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ICTコラム

第2回 子どもを見守る「フィルタリングサービス」の 重要性

各家庭のインターネット利用環境が整い、携帯電話やスマートフォン利用の低年齢化が進んでいる今、小中高生のインターネットトラブルが増えてきています。「子どものインターネットリスクについて」の連載コラム第2回は、「フィルタリングサービス」で子どもを見守る重要性についてお伝えします。

学校と家庭が協力した、子どものネットリテラシー教育の必要性

 子どもが自分専用のスマホを持ちたがると、ほとんどの親は不安を感じて先延ばしにしたいと思うでしょう。スマホを持つということは、インターネットの大海原に一人旅に出るようなもの。インターネットの世界は、子どもだからといって決して容赦することはありません。
 だからといって、インターネットを使わせないわけにはいきません。現在、文部科学省は「GIGAスクール構想※1」の実現に向けて、一人一台の端末の整備、そして校内での高速ネットワークの整備を進めています。新型コロナウイルスの感染拡大の影響でGIGAスクール構想が前倒しされたこともあり、間もなくほとんどの自治体で端末が支給される予定です。学校の学習にもインターネットを活用する時代が訪れるのです。
 「それなら、学校でネットリテラシー※2を教えてもらえるのでは」と思いますが、実際にパソコンやタブレットを支給されているご家庭に話を聞くと、学校側の体制が整っていないこともあり、「ほぼ初期設定のまま渡されて帰ってきた」という話も聞きます。このままでは、子どもが自宅で自由にインターネットを楽しむ環境ができてしまうことになります。やはり、学校と家庭が協力して、子どものネットリテラシー教育を進める必要があります。

「フィルタリングサービス」導入の重要性

 現在、携帯電話会社では、子どもがインターネットを利用する際に、子どもの安全を守るためのツールを用意しています。それが、「フィルタリングサービス」です。フィルタリングサービスとは、子どもにとって有害なウェブサイトやアプリ、利用法を制限することができる仕組みです。
 フィルタリングサービスには、「スクリーンタイム(iOS※3のフィルタリング機能)」、「ファミリーリンク(Android OS※4のフィルタリング機能)」、「あんしんフィルタ-(NTTドコモ・KDDI・SoftBankの提供するフィルタリングサービス)」、「Windowsファミリー機能」などがあります。
 18歳未満がスマホを購入する場合、携帯電話会社はフィルタリングサービスについて説明を行い、設定をすることが法律で義務化されています。しかし、2021年(令和3年)4月20日に総務省が発表した「我が国における青少年のインターネット利用に係るフィルタリングに関する調査結果の公表」によると、スマートフォンを利用している青少年のフィルタリング利用率は38.1%に留まっています(図1参照)。

 この調査では、「フィルタリングサービスの知識」、「インターネットの問題が子どもにもたらす危険性認知」、「フィルタリングサービスの有効性認知」が高いほどフィルタリングサービスを利用していることが明らかになっています。一方、利用しない理由としては「特に必要を感じないため」「特に理由はない」など、漠然とした考えで利用していないケースが多いことが分かりました。また、親と共有のスマホを使っているため、フィルタリングサービスを導入していない端末を使わせているケースも、未就学児から小学生に多く見られます。
 また、フィルタリングサービスを利用していない子どもが犯罪に巻き込まれる率が高いとの調査もあります。「フィルタリングサービスがよく分からない」、「設定が大変そうで面倒だ」と、そのままにしておくとリスクが高くなります。

おすすめのフィルタリングサービス

 フィルタリングサービスのおすすめは、スクリーンタイム、もしくはファミリーリンクです。これらは家庭に合わせた設定が簡単で、無料で利用できるからです。例えば、深夜の利用を止める休止時間やアプリの利用時間の制限、不適切なコンテンツをブロックする機能、課金の禁止などを設定することができます。お子さんが利用する端末がiOSならスクリーンタイム(図2参照)の設定追加、Androidならファミリーリンクアプリ(図3参照)のインストールを行います。

 フィルタリングサービスを利用するには、お子さん用のIDが必要です。Apple ID、またはGoogleアカウントを親のアカウントから作成してファミリー登録をすると、親の端末から子どもの端末を制御できるようになります。
 例えば、子どもの端末は22時で休止、と設定すると、22時になるとロック画面になり、親がパスコードを入力しないと使えなくなります。これで、スマホに夢中になって夜更かしをすることがなくなります。また、子どもがアプリをインストールする際には、親の承諾が必要になります。親は事前にアプリ名が分かり、「写真アプリではあるがSNS機能がついている」などと、アプリの内容まで調べてから判断できるようになります。
 フィルタリングサービスはITが苦手な人には難しく感じるかもしれませんが、一度設定しておくと安心です。ただ、フィルタリングサービスに任せっぱなしでは防げないトラブルもあります。次回は、親子で考えたいスマホルールについてお話しします。

※1 GIGAスクール構想:児童生徒向けの一人一台端末と、高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備し、多様な子どもたちを誰一人取り残すことのなく、公正に個別最適化された創造性を育む教育を、全国の学校現場で持続的に実現させる構想。
※2 ネットリテラシー:インターネット・リテラシーを短縮した言葉で、インターネットの情報や事象を正しく理解し、それらを適切に判断・運用できる能力。
※3 iOS:AppleのスマートフォンであるiPhoneなどに搭載されている基本ソフトウエア。iPhone上でアプリを開いたり、接続した周辺機器の管理をしている。
※4 AndroidOS:Googleが開発した基本ソフトウエアで、Xperia、GalaxyなどiPhone以外の多くのスマートフォンなどに搭載されている。

鈴木 朋子氏

ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー。日立ソリューションズにてシステムエンジニア業務に従事したのち、フリーランスに。SNSが専門で最新トレンドを常に追っている。身近なITに関する解説記事も執筆しており、初心者がつまずきやすいポイントをやさしく解説することに定評がある。スマホ安全アドバイザーとして、安全なIT活用をサポートする記事の執筆や講演も行う。近著は「親が知らない子どものスマホ」(日経BP)、「親子で学ぶスマホとネットを安心に使う本」(技術評論社)。著書は監修を含め、20冊を超える。

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