電話応対でCS向上コラム

-ActiveManagement株式会社-
第74回 心からの思いは、形となって届く

記事ID:C10140

「Is there anything I can do foryou?」これは、私がお客さまと向き合う時に大切にしている言葉です。今回は、私がこの言葉を大切にするようになったきっかけについてお話しします。

新しい一歩

 20代半ばで好きな英語を活かせるのではと、外資系の銀行に転職することを決め、新しい一歩を踏み出しました。海外の金融法人顧客が行う数千億の取引を滞りなく決済することが主な仕事でしたが、留学経験もない私にとって金融のビジネス英語は非常に難しく、好きだったはずの英語に悩み、苦労する日々を送ることになりました。
 ある取引では、約束したメールをなかなか送ってこないロンドンの担当者に対し、憤っていることを英語でうまく表現できず、受話器を持ったまま黙り込んでしまい、「ERIKOは黙るから一番怖い」などと言われたりしました。

あなたのために私ができること

 そんな苦労の中、私の気持ちをぴったり表していると思えた言葉が「Is there anything I can do for you?」でした。「何かお手伝いすることはありますか」という意味の定番フレーズですが、日本語ではお客さまに対して「あなたのために私ができること」と、このようなストレートな表現をすることはありません。しかし、この言葉は私がお客さまと向き合う時に大切にしたい気持ちをもっともよく表していると思い、重要な場面で度々お客さまに投げかけました。根底にある私の気持ちが伝わったのか、銀行を退職する際には、多くのお客さまが「ERIKO が私たちを大切に思ってくれているのがいつも伝わってきた。私は信頼できるパートナーとして、本当にあなたが大好きでした」と嬉しい言葉をかけてくださいました。自分がお客さまを大切に思う気持ちは、信頼という形で返ってくるということを実感した経験でした。

どんな時も、どこにいても

 その後、夫の転勤で東京から高知、広島と居を移し、仕事を再開した時にも、常にこの言葉と気持ちが私のベースにありました。気持ちは言葉や行動に自然と表れ、その積み重ねが信頼や顧客満足を生み出すことは、どの土地にいても、どんな職場でも同じでした。
 現在は東京で電話応対やビジネスコミュニケーションの研修講師として、さまざまな企業で多くの受講生と接する機会をいただいています。今でもこの言葉を大切に、「受講生のために、私にできることは何か」を考え、受講者一人ひとりに寄り添った研修を心がけています。

田中 映理子氏

ActiveManagement株式会社執行役員。電話応対技能検定指導者級資格保持者(18期生)。国家資格キャリアコンサルタント。電話応対やビジネスコミュニケーション指導のほか、自治体支援事業のキャリア研修などにも携わる。電話応対技能検定の講習・検定実施に積極的に取り組み、電話応対コンクールでは、研修や指導、審査委員を務める。

「次回の講師は、電話応対技能検定指導者級資格保持者(18期生)の同期でもある、中野幸治さんです。包容力のある温和なお人柄は、18期生の間でも、とても頼りにされていました。高いコミュニケーション力を活かして、地元で活躍されています」

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