電話応対でCS向上コラム
第6回 「訊く力」で情報を深める学問とは「問いを学ぶ」と書きます。つまり学問とは、よい問い(訊く力)を学ぶことだとも言えます。よい問いは、知識や情報を増やし、さらにはそれを深めてくれます。では、訊く力はどうすれば磨かれるのでしょうか。
訊き手も情報を発信している
現役時代、「アナウンサーの仕事の中で何が一番難しいですか?」という質問をよく受けました。躊躇(ちゅうちょ)なく「それはインタビューです」と答えました。まず相手の事を調べ、何を訊き、どう反応するか、そのひと言ひと言に、訊き手の考え方、判断力、教養、感性など全てが晒(さら)されます。訊き手は自身の情報を発信しているのです。それだけに、怖くもあり面白さもありました。
ひるがえって考えると、ビジネス電話応対にはこれと同じ難しさがあります。と言うよりも、ほとんどが声だけの初対面だと考えると、もっと厳しさがあります。
訊き方にはアンケート型と鉱脈型がある
訊き方の分類の一つに、アンケート型と鉱脈型があります。必要項目をアンケートをとるように、広く浅く訊くのがアンケート型。ここぞというポイントを、鉱脈を掘るように質問を重ねて、情報を深めるのが鉱脈型です。鉱脈型の訊き方のポイントは、しっかり聴いて、その相手の答えの中から、疑問に思ったことや不足情報を訊くのです。私たちは集中して人の話を聞くことが苦手です。聞きながらつい他のことを考えます。日常会話の中で、集中して聞く自主トレーニングをお薦めします。
無口な人から話を訊き出す
何を訊いてもあまり話してくれない人がいます。そういうときには、ひとまずこちらが訊きたいことよりも相手が話したいことを訊くのです。話したいこととは、不満、不便、不足の「3つの不」です。具体例でお話しましょう。通販で女性の下着を売って、売り上げNO1になった人の話を聴いたことがあります。彼女は、販売マニュアルはひとまず置いておいて、最初に「お客様、いまお使いの下着で何かご不満やご不便なことはございませんか?」と訊くのです。そしてその不満、不便をしっかり聴きます。すると、不満をお持ちのお客様は、そこから心を開いてくれるというのです。
上手に訊き出す5つのポイント
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何のために何を訊くのか、その目的をはっきりさせる。
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質問は短いことばで簡潔に(同時通訳がし易いように)訊く。
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共感を示す相づちや、相手の話の最後のフレーズを繰り返すリフレクティブを使う。
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疑問はあいまいにせずに、すぐに問い質す。
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興味のある話、大事だと思う話は、さらに深く訊いて話を深める。
岡部 達昭氏
日本電信電話ユーザ協会電話応対技能検定 専門委員会委員長。
NHKアナウンサー、(財)NHK放送研修センター理事、日本語センター長を経て現在は企業、自治体の研修講演などを担当する。「心をつかむコミュニケーション」を基本に、言葉と非言語表現力の研究を行っている。
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