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企業ICT導入事例

-重茂漁業協同組合-
情報配信をICT化し、より正確な情報伝達を実現

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公開日:2014/08/28

岩手県の沿岸部中央、南端に位置する重茂半島は、漁業従事世帯が約90%を占める純漁村地区です。JFおもえ(重茂漁業協同組合)(以下漁協)は、重茂半島に点在する漁港を統括し、漁業に携わる方々をさまざまな面からサポートしています。

【導入の背景】震災の影響により、システムの見直しが必要
【導入の効果】新システムを導入後、情報伝達の精度が向上

出漁の可否を知らせる独自の規則『口開け』『口止め』

▲重茂漁港

 「漁業は大自然を相手にする仕事です。その日の海の状況を読み違えれば、漁に出た際に事故に遭う可能性もあります。そのため、『口開け』『口止め』という独自の規則があります」(JFおもえ・前川管理課長)

 「口開け」「口止め」とは、漁協が決める、漁の可否のこと。

 「翌日未明以降の海の状態が漁に向くと判断すれば、組合員に『口開け』、つまり漁に出ても大丈夫であることを連絡し、出漁できる組合員は準備に入ります。一方で、気象の急変など、なんらかの理由で漁を止めるべきと判断すれば、出漁の中止を連絡します。これが『口止め』です」(前川氏)

 この「口止め」が連絡されるのは、午前2時頃。同組合では、その伝達のために、FAXと無線を用いたシステムを長く使っていました。つまり「口止め」の際は、各戸にFAXを送り、また集落の各所に配置されたスピーカーから音声で漁の中止を伝えていたのです。

震災の影響によりシステムの見直しが必要に

▲漁協の情報配信設備

 しかし、このシステムを見直さざるを得ない時期がやってきました。そのきっかけとなったのは、東日本大震災でした。

 「平成23年の東日本大震災で、津波に襲われた組合員宅では、設置していたFAXやスピーカーが使えなくなってしまったのです」(前川氏)

「わかりやすさ」と「つかいやすさ」から、タブレット型端末を採用

 これを機に、漁協はシステムの更新に乗り出します。さまざまなソリューションのなかから、「わかりやすさ」「つかいやすさ」を重視して選ばれたのが、NTT東日本のインターネット回線網「フレッツ光ネクスト」などと、タブレット型端末「光iフレーム2」を組み合わせたシステムでした。

 このシステムでは、漁協から配信された情報が、各組合員宅にあるタブレットに表示されるとともに、同様の内容がプリンタで印刷されます。また同時に各戸のスピーカーからも、音声で情報が伝達されます。

新システムにより、情報伝達の精度が向上

▲各組合員宅にある「光iフレーム2」端末

 「音声情報は自動的に蓄積されるため、一度聞きそびれても聞き直しができます。またプリンタでの印刷はカラーとなり、モノクロだったFAXよりわかりやすいと好評です」(前川氏)

 そして、配信する漁協にとって、「受信確認」をチェックできる機能が大きな安心となりました。

 「『口止め』についての情報は、漁に出る組合員の生命の危険にかかわることです。受信できていない組合員宅には再配信できるので、組合員の生活を守る漁協としては心強いと思っています」(前川氏)

 漁協では、現在このシステムを隣接する宮古市街の商店との間で連携させ、買い物に役立てるような仕組みも検討中だといいます。

 「そうした方面での今後の運用、展開については、若い世代に任せたいと思っています。また使い方のヒントを得るために、このテレコム・フォーラムでの導入事例レポートなどが参考になればと思っています」(前川氏)

 海に面した小さな漁業の町。そうした日本のどこにでもありそうなシチュエーションでも、しっかりICTの力が生きている。そう感じさせてくれる取材でした。

組織名 JFおもえ(重茂漁業協同組合)
設立 1949年(昭和24年)7月
所在地 岩手県宮古市重茂第1地割37番地の1
代表理事組合長 伊藤 隆一
組合員世帯数 391戸(平成25年3月31日現在)
組合員数 正組合員501名/准組合員49名(平成25年3月31日現在)
事業内容 海産物の加工および生産
URL http://www.jfomoe.or.jp

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