企業ICT導入事例

-株式会社もしもしホットライン-
行動計測システムを用い生産性向上を実現

▲執行役員 情報産業本部 本部長
長谷川 智之 氏

 もしもしホットラインは、全国29拠点、2万人を超えるスタッフが稼働する国内有数のコールセンター受託運営会社です。1987年の創業以来、右肩上がりで成長を続けてきた同社ですが、規模が拡大するにつれて、スタッフ全員に目が行き届かなくなり、離職率や業務生産性など、コールセンターのマネジメント効率に課題が生じるようになったといいます。

 課題の解決を模索していた矢先、日立製作所から行動計測システム「ビジネス顕微鏡」を使って職場の活性度を計測、分析することでマネジメント効率の改善が期待できるか検証したいという提案がありました。ビジネス顕微鏡とは、名札型のセンサーを身に付けた社員同士の対面時間や身体的な動きといった物理的なコミュニケーション活動を計測し、膨大なセンサーデータを分析して可視化する日立のソリューションです。

 「日立が米国の大学や企業とビジネス顕微鏡の研究を進めるなか、『コールセンターで働くスタッフの離職率や業務生産性に、職場の活性度が影響している』ことが分かり、それを日本でも検証したいということでした。当社でも、感覚ではなくデータを計測・分析することで課題を解決したいと考えていましたので、日立と共同で検証に取り組むことにしました」(執行役員 情報産業本部長・長谷川 智之氏)

 コールセンター業務は、顧客からの問い合わせを受け付ける「インバウンド」と、見込み客に対してセールス・プロモーションを行う「アウトバウンド」に大別されます。もしもしホットラインではアウトバウンド業務についての検証を行うことになりました。

 「インバウンド業務では主に離職率との関係を検証しましたが、アウトバウンド業務は一人当たりの生産性、1時間に何件獲得できるかという受注率に焦点を当てました。これは、当社の収益にとってもインパクトのあるものです」(長谷川氏)

 全国のコールセンターのうち2カ所のコールセンターを選んで検証を行い、分析データを基に、休憩時間を調整したり話題作りをしたりなど、職場の活性度を改善するためのさまざまな取り組みを行いました。

 「その結果、職場のコミュニケーションが活発になると、受注率が向上するという効果が得られることが実証できました」(長谷川氏)

 こうした一連の検証結果から2013年5月、アウトバウンド業務の一部にビジネス顕微鏡を本番導入。また、離職率の改善を目的に、インバウンド業務についても実験を開始しました。ソリューションの導入後は、受注率の向上、離職率の低下という効果が得られています。

 もしもしホットラインでは、今後、実証で得られたノウハウを蓄積し、顧客企業に対してコンサルティングから導入まで支援するソリューションの提供を視野に入れています。

▲株式会社もしもしホットライン-受付

会社名 株式会社もしもしホットライン
設立 1987年6月
所在地 東京都渋谷区代々木2-2-1 小田急サザンタワー16F
代表取締役社長 竹野 秀昭
資本金 1,004億円(13年3月期、連結)
主要事業 BPOサービス事業

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