企業ICT導入事例

-医療法人社団 豊泉歯科医院-
個別導入されていたICTの統合と最適化で診療業務に注力

経営規模が小さく、専任の担当者を置けない事業所では、ICTのスムーズな活用は困難です。群馬県前橋市の豊泉歯科医院は、「全体最適」のコンサルティングにより院内のICTを見える化、業務効率化に結びつけました。

【導入の狙い】個別導入により管理が不十分なICTを見える化したい
【導入の効果】無駄なコストを削減、日常の運用からの不安を一掃

個別導入ICTにより「万一」に不安が

▲理事長 歯科医師 医学博士・豊泉 修氏

豊泉歯科医院は、1974年の開業以来40年以上にわたり、地域の歯科医療と口腔衛生に貢献してきました。

「群馬県はクルマ社会のため、医療機関もロードサイド立地が一般的です。ただ当院は住宅地に隣接しており、徒歩での患者さまも多くいらっしゃいます。常勤歯科医師は私を含め3名で、日曜以外は毎日診療しています」(豊泉氏)

医療機関においても、ICTの導入と、その積極的な活用は、経営上の重要課題の一つです。しかし豊泉氏は、ICT化の進展にともなう悩みを抱えていました。

「ビジネスフォン、電子カルテ、会計のためのレセプトシステム、学会発表の資料を作るパソコンなど、院内にはさまざまなICT機材があります。しかしこれらの導入が五月雨式で、私も直接関与しなかったことで、全体像の把握が困難になっていたのです。また万一のトラブルの際の対応策も、きちんと定まっていませんでした」(豊泉氏)

また豊泉氏は、導入に関わった取扱会社の対応にも物足りなさを感じていました。

「例えば治療費のクレジットカード決済を行うためのCAT端末の回線をデジタル化しようにも、取扱会社は『デジタル対応機器は用意できますが、環境整備や設定はそちらで』というスタンスでした。そのため、旧来のシステムを使い続けるしかなかったのです」(豊泉氏)

「全体最適」を目指しシステムを更新

しかしこうした悩みの数々は、NTT東日本の訪問により、解決に向け動き出しました。

「NTT東日本から、架空工事や料金請求詐欺が頻発しているというお話があり、面談をお願いしたのです。そこで私たちが現在抱える悩みをお伝えしたところ、解決に向けご協力いただけるということになり、プロの目で見た現況調査をお願いしたのです」(豊泉氏)

NTT東日本からは、電話回線、機器、ITサポートまでを含む、包括的な内容の提案を受けました。

「提案は分かりやすく、主立ったものはすぐ着手をお願いしました。電話回線は『ひかり電話オフィスA』になり、ビジネスフォンも新型になりました。CAT端末も、配線工事を含め一括してお引き受けいただきデジタル化が問題なく完了しました。またICT機器についての問い合わせができる『ITサポート ミニライトプラン』※1やウイルス対策も導入され、“日常業務で何かあったら”という不安は一気に解消されました」(豊泉氏)

さらにクラウドサービス「あずけ~るPRO※2 10GB」の導入で、学会出席や大学での講義の準備も省力化されました。

「これまでは学会のたびに、診察室のパソコンで作った資料をSDカード経由でモバイルパソコンに移す手間がかかっていました。しかしご提案いただいた『あずけ~るPRO』なら、クラウドに保管した資料にモバイルパソコンからも直接アクセスできるため、そうした手間もなくなります。本格的な学会シーズンはこれからですが、負担軽減に大いに役立ちそうです。また高崎市内の大学で受け持っている講義では、資料を毎年修正しながら使うため、診療室のパソコンとモバイルパソコンで資料の新旧を取り間違える不安がありました。これも『あずけ~るPRO』で解消されるでしょう」(豊泉氏)

将来的にはICTによる予防医療も視野に

▲院内に存在するさまざまなICT機材を一元サポート

豊泉氏は、今回のNTT東日本の提案と導入の成果を以下のように語ります。

「いろんな業者さんから話を聞いても、そのどれが最適か、また組み合わせた時にどうなるのか、私たち素人には判断ができません。しかし今回はワンストップで、かつ利用時に出てくる問題も含め、解決してくれました」(豊泉氏)

今後、同歯科医院では、さらなる患者さまの利便性向上と虫歯予防のためのICT導入も見込んでいます。

「現在の歯科医療において重要な“虫歯にならないための知識”を、待合室に設置したデジタルサイネージで患者さまに分かりやすくお伝えしようと思っています」(豊泉氏)

また同歯科医院は、近隣に大型の団地があることから、患者さまに占める高齢者の割合が年々増えてきています。

「今回のICT更新で、患者さまに向き合う時間がより長くとれるようになりました。ただ本格的なバリアフリーを考える上で、現在の建物は細かい手直しだけでは追いつかない状況にあります。また外出が困難なご高齢者への訪問診療のニーズも、年々高まっています。向こう数カ年のうちに訪れるこうした状況への本格対応にあたっても、できるだけ最先端のICTを導入し、患者さまに最適の歯科医療をご提供したいですね」(豊泉氏)

日々の診療と研究、そして大学での授業と、多忙な毎日を送る豊泉氏に、ICTによるサポートは今後大きな追い風となるはずです。

※1 ITサポート ミニライトプラン:オフィスIT機器の相談ごとやトラブルの際の、電話やパソコンの遠隔操作、訪問などによるサポート対応サービス。

※2 あずけ~るPRO:法人向けの高セキュリティなオンラインストレージサービス。

組織名 医療法人社団 豊泉歯科医院
設立 1974年(昭和49年)
所在地 群馬県前橋市広瀬町3-15-1
理事長 豊泉 修
診療科目 歯科・歯科口腔外科・小児歯科・矯正歯科
URL http://www.toyoizumishika.com/

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