企業ICT導入事例

-五洋建設株式会社-
iPadでセキュアな情報共有環境を実現

 海洋土木にはじまり、現在では総合土木建築大手として国内外に知られる五洋建設株式会社。しかし、機密保持を重視する同社は、社員の社外での仕事の仕方にも厳格なセキュリティポリシーを適用していました。
 「社外で仕事を進める社員も多くいますが、機密保持の観点から、各社員にモバイルPCを持たせてというスタイルとは距離を置いていたのです」(経営管理本部 経営企画部 ITグループ長・大久保 光氏)
 そんな同社に、大きな転機が訪れます。それは2012年にはじまったiPadの導入です。

【導入の背景】会議のペーパーレス化
【導入の効果】テレビ電話機能の利用などにより業務が効率化

コスト削減を目的にiPadを検討

▲経営管理本部 経営企画部 ITグループ長 大久保 光氏

 「建設業では、会議に多くの資料を必要とします。2012年時点である部門でチェックしたところ、印刷費がひと月あたり120万円、用紙も10万枚を越えていました。iPadを導入してこうした会議資料をペーパーレス化して、コストと配布する手間の削減、そして紙という資源の節約ができないか考えたのです」(大久保氏)

 もちろん、会議のペーパーレス化という目的においても、持ち運びできるiPadで閲覧する以上、「資料の機密性」を確実に担保できることがポイントとなります。

 「ペーパーレス会議システム向けソリューションの導入も考えましたが、現場の声を聞くと、遠隔地とのWEB会議での資料共有を求める声が多く上がりました。

 そこでセキュアなファイル共有ソリューションの導入を決め、いくつかの候補の中から伊藤忠テクノソリューションズが提供するサービス『SmartBiz+(スマートビズプラス)』を選定したのです」(大久保氏)

 iPadはまず数十台の試験導入からはじまり、コスト面の優位性を確認後、2013年から本格的な導入がはじまりました。

社員が生んださまざまなiPad活用法

▲導入されたiPad端末

 こうして、ペーパーレス会議での利用を目的としてはじまったiPadの導入ですが、実際には現場の発想や工夫で利用方法が拡大していくことになります。

 「とくに使い方で目立つのが、施工現場で必要な図面や資料の共有、持ち歩きです。いままでは、施工現場で図面が必要になると、いったん現場事務所に戻って資料をあたったり、PCを立ち上げて調べる必要がありました。それが手元のiPadだけで可能となったのです。これはかなりの効率化につながりましたね。また、図面だけでなく、現場で必要な法令関係の書籍も、iPadで閲覧するようになっています。これも、リアルな書籍ではとても実現できなかったと思います」(大久保氏)

▲海洋工事に使用する自航式浚渫船 「ANDROMEDAⅤ」の模型

 こうして東京土木支店が生み出したiPadと『SmartBiz+』との連携による活用法は、現在iPadを導入している他の支店にも紹介され、全社的に拡大していると言います。

 まもなく本格化する東京オリンピック関連事業など、ゼネコンは今後いくつもの大型案件を抱えることになります。そうしたなか、iPad活用は、同社の業務効率化に大きく貢献することでしょう。

会社名 五洋建設株式会社
設立 1896年(明治29年)4月
所在地 東京都文京区後楽2-2-8
代表取締役社長 清水 琢三
売上高 3,559億円(平成26年3月期)
従業員数 2,390名(平成26年3月31日現在)
事業内容 建設工事の設計および請負、コンサルタントおよび測量業、地域・都市開発および海洋開発業、不動産業など
URL http://www.penta-ocean.co.jp

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