企業ICT導入事例
-株式会社クラウドワークス-人的リソースの活用に革命をもたらすクラウドソーシング
「適切な価格はいくらなのか」「どこに発注すればいいのか」・・・、外注先の選定は難しいものです。インターネットを使ってそれを解決する仕組みがクラウドソーシング。全国の専門人材と企業を結ぶマッチングサービスです。
【導入の狙い】企業と個人事業者をつなぐ「場」の創出
【導入の効果】個人事業者の発想力を取り入れた企業の価値創造
外部委託したい企業と仕事がしたい個人をインターネット上でマッチング
▲代表取締役社長 CEO・ 吉田 浩一郎氏
はやりの格好の良いウェブサイトを作りたい、新商品をアピールできるロゴを作りたい、といったようなニーズが社内で生まれたとしましょう。従来であれば、こうした社内でこなせない業務は、地元の制作会社や広告代理店を探し出して外部委託(アウトソーシング)するというのが一般的でした。しかし近年は、依頼すべき作業内容が明確なら、ウェブデザイナーやロゴデザイナーなどのスキルを持った個人事業主に、地理的な制約に縛られることなく、作業を直接発注し、成果物を得るというアウトソーシング方法を選べるようになっています。
これを可能にしているのが「クラウドソーシング」というサービスです。仕事を外部委託したい企業と、仕事をしたい個人とをインターネット上でマッチング。スキルのあるプロフェッショナルにダイレクトに仕事を発注できるため企業側には、外部委託コストの大幅な削減、成果物を得るまでの期間短縮、成果物の質の向上などと同時に、社内業務の効率化といったメリットをもたらします。一方の個人側は、確実な収入やスキルアップ、時間・場所、子育て・介護などのライフイベント、年齢などに縛られない働き方が可能といったメリットを得ることができます。
日本国内のクラウドソーシング・サービスは2010年代に入って本格化。これまでに数十の事業者がサービスを提供しています。市場規模はすでに400億円ほどに成長していると見られており、2017年度には1,500億円規模にまで拡大すると見込まれています(矢野経済研究所予測)。
高い専門性の人材を探し難い地方企業にも大きなメリット
▲本社ロビーには、活躍中のクラウドワーカー(受注者)の写真がズラリと飾られています。優秀な人材を発掘・顕彰することは、クラウドワーキングを普及させるためには不可欠な業務です
こうした中で、クラウドソーシング業界をリードする存在が株式会社クラウドワークスです。同社は、2012年3月から社名と同じ名称のクラウドソーシングサービスをスタート。2015年8月現在、同サービスの登録者は70万人、発注企業は10万社という国内最大級のサイトに成長しています。
同社の吉田氏は、クラウドソーシングについて、次のように解説します。
「カーシェアリングやレンタルサーバーに代表されるように、現代は保有せずに使った分だけ払う“従量課金”の時代に入っています。人的なリソースも同様です。自社の業務内容との関連性は低いものの、高い専門性を求められる人材を雇用者として常時確保しておくのではなく、必要な時に必要な分だけ働いてもらい、費用を支払う。こうしたクラウドソーシングの考え方は、多くの雇用者を抱えるのが難しい小規模な企業や個人商店にとって大きなメリットといえます」(吉田氏)
また、地方では高い専門性を持つ人材を身近なところで探し出すことが難しいケースもあります。インターネットなら地理的制約を超えることが可能なため、地方企業のこうした課題の解消にも役立ちます。
「クラウドソーシングは中小企業、地方企業にとって、まさに“人的リソース調達の革命”ともいえるのです」(吉田氏)
従来の外注のイメージがガラリと変わる
▲社内にあるセミナールーム。新しいビジネスのため、利用者にその理解を深めてもらう活動は不可欠。発注する企業や受注するクリエーター向けに説明会やセミナーなどを開催しています
「クラウドワークス」サイトを介して業務を外部委託するクライアントは、当初、IT企業やベンチャーの案件が中心でした。しかし最近では、トヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャル・グループ、NTTなど日本を代表する大手企業、あるいは官庁や地方自治体といった行政機関にも広がっています。
そして、クラウドソーシングを活用することにより、これまでの“外注”というイメージを大きく覆す成功事例も数多く出ています。例えば、大塚食品の「ボンカレー」。そのセールスプロモーションのため、キャッチコピーの募集を「クラウドワークス」上で行いました。用意したのは、最優秀者1名に支払う10万円だけでしたが、わずか7日間の募集期間で約4,900ものキャッチコピー案が集まりました。従来の方法でこれだけの予算効率、候補案数を実現することは、まず不可能でしょう。
当然ながら、クラウドソーシングで外部委託できる業務は、これまで述べてきたようなデザイン、広告といった分野に限りません。データの入力代行といった専門性があまり求められないものから、翻訳や経理代行、映像編集、さらにはスマートフォンのアプリケーション開発、回路基板設計といった極めて高い専門性や技術スキルが必要なものまで揃っています。クラウドワークスの場合、その数は約200種類にも及びます。
クラウドソーシングを上手に活用するためのポイントとは
産業構造が変わり、インターネットで物の売買が一般的になってきたように、今後はインターネット上でのサービスの売買もますます広がると考えられます。クラウドソーシングの場合、発注先の選定から作業中のやり取り、納品まで、すべてがインターネット上で完結しますから、初めて利用する際の不安を解消し、継続的に賢く利用していくには、次の三つのポイントを意識しておくと良いでしょう。
①小規模、少額な案件から始める
クラウドソーシングでは数百円、数千円といった金額から外部委託が可能です。こうした案件から始めて経験を蓄積したり、信頼できる登録者を探したりすることをお勧めします。
②委託先をパートナーとして扱う
発注企業が委託先を選べるのと同様に、委託先である個人は発注企業を自由に選べます。“下請け”という古い意識は捨て、協力して案件に取り組むパートナーとして接することが大切です。
③成果物のレベルを評価できる目を鍛える
外部委託を仲介する企業などが存在しないため、納品される成果物の品質を発注者自身で判断しなくてはなりません。善し悪しを見極める目を鍛えておきましょう。
会社名 | 株式会社クラウドワークス |
---|---|
設立 | 2011年(平成23年)11月11日 |
所在地 | 東京都渋谷区神南1-18-2 フレーム神南坂3階 |
代表取締役社長CEO | 吉田 浩一郎 |
資本金 | 16億9,068万2,000円 |
事業内容 | クラウドソーシング事業 |
URL | https://crowdworks.co.jp/ |
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