電話応対でCS向上コラム
-齋藤 ひかり氏-第79回 あなたと話せて良かったと思える応対を
記事ID:C10157
標題の言葉は私が新入社員の時に受けた応対品質研修で一番心に残っている言葉で、今も最も大切にしている言葉です。
以前働いていたコンタクトセンターでは、製品の修理受付や部品販売、技術的な相談など、さまざまなお問い合わせやご依頼を承っていました。私は修理受付窓口に配属され、修理のご依頼やお問い合わせを担当しました。お客さまは一般ユーザーや販売店など多岐にわたり、内容は複雑で専門用語も飛び交います。当時の私は、言われた言葉をオウム返しすることで精一杯でした。時には知識不足からくる不安な気持ちがそのまま声に出てしまい、お客さまからお叱りを受けることもありました。
お客さまからの評価が励みに
そんな中で励みになったのが、お客さまアンケートでした。これは、修理訪問を行った際に、お客さまにサービスを評価してもらうものです。
「お話を丁寧に聞いてくれました」「高齢の私にも分かるように、ゆっくり親切に対応してくれました」などのお言葉を目にした時の嬉しさは、今でも鮮明に覚えています。また、自分が大事にしている「一人ひとりに寄り添った応対」は間違っていないと、自信を取り戻すことができました。
お客さまが私たちに期待していること
年月が経ち、スーパーバイザーの立場になった私は、アンケート結果に基づいて、コミュニケーターやお客さまへのフォローも行うようになりました。
ある日、お客さまから厳しい評価が届きました。通話録音を確認すると、新人コミュニケーターが確認事項に時間を要し、マイナスな表現が多かったために、お客さまの不満が高まっていることに気づきました。私はお客さまにお電話をし、改めてお詫びするとともに、不満点を丁寧にヒアリングしました。
すると、お客さまは今回のご不満点に加えて、「この会社が好きで期待している分、今回は少しがっかりした」とお話しされました。しかし同時に、早急に折り返し連絡したことに対する感謝の言葉もくださいました。
言葉を受け止め、向き合い続けること
その後、改めて通話録音を聞きながらコミュニケーターへフィードバックを行ったところ、一生懸命応対していたつもりが、結果として会社側の都合を押し付けてしまっていたことに本人が気づき、「お客さまを尊重した応対をしたい」と前向きな気持ちに切り替わるきっかけになりました。
この経験から、「クレームは宝の山」とはまさにこのことだと実感しました。厳しい評価をいただいた時こそ改善のチャンスが潜んでいること、お客さまに対する真摯な応対が、その会社やサービスのファンづくりにつながることを学びました。
これからも「あなたと話せて良かった」と思っていただけるお客さまを増やしていけるよう、いち指導者として邁進していきたいと考えています。
齋藤 ひかり氏
日本電信電話ユーザ協会 電話応対技能検定指導者級資格保持者。以前は企業のスーパーバイザーとしてセンターのKPI管理及び運営改善、コミュニケーター育成等を担当。
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