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ICTコラム

第3回 親子で考えて作る「スマホルール」

各家庭のインターネット利用環境が整い、携帯電話やスマートフォン利用の低年齢化が進んでいる今、小中高生のインターネットトラブルが増えてきています。「子どものインターネットリスクについて」の連載コラム第3回は、家庭に合わせた「スマホルール」を作る重要性についてお伝えします。

子どもにスマホを与える親の心配

 子どもに専用のスマホを与えた途端、スマホから離れなくなった──。そんな悩みがよく寄せられます。子どもたちが大好きなゲームには、毎日ログインするとボーナスがもらえたり、ゲーム仲間と協力してプレイする仕組みがあったりと、長時間遊んでもらうためにたくさんの仕掛けが施されています。また、SNSではメッセージ機能でグループの会話が途切れず、友人の輪から外れたくないために使い続けてしまう人も多くいます。
 毎日何時間もスマホに向かっている姿を見ると、親の心配は募ります。寝不足になってしまうのではないか、勉強がおろそかになってしまわないか、視力が低下するのではないか……など、悩みは尽きません。MMD研究所が2020年1月に発表した「今年初めてスマートフォンを持つ子どもの親に関する意識調査」(図1参照)でも、「スマートフォンを長時間利用しないか心配」が43.6%、「スマートフォンを使いすぎて成績が落ちてしまわないか心配」が39.6%、「直接知らない人とLINEやSNSでつながらないか心配」が33.1%となっています。

デジタルだけでは防げない

 長時間利用に関しては、ペアレンタルコントロール機能※1を使って、時間が経ったらロックがかかるように制限を設定することができます。しかし、いくらスマホやアプリで制限しても、防ぎきれないことがあります。それは、子どもが親との約束を破っても良いと考えている場合です。
 どうしてもスマホを使いたいと考えた時、子どもは何とか親が設定しているパスワードを知ろうとします。親の誕生日や電話番号の下4桁など、思いつく番号を入力します。画面についた指紋や、親の指の動きで推測して試してみる子どもも珍しくありません。親がスマホから離れている隙を狙って、親のスマホにパスワードを入れ、制限を解除していた例もあります。
 また、親に内緒で自分のパスワードを変更するなど、設定を変えることで親の監視を止めようとする子どももいます。叱って取り戻すことができても、結局はいたちごっこです。
 子どもたちが好きな動画サイト「YouTube」には、「スクリーンタイム解除の裏技」など、ペアレンタルコントロールを破る方法を解説した動画もあふれています。その手法で実際に解除することは不可能だと考えますが、手段を択ばずスマホを使い続けたい子どもたちが多いということです。

スマホルールを作ろう

 子どもが専用のスマホを持つようになった10年ほど前、アメリカで母親がスマホデビューする息子に渡した「スマホ18の約束」が話題になりました。詳しい内容については割愛しますが、あくまでもスマホは親が子どもに貸与しているという前提の下に、パスワードは親と共有すること、週末は21時にスマホを返却すること、修理費用は自己負担などが記されています。このルールは、子どもにスマホを持たせる際の考え方に迷っていた大人たちに指針を与えてくれました。「スマホ使用の主導権は大人が持つ」ことが重要なのです。
 とはいえ、アメリカでの話ですし、家庭それぞれの教育方針があるため、このルールをそのまま利用することは現実的ではありません。スマホデビューの際には、我が子に合ったスマホルールを作成することをおすすめします(図2参照)。すでにスマホデビューしているお子さんでも、使い方を見直すために作ってみてはいかがでしょうか。

 スマホルールは、親子で作ることが大切です。親が一方的に押しつけても、守ってもらえません。そこで、以下に一例を挙げておきますので、これを元に話し合いながら作成してみてください。
 まずは利用時刻と利用時間について。「この動画があと2分で終わるので2分延長して」と言った時は、「お手伝いと引き換えに延長する」という約束も良いですね。利用場所の制限は、テスト前の勉強不足解消にも役立ちます。また、犯罪に巻き込まれないように、「SNSで知り合った人に会いに行かない」ことも約束します。もし不審な人と出会ってしまった時のために、「普段から個人情報を公開しない」ことも大切です。そして、ゲーム課金※2も許可制にしましょう。子どもはお金の感覚がないため、気づくと莫大な金額になっていることがあります。そしてルールを破った時のペナルティについても決めておきます。スマホを預かることが最も効果的ですが、特定のアプリを一定期間制限する方法もあります。

「スマホルール」は紙に書くなどして目につくところに貼っておく

 作成したルールはリビングなど目につきやすい場所に貼っておき、いつでも確認できるようにしましょう。また、年齢やITリテラシーの成長、生活リズムの変化に合わせて、定期的に見直すことも大切です。基本的には学年が上がる時にルールの見直しを行うと良いでしょう。ルールを継続させるには、親子のコミュニケーションが何よりも大切です。

※1 ペアレンタルコントロール機能:保護者が子どもの使う端末の機能を制限できる機能。
※2 ゲーム課金:ゲームユーザーがゲームのために一定の料金を支払うことを「課金する」と表現する。

鈴木 朋子氏

ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー。日立ソリューションズにてシステムエンジニア業務に従事したのち、フリーランスに。SNSが専門で最新トレンドを常に追っている。身近なITに関する解説記事も執筆しており、初心者がつまずきやすいポイントをやさしく解説することに定評がある。スマホ安全アドバイザーとして、安全なIT活用をサポートする記事の執筆や講演も行う。近著は「親が知らない子どものスマホ」(日経BP)、「親子で学ぶスマホとネットを安心に使う本」(技術評論社)。著書は監修を含め、20冊を超える。

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