企業ICT導入事例

-シャイニングアークス-
ICTを活用し、選手のコンディションを管理

【導入の狙い】選手のコンディション管理のため
【導入の効果】練習メニューの合理化を実現

スポーツの世界にも広がるICT活用

▲S&Cヘッドコーチ・奥野 純平氏

 鍛えた肉体と栄冠を目指すスポーツの世界にも、ICTを活用し、チームの強化を図るという動きが拡大しています。NTTコミュニケーションズ ラグビー部 シャイニングアークスも、そうしたICTの積極活用を図るチームのひとつです。

 「私たちシャイニングアークスは、2007年7月に、NTTコミュニケーションズ ラグビー部として活動を開始。現在はジャパンラグビートップリーグに所属しています」(S&Cヘッドコーチ・奥野 純平氏)

 奥野氏はバスケットの選手として活躍後、アメリカに留学、コンディショニング理論を学び、2008年から同チームにS&C(ストレングス&コンディショニング)コーチとして参画。選手のコンディション管理を統括する立場にあります。

ICTで選手のコンディションを管理

▲測定機器『GPSPORTS』

 「コンディション管理には、ICTの活用が欠かせません。そうしたツールのひとつが、この『GPSPORTS』です」(奥野氏)

 『GPSPORTS』は、タバコの箱の半分くらいの大きさの本体に、衛星を使い選手の位置を測定するGPSユニット、加速度センサー、そしてデータをワイヤレス送信するユニットを備えた測定機器で、外付け心拍計にも対応しています。

 「『GPSPORTS』を選手に装着して練習や試合をこなし、そのデータを解析すると、走行距離や全力疾走時間などのデータが明らかになります。選手のパフォーマンスは一定の距離を走ると低下がはじまり、チームの戦力に影響が出るだけでなく、ケガの原因にもなります。練習ではリアルタイムで、試合では終了後にそのデータを解析して総運動量を計測。オーバーワークになる選手が出ないように監視しています」(奥野氏)

 またオーバーワークだけでなく、運動量不足も、選手にとってパフォーマンス低下の要因となります。

 「ラグビーの練習は集団で行います。そのため、ときには走り足りない選手も出てきます。その場合は、追加の走り込みを指示するなどして調整します」(奥野氏)

『GPSPORTS』により合理的な練習を実現

▲走行距離や全力疾走時間などのデータを分析

 こうして『GPSPORTS』を用いた練習は、練習メニューの組み立て、ひいては内容そのものにも変革をもたらしました。

 「特定のプレーにおいて、あるポジションの選手が15秒間全力疾走するのであれば、その選手はトップスピードを15秒間維持することができる練習を心がければいいわけです。また、練習に組み込まれていた攻撃パターンのうち、じつは実戦でまったく登場しないものもあるということも判明し、練習メニューから外したというケースもあります。つまりICTによる“見える化”が、より効果の大きい練習メニューへの注力を実現したのです」(奥野氏)

ICTの導入がスポーツ全体の発展につながる

▲接触の少ない背中上部に『GPSPORTS』を装着

 奥野氏は、こうしたICTの導入が、トップリーグだけでなく、下位リーグや学生たちにも広がることを望んでいます。

 「こうしたICTの導入で、不要な練習がなくなったり、ケガに泣く若者が少なくなれば、それはラグビー全体、ひいてはスポーツ全体の発展につながるはずです」(奥野氏)

 “見える化”することで、練習メニューの合理化、故障の予防、チーム力維持を成し遂げている、シャイニングアークス。本格スタートした2014-2015シーズンの活躍に期待したいと思います。

2014-2015シーズンの試合(10月抜粋)

2014-2015シーズン ジャパンラグビートップリーグ
1stステージ公式戦

[第6節]10月12日(日)13:00
対戦相手:ヤマハ発動機ジュビロ
会場:富山県総合運動公園陸上競技場
[第7節]10月19日(日)13:00
対戦相手:パナソニック ワイルドナイツ
会場:太田市運動公園陸上競技場

サテライトリーグ
10月31日(金)時間未定
対戦相手:サントリーサンゴリアス
会場:サントリー府中スポーツセンター

チーム名称 シャイニングアークス
(NTTコミュニケーションズ ラグビー部)
設立 1976年(昭和51年)
ホームグラウンド 千葉県市川市二俣717
代表取締役社長CEO 吉田 浩一郎
部長 松山 知英
URL https://www.ntt.com/rugby/

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