ICTコラム
第5回 シェアされて売り上げにつながるウェブサイト設計事例「会社のウェブサイトはあるけど、どこをどうしたら成果が出るか分からない…」という相談を受けた時の事例を紹介します。
相談の主は中堅の出版社さんで、ウェブを使っての販売は一通り行っていました。出版している書籍のジャンルは、ファッションやオートバイ、スポーツからライフスタイルに至るまで、たくさんのラインナップを揃えており、それぞれの書籍には熱心なファンの方が多くいらっしゃいました。
ウェブサイトの目的を探す
今回の相談で相談主が抱える課題は次のように置き換えることができます。
「ウェブサイトで『誰に』『何を』伝え、『どうなる』ことが『成果』であるかを明確にしたい。」
ウェブサイトの目的を明確に持つことが課題の発見となり、ひいては事業に寄与する問題の発見にもつながります。
自社を客観的に観察する
自社のビジネスにおいて、市場や顧客の現状と、競合他社の最近の動向を改めて見つめ直し、市場での自社の立ち位置を再確認しました。
一般的によく用いられるビジネス・フレームワークを用いて、ロジカルに構成を把握しました。
赤文字のキーワードを紡いでいくと、出版社さんのウェブサイトで行うべき目的は、
「出版物で制作している情報を集客要素に、インターネットを使って、より多くの一般ユーザーに届けて購入される機会を増やして、会社の収益に寄与すること」
と、明確になります。
資源を活かしたウェブサイトの設計
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コンテンツという資源を活かすウェブサイトの設計は、現代のユーザーの行動心理を踏まえて仕掛けを作っていくことが効果的です。
実例の一部として、新刊の発売のお知らせでありがちな「雑誌の表紙」をそのままウェブサイトに掲載することを止め、トップページに綺麗な写真を大きく掲載することで、ユーザーの興味を惹きつけるようにしました。
これにより、今までのファンの方のみならず、一般ユーザーにもインターネットを通じて、良質な自社コンテンツを目にしてもらう機会を増やしていくことに成功しました。
シェアの多様化を利用する
現代では気軽に情報をシェアされることで、私たちに届く情報のタッチポイントが飛躍的に増加しています。
さらにそのタッチポイントを自社の強みであるコンテンツへの誘引を図り、購買の増加に寄与することができました。
出版社とはいかなくとも、自社が保有している情報をユーザーが求める有用な情報コンテンツとし、それを資源として有効活用することで成果につなげてみてはいかがでしょうか。
伊勢 真氏
株式会社トラス取締役。
WACA 認定ウェブ解析士マスター。大手通信企業のポータルサイトの運用の総指揮として、アクセス解析やWebディレクションに6年間従事。現在は前述のサイト運用を後任に任せ、Webとマーケティングの知見を活かし、大企業から中堅中小企業問わずにコンサルティングや企業研修の講師を務める。
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