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企業ICT導入事例

-パシフィックリーグマーケティング株式会社-
ICTとスポーツエンターテインメントを融合させ新たなファン獲得と収益アップを目指す

プロモーション

公開日:2015/06/25

ICTが急速に発展する現在、日本のスポーツエンターテインメントビジネスも大きな変革を遂げています。アメリカのMLB(メジャーリーグベースボール)をお手本に、ICTを意欲的に活用して新たなファン獲得を目指す、パシフィックリーグマーケティング(PLM)の取り組みをご紹介します。

MLBをお手本に球団経営の事業化を目指す

▲執行役員 マーケティング室  室長・根岸 友喜氏

 ICTの急速な発展は、スポーツエンターテインメントビジネスにも、変革をもたらしつつあります。そうしたICT活用に意欲的な組織の一つが、プロ野球のパシフィックリーグ(パ・リーグ)です。

 「パ・リーグ6球団が出資するパシフィックリーグマーケティングは、2007年に『パ・リーグ球団の地域密着』『リーグ全体の振興への積極的取り組み』を企業理念に設立されました。背景にあったのは、2004~2005年の球団再編での『球団単独で利益を上げることのできる事業会社へ』という機運の高まりです。お手本はアメリカのMLBでした」(根岸氏)

 MLBは全30球団一体となり、すぐれた収益構造を築いています。PLMはその手法に学び、球団経営の“真の事業化”を目指したのです。

 「意思決定の軸は『コストの削減』『売り上げの向上』でした。つまりインフラへの重複投資を避け、共同のプロモーションを行い、少ない予算で大きな観客動員効果を得ることです」(根岸氏)

成功事例の共有が各球団の増収につながる

▲試合中は、中継画面に表示される選手の成績データをPCで確認しながら入力する作業が続きます。

 独立した事業体である各球団が、なぜ共同でこうした取り組みをスタートできたのでしょうか。

 「スポーツエンターテインメントというビジネスは、オペレーションサイドと事業サイドという二つの側面を持っています。他球団はオペレーションサイドではライバルですが、ファンを拡大し、収益を上げるという観点では、成功事例を共有することにメリットがあるのです。パ・リーグは球団が全国に点在し、それぞれの商圏が異なるため、成功事例の共有は各球団の増収につながります」(根岸氏)

 とは言え、コミッショナーの強大な権限とリーダーシップで組織を動かすMLBとは、やはり事情が異なります。そのため根岸氏は、スタートにあたり、共通の目標を定めました。

 「6球団から自分と同じ目線を持つ人が集まってきてくれたので、目標を必ず達成するために、ビジョンとミッションを明確にしました。最終目標は、球場に足を運ぶファンを増やすこと、そのために新たなファンを獲得することです。球団はエリアマーケティングでコアなファン層に働きかけ、私たちはマスメディア、オウンドメディア※1を通じて『プロ野球は面白いよ』と情報発信を続け、底辺を広げるということです。合言葉は『デジタル領域において、日本のスポーツエンターテインメントの最先端を、パ・リーグが走ろう』でした」(根岸氏)

ネットで全試合をライブ中継する「パ・リーグTV」を拡充

▲選手データなどのメイン入力画面。視聴者が投球間などにデータを見て分析し、次のシーンを予想できるようになっています。

 そうした情報発信の取り組みの代表例が、パ・リーグの全試合をネットでライブ中継する「パ・リーグTV」の拡充です。

 「MLBのネット中継の利用者は、試合に足を運ぶ層よりも若く、30歳前後が中心です。つまり日本でも、ネット活用が若いファン獲得のために有用と考えたのです。実際に『パ・リーグTV』の視聴者は球場に足を運ばれるファン層と比べ、若返りと広がりを感じています」(根岸氏)

 そして「パ・リーグTV」は、現在も進化を続けています。
 
 「設立当初はアウトソースで配信し、レベニューシェア※2で利益を得ていました。しかし現在は球団の制作した映像をPLMに集め、配信しています。またライブ中継での各種データの表示も内製化しました。アウトソースとレベニューシェアによるビジネスモデルは、初期投資の抑制、リスク削減に効果がありますが、やはりあるべき姿は、一貫して自社で手がけ、大きな収益を目指すことです」(根岸氏)

 MLBも内部にネット配信システムを持ち、ネット事業を大きな収益源にしています。PLMも、これをお手本としたのです。

新たな取り組みがこれまでと異なるファン開拓へ

▲PLMでは、ライセンス商品の企画・販売や、6球団合同イベントの企画・実施管理も行っています。

 その一方で、新たな試みにも次々に挑戦しています。

 「投球内容はリアルタイムで表示されますし、ダイジェストシーンを切り取ってのSNSへの投稿は、作業者の判断で投稿できるよう権限を見直し、即応性を高めました。また現在は動画の自動タグ付けを導入中で、『ピッチャー名とバッター名』などのキーワードで過去3年分の対決シーンが瞬時に検索できるようになります」(根岸氏)

 こうした取り組みは、これまでと異なるファン開拓へ、大きな可能性を秘めています。

 「もちろん、最終的には『コアなファンづくり』が目標です。しかしライブ配信や過去のアーカイブ配信などを通じて“野球の面白さ”を体験していただくことを、第一歩としたいのです。そうしたファン獲得のために、画面の見やすさ、カッコ良さなどにも注力していきたいですね」(根岸氏)

 現在、プロ野球をテレビで観戦している方も、ぜひ一度、「パ・リーグTV」を体験してみてはいかがでしょうか。ICTと融合した、これまでにないスポーツエンターテインメントに、きっと魅了されるに違いありません。

※1 オウンドメディア:企業が消費者に向けて発信するメディア。自社発行の広報誌やパンフレット、インターネットの自社サイトなど。
※2 レベニューシェア:支払い枠固定の委託契約ではなく、パートナーとして提携し、リスクを共有しながら、あらかじめ定めた配分率で利益を分け合うこと。

会社名 パシフィックリーグマーケティング株式会社
設立 2007年(平成19年)5月14日
事業所 東京都港区浜松町2-1-17 松永ビル2F
代表取締役 村山 良雄(オリックス・バファローズ)
資本金 3,000万円
事業内容 公式ライブ動画配信サービス「パ・リーグTV」の企画・運用・管理、6球団共同イベントの企画・実施管理、リーグスポンサーの企画・販売・実施管理、プロパティライセンスの企画・販売業務など
URL http://tv.pacificleague.jp/ptv/pc/

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