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企業ICT導入事例

ICT導入事例-株式会社サーチフィールド-

クラウド

公開日:2015/07/24

ネットでの資金調達「クラウドファンディング」が地方を活性化

資金調達のための新しい仕組みというだけでなく、新事業創出の面からも話題のクラウドファンディング。株式会社サーチフィールドが提供する「FAAVO※」は地域活性化をサポートするクラウドファンディングとして注目を集めています。

「クラウドファンディング」とは?

▲取締役 FAAVO事業部責任者・ 齋藤 隆太氏

 新規事業や新製品開発のアイデアがあっても資金調達が難しいケースは少なくありません。特に、ベンチャー企業や中小企業にとっては永遠の課題です。

 この問題を解決する手段として注目を集めているのが、「クラウドファンディング」です。クラウドファンディングとは、インターネットを使って、不特定多数から小口資金の提供を募り、必要な資金の調達を実現することを指します。

 2014年度の世界のクラウドファンディングによる総調達額は2兆円。2015年には倍増の4兆円が見込まれています。事業や製品開発に留まらず、芸術活動や被災地・途上国支援など社会的な活動にもクラウドファンディングは活用されています。アイデアや夢を持つ人と、資金を提供する人が直接つながり「志」を共有できることも急速な普及の背景にあります。

 この流れを受け、日本でもクラウドファンディングを運営する会社がすでに10社以上活動しています。

都市在住者が故郷とつながるためにICTにできることとは

▲地域の人々とのつながりの場となるプロジェクトが各地で展開されています

 「FAAVO」は、株式会社サーチフィールドが提供する、地域・地方での資金調達に特化したクラウドファンディング・サービスです。コンセプトは「出身地と出身者をつなげる」。もちろん、自分の出身地だけでなく、ほかの地域でも関心があれば資金提供は自由です。

 なかなか帰る機会のない出身地。一方で、地元を気にかけている出身者。「FAAVO」の発案者である同社の齋藤氏も、東日本大震災をきっかけに自身と出身地とのつながりの希薄さを感じていました。このギャップを埋めるための仕掛けとして、クラウドファンディングにたどり着きました。

 「出身者にとっては、資金提供という身銭を切ることで、出身地への愛情を改めて確認することになるでしょう。同時に、地元のプロジェクト起案者(資金調達を望む人)を応援したり交流したりすることで、いったんは断絶した出身地の社会や人々と新しいつながりをつくれます。出身地にとっては地元の活性化が期待できます」(齋藤氏)

地元を知るエリアオーナーがプロジェクトを近くで支援

 「FAAVO」の特長の一つが「エリアオーナー制度」です。地元をよく知り、人脈なども持つ組織や個人をエリアオーナーとして募集。担当地域ごとにウェブの運営、プロジェクト起案者の発掘、資金調達を成功に導くさまざまな支援、さらにクラウドファンディング自体の普及にもあたります。

 「この制度を用意した理由は二つあります。一つには、東京にいる私たちでは探しきれない地元のアイデアや人物を拾い上げてもらうため。二つ目は、クラウドファンディングで必要とされる一連の取り組みを100%やり切るためのサポートをプロジェクト起案者のすぐそばでしてもらうためです」(齋藤氏)

 特に地方の場合、アイデアはあっても、経験や人脈のなさからプロジェクトが立ち消えになってしまうことも多いようです。

 「プロジェクトを話だけで終わらせないためには、経験豊富な“仲間”が必要です。エリアオーナーはそうした存在として、プロジェクト起案者のすぐそばで一緒になって努力します。100%やり切った経験を持つプロジェクト起案者が増えることは、地域の人材育成という意味でも大切です」(齋藤氏)

 現在、活動中のエリアオーナーは30団体ほど。活動エリアは主に都道府県単位ですが、最近では市単位など、より地域を絞って活動するエリアオーナーも増えています。また、当初多かったNPO法人や広告会社に加え、自治体、信用組合、地方新聞社、地方放送局、一般企業などエリアオーナーを担う主体は広がっています。

宮崎のモダンな工芸品をニューヨークで売り込む

 2012年6月にスタートした「FAAVO」は、今年4年目を迎えました。この間に扱ったプロジェクト数は400件超。1,000万円を超える資金調達に成功したケースも出ています。

▲地域やプロジェクトの特徴がよく分かる「FAAVO新潟」と「FAAVO宮崎」のトップ画面

 こうした中で、強く齋藤氏の記憶に残っているのは、宮崎県日南市へのIターン者が立ち上げた「飫肥杉(おびすぎ)世界展開」プロジェクトです。地元名産の飫肥杉で作られた高級小物や家具の売り上げ拡大に向け、海外でのブランド化に挑戦。ニューヨークで開かれるギフトショーへの出展費用調達を目指しました。

 「325万円の調達に成功し、2014年8月のショー出展にこぎ着けました。自治体の金銭的な支援に頼らなくても、多くの人々の小さな力が合わさることで思いを形にできることが証明できました。『FAAVO』を使ってプロジェクトを行うことで得られるのは、単に資金だけではありません。ウェブをはじめとする情報発信のノウハウ、プロジェクトを応援してくれる人々とのネットワーク、プレマーケティングの機会、そして何より、やり切った自信が得られます」(齋藤氏)

クラウドファンディング、活用のポイント

 「FAAVO」をはじめ日本でもクラウドファンディングを手がける仲介企業は増加しています。資金調達の選択肢が増えることは、企業としては歓迎できることです。

 しかし、日本では黎明期にあるクラウドファンディング。効果的な活用には注意点もあります。まず利用目的を明確にすること。資金調達だけを目的とするのか、新製品の反応を見るためのマーケティング面をも重視するのかどうか。もう一つは、仲介企業の特徴を見極めること。クラウドファンディングの仲介企業には、モノづくり、コンテンツ支援そして「FAAVO」のような地域活動や社会貢献事業に強いなどそれぞれに特徴があります。自社で資金調達したいプロジェクトと類似の成功事例があるかどうか、各社のサイトで調べることをお勧めします。

※FAAVO:FAVORITE(好きな気持ち)、FAVOR(えこひいき)とACTION(行動)の「FA」「A」「VO」の文字を合わせたもの。地元への愛情を持つだけでなく、行動する気持ちを真ん中に持って行こう、という意味が込められている。

会社名 株式会社サーチフィールド
設立 2008年(平成20年)7月28日
所在地 東京都渋谷区桜丘町2-9 第1カスヤビル5F
代表者 小林 琢磨
資本金 1,000万円
事業内容 クラウドソーシング事業、自社メディア運用事業、コンテンツ制作事業
URL https://www.searchfield.jp/

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