかは、それぞれの企業内リソース(「ヒト、モノ、カネ」)や目指すべきポイントによって異なります。

大事なのは、インパクトの大きい施策から行うということです。また、施策立案時には、アクセス解析のデータだけではなく、実購買などのリアルのデータも見たり、ユーザーの声や疑問なども加味したりして考えていく必要があります。

ウェブサイトの改変を行う際は、小手先のデザイン変更や、アクセス解析データのみからの施策立案を行うのではなく、事業の成果に結びつく解析と複眼的な視点を持って取り組みましょう。

関口 智紀氏

株式会社スリーエイト代表取締役。

群馬県の企業ながら日本全国のクライアントを持つ。アクセス解析を基にした導線設計改善や流入施策を得意とし事業の成果につなげている。WACA認定ウェブ解析士マスターとして大手企業から中小企業まで幅広い顧客のサイト改善に携わっている。

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