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-株式会社ハッシン会議-
企業SNSの上手な運用方法と成果を生むための実践ポイント

記事ID:D10063

広報活動の一環として、SNS運用に取り組む企業が増えています。販路開拓やブランディング、採用などの場面で顧客と直接コミュニケーションを図れる点がSNSの大きな魅力であり、今や企業にとって欠かせない存在となっています。そこで今回は、企業のSNS運用支援を手がける株式会社ハッシン会議のSNSアドバイザー・刑おさかべ部 友ゆり理氏に、効果的なSNS運用のポイントについてうかがいました。

従来広報の限界を超えた企業SNSのメリット

広報実務サポーター(SNSアドバイザー)
刑部 友理氏

 XやInstagram、Facebook、YouTube、TikTokなど、SNSのプラットフォームは多様化しており、広報戦略や顧客コミュニケーションの一環として、SNS運用に挑戦する企業が増えています。企業がSNSを活用するメリットについて、刑部氏は次のように話します。

 「企業がSNSを運用する目的は認知度の向上や採用、ブランディングなど多岐にわたりますが、従来の広報ツールだけではアプローチできなかった層に訴求できる点が魅力です。例えば、営業担当が訪問できない地域、会社説明会を開催できない場所であっても、SNSを通して情報を届けることができます」(刑部氏)

 また、刑部氏は「SNSはコミュニケーションツールとしての価値も非常に大きい」と続けます。

 「近年は人々が情報を調べる際、Googleなどの検索エンジンではなくSNSを起点とするケースが増えています。そのため、企業がホームページで顧客接点を確保するだけでは不十分になってきています。さらに、ショップ機能やアンケート機能などを備えたSNSも あ り、よ り ダ イ レクト な 形 で ユ ーザーの声を聞いたり、商品やサービスのPRができるようになっています。このように、SNSはユーザーとの双方向コミュニケーションを通じて、購買促進まで担うプラットフォームへと進化しています」(刑部氏)

SNS運用を成功に導く 五つのステップ

 SNS運用の重要性が高まる一方で、いざ自社で始めようとすると、何から手をつけるべきか戸惑う企業も少なくありません。そこで、刑部氏は導入から運用までの流れを「目標設定」「ターゲット選定」「使うプラットフォームの決定」「運用担当者を選ぶ」「運用ルールを定める」の五つのステップに分けて解説します。

 「まずは、SNSを運用する目的を明確にします。認知度アップや採用、売上拡大など、経営課題と紐づけて考えることが重要です。続けて、情報を届けたいターゲットとなる層を選定します。自社商品を購入する可能性のある属性や、採用したい人材がどのようなSNSを使用しているのかを踏まえて、運用するプラットフォームを決めていきます(表参照)。例えば、認知度向上のためなら幅広いユーザーが利用しているXやYouTube、女性がターゲットなら女性ユーザーの多いInstagramといったように、目的やターゲットに合わせたSNSを選ぶのが基本です」(刑部氏)

出典:株式会社ハッシン会議

 また、SNSは文字や写真、動画など適した表現方法も異なるため、それぞれの特性を踏まえて選ぶことも重要です(表参照)。

 「例えば、Xはリアルタイム性やユーザーの多様さが強みで、日常的な発信やカジュアルな交流に向いています。Instagramは写真やショート動画を中心としたプラットフォームで、商品の魅力や企業の雰囲気を視覚的に伝えやすいのが強みです。Facebookは人気があり、ビジネスパーソンの利用が多いことから、プレスリリースや告知など公式性の高い情報発信に適しています」(刑部氏)

 次のステップは、SNSの運用担当者の選定です。選定ポイントについて、刑部氏は次のように説明します。

 「SNSを始める時に陥りやすいのが、トラブルを避けたいあまりに慎重になりすぎることです。確認プロセスが増えすぎると、時間ばかりかかりSNSの強みである即時性が失われてしまうリスクもあります。そのため、基本的には運用の担当者を一人にしぼり、一定のルールのもと裁量を持たせたほうが、スムーズに継続できることが多いです。担当者の選び方としては、日常的にSNSを利用しているなど、SNSに苦手意識がないことに加え、自社への愛着があることも重要です。企業についてポジティブに発信できるかどうかは、大きなポイントになります。広報担当者はもちろん、人事や営業など、さまざまな部署から『自社の商品やサービスについてもっと世の中に発信したい』という思いのある人を募ってみましょう。そのほかにも、カメラが扱える人や動画編集ができる人などにサポートをお願いすると、運用担当者の負担が大きくなりすぎるのを防げます。予算に余裕があるなら、投稿用のテンプレート作成や採用コンテンツの動画だけプロに外注し、それらの素材を活用して運用するという方法もあります」(刑部氏)

 最後に「運用ルール」です。運用上、特に注意すべきなのが炎上への対策です。刑部氏は炎上防止の観点から「5Sに触れないことが重要」と指摘します。

 「政治・宗教・差別・スポーツ・セクシュアル(性)の5Sと呼ばれるようなトピックは意見が対立しやすく、議論の的になることが多いです。発信したくなる場面もあるかもしれませんが、企業のSNSはあくまでも企業の看板を背負うものです。その話題が本当に自社アカウントで扱うべき内容かを慎重に判断する必要があります」(刑部氏)

身近な情報こそが 価値ある発信に

 実際に運用を続けていく中で、多くの企業が「どのような情報を投稿すればよいのか」と悩みがちです。中には「ウチの会社には面白いものはないし…」と感じるケースも少なくありません。しかし、刑部氏は「自社にとって当たり前でも、外部からは見えないところだからこそ、知りたい!というニーズがある」と話します。

 「例えば、製品ができ上がるまでの工程をまとめた『工場見学』のような投稿や動画は、近年大きな反響を得ています。ほかにも、オフィスの紹介や社員の方に登場いただく動画コンテンツなども社内のリアルな雰囲気や生の声を聞くことができ、採用目的のSNS運用でも人気のコンテンツです。TikTokやInstagramでは、社長や役員などが登場するクイズ企画などのショート動画が、企業への親しみを高めるコンテンツとして活用されています」(刑部氏)

 さらに運用を続ける中で、フォロワーが思うように伸びないという壁に直面することもあります。しかし、刑部氏は「数より質が重要」と強調します。

 「以前は、検索のアルゴリズムとしてフォロワー数が重視される傾向がありましたが、最近は“いいね”や保存数など、ユーザーからの反応の質が評価の軸になっています。初めから多くの反応を得るのは難しいため、まずは長期的な視点で取り組むことが重要です。取引先や地域の企業、同業者のアカウントと交流するなどで少しずつ関係を広げていくのもよいですし、意外と見落としがちなのが従業員です。SNSとなると外へ目が向きがちですが、従業員や、その家族にも会社のことをより深く知ってもらう機会となり、会社への愛着を感じてもらうきっかけにできます」(刑部氏)

 SNSはこれまで機能面で進化を遂げてきましたが、活用の幅も今後さらに広がっていくと考えられます。今後のSNS活用について、刑部氏は次のように語ります。

 「現在は情報発信やユーザーとの交流が主な用途ですが、顧客の声を直接収集できる点を活かし、商品開発やサービス改善の指針としての活用も進んでいくでしょう。また、AIの活用にも注目すべきです。賛否はあるものの、運用リソースが限られる現場にとっては有効な手段の一つです。投稿文の作成やアイデア出しなど、一人では難しい業務を支援する存在として、AIは大きな力を発揮すると思います」(刑部氏)

 SNSは、日々の発信とコミュニケーションを通じて信頼を積み重ねることで、顧客との心理的な距離が徐々に縮まっていきます。こうした関係性の構築を支える手段として、SNSは今後ますます企業にとって欠かせない存在となっていくでしょう。

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法人名 株式会社ハッシン会議
設立 2020年(令和2年)1月22日
所在地 東京都港区南青山2-2-15 ウィン青山942
代表取締役 井上 千絵
資本金 100万円
事業内容 広報組織と広報人材育成のエキスパート集団として、組織作りや広報活動への伴走支援を展開し、企業のSNS運用支援や広報担当者のコミュニティ運営も行う
URL https://hasshinkaigi.net/

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