電話応対でCS向上コラム
第30回 “分かろうとする”気持ちとともに-株式会社サンエス-記事ID:C10016
私は、入社後、電子部門の営業部へ配属になりました。業務の中心は電話応対で、お電話をくださる方は、修理依頼やメーカーの方々、上司のお付き合いの方々など、種々様々でした。
“なぜ伝わらないんだろう?”
弊社が所在する広島県福山市には、“奈良津町”という地名があります。ある日、県外にお住まいの年配の方からお電話をいただき、この奈良津町について「どのような漢字を書くの?」と尋ねられました。私は「奈良県の奈良に津軽の津でございます」と、何の疑いも持たずに伝えました。すると、お客さまは「だから、“なら”はどう書くのか?」と、繰り返しお聞きになるのです。私は“通じるだろう”と思い込んでいるので、これ以上どうお伝えすればいいのか分からずパニックになり、堂々巡りです。見かねた先輩が電話を代わってくださり、「奈良県の奈に、善良の良、津軽の津です」とお伝えしたところ、お客さまは「あぁ、そう書くのか」と納得されました。その時私は、“奈良県の奈良なのに、なぜ伝わらなかったのだろう?”と思いました。
“分かろうとする”気持ちを心がけて
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そんな私の心の呟きを感じ取った先輩は、「今の方は、必死で理解しようとされていた。その気持ちを汲み取れたら、別の伝え方もできたんじゃない?」と。その一言に、ハッとしました。確かに、私は“自分が伝えたいこと”ばかりを必死に言っていました。その言葉は、その人に向けて発していたか?と考えた時、そうではなかったことに気づいたのです。誰しも自分を分かってくれない人の話なんて、聴く気にはなれないですよね。
それ以降、“分かろうとする”気持ちを心がけて電話応対に臨みました。業務が重なった時など、おざなりになることもありましたが、「もしもし検定」を学んでからは、この気持ちの重要性・必要性を痛感し、常に心がけました。それからは、お客さまとの電話で相互理解ができるようになりました。今では、電話を切る間際に「あなたと話して元気が出たよ」というお言葉をいただくこともあります。
それは、機械的な対応ではなく、“分かろうとする気持ち”を大事にした電話応対ができたことに対する、お客さまからの<ご褒美>だと捉えています。
今ではベテランと呼ばれるようになりましたが、あの時お客さまに寄り添えなかったことを忘れず、“分かろうとする気持ち”と二人三脚で臨んでいきます。
※プロトコール:国際儀礼のこと。人と人との間で守るべきエチケットやマナーがあるように、国家間で守るべきエチケットのことです。
今井 奈津美氏
株式会社サンエス管理本部人事部所属。自らの電話応対に疑問を抱き、より実践的に基本から学びたいと探していた検定が、“もしもし検定”。そこで出会ったたくさんの切磋琢磨し合える仲間により刺激を受け、自己研鑽に励む。国家資格キャリアコンサルタント・産業カウンセラーとしての“寄り添う心”を電話応対にも活かした指導を心がけている。電話応対技能検定指導者級資格保持者11期生。
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