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  • 部署や業務ごとにテレワークの最適解を検討。 緊急避難的テレワーク、その導入と成功の秘訣は!?

    テレコムフォーラム PDF版はこちら 今回の新型コロナウイルス流行によるテレワー…

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    今回の新型コロナウイルス流行によるテレワーク導入で、業務効率の維持が課題となる事業者さまも少なくないでしょう。株式会社アントレンドは、部分的な在宅勤務と交代勤務により、その課題に挑んでいます。

    株式会社アントレンドは、中小企業のIT化を推進することを目指し、2002年に創業したソフトウェア開発会社です。得意とするのはクラウドを利用したオーダーメイドのアプリケーションで、特にブラウザを使い操作する業務アプリケーションに強みを持っています。

    「業務用としては安価な汎用のパッケージアプリケーションが多く流通しています。しかし実際に導入にあたっては、会社ごとの業務の流れの違いや企業文化により、改修が必要なことも多く、その改修費を含めると意外に高額になってしまったということも少なくありません。弊社ではお客さまのご要望をしっかりとヒアリングし、業務内容にフィットしたオーダーメイドのアプリケーションを開発、保守も責任を持って行います」(木村氏)

    ▲代表取締役社長 木村 隆行氏

    また同社はこのソフトウェア開発を軸足にしつつ、技術者の常駐型派遣も手がけています。これは、安定した売上げを確保し、本来の目的である受託型ソフトウェア開発に注力できる財務体質を確保するための経営戦略です。

    長期化する新型コロナウイルス問題に対応するためテレワークを決断

    今回の新型コロナウイルスが日本で問題視されはじめたころ、木村氏はテレワークへの移行を重要視していませんでした。当時は感染の広がりがここまで長期化することはあまり想定されていなかったからです。

    「小さな会社ですが、オフィススペースにはゆとりがあります。社員同士が“密”になっていることもないので、パーティションなどで区切れば十分で、たとえ自宅待機などで業務が滞るようなことになっても、短期間なら大丈夫だと思っていたのです。また派遣先にいる社員については、派遣先の指示に従うことで問題はないという認識でした」(木村氏)

    ところが新型コロナウイルスの感染者は3月後半にかけて増加を続け、短期間で収まるという見通しも不透明になってきました。そうした環境の変化を受け、同社はテレワークの導入に踏み切ることになります。

    「オフィスには営業、システム開発など、常時10人程度が出勤し、働いています。その10名にどのようにテレワークを導入するか、営業とシステム開発の責任者と話し、まずはシステム開発のエンジニアからテレワークがスタートしました」(木村氏)

    クラウド上にデータを置く仕事の流れがテレワークに奏功

    同社のシステム開発部には、以前よりテレワークの環境が用意されていました。しかしそれは、こうした事態にそなえたBCP対策としてではなく、お取引先のシステム保守を担当する管理職が、長期休暇などの時に社外から対応することを考えてのものでした。そのため一般の社員を含めたテレワークに取り組むのは、今回がはじめての機会となりました。

    「いきなりテレワークになると仕事に支障が出るのではないかということで、システム開発部6名のうち、交代で1〜2名ずつが在宅勤務を行うトライアルからスタートしました。最終的に役職者は社内勤務とし、一般社員が在宅で勤務するという形に落ち着きました」(萩原氏)

    ▲取締役 システム開発部 統括マネージャー 萩原 直樹氏

    実は同社のシステム開発部では、開発に必要な素材やデータなどはクラウド上に置き、開発そのものはそれぞれのPCにインストールされたソフトウェアで行うという業務スタイルをとっています。今回のテレワークへの移行にはこれが大きく貢献しました。つまり社員が自身で所有するPCにそうした開発環境を用意することで、自宅でもオフィスと同じように仕事を進めることができたのです。

    「もちろん、社外で行う業務ですから、テレワークにあたっては情報の管理などの誓約書を提出してもらいました。またセキュリティ上の観点から、お客さまからの受託開発案件ではなく、自社で使うプログラムの開発が業務範囲となっています」(萩原氏)

    出勤する管理職、在宅勤務の一般社員はそれぞれ3名。100%の在宅勤務ではありませんが、「人と人との接触」は大きく抑制できることになりました。

    機密データへのアクセスがネックとなり、営業部は交代勤務で

    一方、営業部のテレワークは苦労をともなっての船出となりました。営業部の業務の多くは技術者を派遣しているお取引先さまとのやりとりが中心で、そうした業務には社内のサーバーに保管された技術者の個人情報やお取引先さまとの契約情報など、機密情報が必要になります。しかしこうした情報を社外に持ち出したり、社外からインターネット経由でのアクセスを許可することは、情報漏洩のリスクがともなうため、社内のPCからのみアクセスできる仕組みとなっています。

    「部署にいる2名のうち、まずは私がトライアル的に、2日間在宅勤務しました。しかしお客さまから問い合わせがあるたびに会社に電話しなければならず、とても続けられないと判断するに至ったのです」(尾崎氏)

    そこで最終的に、尾崎氏ともう1名の社員が交代で勤務し、在宅でできること、オフィスでできることを切り分けて仕事する形態となりました。

    「外出先や自宅から会社にアクセスして仕事できれば便利ですが、やはり外で仕事することはリスクがともないます。便利だからというだけで何でもOKにするわけにはいかないと思います」(尾崎氏)

    ▲取締役 営業本部長 尾㟢 聡氏

    このようにオフィスで勤務する社員と在宅で勤務する社員にわかれて仕事することになると、コミュニケーションが課題になります。

    「システム開発部では、コミュニケーションアプリ『Skype』を利用し、必要に応じてオフィス勤務者と在宅勤務者、また在宅勤務者同士の意思疎通を図っています」(萩原氏)

    コミュニケーションと労務管理が課題として浮上

    こうした勤務形態となって約1ヶ月。この間を振り返り、木村氏は以下のように語ります。

    「システム開発部と営業部、それぞれが仕事を進める上でやりやすい形のテレワークとなりました。いわゆる“100%の在宅勤務”ではありませんが、出社する人数を減らしたことで、オフィスでの『人と人との接触』を避けることができただけでなく、在宅勤務により通勤での他人との接触も減らすことが可能となりました。またふだんから業務にクラウドや外部のツールを活用するなどしていたことが、在宅勤務でも大きく役立っていると思います」(木村氏)

    ただ実際にテレワークをはじめたことで、新たな課題も浮かび上がってきました。その代表例が、コミュニケーションです。

    「Skypeでつながっているとはいっても、やはり社内で机を並べての業務より、コミュニケーションは薄くなります。例えば社内でディスプレイを眺めて“固まっている”社員がいたら、何か開発においてわからないことがあるなど、その先に進めない状態になっていることがわかります。しかし目の届かない在宅勤務ではそれがわかりません」(萩原氏)

    「社内では困った時、行き詰まった時に誰かに話しかけることで解決の糸口が見えることがあります。しかし在宅勤務では、一人で考え、一人で結論を出さなければなりません。本格的なテレワークを導入することになれば、そこが課題になるのではないでしょうか」(尾崎氏)

    また在宅勤務のシステム開発部社員からは、「自己管理がきつく、出社して仕事したほうが楽でいい」「就業時間中、ずっとディスプレイの前に座っていなければならない気がする」といった声も上がっているとのことです。 「自分自身も、ついつい夜遅くまで仕事してしまうなど、仕事とプライベートがうまく切り分けられないことがたびたびです。そのあたりをどうコントロールしていくかも課題になるでしょう」(尾崎氏)

    再来する危機対応のため、平時からの取り組みを推進

    そして木村氏は、将来のテレワークに向けての方策も、すでに検討をはじめています。

    「今回は緊急避難的なものとしてはじめたので、システム開発部においては社員が個人所有するPCに業務用のアプリケーションをインストールし、仕事してもらっていますが、やはりこうした事態がまた訪れることを考えたら、会社として持ち出せるPCを用意し、より安全な方法で業務データのやりとりができるようにするなどの対策が必要でしょう。またテレビ会議を行うこともありますが、そのために必要なWebカメラやヘッドセットが足りなくて、順番待ちが出ています。こうした機材もしっかり準備しておかなければならないと感じました。テレワークにかかわる補助金、助成金の活用も積極的に検討し、対応を進めていきたいと思います」(木村氏)

    最後に木村氏に、今後の展望をうかがいました。

    「私たちのような小さな会社は、決めたことをスピーディに取り組めるのが強みです。今回もテレワークを導入すると決めてから、わずかな期間で体制を整えることができました。大企業であれば、各部署のコンセンサスなどが必要になりますが、中小企業ではトップの決断があれば、その時その時でベストな施策が打てると思っています。ただ経営者として思うのは、けっして『テレワークありき』ではないことです。今回は緊急避難的にテレワークとなりましたが、平時のテレワークでは『それが生産性向上につながるのか、出社しての仕事よりパフォーマンスが高まるのか』がつねに問われることになると思います。そのあたりの意識を社員にも徹底し、取り組みを進めていきたいと思います」(木村氏)

     
    会社概要
    株式会社アントレンド
    会社名
    株式会社アントレンド
    設立
    2002年(平成14年)10月4日
    本社所在地
    東京都港区芝浦2-14-13 MCK芝浦ビル6F
    代表取締役社長
    木村 隆行
    資本金
    2,500万円
    事業内容
    情報事業(ウェブクラウド系・移動体通信系)、人財事業など
    URL
    https://www.entrend.net/
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  • 「今すぐ始めるテレワーク」 対応は急務だが、注意すべき点は何か?

    テレコムフォーラム PDF版はこちら 新型コロナウイルス感染の広がりで、多くの会…

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    新型コロナウイルス感染の広がりで、多くの会社が業務遂行に大きな支障をきたしています。その解決策の一つ、テレワークを導入するにあたり、どのような手順を取ればいいのか、情報通信総合研究所の國井昭夫氏に聞きました。

    “やむを得ず”のテレワーク、導入のステップとは?

    新型コロナウイルス問題で、テレワークが注目されています。

    「テレワークには大きく三つの類型があります。まずは移動中や外出先での仕事を想定した『モバイルワーク型』、サテライトオフィスやコワーキングスペースで仕事する『サテライトオフィス勤務型』、そして自宅で仕事する『在宅勤務型』です。それぞれにメリットはありますが、とくに今回は政府の『人と人との接触をできるだけ少なくする』という要請を受けて行う意味から、在宅勤務型のテレワークが中心となるでしょう。つまり『ふだん会社で行う仕事を、家でやる』イメージです」

    ▲株式会社情報通信総合研究所 社会公共コンサルティング部 主任研究員 國井 昭男

    とは言え、どのようにテレワークを導入すればいいのか分からない企業も少なくないと思います。

    「平常時でのテレワーク導入であれば、まず業務の切り分けから入るのが一般的です。つまり『社内でできる業務かどうか』や『一人で集中すれば、よりすぐれたアウトプットにつながる仕事なのか、それともグループで取り組むことがいい結果を生むのか』を検討し、その上で選択した業務内容をテレワークで行うというアプローチです。しかし今回は“やむを得ず”であり、言葉を換えれば『緊急避難的テレワーク』となります。業務の遂行を第一に考え、まずは『家でできる仕事』を持ち帰り、自宅で作業することが優先となるでしょう」

    そうした仕事は、どのように“持ち帰る”ことになりますか。

    「社外から業務システムにアクセスできる仕組みがあれば問題ありませんが、中小企業の多くはそうした仕組みを導入していないと思います。つまり会社のデータや資料を物理的に“持ち帰る”必要があるということです。ここで課題になるのは『セキュリティ』ですが、今回は緊急避難であり、そのあたりには目をつぶるしかないと思います。つまりそうしたデータや資料をUSBメモリなどに入れて持ち帰り、自宅にあるPCを使い作業することになります」

    USBメモリやファイルはパスワードで保護して対策を

    しかしまったくセキュリティ対策を施さないというわけにもいかないと思います。

    「はい。そこでUSBメモリそのもの、さらにUSBメモリにコピーしたファイルにはパスワードを設定し、万一紛失や盗難にあっても、ファイルの中身を第三者が確認できないようにすべきです。また自宅のPCのOSにはアップデートを正しく適用し、アンチウイルスソフトも必ずインストールしましょう。またご家庭ではほかの家族とPCを共用している方もいらっしゃると思いますが、その場合は業務用に新たにアカウントを設定し、他の利用者から業務で使うファイルを“のぞき見”されないようにすべきです」

    例えば製造業や、土木や建設など工場や現場で作業する会社では“仕事の持ち帰り”が難しいと思います。どんな対応が可能でしょうか。

    「『うちはテレワークできる仕事がないから』というご意見も、よくうかがいます。しかしそうしたお仕事であっても、準備や報告のため書類を作成する仕事はあるはずです。テレワークは、必ずしも『100%社外で仕事すること』を求めるものではありません。とくに今回は“人と人との接触を少なくすること”が目的です。『持ち帰れる仕事だけ、自宅でする』『出社しなければならないときだけ、出社する』というスタイルにすれば、“人と人との接触”を大きく減らすことができるでしょう。」

    業務を継続しながら、次のステップに進む検討を

    そうした緊急避難の次の段階では、どのような取り組みを進めるべきでしょうか。

    「USBメモリやファイルにパスワードをかけているといっても、物理的に持ち帰ることは、やはりセキュリティ上の弱点になります。この“持ち帰り”は1〜2ヶ月なんとか仕事を回す段階にとどめ、次に社内で仕事しているのと同様、もしくはそれに近いセキュリティを目指す仕組みの構築を目指しましょう。つまり社外から業務で使う情報にアクセスできるようにするということです」

    具体的にはどのような方法が考えられますか。

    「一つは社内のシステムに外部からアプローチできる“入口”を作り、社内にいるのと同様な環境を実現するものです。社外のPCのディスプレイに社内のPCの画面を転送し、その上で作業するリモートデスクトップがその代表例です。もう一つは、インターネット上のクラウドに業務データ、もしくは業務システムの一部を移し、インターネットに接続できる環境があればどこでも作業できるようにする方法です」

    社内にそうした方策に対応できる部署やスタッフがいない場合はどうすればいいでしょう。

    「総務省や厚生労働省、地方自治体がそうした相談窓口を設けています。また導入にあたっての補助金、助成金のアドバイスが受けられるケースもあります。そうしたところにご相談されるのがいいと思います」

    テレワークをうまく進める上での課題は「コミュニケーション」の維持

    今回の問題によるテレワークは、長く続く可能性もあります。うまく進める上で注意するべきポイントを教えてください。

    「まず一番大きな課題は、コミュニケーションだと思います。多くの企業で電子メールをコミュニケーションの手段として使っていますが、メールのやりとりは対面での直接的なコミュニケーションよりも情報が伝わりにくいですし、やりとりが長くなるとその管理も難しくなってきます。例えばクラウドで使えるグループウェアを導入し、共有の掲示板を使うなどの工夫が必要でしょう。またオフィスでの雑談、立ち話、自然と耳に入ってくる他人の会話も、仕事をしていく上でじつは重要な情報になっています。チャットツールなどでそうした環境を擬似的に作ることも検討してみてはどうでしょうか」

    コミュニケーションでは、打ち合わせや会議も必要ですね。

    「現在はインターネットを使いテレビ会議、電話会議ができる仕組みが無料もしくは非常に安価に提供されています。テレワークでも社内、部署内の意思疎通や情報共有を行う上で、これらをぜひ活用すべきであろうと思います」

    出社、退社がなくなることで、労務管理はどのようにすればいいでしょうか。

    「『テレワークを行うためには、就業規則の改正が必要ではないか』と思っている方も多いでしょう。ただ私は基本的には必要ないと思っています。そもそも中小企業では就業規則に厳しくしばられてお仕事をしているところはそれほど多くはないと思いますし、たとえ始業時刻に出社するという規定があっても、在宅でのお仕事は職務上必要なわけですから、『直行・直帰』と同様に考えればいいでしょう。もしきちんと整備したいというのであれば、社会保険労務士さんなどにご相談されてはいかがでしょうか。なお、これとは別に、仕事をしている姿が見えなくなることで、管理職は『部下がオーバーワークになっていないかどうか』に気を配る必要があると思っています」

    テレワークで浮かび上がった課題は取引先も含め解決を

    そのほか、テレワークにおける課題はありますか。

    「USBメモリを持ち帰っての仕事はともかくとして、会社のシステムに外部から接続する、クラウドを利用するといった段階では、自宅に光ファイバーなどのブロードバンドが導入されていることが前提となります。もしそうした環境がない場合には、会社がモバイルルーターを契約して社員に貸与する、社員のスマートフォンをテザリング利用した場合に利用データ量に応じた料金を補助するなどの手立てが必要になってくるのではないでしょうか」

    今回、“やむを得ず”テレワークを導入した会社は、今後どのようにテレワークに向き合うべきでしょう。

    「新型コロナウイルスの問題は、時間がかかるかもしれませんが、いつかは解決するはずです。しかし同じような感染症、また天災などで、テレワークなしに事業継続が難しくなる可能性は大いにあります。そのときにスムーズにテレワークに移行できるよう、体制作りを進めておくべきでしょう」

    その体制作りはどのようなところからはじめればいいのでしょうか。

    「社内のシステムに外部から接続できる仕組みを導入した企業であれば、それがよりスムーズかつ安全に運用できるよう、検討しましょう。また社内システムの更改に合わせ、システム自体をクラウドに設置するなどの方策も考えられます。また今回テレワークを導入したことで、テレワークの支障になった仕事の進め方や社内制度が明らかになったと思います。例えばそれが紙とハンコであれば、社内文書のペーパーレス化を進めるとか、取引先や業界を巻き込み、取引や契約もできうる限りペーパーレス化するなど、さらに進んだ取り組みも考えられるでしょう。新型コロナウイルスの問題は災厄ですが、これをきっかけにテレワークが認識され、生産性の向上などその良さが広がる契機になればと思っています」

    ※ BCP:事業継続計画(Business ContinuityPlan)の頭文字を取った言葉。企業が、テロや災害、システム障害や不祥事といった危機的状況下に置かれた場合でも、重要な業務が継続できる方策を用意し、生き延びることができるようにしておくための計画のこと。   " ["post_title"]=> string(94) "「今すぐ始めるテレワーク」 対応は急務だが、注意すべき点は何か?" ["post_excerpt"]=> string(0) "" ["post_status"]=> string(7) "publish" ["comment_status"]=> string(6) "closed" ["ping_status"]=> string(6) "closed" ["post_password"]=> string(0) "" ["post_name"]=> string(199) "%e3%80%8c%e4%bb%8a%e3%81%99%e3%81%90%e5%a7%8b%e3%82%81%e3%82%8b%e3%83%86%e3%83%ac%e3%83%af%e3%83%bc%e3%82%af%e3%80%8d-%e5%af%be%e5%bf%9c%e3%81%af%e6%80%a5%e5%8b%99%e3%81%a0%e3%81%8c%e3%80%81%e6%b3%a8" ["to_ping"]=> string(0) "" ["pinged"]=> string(0) "" ["post_modified"]=> string(19) "2020-06-02 18:51:36" ["post_modified_gmt"]=> string(19) "2020-06-02 09:51:36" ["post_content_filtered"]=> string(0) "" ["post_parent"]=> int(643) ["guid"]=> string(36) "https://www.jtua.or.jp/?page_id=9177" ["menu_order"]=> int(-2020005) ["post_type"]=> string(4) "page" ["post_mime_type"]=> string(0) "" ["comment_count"]=> string(1) "0" ["filter"]=> string(3) "raw" }
  • 2020年6月に施行される「改正食品衛生法」で義務づけられる“HACCP(ハサップ)”とは何か?

    テレコムフォーラム PDF版はこちら 2018年6月に公布された「食品衛生法等の…

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    2018年6月に公布された「食品衛生法等の一部を改正する法律」のうち、「HACCPに沿った衛生管理の制度化」が、今年6月1日に施行されます。この法改正で、お弁当屋さん、レストラン、食品メーカーなど、食品関連事業者さまにはどのような衛生管理が求められるのでしょうか。厚生労働省に聞きました。

    これまでの「完成品からの抜き取り検査」から、 「工程そのものの管理」へ

    2018年に食品衛生法が改正され、今年施行されます。 まず、この改正の理由について教えてください。

    「現在の日本においては、少子高齢化や共働き世帯の増加にともなう外食、中食の需要増や、輸入食品増など食の“グローバル化”が進んでおりますが、そうした環境の変化にともない、食中毒事案数、被害者数は下げ止まっている傾向にあります。そうした食中毒の多くは飲食店であったり、お弁当や仕出しのお店で発生していますが、最近は流通の広域化にともない、それらの食中毒がより広がりやすくなっています。こうした下げ止まりの傾向をなんとか打開し、食中毒事案そのものを減らせないかということで、今回、食品の安全性を確保する法律である食品衛生法を改正するに至ったのです」

    ▲厚生労働省 医薬・生活衛生局 食品監視安全課 HACCP推進室 HACCP推進専門官 奥藤 加奈子

    この食品衛生法改正で、食品の衛生管理はどのように変わるのでしょうか。

    「改正のポイントはいくつかありますが、その中でも大きなものが『HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化』です。HACCPとは『Hazard Analysis and Critical Control Point』の頭文字をつなげたもので、海外でも広く利用されている衛生管理の国際規格です。これまでの食品衛生管理では、最終製品から抜き取り検査を行い、問題がないかを確認する方法が一般的でしたが、HACCPでは原材料の受け入れから最終製品までの全工程の中から、危害要因の防止につながる特に重要な工程、たとえば何度まで加熱する、何度で何分冷却するといった部分を『CCP(Critical Control Point/重要管理点)』と定めて連続的、継続的に監視し、記録することにより、製品の安全性を確保することになります。このHACCPは、じつは改正前の食品衛生法にも一部採り入れられていましたが、普及が進まないことから、2013年よりあらためて検討が行われ、今回の法改正で義務化されたのです」

    これまで“経験上やってきた衛生管理”の見える化、明文化を

    対象となるのはどのような事業者なのでしょう。

    「食品を製造、加工、販売する事業者、飲食店や喫茶店を営業する事業者などのほか、野菜をカットして容器に入れ販売する八百屋さん、量り売りするお米屋さんなども対象となります」

    そうした新たな手法が義務化されることにより、 事業者さまの負担はどうなりますか。

    「厚生労働省としては、HACCPの義務化で事業者さまの負担が増えるとは考えていません。これまでの食品衛生法は、企業の規模や事業内容が異なっていても、画一的な管理が求められていました。しかし今回の法改正では、事業者さまの事業内容に合った適切な衛生管理を行うことができるようになり、負担の軽減にもつながるのではないかと考えています」

    HACCPの義務化により、食品等事業者の衛生管理は どのように変わるのでしょうか。

    「HACCPの義務化は、まったく新しいことをはじめるものではありません。また新たな機器や設備の導入も、基本的には必要ありません。現在、食品関連で事業を続けていらっしゃる方は、いま行っている衛生管理に問題がないからこそ、営業できているはずです。HACCPで求められているのは、その現在行っている衛生管理の手順をきちんと記録するということです。たとえばお豆腐屋さんだったら豆乳を加熱する時の温度を確認する、ハンバーグを出すレストランであれば焼き上がったハンバーグに串を刺して肉汁が透明であることを確認するといった内容になるでしょう。つまり今まで経験上やって確認していたことを明文化して記録するということです。お願いしたい具体的な中身は二つ、『衛生管理計画の作成』と『管理記録の作成保存』になります」

    食品等事業者団体が作成した「業種別手引書」の ひな形を使うことで負担なく管理が可能

    その二つは、具体的にどのようなものになるのでしょうか。

    「こうした話しを耳にして、なにか面倒なことをやらなければならないと心配なさる事業者さまもいらっしゃるかもしれません。でもこれらは難しいものではありません。じつは厚生労働省は、業界団体と協力し、業界団体が食品関連事業の分野ごとに作成した『HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書』をホームページで公開しています。この手引書はそれなりのボリュームがありますが、じつはその中に『衛生管理計画』ひな形を用意しています。事業者さまはご自身の業務にあてはまる手引書をダウンロードし、ひな形をそのままお使いいただければ、HACCPに沿った衛生管理ができるのです。『衛生管理計画』のひな形は、細かい規定を一から作るといったものではなく、選択肢に丸をつけるだけのものが中心ですし、『管理記録の作成保存』については、1カ月ぶんがA3の用紙に1枚、壁に貼り必要に応じて記入するレベルのもので結構です。重要なのは衛生管理が作業者の頭の中だけで行われているのではなく、第三者が見て、きちんとわかることです。実際に分野ごとの手引書をご覧になっていただければ、『ああ、今までやってきたことだ』とご理解いただけると思います」

    ただ事業者さまによっては、製造工程で手が塞がっていて 記録をつけることが難しいという方もいらっしゃると思います。

    「手引書に用意したひな形はあくまでも例であり、必ずその通りでなければならないというわけではありません。たとえば確認した内容を音声で記録するなど、事業者さまのご都合にあわせた方式でも大丈夫です。さきほどハンバーグを例に出しましたが、これも一つひとつ焼き上がり、チェックするたびに記録するのではなく、営業終了後に『今日は全数チェックして問題がなかった』と記録を残すというやり方も可能です。また温度の管理については、ICT機器を導入して、自動的に記録する方法も考えられます。人手による確認よりもそうした方法のほうが簡易でかつコストダウンになるケースであれば、ご検討なさってはいかがでしょうか。厚生労働省の管轄外ではありますが、そうしたICT機器の導入に、国や地方自治体からの補助金や助成金が用意されている場合もあります」

    HACCPの義務化後、保健所は「指導よりも助言」で対応

    食品衛生法改正により、たとえばHACCPに対応していない事業者に 罰則が与えられるといったことはあるのでしょうか。

    「HACCPが義務化されても、事業者さまへの対応はこれまでと変わりません。事業者さまに直接対応するのは自治体の保健所の職員ですが、厚生労働省としては『まず施行当初は指導よりも助言を』というスタンスでの対応をお願いしています。以前と同じく、事業者さまには保健所の食品衛生監視員が定期的に立ち入りを行いますが、そこでHACCPでの食品衛生管理ができていなくても、すぐに罰則というわけではなく、改善に向けての助言を行い、より良い衛生管理を目指していくことになります。一方、HACCPとは直接関係しませんが、この法改正を機に、保健所の指導内容の平準化が行われます。これまで、極端な例では『東京都で営業していたお店が千葉県にお店を出す時に、東京都と同じ衛生管理ではダメだと言われた』とか、さらには『同じ保健所でも担当者が代わると今まで以上の衛生管理を要求された』というケースも見られました。今回の法改正で業界団体が手引書を作成したことで、事業者さまは保健所からこの手引書に書いてある以上の衛生管理を求められることはありません。なお罰則については、これまでと変わるところはありません。衛生管理に問題があると保健所が認めた場合は助言、指導を行い、改善が認められずこのままでは食中毒の発生につながると判断された場合には行政指導として営業の禁停止処分を行うこととなります。HACCPによる衛生管理の導入が遅れたことで、そのまま営業停止になるといったことはないのでご安心ください」

    HACCP対応における不明点は地域の保健所や業界団体に相談を

    HACCPへの対応でわからないことがある事業者さまも多いかと思います。 どのようにすればいいでしょうか。

    「まずは地域の保健所にご相談ください。保健所は事業者さまを指導、監督する立場であることから相談しにくいと感じられる方もいらっしゃるとは思いますが、さきほど申し上げたようにすぐに厳しい指導を行うというわけではなく、どのように対応していけばいいか相談の上、助言させていただくことになります。また業界団体にもご担当者がいらっしゃると思いますので、そちらにお問い合わせされてみてもいいかと思います」

    HACCP対応を進める上で、ほかに注意点はありますか。

    「HACCPは、ここまでやったからいい、ここまでやれば終わりだというものではなく、衛生管理をつねに振り返り、質をさらに向上させていこうという取り組みです。はじめてのことで事業者さまには戸惑いもあるかとは思いますが、これをみなさんがきちんと実行していただくことで、事業者さまそれぞれがどのような衛生管理を行っているか保健所でもきちんと把握できることになります。つまり言い方は悪いですが、保健所にとっても今までのような“重箱の隅をつつくような監視”をしなくても大丈夫になるのです。また事業者さまにとっては、事業の実態にあわせた管理ができることになり、より少ない負担での衛生管理を実現できるのです。法の施行まではもうわずかですが、こうした趣旨をご理解の上、ご協力をいただけたらと思います」

    実際にHACCPを導入している企業の事例はこちら " ["post_title"]=> string(124) "2020年6月に施行される「改正食品衛生法」で義務づけられる“HACCP(ハサップ)”とは何か?" ["post_excerpt"]=> string(0) "" ["post_status"]=> string(7) "publish" ["comment_status"]=> string(6) "closed" ["ping_status"]=> string(6) "closed" ["post_password"]=> string(0) "" ["post_name"]=> string(194) "2020%e5%b9%b46%e6%9c%88%e3%81%ab%e6%96%bd%e8%a1%8c%e3%81%95%e3%82%8c%e3%82%8b%e3%80%8c%e6%94%b9%e6%ad%a3%e9%a3%9f%e5%93%81%e8%a1%9b%e7%94%9f%e6%b3%95%e3%80%8d%e3%81%a7%e7%be%a9%e5%8b%99%e3%81%a5" ["to_ping"]=> string(0) "" ["pinged"]=> string(0) "" ["post_modified"]=> string(19) "2020-05-01 09:58:00" ["post_modified_gmt"]=> string(19) "2020-05-01 00:58:00" ["post_content_filtered"]=> string(0) "" ["post_parent"]=> int(643) ["guid"]=> string(36) "https://www.jtua.or.jp/?page_id=8415" ["menu_order"]=> int(-2020003) ["post_type"]=> string(4) "page" ["post_mime_type"]=> string(0) "" ["comment_count"]=> string(1) "0" ["filter"]=> string(3) "raw" }
  • 新型コロナウイルス対策に、 いまこそテレワーク導入を!

    テレコムフォーラムPDF版はこちら 新型コロナウイルスによる感染症の広がりは世界…

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    新型コロナウイルスによる感染症の広がりは世界規模で広がり、経済活動にも大きなダメージを与えています。そうした環境下でいま、テレワークの重要性がクローズアップされています。今回、ユーザ協会会員さま向けに「テレワーク支援ツール」の提供などを決めたNTT東日本に、テレワーク導入のポイントと、支援策の内容について聞きました。

    テレワークとはどういったものなのか、簡単に教えてください。

    「テレワークの“テレ”は、ギリシャ語が語源となっている言葉で、“離れている場所”という意味です。電話を意味するテレフォンの“テレ”、このテレコム・フォーラムの“テレ”も同じ語源です。そのテレとワークが合わさった“テレワーク”は、離れた場所で働くという意味になります。テレワーク=在宅勤務と考えていらっしゃる方も多いと思いますが、じつは利用形態は3つあって、在宅のほか、移動時のモバイル端末での仕事、さらには自分のオフィス以外の場所、いわゆるサテライトオフィスなどで働くこともテレワークに含まれます」(畠中氏)

    ▲マーケティング部 プロモーショングループ グループ長 畠中 康昌

    中小企業でもテレワーク対応なしには事業継続が難しい時代に

    テレワークは、現在どのように利用されているのでしょうか。

    「テレワークは、いま現在、十分に普及しているとは言えません。総務省の『平成30年度通信利用動向調査』でも、テレワークを導入していると答えた企業は19.1%で、導入予定を含めても26.3%しかありません」(畠中氏)

    今回の新型コロナウイルス問題で、テレワークをとりまく環境はどう変わるのでしょう。

    「さきの調査で、テレワークを導入している目的の上位には『生産性の向上』と『勤務者の移動時間の短縮』が挙げられ、それぞれ56.1%、48.5%です。しかし今回のような非常事態における事業継続を目的とした導入動機は調査の時点では少なく、わずか15.1%です。しかし昨今の状況では、この事業継続、つまりBCPを目的とした導入が非常に重要になってくることになるでしょう」(畠中氏)

    実際にどのような変化が現れるのでしょうか。

    「これまでテレワークについて『大企業がやっているもの』というイメージを持っていた方が比較的多いのではないかと思います。しかし新型コロナウイルスにより、社員が出社して仕事したり、対面で会議するといったことが難しくなってきました。これからはたとえば社員10名、20名といった中小企業も、テレワークを導入しないと事業が進められなくなる、そんな事態も現実になってきていると言えるでしょう」(畠中氏)

    会員さま向けにウェブ会議ツールひかりクラウド スマートスタディ』を無償提供

    現在、導入に踏み切っていない企業では、どういったところが障害になっているのでしょうか。

    「同じ調査から『導入しない理由』を見てみると、『テレワークできる制度がない』『テレワークに適した仕事ではない』『テレワーク用の執務環境が整備されていない』が上位に並びます。しかし制度の問題では、中小企業のなかには、社長の決断でそうした問題がクリアできるところも少なくないはずです。また適した仕事、環境については、業務をすべてテレワーク対応にしなければいけないとか、すごく高価な設備が必要だとかというように、テレワークの導入が“すごくハードルが高いもの”と捉えられているのではないかということです。実際には定型的な業務など、テレワークに適した仕事を選び、そこから部分的なテレワークをはじめるというやり方もあるのです」(畠中氏)

    今回、NTT東日本が会員さま向けに無償提供する支援ツールについて教えてください。

    「テレワークを導入するにあたり、やはり対面でのコミュニケーションが課題になると思います。そこで離れた場所でもコミュニケーションを可能にする『ひかりクラウド スマートスタディ』による、ウェブ会議ツールを提供させていただくこととしました。この仕組みを使えば、最大30名までのウェブ会議が場所を問わず開催できます。資料の安全な共有にも対応していますので、安心してお使いいただけます」(畠中氏)

    スマートフォンを内線電話にするツールも無償で提供

    NTT東日本では、会員さまに限定しない支援策のご用意もあるとうかがってます。

    「テレワーク導入を検討するとき、みなさん忘れがちなのが、社員同士の内線でのコミュニケーション、そして社外のお客さまからかかってきたお電話への対応です。こうした話しについて、携帯電話があるから大丈夫じゃないか、電話転送サービスの『ボイスワープ』を使えばいいじゃないかとお考えのお客さまも多いのですが、内線電話は携帯電話で代用できたとしても、お客さまから代表電話にかかってきた電話を誰が受けるのか、その電話を取り次ぐときはどうするのかという課題は解決しません。そこで弊社では、スマートフォンを社内の内線電話として利用できる『ひかりクラウドPBX』を期間限定で無償提供することといたしました。この仕組みを使えば、社内にいるのと同様に代表電話に対応し、かつ内線転送もできます。既存のビジネスフォンとの併用も可能ですし、導入にあたって大きな設備投資の必要はありません。ちょっとした通信機器と、スマートフォンへのアプリインストールで対応できます。同時に無償提供するクラウド上でセキュアにファイル共有するツール『フレッツ・あずけ〜るPROプラン』とともに、事業者さまのテレワーク導入に大きくお役立ていただけると思います。

    実際にテレワークを検討する際、まず何からやればいいか、また何ができるか迷っているお客さまもいらっしゃると思います。

    「テレワークで何ができるのか、どんなソリューションが適しているのかは、お客さまそれぞれによって異なります。また『現状、まずテレワークできる環境を作りたい』という方から、『半年、1年先のBCP対策を考え、本格的な取り組みをはじめたい』という方まで、お客さまのご要望もさまざまです。弊社では『テレワーク相談窓口』を開設しておりますので、ぜひお問い合わせください。ご希望や業務内容などをヒアリングしたのち、お客さまに適したプランをご提案いたします」(小林氏)

    ▲カスタマーリレーション部 フィールドサポートグループ ICTコンサルティングセンタ センタ長 小林 卓也

    通勤時間がなくなり、生産性や達成度の向上を実感

    実際に在宅勤務をされている立場から、そのメリットをお聞かせください。

    「私はもともと週に1〜2回、在宅勤務としていましたが、新型コロナウイルスの影響が大きくなってきた2月末から、逆に出勤を週1〜2回としました。最大のメリットは、通勤時間がゼロになることで、感染リスクの心配なく、通勤の労力もなくなったということです。いままでは出勤での疲れを残しての仕事だったのが、元気な状態でスタートできるようになりました。」(川口氏)

    ▲マーケティング部 プロモーショングループ デジタルコミュニケーション担当 担当課長 川口 奈緒

    出勤してのお仕事、在宅でのお仕事はどのように振り分けていらっしゃいますか。

    「出勤時は“会社でやるべき仕事”にシフトし、在宅ではデータの分析、報告書の作成など、ひとりで集中してできる仕事というふうに使い分けています。もちろん在宅勤務の時でも同僚やお客さまとの連絡が必要になることもありますが、会社の電話をスマートフォンに内線転送できるので、同僚とのコミュニケーションもスムーズですし、社外のお客さまにご迷惑をおかけすることもありません」(川口氏)

     

    在宅でのお仕事では、プライベートとの切り分けが課題になりそうですが。

    「朝、仕事をはじめるときにだいたいの時間配分を考え、予定の時間よりもできるだけ早めに仕事を終えるよう頑張ることで、仕事の時間とプライベートを区別できるように気をつけています。仕事の達成度、満足度では、毎日出勤していたころと比べ、イコールか、むしろ上がっていると感じます」(川口氏)

    在宅勤務でデメリットを感じることはありますか。

    やはり急を要する確認事項で相手が忙しいのかどうかわからないなど、対面でないことでやや不便を感じることもありますが、まずはメールで一報を入れるなどの工夫で対処しています。また自分が自席にいないということで迷惑がかからないように、グループウェアに在宅と内線電話を明記することで、いつでも“つながること”をアピールしています」(川口氏)

    テレワーク普及からはじまる、働き方の大いなる変革

    今後、テレワークをとりまく環境はどのようになっていくのでしょうか。展望をお聞かせください。

    「来年には、延期されていた東京オリンピック・パラリンピックも開催されます。そもそもテレワークは、開催期間中の交通混雑などへの対策として、その推進が期待されていました。今回は新型コロナウイルス問題への対応で導入が進むことになると思いますが、原因はともあれ、実際の普及が進むことで、東京オリンピック・パラリンピックの開催期間中も、テレワークが大きく注目され、かつ大会のスムーズな運営にも資することになるのではないでしょうか」(小林氏)

    「今回の事態が収束するころには、もうテレワークがごくごく普通の働き方となり、テレワークに対する戸惑いや躊躇が無くなると思います。そうなると“会社に来ること前提”という、これまで当たり前だと思っていた意識も大きく変わっているでしょう。さらにいろんな業種業態で、いままで当たり前と思っていた商流、ビジネスのフロー事態が大きく変わっていくきっかけになり、生産性向上が一気に進む可能性もありそうです。私たちはさまざまなツール、ソリューションの提供で、そうした未来をお手伝いしたいと思っています」(畠中氏)

     

    「テレワーク導入支援施策」に関するお問い合わせ先 ■「ユーザ協会会員特典(無償提供)」のお申込みに関する事項 『公益財団法人日本電信電話ユーザ協会』TEL:03-5820-2071 E-mail:mail-sumasuta@jtua.or.jp ■「 ひかりクラウド スマートスタディ(ウェブ会議)」のサービス 概要、その他「テレワーク全般」に関する事項 『テレワーク相談窓口(NTT東日本)』TEL 0120-765-000 https://business.ntt-east.co.jp/content/telework_start/

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  • クラウド活用を実践する中小事業者が集結し、
    「どう活かし」「何を得たか」を発表

    特集記事PDF版はこちら 2020年2月12日(水)、東京・丸の内の「東商グラン…

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    2020年2月12日(水)、東京・丸の内の「東商グランドホール(現・東京商工会議所渋沢ホール)」において、クラウド実践大賞実行委員会が主催し、総務省、中小企業庁などが共催、後援する「全国中小企業クラウド実践大賞全国大会」が開催されました。この大会の意義、そして参加各社のクラウド活用についてレポートします。

    クラウドサービスの活用により業務効率化を目指す10企業がその取り組みを紹介

    少子高齢化にともなう労働人口の減少に対応しつつ働き方改革を推し進めるため、日本の企業には業務効率の大幅な向上が求められています。そしてそのカギとなるのが、中小企業におけるクラウドの活用です。

    今回開催された「全国中小企業クラウド実践大賞」では、クラウドサービスを活用し、収益力向上、経営効率化の取り組みを「クラウド・イニシアティブ」として自己宣言した企業に「自己宣言ロゴマーク」が贈られます。その中から大会へ参加した中小企業などに対し、書面評価により、一段上の「モデル事例ロゴマーク」が授与され、さらに地方大会で高い評価を受けた10企業が「優良モデル事例ロゴマーク」を得るとともに、全国大会に進みました。

    全国大会ではその10企業が一堂に会し、「クラウドサービスを導入した動機」「導入により得られた成果」「今後の展望」などについて、1社あたり10分の制限時間のもと、プレゼンテーションを行いました。

    •中小企業などの参加条件として独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のSecurity Actionの宣言が必要。

    •地方大会は盛岡、長野、金沢、和歌山、福岡で開催。

     

    総務大臣賞は、株式会社atsumelが獲得。挨拶に立った寺田 稔総務副大臣は、参加者へのねぎらいに続き「今回の受賞企業のさまざま取り組みは、これからICTを活用して企業の体質強化、収益力の向上、経営の効率化を目指す多くの中小企業の模範的事例になると期待しています。総務省としても、関係各位と十分連携をとり、広く周知をしていきたいです」と、今回の実践大賞への感想と、今後の中小企業などへの支援についての展望を示しました。

    「クラウド・イニシアティブ」ロゴマークとは?

    ■自己宣言(98社)

    クラウド実践による収益力向上・経営効率化に意欲的な中小企業など。

    ■モデル事例(うち54社)

    クラウド実践による収益力向上・経営効率化する取り組みのモデルとなる中小企業など。

    ■優良モデル事例(うち10社)

    クラウド実践による収益力向上・経営効率化したことで大きな効果を上げた中小企業など。

    ※数字は2020年1月31日現在

    三友 仁志氏インタビュー クラウド実践大賞の意義とは

    日本各地で人口の減少、高齢化が進み、それにともない人手不足が深刻になっています。中小企業にとっては、限られた労働資源のもとで効率的な経営を行うことが大きな課題であり、生産性の向上が不可欠です。ICTの活用は、その生産性向上の大きな手がかりとなります。ICTにより手作業を自動化すれば、ミスを減らすことができます。ベテランのノウハウをICTで“見える化”すれば、誰もがそのノウハウを活用し、業績に貢献できるでしょう。今回のクラウド実践大賞は、まずはこうした賞でいわゆる成功事例を広く共有し、課題を抱える企業には解決のヒントを、またクラウドをすでに活用している企業にも一層の活用でさらなる効率化を目指す動機づけになると考えています。

    ▲全国中小企業クラウド実践大賞 審査会主査 クラウド活用 地域ICT投資促進協議会理事長 三友 仁志

    そして今回の大会で発表されるような優れたクラウドの活用事例を国内だけにとどめず、海外に展開し、新たなビジネスとしていくことを、私は現在、夢として描いています。地域情報化で単に地域の中を改革するだけでなく、そこから生まれたアイデアを広く世界で活かしていく。そうした未来がクラウド実践大賞の先に広がっていく。そうなれば、本当に素晴らしいことではないでしょうか。

    髙島 利尚氏インタビュー 中小企業におけるクラウド活用のメリット

    クラウドは、いつでもどこでも情報共有できることがメリットです。外出先から何か確認したい時、会社の別フロアにいるスタッフ同士がコミュニケーションしたい時、クラウドを利用すれば即座に場所の移動なく目的達成でき、業務の大幅な効率化を実現できます。

    小規模な事業者では、クラウドサービスを利活用していないケースも見られます。その多くはクラウドをどのように導入すればよいかが分からずそのままにしています。そのような事業者に対しては、分かりやすく丁寧に導入の仕方などを知ってもらうことが大切です。利活用すれば多くのメリットを得られるサービスは数多く用意されています。例えば(一社)クラウドサービス推進機構では、中小企業が安心して選べる「クラウドサービス」を認定し、ホームページ(http://www.smb-cloud.org/)で公開しています。そうしたサービスも参考にされてはいかがでしょうか。

    ▲全国中小企業クラウド実践大賞 審査員 (一社)クラウドサービス推進機構副理事長 髙島 利尚

    時代はつねに変わっています。「昨日まで必要なかったから、今日なくても困らない」は、通用しなくなっています。自社の将来のありたい姿を描き、その実現に向けてどう取り組めばよいかを考えることが強く求められています。先に述べたクラウド活用のメリットを活かし、関係者の思いを一元化し、ダイナミックに日々の変化に適応し、目的達成に向けて進めていく上で、クラウドがきっと役に立つはずです。

    全国中小企業クラウド実践大賞入賞企業

    2019年11月の地方大会(和歌山、金沢、盛岡、長野、福岡)で発表・登録があった54社のクラウドサービス実践事例の中から選ばれた10社のプレゼンテーションでは、クラウドを活用し業務改革に取り組む強い姿勢がうかがえました。そのプレゼンテーションの概要及び総務大臣賞や各賞を受賞された企業をご紹介します。

    総務大臣賞 株式会社atsumel

    愛知県名古屋市 不動産コンサルティング

    利用ツール:Salesforceなど

    クラウドの活用で事業を急拡大。働きやすさも両立

    アップウィッシュ株式会社(不動産・建設業)のグループ会社として2015年に設立された同社は、アナログによる顧客管理、新聞の折込チラシやポスティングによる営業プロセスを見直し、情報をクラウド上の営業支援ツールに一元化。従来、各営業スタッフに頼っていた問い合わせ対応はインサイドセールス※担当に集約し、アポが取れた案件を営業に回すというフローに転換。顧客の属性に合わせた情報をシステムにより自動的に提供。この改革により、商談の設定数は4.4倍、年間休日は1.3倍に。また同社は、不動産業界他社のクラウド導入も支援している。

    日本商工会議所会頭賞 ダイヤ精機株式会社

    東京都大田区 測定器製造

    利用ツール:Lista

    グループウェアの活用で情報共有を推進、生産性を向上

    業務の流れの分析により、機械の稼働率を下げる原因が会議、電話応対、製造現場と営業との確認であると判明。生産性を上げるためにはすべての部門の情報共有が不可欠であるとの結論から、クラウド上のグループウェアに情報を集約。生産スケジュール、プロジェクト管理、社内チャットなどをトップページで一覧できる仕組みを構築し、社内の情報伝達と共有を迅速化。営業と設計の情報共有による受注の平準化、残業時間や会議の削減、目標の“見える化”による社員のモチベーション向上など、大きな成果を得ることができた。

    全国商工会連合会会長賞 株式会社航和

    岩手県雫石町 介護施設・介護保険サービス事業所運営

    利用ツール:ほのぼのNEXTなど

    煩雑な事務作業をクラウド管理に移行、離職率低下を実現

    現場で働く介護士に対するヒアリングにより、離職率につながる介護職の苦労が、現場そのものよりも情報検索、伝達にともなうアナログの事務作業であることが明らかになり、改革に着手。介護サービス利用者の体調情報から利用実績、介護計画の作成、請求書まで、クラウドサービスとタブレット端末の連携で、一元管理できる仕組みを構築し、情報共有を実現した。また、これまでの「手書きメモをパソコンへ入力する作業」などの“二度手間”や煩雑な引き継ぎも撤廃し、導入前に28%だった離職率を8%まで向上させることに成功した。

    全国中小企業団体中央会会長賞 株式会社コスモテック

    愛知県名古屋市 プレス機器保守

    利用ツール:SalesQuoteAssistantなど

    クラウドで業務情報を“見える化”、業務中核への適用も視野に

    積算の根拠が分からない紙ベースの見積書や検索が困難な工事書類、写真データの個人保管など、さまざまな情報とノウハウが属人化したことで、赤字受注工事の頻発などの課題が発生。この課題解決のため、誰もが適切な見積もりを作成できるソリューションや写真データ共有、経理システムなどを導入、情報の“見える化”を推進。現在はクラウドを中核業務であるプレス機器保守そのものに活用すべく、海外を含めた遠隔地のプレス機器にセンサーを取り付け、オンラインで状態把握し、必要に応じメンテナンスする仕組みの構築に取り組んでいる。

    クラウド活用・地域ICT投資促進協議会理事長賞 株式会社ジェイ・バン

    富山県富山市 研修・コンサルティング

    利用ツール:Salesforceなど

    クラウドが「一人でも」「どこでも」働ける環境を実現

    自社開発のコミュニケーションアプリの販促、サポートのためクラウドを活用。人手で30分かかっていた「お試し版」発行を自動受付により3秒に短縮。見積もり、契約、請求、入金もオンライン化、さらには代理店との会議や勉強会もクラウドのTV会議システムを利用することで、「一人でも」「どこでも」働ける環境作りに成功した。

    クラウドサービス推進機構理事長賞 株式会社竹延

    大阪府大阪市 専門塗装・外装リニューアル工事業

    利用ツール:Salesforceなど

    “職人向け”クラウドアプリを開発、「誰がどの現場にいるか」も“見える化”

    アナログによる非効率な人材管理を解消し、人手不足を補う外国人人材の受け入れも視野に入れクラウドアプリを開発。分かりやすい勤怠情報の入力、交通費の自動計算、職人派遣先の容易な把握などを実現、バックオフィス業務もサポート。ベテラン層にはマンツーマンでの研修も行い利用率向上も達成。現在はアプリの一般向け販売も行う。

    日本デジタルトランスフォーメーション推進協会会長賞 株式会社マックスヒルズ

    大阪府大阪市 アプリ事業

    利用ツール:Salesforceなど

    自社アプリの利用拡大のためクラウドを活用し販促

    自社開発のスマートフォンアプリの認知度向上、人手不足などに対応するためクラウドを活用。見込み客のホームページ訪問履歴を基にメール自動送信を行う仕組みで新規問い合わせ数拡大に成功。クラウドデータをAIが解析し営業支援を行うことでアポ獲得率の大幅な向上も達成。2019年のアプリ登録者数は、2017年の5倍以上という成果を挙げている。

    審査員特別賞 日美装建株式会社

    北海道札幌市 オフィスビルなどへの清掃員派遣

    利用ツール:Salesforce

    工事の管理を紙からクラウドに移行、赤字現場ゼロを実現

    紙による管理で伝達不足が発生、クレームによる再訪問などで現場数の約1割が赤字という状態を改善するため、クラウドを導入。現場ごとのコスト、売上などを可視化し、コスト意識を高めることで、導入から2年目で赤字件数を1/6に、現在はほぼ0件に。さらに請求書のオンライン発行により残業時間ゼロも達成している。

    審査員特別賞 松月産業株式会社

    宮城県仙台市 ビジネスホテルチェーン

    利用ツール:Microsoft Office365など

    クラウドを通じたスタッフへの情報共有でサービスを向上

    東日本大震災で社内サーバーがダウン、クラウド利用に転換。その後スタッフ全員の“数字へのこだわり”が売上とお客さま満足度の最大化につながると考え、情報共有を推進。レストランの売上目標、クチコミに直結する清掃スタッフの作業時間などを可視化し、グループ内のホテルそれぞれが切磋琢磨し売上を競う環境を実現した。

    審査員特別賞 株式会社小松電業所

    石川県小松市 産業機械制御装置製造

    利用ツール:Microsoft Office365など

    工場と間接業務の双方にクラウドを導入、生産性を向上

    生産性向上のため、工場にIoTと組み合わせたクラウドツールを導入、工程あたりの時間短縮や稼働率向上を達成。間接業務にはグループウェアや勤怠管理、決済のクラウドを活用し、稟議や申請のスピード化、チャットやビデオ会議を通じ従業員同士のコミュニケーションを支援。今後は日次決済やリアルタイムKPIの導入なども視野に入れる。

    1. ※インサイドセールス:内勤で問い合わせ電話やメールに対応、成約可能性の高い見込み客の情報を営業に流すとともに、可能性の低い見込み客については継続的にフォローし成約可能性を育てる職種。

    【お問い合わせ】 〒104-0045 東京都中央区築地2-1-17 陽光築地ビル 一般社団法人クラウド活用・地域ICT投資促進協議会事務局 ☎03-5657-3105

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    昨今、農業分野では、担い⼿の減少や⾼齢化により労働⼒の不⾜が深刻な問題となっています。また、土や水、天候といった自然を相手に作物を育むための高度な知識と経験が求められ、次世代への継承も大きな課題です。そんな農業分野に、AIやIoT、ロボット技術など先端ICTを活用した次世代型の農業である「スマート農業」が登場し、注目を集めています。

    先端ICTを活用した「スマート農業」で、労働力不足を解消し、生産現場の効率化を実現する

    —現状の農業課題のうち、先端ICTによってどのような課題が解決するのでしょうか。

    「農業従事者の高齢化や後継者不足による労働力の不足、異常気象による生産性の低下や食料自給率の低下など、日本の農業はさまざまな課題を抱えています。そのため、AIやIoT、ロボット技術などの先端ICTを活用した『スマート農業』によって、個人の経験や勘に頼っていたところをデータで『見える化』して次世代に継承したり、生産プロセスを省力化・自動化して生産量を拡大したり、センシングデータ※1などを活用して農作物の生育などを正確に把握して、高度な農業経営につなげたりすることなどが求められています」(金平氏)

    ▲株式会社NTTドコモ 地域協創・ICT推進IoTデザインプロジェクトチームIoTデザインガール(アグリガール068)金平 真由美氏

    ▲株式会社NTTドコモ 地域協創・ICT推進室 IoTデザインプロジェクトチーム IoTデザインガール(アグリガール068) 金平 真由美

    —現状、「スマート農業」は、どこまで実現しているのでしょうか。

    「現状は、生産段階において従来は人による確認が必要であった作業の『省力化・自動化』が進んでいます。気象センサーや水位・水温センサー、カメラ、GPSなどを活用して、農作業のプロセスやノウハウをデータとして詳細に記録し、AIを活用して、通常とは異なる値を検知した場合は自動的にそれが警告されるようなソリューションが実用化してきています。また、ロボット技術によるトラクターや田植え機などの自動運転も進んできました。主に生産分野での省力化・自動化が進んでいるので、次に取り組むべきは、流通分野だと思っています。今の流通の仕組みは課題も多く、ここを改善することによって農家の所得向上につながると考えています。例えば、静岡県はいちごの一大産地ですが、地元で消費するいちごも往復で200km離れた東京の大田市場まで一度運ばれて、また戻るというルートを取っています。このような無駄によって、物流コストが跳ね上がり、食品の鮮度も落ちてしまいます。反対に無駄を省ければ、売り手は高く売れ、買い手は安く買えるようになる上、鮮度が向上することで流通過程の食品ロスを減らすことにもつながります。流通の無駄を省いていかに効率良く届けられるか、それによって生産物の単価をどれだけ上げられるかが、ICTに課せられた次の課題だと思っています」(金平氏)

    流通の無駄を省き、生産物の単価を上げるには、“1本の情報ルート”が不可欠

    —どうすれば流通の無駄を省き、生産物の単価を上げられるのでしょうか。

    「流通の出口ともいえる販売の視点から捉える戦略が必要だと思います。今の日本の農家は、『できたものをそのまま集めて市場に運ぶ』というプロダクトアウト型なので、市場の需要とマッチしない場合は、せっかく作ったものが安くたたき売られたり、廃棄せざるを得ないといった課題があります。ここを解決するためには、『市場の需要から生産をコントロールする』というマーケットインの仕組みを取り入れなければなりません。現状の流通ルートは、農家、農協、市場、仲卸、顧客で断続していて、それぞれの間でFAXや帳面などアナログな方法でやり取りをしているので、どうしても効率化につながりません。単に生産した『もの』を集めるのではなく、生産に関する『情報』を一元的に集めることによって、いつ、どこに、どのようにものを運べばよいかを一目瞭然で把握できるようになります。つまり、生産物が農家から出荷され、店頭に並ぶまでを“1本の情報のルート”でつなげれば、売り手にとっても、買い手にとっても大きなメリットが出るということです」(鈴木氏)

    株式会社Tsunagu CEO 鈴木 輝氏

    ▲株式会社Tsunagu CEO 鈴木 輝

    —流通における“1本の情報ルート”を実現する取り組みについて教えてください。

    「NTTドコモとTsunaguでは、ウェブ上でのオンライン直売の仕組みを作っています(図参照)。ここでは、農家から生産物のデータを集めることで、いつ、どこに、どれだけの生産物が出荷されるのかが分かるようになります。買い手はその情報を事前に把握し、ほしいものを、ほしい時期に、ほしい量だけ予約購入することができます。また、農協をはじめとした生産者側は生産物の供給過多や供給不足を事前に察知し、出荷時期をコントロールできるようになります。適正なタイミングで、適正な量を出荷することにより、生産者側では単価が上がり、流通業者、消費者側は鮮度の高い商品を手頃な金額で購入できるようになります。また、産地での廃棄も軽減されるので、生産者、流通事業者、消費者にとって『三方(さんぼう)よし』の関係になる仕組みだと考えています」(鈴木氏)

    ▲図:農産物流通における“1本の情報ルート”実現のイメージ
     

    「アグリガール」パワーで、一次産業のICT化を推進したい

    —NTTドコモが「スマート農業」に取り組んだ経緯をお聞かせください。

    「弊社には農業現場のI C T化を推進する女性営業メンバー『アグリガール』がいます。このチームは、農業と接点のある仕事に携わっていれば自己申告で参加できる非公式な組織で、2014年秋に立ち上がりました。当時、農業I C T化分野でN T Tドコモは後発組でした。そこで、通信事業者としての特性を活かし、既に生産者が保有している携帯電話・スマートフォンにセンサーなどを組み合わせることで、安価で簡単に導入できるサービスの普及展開を行いました。同時期に、牛の分娩事故を防ぐためにセンサーで母牛の体温を監視し、分娩の兆候をメールで通知する『モバイル牛温恵(ぎゅうおんけい)』というサービスを開発した大分県のスタートアップ※2企業と出会い、通信及び販売業務において協業しました。そこから各分野のスタートアップと全国の支社支店とで連携した取り組みが始まったのです」(金平氏)

    「オンライン直売において売り手開拓、買い手開拓を神奈川県横浜市、藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町、綾瀬市、大和市、鎌倉市、座間市、海老名市、静岡県沼津市などで展開していますが、これを全国に広げたいと思っています。オンライン直売は地産地消できる地域を中心に行っていますが、最終的には物流も組み合わせて産地と消費地を結びたいです。神奈川県のさがみ農協では、収穫物の量を何トン出荷できるかが事前に分かるようになってきています。とはいえ、これはまだ目視のデータなので、今後は畑の収穫量をセンサーで測るなどデータの精度を上げて、より精緻な生産戦略、販売戦略が組めるようになればと思っています」(鈴木氏)

    —今後の目標についてお聞かせください。

    「『アグリガール』は現場に入り込んで、生産者に寄り添って話を聞き、一緒に課題を解決するような存在になっていますので、この取り組みを拡充したいですね。N T Tドコモは、中期戦略の一つに『社会課題の解決』を掲げています。一次産業をI C Tの力でサポートして盛り上げることがミッションなので、今後も有望なソリューションを開発するスタートアップと組んで、農業だけでなく一次産業のI C T化を推進していきたいと思っています。一次産業が活性化すれば、産地での大量廃棄や海外からの輸入品に市場が支配されることもなくなります。このような活動を通じて、次世代に残せる社会づくりを実現したいですね」(金平氏)

    1. ※1 センシングデータ:温度や湿度、照度などをセンサーで感知して数値化したデータ。
    2. ※2 スタートアップ:単なる新興企業ではなく、短期間で社会に革新をもたらす新しい技術やビジネスモデルを事業として展開する企業。
     
    会社概要
    株式会社NTTドコモ
    会社名
    株式会社NTTドコモ
    設立
    1991年(平成3年)8月
    本社所在地
    東京都千代田区永田町2丁目11番1号
    代表取締役社長
    吉澤 和弘
    資本金
    9,496億7,950万円(2017年3月31日現在)
    事業内容
    通信事業、スマートライフ事業など
    URL
    https://www.nttdocomo.co.jp/
    会社概要
    株式会社Tsunagu
    会社名
    株式会社Tsunagu
    設立
    2003年(平成15年)9月22日
    本社所在地
    静岡県富士宮市城北町501
    CEO
    鈴木 輝
    資本金
    1,000万円
    事業内容
    プラットフォーム開発・運営
    URL
    http://tsunagu.cc/
     
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  • 「きれいな心」のその先に、成功は訪れる。2020年、5G実用化でビジネスはこう変わる

    現在実証実験が行われている次世代通信技術「5G」が、まもなく実用化を迎えます。5…

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    現在実証実験が行われている次世代通信技術「5G」が、まもなく実用化を迎えます。5Gはこれまでの4Gとどのように異なるのか、そして5Gは企業活動にどう影響を与えるのか、東京大学大学院教授 森川 博之氏にうかがいました。

    —5Gが、これまでの4Gに対して、どのような特徴を持つのか、簡単にご紹介ください。

    5Gには三つの特徴があります(図1参照)。まず一つ目は、「高速大容量」であることです。5Gの最高伝送速度は現在の4Gよりも100倍ほど速く、例えば2時間の映画も3秒でダウンロードできます。次に「超低遅延」です。遠隔地にある機器との通信でもタイムラグがなくなり、例えばロボットの操作もほぼリアルタイムで可能となります。最後に「多数同時接続」です。4Gに比べ圧倒的な数の機器を接続することが可能となり、自宅ではさまざまな端末が、工場など事業所では膨大な数のセンサーやメーター、カメラなどがインターネットにつながることで、これまでにない利用方法が生まれると考えられています。4Gは主に“ヒトのコミュニケーションのためのインターネット”でしたが、5Gでは“モノのインターネット(IoT)”の世界が展開することになるのです。これこそが、5Gが盛り上がっている大きな理由です。これまでも移動体通信は1Gから4Gまで、どんどん高速化、大容量化が進んできましたが(図2参照)あくまで対象はヒトであり、消費者向けに事業展開する企業以外に大きなインパクトはありませんでした。しかし、モノとモノがつながることは、製造業をはじめ、あらゆる産業に変革をもたらす可能性があります。

    ▲東京大学大学院 工学系研究科電気系工学専攻 教授 博士(工学) 森川 博之

    将来を見通せる会社に、大きく伸びるチャンスが

    ─では5Gの実用化で、世の中も大きく変わるのでしょうか。

    ここで一つご理解いただきたいのは、たしかに5Gは通信における大きな進化であり、4Gに比べさまざまなメリットを持っています。しかしそれはあくまで着実な技術の積み重ねによりもたらされたもので、4Gとは異なる画期的な技術ではないということです。誤解を恐れずに言えば、5Gで実現できることの多くは、通信の速度、反応の遅れなどに多少目をつぶれば、4Gでも実現可能です。そのため、5Gに目を向けてその中身を検討した人の一部には、本当に5Gが必要なのか?という「5G不要論」のような考えを抱く人もいます。たしかに、今目に見えているビジネスやサービスだけで考えれば、その見解は断片的には当たっています。しかし5Gは、これから展開するインフラであり、高速大容量など先に挙げた特徴が、将来どんなビジネスやサービスにつながるのか、まだ誰にも分かりません。インターネットを使った動画配信サービス「Netflix」を例に挙げてお話ししましょう。Netflixがサービスを開始した2007年当時、インターネットの速度は今よりも遅く、大容量の動画を快適に楽しむことはできませんでした。しかしNetflixは、近い将来そうした課題が解決すれば、消費者はブルーレイやDVDを借りに行くよりも、オンラインのVOD(ビデオ・オン・デマンド)を楽しむようになると予想して、事業を開始しました。そうした技術の動向と消費者の隠れたニーズについて先見の明があったからこそ、現在、動画配信サービスで覇権を得ることができたのです。5Gの実用化も、Netflixのように将来を見据えた新たなサービスを提供できる会社にとって、大きく伸びるチャンスとなるはずです。

    DXを実現し、生産性向上の大きな切り札に

    ─そうしたサービス提供という視点から、5Gは4Gとどのように異なるのでしょう。

    携帯電話の誕生から4Gに至るまで、サービスの内容は通信事業者が考えて提供していました。音声通話はもちろん、携帯電話によるインターネットサービスもそうです。ヒトとヒトがつながる通信だったので、それで良かったのです。しかし5Gではモノとモノがつながるようになります。あらゆる産業の、あらゆる場面で活用が進むため、現場を知らない通信事業者は、どこでどんなサービスに活用できるのか、何を提供すればいいのか、分かりません。例えばNTTドコモは「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」により5Gの技術検証環境を無償で提供していますが、これも「5Gを何に使えるのか」を現場から吸い上げたいという思惑によるものです。つまり5Gは、4Gとは異なり、待っているだけではサービスは下りてきません。5Gのビジネス活用においては、現場の人間、会社が、5Gをどう使えるのかを自ら主体的に考え、必要に応じ通信事業者からサポートを受けたり、他事業者とコラボレーションするといった姿勢が求められるのです。

     

    ─5Gは最終的にどのようなメリットを企業にもたらすのでしょうか。

    5Gは、IoTやAIとともに企業内におけるDX※1(デジタルトランスフォーメーション)、つまりITを活用した課題解決による生産性の向上のツールになると考えています。日本は少子高齢化が続き、これからも労働力人口の減少が避けられません。例えば欧米では、こうしたITの普及が労働者の雇用を奪うといった議論がなされています。しかし日本は、ITが雇用を奪う早さ以上に労働力人口が減っており、ITを使わないという選択肢はなくなっています。つまり現在は雇用の心配を恐れず、どんどんITを導入し、DXを強力に推進していくには絶好のタイミングであると言えるのです。まずはアナログでやっていることをデジタル化することから始めましょう。アナログで進めていた仕事をデジタル化して5GやIoTでそのデータを蓄積、AIで解析し、その結果をまた仕事にフィードバックするというCPS※(2 サイバーフィジカルシステム)のサイクル(図3参照)を多くの方々が導入していくことで、生産性は大きく向上すると思います。

    変革実現のために求められるのは“海兵隊型の組織”

    ─そうした変革を推し進めていく上で、求められる企業像というものはありますか。

    5Gを使ったDXで社内変革を目指す企業、5Gで新たなサービスを提供する企業のいずれにおいても、私は“海兵隊型の組織”が重要であると思っています。海兵隊は、戦場において本隊が出ていく前に敵陣に斬り込む役割を持つ部隊であり、海兵隊が先遣隊として地ならししたのちに本隊が進出します。5Gの活用にあたっては、まずは海兵隊のように、コンパクトでフットワークの軽い部隊が出ていって、失敗を恐れずにチャレンジするということです。うまくいけばさらに推し進めていけばいいし、失敗したらいったん後退すればいいのです。私は経営者団体などで講演する際、かならず「デジタルは海兵隊です。ぜひ失敗を許容してあげてください。KPIとか売上の見込みとか、そういった数字の質問はしないでください」とお話ししています。「やってみないと分からないのがデジタルであり、ロードマップの設定なんてできないんです」と。さらに経営と現場が近い、風通しの良い組織であることも重要です。現場がせっかく良いアイデアを持っていても、その声が中間で拒絶されてしまい経営に届かない組織では、スピーディーな変革はできません。そういう意味で、小回りの利く中小企業こそDXの実現には優位性があるとも考えます。

    “つなぐ人”の存在が、大きな飛躍のポイントに

    ─ほか、5Gを活用する上でのヒントはありますか。

    リスクを少なくする5Gを活用する方法は、今まで4Gでやっていたことを5Gでやってみることです。例えば4Gのネットワークを使い、画像を送る業務を5Gに置き換えてみてはどうでしょうか。4Gから5Gにスイッチすることで、伝送速度は大きく向上します。より高精細な画像もより短い時間で送ることができるようになります。そうした置き換えで、必ず何か“気づき”が生まれるはずです。また私自身が5G活用の上で重要視しているのは、技術と現場を結ぶキーパーソン、ちょうどいい言葉がないので私が“つなぐ人”と呼ぶ役割の存在です。現場も技術もアルゴリズムもすべて分かっているスーパーマンのような人がいれば理想ですが、そんな人はいません。現場が何を求めているか、技術で何ができるかを理解し、その双方をつないで事業開発ができる人が“つなぐ人”です。そして“つなぐ人”が、社内だけにとどまらず、例えばこの課題はあの会社の技術で解決できるとか、会社の垣根を超えて活躍できることが重要です。そして企業間の関係で付け加えるなら、そうしたコラボレーションの成功には“きれいな心”“与える心”が大きな意味を持つと考えています。企業同士が手を取り合って成功を目指すためには、「自分だけが儲けられればいい」とか「安くしてくれるならば使ってやる」といった考え方ではなく、互いを敬い、成功をともに目指す姿勢が必要なのです。欧米の企業は利益にシビアですが、こうした相手に与える心をビジネスエシックス(ビジネスにおける企業倫理)として守っています。相手に与えれば、きっと成功が近くなると考えているのです。日本人はそもそも“徳の心”を重視してきました。「三方(さんぼう)良し」という言葉にも、その心が表れています。5Gを活用するにあたり、もう一度、そこに立ち返ってみてはどうでしょうか。

     

    “失敗の経験値”が、次なるチャレンジを成功に

    ─5Gの普及が進む上で、セキュリティ上のリスクにはどう対処すればいいでしょう。

    5GではあらゆるモノがIoTでネットワークにつながることになります。そのため、セキュリティ対策はこれまで以上に重要になります(図4参照)。今まで我が国では海外に比べ相対的にICT投資が少なかったことから、セキュリティにあてる費用も少額でした。しかし5Gを使ったIoTが本格普及する段階では、きちんとお金をかける、しっかり対策する必要があります。お金をかけず、便利さだけを享受しようとしてはいけません。セキュリティ対策を誤れば、企業の経営を直撃する問題になると考える意識改革が求められているのです。

    ─最後に、5G導入に向けての展望をお聞かせください。

    これまで申し上げてきたことの繰り返しになりますが、5Gを活用しDXを実現するには、失敗を恐れずにチャレンジするマインドと、その失敗を許容できる企業風土が必要です。そして失敗をどう評価するかもポイントとなります。例えば何かにチャレンジして最終的に事業化できなくても、「価格に見合うサービスを提供できなかった」「技術面でのハードルが高かった」といった“失敗の理由”が明らかになれば、それはチャレンジの成果なのです。そしてその失敗は、得られた経験値を合わせ、いったん“引き出しにしまえばいい”のです。価格や技術など、課題がクリアになれば、その経験値は次のチャレンジの時に活きてくるわけですから。2020年、5Gの実用化をトリガーに、組織改革、生産性向上を、ぜひ進めていただきたいと思います。

      1. ※1 DX:Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称。ICTによりさまざまなデータを集積・利活用することで、新たな仕組みを創出し、既存の仕組みを変革すること。
      2. ※2 CPS:Cyber-Physical System(サイバーフィジカルシステム)の略称。現実世界(フィジカル空間)から得られる膨大なデータをコンピューター(サイバー空間)上で数値化して定量的に分析。その結果をフィードバックすることでより効率の良い高度な社会を実現するためのシステムのこと。
      3. ※3 HEMS:Home Energy Management System(ホームエネルギーマネジメントシステム)の略称。家庭で使うエネルギーの管理システム。照明や情報家電まで含め、エネルギー消費量を可視化しつつ積極的な制御を行うことで、省エネやピークカットの効果を狙う。
      4. ※4 コネクテッドカー:ICT端末としての機能を有する自動車。車両の状態や周囲の道路状況などのさまざまなデータをセンサーにより取得し、ネットワークを介して集積・分析する。
    ■プロフィール
    森川 博之氏 東京大学大学院 工学系研究科電気系工学専攻 教授 博士(工学)1987年東京大学工学部電子工学科卒業。1992年同大学院博士課程修了。モノのインターネット/M2M/ビッグデータ、センサネットワーク、無線通信システム、情報社会デザインなどの研究開発に従事。電子情報通信学会論文賞(3回)、情報処理学会論文賞、ドコモモバイルサイエンス賞、総務大臣表彰、志田林三郎賞など受賞。OECDデジタル経済政策委員会(CDEP)副議長、新世代IoT/M2Mコンソーシアム会長、総務省情報通信審議会部会長、国土交通省国立研究開発法人審議会委員など。著書に「データ・ドリブン・エコノミー」など。
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  • 電話での話し言葉をリアルタイムでテキスト表示し、聴覚障がい者の“会話”を実現

    特集記事PDF版はこちら ICTの発展とスマートフォンの普及は、コミュニケーショ…

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    ICTの発展とスマートフォンの普及は、コミュニケーションのスタイルに大きな変革をもたらしました。その変革は、これまで「電話を使うことが難しかった方々」の生活の質の向上に、大きく貢献しています。

    SNSだけでは解決できない聴覚障がい者の日常生活を支援

    スマートフォンの普及はコミュニケーションの多様化につながり、特にSNSは、話すこと、聞くことに障がいを持つ方々のコミュニケーションの活性化に大きく貢献しています。しかし、社会生活において、音声通話によるサービスはまだまだ必要とされています。

    「現在の日常生活において、病院の予約、宅配便のドライバーへの連絡に電話は不可欠です。また、クレジットカード紛失時の利用停止の緊急連絡など、電話以外の手段が選択しづらいケースもあります。弊社ではCSR部主導のもと、社内の各部署が障がい者支援への取り組みを進めており、これらの取り組みをサービスとして実現する私たちの部署では、その一環として、2015年に視覚障がいをお持ちの方でもスマートフォンによる文字入力を可能とするスマートフォンアプリ『Move&Flick(ムーブアンドフリック)』を提供開始しました。さらに次の活動として、聴覚障がいをお持ちの方のコミュニケーションを支援するアプリ『みえる電話®』※1の開発を決めたのです」(竹内氏)

    一般向けトライアルサービスで意見を集めて使いやすさを追求

    この「みえる電話®」は、通話相手の発話内容を利用者のスマートフォン上にリアルタイムでテキスト表示し、利用者はテキストを確認しながら音声で通話するという仕組みで、聴覚に障がいのある方々の電話でのコミュニケーションを可能にするものです。

    「開発は2015年秋に始まりました。音声を認識して文字化する技術はすでにありましたが、『電話を介して』というサービスは存在せず、そこに弊社が取り組む意義を感じました。開発にあたっては、まず簡易的なアプリを用意し、聴覚に障がいを持つ社員に使ってもらい、どのようなインターフェイスにすれば使いやすいかを煮詰めていく手法をとりました」(竹内氏)

    ▲図:「みえる電話®」の活用プロセス

    こうしたインターフェイスの検討で完成度を高めた後、2016年10月に一般からモニターを募り、トライアルサービスが始まりました。

    「モニターの方からいただいたさまざまなご意見の中から『聴覚に障がいを持っているため、発話も苦手だ』というご意見を機能に反映させたものが、画面上のキーボードで入力した文字を合成音声に変換して相手方に伝える『入力発話機能』です。合成音声は利用者が性別を選べるようにし、さらに入力の手間なく発話が可能な定型文も用意しました。文例はドコモショップにご来店いただいた方と手話で応対する弊社部門のスタッフと話し合い、内容を決めました。さらに利用者がよく使う文例を登録できる機能も盛り込んでいます」(竹内氏)

    このような改良を経て、2019年3月に正式にサービスを提供開始しました。

    「トライアルでいただいたさまざまなご意見を反映させたことで、現段階でのアプリケーションの機能はほぼ満足いただけるものになっていると考えています。正式版リリース後のアップデートも細かな修正のみです。認識率を向上させる取り組みについては引き続き行っていきたいと思います。またスマートフォンそのものやOSの進化でより便利な機能を盛り込めるようになった段階で適切に対応していきたいですね」(竹内氏)

    「みえる電話®」対応事例
    “受ける側”も「みえる電話®」に気配りを
    ~川崎市コンタクトセンターの取り組み~

    「みえる電話®」から発信された通話では、まず合成音声によるガイダンス※2が流れるため、人によってはスムーズに会話に入れない可能性があります。「心とハードのバリアフリー」を掲げる川崎市に、「みえる電話®」への対応についてうかがいました。

    神奈川県川崎市では「誰もが自分らしく暮らし、自己実現を目指せる地域づくり」を目指す「かわさきパラムーブメント」を推進しています。

    「川崎市にはオリンピック・パラリンピック東京大会で使われる競技会場はありません。ただこれを契機に一層のバリアフリーを目指し、多様な方々が社会参加し、自己実現を可能にするまちづくりを進めています」(成沢氏)

    「バリアフリーという言葉からはエレベーターやスロープなど施設面の整備を想像しがちですが、それと同様に心のバリアフリーも重要です。外見からは分からない障がいも含め、どういった障がいを持つ方がいらっしゃるのかを知り、お手伝いすることで、誰もが生きやすい世の中を形作ることができると思っています」(永田氏)

    (左) 川崎市 市民文化局オリンピック・パラリンピック推進室担当課長 成沢 重幸氏(右)川崎市 市民文化局オリンピック・パラリンピック推進室担当係長 永田 光太郎氏

    ▲(左)川崎市 市民文化局
    オリンピック・パラリンピック推進室
    担当課長
    成沢 重幸
    ▲(右)川崎市 市民文化局
    オリンピック・パラリンピック推進室
    担当係長
    永田 光太郎

    川崎市は、市民からの声をコンタクトセンターで受け付けています。

    「コンタクトセンター『サンキューコールかわさき』は、市政に関するお問い合わせ、ご意見、ご相談などにお答えしています。専門的なご質問は担当部局に回すこともあるため、お問い合わせと代表電話という二つの機能を備える形となります」(永田氏)

    このコンタクトセンターでの「みえる電話®」のトライアルサービスへの協力は、NTTドコモからの働きかけで実現しました。

    「実はこのお話があるまで、『聴覚障がいのある方からお電話がかかる』ということを想像できていませんでした。話をうかがう中で『みえる電話®』からの合成音声によるガイダンスは、予備知識がなければ適切な応対ができない可能性があるということもよく分かり、トライアルサービスへの協力に際しては、事前に周知を図ることにしました」(成沢氏)

    コンタクトセンターのコミュニケーターには担当部局を通じ、NTTドコモが用意したガイダンスビデオの視聴による研修を要請、コンタクトセンターからの取次ぎ、もしくは直接外部から電話が入ることもある市役所内各部署には文書での案内を行いました。

    「研修、案内からほぼ1年が経ちましたが、実際に『みえる電話®』での着信実績はありません。障がいのある方にこうしたアプリケーションがあることが周知できていない可能性も考えられるので、NTTドコモとも協力の上、広報活動を検討したいと思います」(永田氏)

    最後に両氏に、ICTの発展とバリアフリーとの関係についてうかがいました。

    「川崎市では、メールによるお問い合わせ受付も行っており、聴覚障がいのある方々はそちらをお使いになっていたのかもしれません。ただメールでは書き慣れている、慣れていないで意思疎通がうまくいかないこともありますし、やりとりにタイムラグが発生します。アプリケーションによる『電話でのコミュニケーション』が実現すれば、一層のバリアフリーにつながるでしょう」(成沢氏)

    「将来的には『みえる電話®』のようなアプリケーションを使い、聴覚障がいを持つ方がコンタクトセンターで働くという未来も見えてくると思います。ICTの発展が、人々の可能性を伸ばし、誰もが活躍できる社会の実現をもたらしてくれるはずです」(永田氏)

    1. ※1 「みえる電話®」は株式会社NTTドコモの登録商標です。
    2. ※2 「みえる電話®」の合成音声によるガイダンス例(通話相手側):「相手の方がドコモのみえる電話を利用します。あなたの声を文字でお伝えします。はっきりお話しください。サービス向上のためドコモが音声を利用する場合があります」

    「かわさきパラムーブメント」

    「かわさきパラムーブメント」
    推進ビジョンのパンフレット

    「かわさきパラムーブメント」
    東京2020オリンピック・パラリンピック大会の開催を契機に、すべての人が活躍できる社会を構築するために、川崎市と市民の皆さんが一緒に取り組む運動です。
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  • 派遣社員が能動的にキャリア開発できる仕組みを、200を超えるeラーニングプログラムで実現

    特集記事PDF版はこちら 企業の「働き方改革」が求められる中、人材育成の点では「…

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    企業の「働き方改革」が求められる中、人材育成の点では「いつでも」「どこでも」「何度でも」受講できるeラーニングの活用が進んでいます。株式会社レビックグローバルは、汎用コンテンツ、企業オリジナルコンテンツにより、多様化する企業の教育プログラム拡充に貢献しています。

    少子高齢化による外国人採用と働き方改革により進む、企業のeラーニング活用

    今や企業の人材育成の基盤ともいえるeラーニング。その歴史はパソコンが普及し始めた90年代にさかのぼります。CD-ROMなどの大容量メディアで教材を提供していたこの時期は、制作コストが高く、受講状況をインタラクティブに把握できなかったため、企業研修においては、エビデンスとして「教育記録を残す」といった限定的な使い方に留まっていました。

    「2000年以降、日本では少子高齢化が深刻になり、人材確保が難しくなる中で、企業は積極的に外国籍労働者を雇用するようになりました。日本語が得意でない人にも分かりやすく、実践に沿った教育プログラムの整備が急務となってきたのです。また、『働き方改革』が推進される中、さまざまな場所から一ヶ所に人を集める集合研修は、時間や費用の面で実施が難しくなっています。このような背景から『いつでも』『どこでも』『何度でも』受講できるeラーニングが強く求められるようになってきました。また、通信回線のブロードバンド化が進み、大容量のコンテンツをインターネットで手軽に提供できるようになったことや、受講者のデバイスがパソコンからスマートフォンにシフトするなど、受講環境が整ったこともeラーニングの発展に大きく影響しています」(荒木氏)

    株式会社レビックグローバル 代表取締役社長 荒木 靖也氏

    ▲株式会社レビックグローバル
    代表取締役社長
    荒木 靖也

    派遣スタッフのキャリア開発支援のために200以上のプログラムを提供

    レビックグローバル社のeラーニングソリューションを活用している企業に、アデコグループの日本法人で、総合人事・人財サービスを全国で展開する「アデコ株式会社」があります。

    「弊社では、2016年にeラーニングを本格導入しました。きっかけは、2015年9月に『労働者派遣法』の改正があり、派遣会社に『派遣労働者のキャリア形成支援』が義務づけられたことです。具体的には、『希望するすべての派遣労働者がキャリア・コンサルティングを受けられるように相談窓口を設置すること』『キャリア形成を念頭に置いた派遣先の提供を行えるように手続きが規定されていること』『キャリアアップに資する内容の教育訓練を段階的かつ体系的に実施すること』です。また、弊社の長期ビジョンとして『キャリア開発があたりまえの世の中をつくる。』を掲げていたこともあり、このタイミングで派遣社員を対象とした体系的な教育プログラムの開発に取り組むことになったのです。弊社の派遣社員は全国に3万人以上おり、勤務場所や勤務時間もさまざまなので、プログラムの提供手段は、『いつでも』『どこでも』に加えて、『誰でも』できるeラーニングがベストと判断し、レビックグローバル社に協力していただきました」(野原氏)

    アデコ株式会社 キャリア開発本部 本部長 野原 正和氏

    ▲アデコ株式会社
    キャリア開発本部
    本部長
    野原 正和

    「アデコ様に提供しているeラーニングソリューションは二つあります。一つは、アデコ社オリジナルのコンテンツで、主にヘルプデスクに派遣される方に向けたものです。『ヘルプデスクとは』といった基礎項目から、現場の仕事内容まで映像を見ながら分かりやすく学ぶことができます。一回約50分とやや長いのですが、2~3分で一つの章が終わるようなマイクロラーニング形式で、時間がなくても少しずつ受講できるようにしています。また、受け身で受講するのではなく、受講者が気づきを持てるコンテンツになるよう、『実際に現場に派遣された場合』を疑似体験ができるようなプログラムにしています」(荒木氏)

    「もう一つは、汎用的なビジネス英会話のプログラムで、派遣先で英語が必要となる派遣社員に向けたものです。英語学習にブランクがあったり、ビジネスの現場で英語を使ったことがないスタッフも受講しています。このような汎用的なプログラムを含め、派遣社員のキャリア開発に向けて200以上の教育プログラムを用意しているので、スタッフは教育訓練計画に沿って段階的に受講できるようになっています。このビジネス英会話のプログラムは受講者からも非常に好評で、常に受講者数ランキングの上位に入っています」(野原氏)

    マネジメントの基本

    ▲マネジメントの基本

    タイムマネジメント

    ▲タイムマネジメント

    受講者が能動的に学ぶ姿勢を持てるようRPAやAIが学習意欲をサポート

    企業研修にeラーニングを導入するメリットとして、受講者スキルの平準化があげられます。また、不明点を後から見返すことができるので、理解度や習熟度を高めることにも貢献しています。中小企業にとっては、自社オリジナルのコンテンツを一から用意することは困難ですが、レビックグローバルのような教育コンテンツ事業者から自社の状況に合った体系的なプログラムを安価でスピーディーに調達できるようになってきました。一方で、eラーニングによる企業研修が効果を発揮するためには、受講者が能動的に学ぶ姿勢を持つことが重要です。

    「『集合研修と比べて、実施効果が低いのではないか』というお声をいただくことがありますが、eラーニングならではの強みがあります。まず、受講履歴が詳細に残るため、習得度を客観的に把握することができます。また、RPAやAIを活用して受講者の興味のありそうなジャンルを勧めたり、人気コンテンツがランキング化されるような仕組みを実装することも可能です。受講者が『スキルアップしたい』という気持ちを誘発できるような工夫をシステム側でもしていきたいですね」(荒木氏)

    経営戦略

    ▲経営戦略

    論理的思考

    ▲論理的思考

    「アデコとしては、個々のキャリアプランに合わせた教育プログラムを提供できるように取り組んでいます。派遣社員が自身のスキルレベルを把握し、今後どのようにキャリアを積んでいくと良いかを可視化した『キャリアマップ』というツールはその一つです。今後は、それをデジタル化し、パソコンやスマートフォン・タブレットで手軽に確認ができ、キャリア・コンサルティングにも活用ができるシステムを実現したいと考えています。派遣社員がスキルアップすることで、派遣先の企業の生産性の向上につながるため、キャリア開発は働く人と企業の両方にとって良い循環を作るものとなります。今後は、仕事の幅や人材の多様化にスピーディーに対応する必要があるため、eラーニングの活用はますます重要になってくるでしょう。その意味では、eラーニングの活用を通じて、社会全体の生産性の向上に寄与することが目標ですね」(野原氏)

    会社概要
    株式会社レビックグローバル
    会社名
    株式会社レビックグローバル
    設立
    2005年(平成17年)
    本社所在地
    東京都港区芝公園2-10-1 住友不動産芝園ビル5F
    代表取締役社長
    荒木 靖也
    資本金
    6,000万円
    事業内容
    教育プロデュース事業、教材コンテンツ事業、学習ポータル事業、国外におけるナショナルスタッフ育成事業、代理店/チャネル教育・強化事業
    URL
    https://www.revicglobal.com/

     

    アデコ株式会社
    会社名
    アデコ株式会社
    設立
    1985年(昭和60年)7月29日
    本社所在地
    東京都千代田区霞が関3-7-1 霞が関東急ビル
    代表取締役社長
    川崎 健一郎
    資本金
    55億6,000万円
    事業内容
    人材派遣(一般派遣・特定派遣)/紹介予定派遣、人材紹介、アウトソーシング、再就職支援、コンサルティング
    URL
    https://www.adecco.co.jp/
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  • RPAとともに企業の働き方改革を支えるプロセスマイニングとは何か?

    特集記事PDF版はこちら 2018年頃からプロセスマイニング(Process M…

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    2018年頃からプロセスマイニング(Process Mining)という言葉を耳にするようになってきました。日本では「働き方改革」の一環として、労働人口減少による人手不足の解消と生産性向上に寄与する手法としてRPA同様に注目され始めています。その特徴や今後の展望について、日本語プロセスマイニングツール開発の先駆者であるエヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社にお話をお聞きしました。

    日本では「働き方改革」の一環としてRPAと並行して注目されてきた

    —始めに、プロセスマイニングの歴史的背景についてお聞かせください。

    柏尾 欧米では、2000年初頭から業務の効率化を目的に、プロセスマイニング手法が開発され始めました。一人ひとりが行っている作業を集合体として可視化し、無駄を省くというのが主な役割で、BPR※1やERP※2などと同様に、業務効率化の手段として広く普及するようになったのです。日本では、2017年頃から「働き方改革」の一環としてRPA※3を推進する企業が増え、それと並行してプロセスマイニングが注目され始めました。RPAを実装するには、業務をシナリオ化しなければならず、シナリオ化を効果的に行う手段としてプロセスマイニングを導入する企業が増えてきたのです。

    デジタルビジネス推進室 課長 柏尾 明希人氏

    ▲デジタルビジネス推進室
    課長
    柏尾 明希人

    —プロセスマイニングとは、具体的にどのような技術なのでしょうか。

    柏尾 プロセスマイニングは、複数のパソコンや業務システム、サーバーなどからログ※4を取り出し、抽出したログデータを解析して、フローなどの形で可視化する仕組みです。業務の責任者や担当者にインタビューしてプロセスを描くのと違い、ログデータという事実から業務プロセスを可視化することが特徴です。一口にログデータと言っても、同じ人が月に何百回、何千回と同じプロセスを行っている場合は効率化しやすいですよね。一方で、複数の人が同じような業務を行っている場合、人によって生産性が異なるので、まずはログデータを統合した上で、生産性を考慮して最適なフローを導き出す必要があります。事務職の方は、パソコン上で一人当たり月に10万~100万レコードにも及ぶ作業をしていますが、それらのログデータから課題となるような業務の繰り返しを抽出し、可視化することがプロセスマイニングのコアな技術と言えるでしょう。広義には、可視化した結果から、最適なプロセスになるように業務を統合したり、自動化しながら業務改善を続ける取り組みそのものもプロセスマイニングと言われています。

    —プロセスマイニングは、日本の企業でどの程度浸透してきていますか。

    岡村 日本では、プロセスマイニングはRPAや「働き方改革」と同じ文脈で語られることが多いのですが、2017年秋頃のユーザー企業の意識は「RPAツールを導入すれば働き方改革が進むだろう」という感じで、どのツールを選定するかが主な課題となっていました。ただ、当然のことながらツールを導入しただけでは「働き方改革」は実現しないため、最近の課題は「RPAやプロセスマイニングツールを導入して、どの業務課題をどの程度まで解決するか」という、導入前の課題整理や導入後の効果測定に意識が広がってきていると感じます。プロセスマイニングは、ここ数年で広く普及してきたと言えるのではないでしょうか。

    デジタルビジネス推進室 岡村 翔子氏

    ▲デジタルビジネス推進室
    岡村 翔子

    大企業と中小企業ではプロセスマイニングツールに求める機能は異なる

    —現行のプロセスマイニングツールの特徴と今後の展望を教えてください。

    柏尾 一般的に、大手企業は業務課題が明確で、ERPやCRM※5などの業務システムに連携するログデータから業務プロセスを導き出し、効率化を推進することが求められます。一方で、中小企業では、業務課題を明らかにすることからスタートすることが多いので、パソコン上のすべての操作ログといった雑多で膨大なデータを解析し、ビジネス課題として導き出すことが求められるのです。パソコン上の操作ログを解析する場合、事前に課題となりそうなことを一つ一つ設定することは現実的ではありません。数百台~数千台のサーバーが稼働することになりますが、AI(人工知能)を活用して、類似度の高い業務を自動的に検知し、業務課題として導き出せるツールならば導入効果が高いのではないでしょうか(図1参照)。


    ▲図1:プロセスマイニングツール AIログ分析利用イメージ

    岡村 また、レポートの見やすさも重要です(図2参照)。プロセスマイニングツールは欧米発のものが多く、UI※6も比較的良いのですが、設定するのが煩雑であったり、結果が読みづらいものが多いのが現状です。今後は、導出した業務課題をAIが「ここが課題です」と分かりやすくコメントしたり、スマートフォン画面でレポートを見て結果をすぐに読み取れるものが選ばれると思います。また、自社のログデータだけでは課題かどうかを判断できないようなことも、他社平均と比べて、多い・少ないが分かれば、業務課題の優先順位を一目瞭然で見極められるようになります。


    ▲図2:プロセスマイニングツールレポート画面

    業務課題の「見える化」に特化したツールを開発したい

    —御社がプロセスマイニングサービスに取り組まれた経緯をお聞かせください。

    柏尾 弊社も他社と同様に、「働き方改革」に資するサービスを開発しようと、2017年秋にプロジェクトがスタートしました。開発にあたっては60社、延べ300回以上のヒアリングをしたところ、「世の中に働き方改革のツールは数多くあるけれど、自社にとって何が最適なのか分からない」という課題を持つ企業が多いことに気づきました。また、その前段として、「自社や自部署にとって何が課題なのかすら明確に分からない」という声が多かったのです。そこから業務課題を導き出すことに特化したツールの開発に取り組み、現在はNTT西日本の「おまかせAI働き方みえ~る」として商品化されています。

    —今後の目標についてお聞かせください。

    柏尾 中小企業には専門のIT部門がなく、経営者や管理部門の方がI Tマネージャーを兼務されていることが多いのですが、その方々の手を煩わせずに、最新のデジタルテクノロジーを使って、まるで人間ドックのように課題を「見える化」し、業務改善や業務効率化に役立つツールになることが理想ですね。そのためにはまず、サービス提供者側ができるだけ多くの企業のログデータを解析し、効果の高い業務課題を導き出すことが求められます。単なる業務改善ツールにとどまらず、デジタルデータを幅広く活用できるようになることで、企業や人の働き方や暮らしを豊かにできると考えています。

    1. ※1 BPR:Business Process Re-engineering(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)の略で、業務の目的に向かって既存の組織や制度を見直し、職務、業務フロー、管理機構、情報システムなどを構築しなおすこと。
    2. ※2 ERP:Enterprise Resource Planning(エンタープライズ・リソース・プランニング)の略で、会計、人事、生産、購買、物流、販売などの基幹情報や経営資源を、統合的かつリアルタイムに処理する基幹業務システムを構築し、効率的な経営を図る経営手法のこと。
    3. ※3 RPA:Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略で、ソフトウエアのロボット技術により、定型的な事務作業を自動化・効率化すること。
    4. ※4 ログ:パソコンの利用状況やデータ通信などの履歴や記録を取ること。
    5. ※5 CRM:Customer Relationship Managementの略で、顧客の情報を収集・分析し、自社の商品やサービスの競争力を高める経営手法のこと。
    6. ※6 UI: User Interface(ユーザーインターフェイス)の略で、ユーザーとサービスの接点のこと。

    会社概要
    エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社
    会社名
    エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社
    設立
    2000年(平成12年)3月1日
    本社所在地
    大阪市北区大深町3番1号 グランフロント大阪タワーC13階
    代表取締役社長
    白波瀬 章
    資本金
    1億円
    事業内容
    ハウジング事業、クラウド事業、ストリーミング事業
    URL
    https://www.nttsmc.com/
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  • キャッシュレスが地方経済を押し上げる日

    特集記事PDF版はこちら 政府戦略の後押しもあり、キャッシュレスが急速に浸透しつ…

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    政府戦略の後押しもあり、キャッシュレスが急速に浸透しつつあります。現在、旧来からのクレジットカードはもちろん、デビットカードやQR決済型などあらゆるスタイルのサービスが乱立しています。都心部においては、コンビニエンスストアはもちろん、小規模の店舗でも利用できるようになっていますが、果たして地方都市ではどのような状況にあるのでしょうか。岩手エリアでキャッシュレス化を推進する岩手銀行に、普及状況や課題、目指すべき未来について聞きました。

    都心部と格差がある地方のキャッシュレス普及状況

    —岩手エリアにおけるキャッシュレス化の概況についてお聞かせください。

    小田中 盛岡市内の事業者の間では、それほど普及しているとは言い難いです。クレジットカードの端末を導入していても、あまり活用していない店舗が多く見られます。結局、これまでの現金決済で特に困ることもなく、キャッシュレスの必要性があまり感じられなかったのでしょう。そもそも地方は、都心部と比べてクレジットカードを使う人が少ないこともキャッシュレス導入に至らない理由の一つになっています。ところが、近年注目を集めているQR決済となると、若干、受け止め方が変わってきます。サービスを導入してインセンティブを付加することで、集客に役立つという認識が生まれています。

    リテール戦略部 部長代理 小田中 健氏

    ▲リテール戦略部
    部長代理
    小田中 健

    山崎 クレジットカードは端末を購入する必要がありますが、QR決済では印刷されたカードを一枚置くだけで済むので、初期費用はほとんどかかりません。大々的なキャンペーンによってQR決済が普及した影響もあり、事業者の方々もキャッシュレスに対して関心を持ち始めています。

    小田中 ただ、自分たちからキャッシュレスに取り組みたいと言い出す事業者はそれほど多くはないので、最終的に私たちが背中を押すという形のキャッシュレス普及に努めています。例えば、QR決済型のキャッシュレス会社が直接営業するよりも、当行の営業が客観的立場で説明したほうが納得していただけるケースも多いです。

    法人戦略部 公務・地方創生室 部長代理 山崎 陽介氏

    ▲法人戦略部
    公務・地方創生室
    部長代理
    山崎 陽介

    山崎 県内の道の駅でもカード端末導入など、少しずつキャッシュレス化が進んでいますが、これは当行の傘下にあるカード会社が、その必要性をきちんと説明してご提案し、ご理解をいただいた結果ととらえています。

    —都心部では、かなりキャッシュレス化が進んでいます(図参照)。その差はどこにあると思われますか?

    小田中 外国人の数の違いだと思います。都心部で外国人が増え始めたのは今から5年ほど前で、個人経営の商店がキャッシュレスを導入し始めたのも同時期です。岩手県下の小売店とは3年ほどの差があると思います。

    山崎 ただ、観光地については比較的キャッシュレス化が進行しています。例えば安比高原では、早くから海外カード対応のATMを設置し、中国のALIPAY(アリペイ/支付宝)なども導入しています。今年1月に花巻空港に上海便が就航しましたが、観光客は空港からバス直通で、花巻温泉や安比高原など限定的な観光地を訪れるため、現段階では外国人が盛岡の街まで流れてくることはありません。まずは名の通った観光スポットに来ていただき、口コミでリピーターが増えて、県内のほかのスポットにも目が向くことを期待しています。

    小田中 今年、釡石市で実施される「ラグビーワールドカップ2019™」も、キャッシュレス普及の一つの契機になると感じています。また宮古市では今年4月に岩手で初となる10万トン超のクルーズ船が入港しました。現在、釡石、宮古を中心とした沿岸部ではキャッシュレス化の取り組みが急速に進んでいます。

    山崎 クルーズ船は外国人乗客の割合が高いため、街中でもクレジット決済ができる店舗を増やし、埠頭に開設した店舗にも簡易的なクレジットカードの決済端末を用意しました。カード払いが多い外国人が増えるので、商工会議所もQR決済型の普及活動を進め、街中にキャッシュレスの機運が高まっています。

    集客目的のキャッシュレスからその先にある“価値”を示す

    —キャッシュレスを導入すると、売上管理が楽になる側面もあるかと思います。事業者の理解は進んでいますか。

    小田中 おそらく、実際に利用されている方は実感していると思います。とはいえ、現金の管理が楽になるからキャッシュレスに移行するという動機は薄く、事業者としては、会計処理の利便性よりは集客面でメリットを感じ、導入を考えている人が多いように思えます。例えば、レジと連携させるシステムを組めば、会計処理やデータの管理、将来的にはそのデータをマーケティングに活用することができます。長年蓄積された経営者の勘や感覚がデータに置き換わっていくのは間違いありませんが、現実問題として、システムを組み上げるにはある程度の投資も時間も必要です。

    山崎 事業者の一番の課題は、労働人口が減っていることによる人手不足です。キャッシュレスが進んだ先の理想的な姿というのは、現金管理が少なくなることで、両替の用意がなくなったり、銀行で長い時間を費やす必要がなくなることだと思います。それによって人手不足という課題も解決できれば、とても意義のあることですし、その点をご理解いただけるよう努めていきたいと思います。

    地域に根ざした金融機関としてキャッシュレスを推進する意義

    —今後の展開を教えてください。

    山崎 まずはインバウンドを増やすことが重要だと考えており、行政も含めて議論を進めていく必要があります。インバウンドを増やす取り組みの一つとして、キャッシュレス化を進め、ひいては地域事業者の収益につなげ、地方創生にもつながっていくことを期待しています。時間はかかると思いますが、今、実行しなければ大きな機会を失うことになると感じています。

    小田中 キャッシュレス化は、使える場所と使う人がそろって初めて普及していくものと考えていますので、事業者もさることながら個人の方がキャッシュレスを活用しやすい環境づくりにも注力しています。個人の銀行口座が直接、決済事業と結びつき、銀行口座からチャージできるようにするなど、岩手県内、岩手銀行をご利用されているお客さまがキャッシュレスを利用したときに不便のないように手を広げていこうと考えています。最終的には岩手銀行の口座があれば、あらゆるキャッシュレスサービスの利便性が享受できるという環境を整えていくつもりです。事業者の方にとっても同様で、地域や事業者の特性を理解している私たちだからこそ、さまざまなキャッシュレスサービスの中から最適なものを組み合わせて提案し、サポートができるものと自負しており、そういった認知を広げていきたいですね。


    会社概要
    株式会社岩手銀行
    会社名
    株式会社岩手銀行
    設立
    1932年(昭和7年)5月2日
    本社所在地
    岩手県盛岡市中央通1丁目2番3号
    代表取締役頭取
    田口 幸雄
    資本金
    120億8,900万円
    事業内容
    普通銀行業
    URL
    https://www.iwatebank.co.jp/
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  • 企業同士の「マッチングの場」を提供、AI&IoTで新たなビジネスの創出を

    特集記事PDF版はこちら 広島県は、課題を抱える企業と技術を持つ企業をマッチング…

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      string(15607) "企業同士の「マッチングの場」を提供、AI&IoTで新たなビジネスの創出を 広島県 商工労働局 イノベーション推進チーム
    
    

    広島県は、課題を抱える企業と技術を持つ企業をマッチングし、AI&IoT分野での3年間にわたる実証実験を支援する「ひろしまサンドボックス」を通じて、課題解決の取り組みを進めています。

    最先端のデジタル技術を活用して“共創”により課題解決を目指す「ひろしまサンドボックス」

    デジタル技術の活用による業務効率化は、コスト削減だけでなく、労働時間短縮など、働く人の環境改善にも大きく貢献します。ところが、有益なデジタル技術をどのような企業が持っているのかを調べることは、これまで大きなハードルでした。しかし今、そのハードルを企業間の協力、いわば“共創”により乗り越えようという試みが、広島県で進められています。

    「広島県はモノづくりが盛んな県として知られていますが、近年ではそうしたモノづくりに関わる方々に、AIやIoTなど最先端のデジタル技術を取り込み、より一層進化していかなければ、時代に取り残されてしまうという危機感も共有されてきました。しかし、チャレンジしたくても、ROI(費用対効果)が不明確な中で投資するリスクや、技術や知見のある人材の不足などがネックとなり、なかなか踏み切れずにいる企業が多い状況でした。そこで県として、こうしたコストをカバーし、企業同士をマッチングする『ひろしまサンドボックス』を立ち上げたのです。具体的には、3年間で10億円規模という資金を県が用意し、公募から選ばれたプロジェクトを支援し、AIやIoTを活用してさまざまな課題を解決する実証実験を進めていくというものです」(北岡氏)

    広島県 商工労働局 イノベーション推進チーム 地域産業デジタル化推進グループ グループリーダー 北岡 慎也氏

    ▲広島県 商工労働局
    イノベーション推進チーム
    地域産業デジタル化推進グループ
    グループリーダー
    北岡 慎也

    サンドボックスという名称はそのまま“砂場”を意味します。つまり、皆が集まって作ってはならし、失敗したらアイデアを練り直して何度でもチャンレジすることが可能です。また、公募には、条件が付いています。それは課題を抱える企業、その課題を解決できる技術を持つ企業などが4者以上でコンソーシアム(共同事業体)を組んで応募すること、そして、そのうち少なくとも1者は広島県内の企業などであることです。

    「県が資金を出しますので、広島発で何か県に残るものを創ってほしい。ただ、県内の企業だけに限ると、技術やアイデアにも限界があるため、県内企業と県外企業のコラボレーションを想定したわけです。また、県内で課題を抱える企業、技術を持った県外の企業のどちらにとっても、自分たちだけでパートナーを探すのは困難です。そこで『ひろしまサンドボックス推進協議会』を作り、課題の提示と技術の提案を行うイベントを開催することで、企業同士のマッチングを進めました」(北岡氏)

    3年間にわたり実験と検証を繰り返すスキームが、多数の応募につながる

    公募にあたっての記者発表は、2018年5月に東京・渋谷区で行いました。そこにはウェブメディアを中心に、何十社もの取材陣が集まりました。

    「東京を発表会場としたのは、首都圏には技術に長けた企業が集まっていること、そして全国各地に情報が伝わることを期待したからです。さらに首都圏で行われたイベントにも複数参加するなどしてPRを図り、大きな手応えがありました。公募には第1次、第2次合わせて89件もの提案があり、審査により、2018年8月に5件、12月に4件、合計9件が『優秀提案者』として選定され、現在実証実験が進んでいます。広島県としては、できるだけ幅広い分野での実証実験を考えていましたが、その期待どおり、実際に採択された提案は、観光、農林水産業、交通、健康・福祉など多岐にわたっています。行政が行う事業は一般的に年度に区切られ、その年度内に一定の成果を出すことが求められるため、今回の『3年間で10億円規模』『何度でも試行錯誤できる』という方法は異例です。単年度ではなく、3年間にわたり実験と検証を繰り返すというスキームが、89件という多数の応募につながったと考えています」(北岡氏)

    多様な企業や人材の集積に向けて

    最後に、このプロジェクトの3年後の「ゴール」についてうかがいました。

    「まず実証実験を通じて、一つでも二つでも事業化可能なビジネスモデルが出てくることを期待しています。県としては、そうした新たなビジネスが発生し課題を解決することで、県内の経済が活性化することを期待しています。さらに、『広島県が面白いことをやっている』と認知され、技術や知見を持った企業や研究者などが広島に興味を持って、多様な方々に参画いただければと思っています。現在、県では、これらの実証実験に取り組んでいるコンソーシアムに新たなメンバーが加入することも推奨しています。協議会もマッチングやサポートを継続しており、現在は県内外から650を超える会員が参加して新たなチャレンジを進めております」(北岡氏)

    「ひろしまサンドボックス」選定事例「宮島エリアにおけるストレスフリー観光」

    廿日市市 環境産業部
    一般社団法人 宮島観光協会
    西日本電信電話株式会社

    AI、IoTで宮島の駐車場問題、人混み問題解決を目指す

    日本三景の一つとして知られる広島県廿日市市の宮島は、近年、観光客の増加によるさまざまな問題が浮かび上がっています。

    「宮島島内は、休日になるとフェリー乗り場周辺の駐車場が早い時間に満車になり、空車待ちの列が国道2号線に延びて大渋滞を引き起こしています。これは観光客だけでなく、地域住民、さらには国道2号線を利用する物流にも大きな影響を与えています」(田宮氏)

    「休日の宮島は人であふれ、通り抜けることもままならない状態です。紅葉の時期はロープウェーに観光客が集中し、長い待ち時間ができます。観光協会が掲げる『宮島で、安全・安心・快適に過ごしていただく』というポリシーの実現のため、これは解決しなければならない課題でした」(上野氏)

    (左)廿日市市 環境産業部 観光課 専門員 田宮 憲明氏(右)一般社団法人 宮島観光協会専務理事 兼任 事務局長 上野 隆一郎氏(中央)西日本電信電話株式会社 広島支店 ビジネス営業部 公共ソリューション営業部門 公共営業担当 山本 麻祐子氏

    ▲(左)廿日市市 環境産業部
    観光課 専門員
    田宮 憲明
    ▲(右)一般社団法人 宮島観光協会専務理事
    兼任 事務局長
    上野 隆一郎
    ▲(中央)西日本電信電話株式会社 広島支店
    ビジネス営業部 公共ソリューション営業部門
    公共営業担当
    山本 麻祐子

    これらの課題をデジタル技術により解決すべく、廿日市市、宮島観光協会、NTT西日本、広島修道大学、株式会社ウフルがコンソーシアムを結成して「ひろしまサンドボックス」に選定された提案が「宮島エリアにおけるストレスフリー観光」です。

    AI、IoTによる実証実験で解決策を検討

    「本土・宮島口側の駐車場問題、対岸・宮島側の人混み問題の双方で、それぞれAI、IoTを使った解決策を検討し、実証実験を進めています。駐車場問題解決に向けては、まず簡易型のセンサーによる駐車場混雑状況の把握と周知を図れる仕組み作りを目標としました」(山本氏)

    宮島の駐車場は海側と山側にありますが、海側で最も遅く満車になると予想される駐車場に自動車のタイヤが踏むことで通過台数をカウントするセンサーを新規開発して取り付け、データ収集を開始しました。今後は入庫車/出庫車の差分で満空情報を判定して駐車場混雑状況を“見える化”し、満車になった時点で山側の駐車場への誘導を行います。

    「さらに国道2号線にカメラを設置し、渋滞の状況を撮影した映像や、ナンバー情報取得に対応したカメラで取得した地点間の通過時間を配信する取り組みを今後の実施事項としています」(山本氏)

    利用者は宮島観光協会の公式LINEアカウントと“友だち”になることで、こうした情報をスマートフォンで取得できる予定です。

    「専用のアプリ導入も考えましたが、インストールすることがハードルになると考え、QRコードからLINEへアクセスできる簡易な方法を選択しました。将来的にはAIによる判定で渋滞通過時間や特定日のおすすめアクセス手段の提供、さらには近隣にあるショッピングセンターの駐車場などと連携したパークアンドライド※にも活用できればと思っています」(山本氏)

    デジタル技術の活用で“線の観光”から“面の観光へ”

    宮島島内においては、混雑情報や観光情報を提供し、観光客の分散、そして観光をゆったりと楽しめる環境作りを目指しています。表参道の商店街、厳島神社出口、宮島ロープウェーなどにカメラを設置し、情報をスマートフォンに配信。また島内4ヶ所のトイレにドアの開閉を感知するセンサーを取りつけ、混雑状況を配信、「今どこのトイレに行けば待たずに済むか」を知らせることもできます。

    「今回の実証実験では、カメラによる顔認証で性別・年代などの属性情報を取得するとともに、同一人物の判定により島内滞在時間も取得し、満足度を推定するために表情や感情を読みとるなどの試みも行っています。またチャットボット(テキストや音声を通じて自動的に会話するプログラム)を使った“おすすめ”の紹介も、今後スタートする予定です。将来的にはAIによる予測情報により、お客さま一人ひとりに合った島内周遊が出来るようになるのが目標です」(山本氏)

    「情報取得で混雑や待ち時間を避けることができるようになれば、現在のフェリー乗り場から厳島神社を往復するという“線の観光”から、宮島全体を楽しむ“面の観光”に自然にシフトしていただくことになるでしょう。そして新しい魅力に触れ、一層ご満足いただけると思います。そして二度、三度と宮島にご来訪いただくことが、宮島口、宮島双方の観光業の発展に寄与するはずです」(上野氏)

    1. ※パークアンドライド:出発地から自動車で移動、途中の駐車場に自動車を停めてから電車・バスなどの公共交通機関で目的地へ向かう方法。

    ひろしまサンドボックスQRコード

    利用者は左記QRコードより宮島観光協会の公式LINE※アカウントと“友だち”になることで、各種観光情報をスマートフォンで取得できます。
    ※スマートフォン用コミュニケーションアプリ「LINE」は、LINE株式会社が提供するアプリです。LINEのご利用設定は、利用者さまのご判断でお願いします。


    ひろしまサンドボックス
    「ひろしまサンドボックス」 AI、IoT、ビッグデータなどの最新のテクノロジーを活用し、広島県内の企業が新たな付加価値の創出や生産効率化に取り組めるよう、技術やノウハウを保有する県内外の企業や人材を呼び込み、さまざまな産業・地域課題の解決をテーマとして共創で試行錯誤できるオープンな実証実験の場。
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  • 機械翻訳の進化によりインバウンドへの対応を改善する

    特集記事PDF版はこちら 訪日外国人観光客の数が急激に伸びています。2020年に…

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    訪日外国人観光客の数が急激に伸びています。2020年に開催が予定されている東京オリンピック・パラリンピックに向け、急ピッチで受け入れ準備を進めていますが、まだまだ多くの飲食店や小売店においては、接客に必要な多言語対応が遅れているのが事実です。商機を逃すことなく、真のおもてなしを実現するために、どのようなツールを活用すればいいのか。長きにわたり多言語ツールの開発を行ってきた凸版印刷株式会社に話を聞きました。

    訪日外国人観光客が求める多言語コミュニケーション

    —まずは、多言語化が求められる背景について教えてください。

    2020年に向け、訪日外国人が増加しています。その一方で、日本を訪れる外国人の多くが、多言語表示がないことに不便さを感じています。2016年に総務省と観光庁が発表した調査結果によれば、訪日外国人が旅行中に困っていることの第1位に「施設などのスタッフとのコミュニケーションが取れない」こと、そして第4位に「多言語表示の少なさ・分かりづらさ」を挙げています。多言語対応が必要なシーンは数多くあります。例えば、情報発信に必要なSNSやホームページ、店頭ポスターやサイネージ、案内用チラシ、店内掲示の各種案内文、そして外国人の利用客が感想を書き込む口コミへの返信などです。飲食店、宿泊施設、レジャー施設など多くの小規模事業者の皆さまは、外国人観光客を積極的に受け入れたいと考えてはいるものの、そもそも“何を準備すればいいのか”が分かりません。しかも、どれくらいの集客ができるか分からないのに、外国語対応が可能なスタッフを雇い入れたり、短い案内文などを翻訳者に頼んだりすることに抵抗を感じています。そのため、誰もが気軽に利用できる翻訳ツールが必要だったのです。

    —最近は、インターネット上で手軽に翻訳が可能なサービスもあるようですが。

    翻訳サイトも、学習能力が高いニューラルネットワーク※1が導入されたことで、飛躍的に精度がアップしました。しかし、翻訳サイト自体が汎用性の高い翻訳サービスであるため、いわゆる専門用語には対応していません。さらに現時点においては、初見で理解できない言葉を丸ごと抜いて翻訳してしまう傾向があります。翻訳サイトに限らず、現時点における機械翻訳の精度では、100%の正解を得ることはできません。特に長文を苦手としており、訳の抜け落ちも多発するため、およそ30%の精度しか実現できていないのが現状です。機械翻訳は、最終的に人がチェックして仕上げることと、専門用語を網羅したデータベースが連携しないと実用化がまだ難しいのです。

    AIによる機械翻訳に加えて翻訳者が最終校正を行うクオリティ

    —貴社の多言語化サービスへの取り組みの歴史についてお聞かせください。

    弊社は、総務省所管の国立研究開発法人情報通信研究機構、通称「NICT」とともに自動翻訳システムの社会実装に取り組んできました。NICTが開発した自動翻訳エンジンを使用した、自治体や公共サービス事業者、郵便局に向けた音声翻訳サービス、教育機関における外国人保護者への対応など、さまざまなシーンを想定した社会実験を行ってきました。また百貨店に対しては、店舗ごとに発注していたために訳語が不統一といった課題の解決をサポートします。過去に行った翻訳も含めてデータベース化することで、流用による翻訳コストの圧縮と用語統一によるブランド管理も行っていました。このデータベースの特徴は、機械翻訳を実施した上で、最終的に人手による校正を入れて仕上げていることです。これは印刷会社として歴史を重ねてきた弊社が築いてきた翻訳者のネットワークを活かしたサービスと言えます。

    —現在は、インバウンド特化型のサービスを展開されていますよね。

    NTT東日本との協業によるインバウンド翻訳サービス「ジャパリンガル」も、こういった弊社の翻訳への取り組みから生まれたものです。NTT東日本が開発した文化観光特化型のAI翻訳サービス「ひかりクラウドcototoba(こととば)」を使用して、これに弊社の翻訳者による校正を組み合わせることで、インバウンド分野に絞り込んだ精度の高い翻訳サービスの提供を実現しました。観光地や宿泊施設、店舗などのさまざまな情報を手軽に翻訳できる観光事業者向け翻訳サービスを提供しています。

    —「ジャパリンガル」の特徴を教えてください。

    私たちが実現したのは「安い」「早い」「気軽に」という三つの利用メリットです。例えば、価格は通常の翻訳サービスの約3分の2の費用圧縮を実現し、スピードコースを利用していただければ、2,000文字までなら翌営業日の納品が可能です。文字単価で換算する従量課金プランと月額プランも用意しており、ウェブサイトから24時間・365日いつでも簡単に発注できます。通常の翻訳であれば、最低料金として5千円~1万円がかかりますが、「ジャパリンガル」では1文から翻訳の依頼ができます。依頼文字数×文字単価で費用が確定するので、文字数の少ないポスターやPOPのキャッチコピー、飲食メニューの解説文などにも活用できます。最も力を発揮するのは、博物館や美術館の解説文でしょう。「ひかりクラウドcototoba」自体、文化観光に関するデータベースを持っており、さらに新しい言葉が「ジャパリンガル」側からフィードバックされる度に学習していきます。日本人が読んでも難解な文章を分かりやすく、正しいニュアンスで伝えることができます。また、エンドユーザーが独特の言い回しや固有名詞などを入力できるカスタマイズ辞書機能を追加し、より精度の高い翻訳が可能です。インバウンド、あるいは外国人居住者向けのサービスに的を絞ったことで、用語の幅を広げるのではなく、より深めていく感覚です。AIの学習能力が高まっていけば、収集した観光・文化関連用語を蓄積していき、言い回しやニュアンスも含めて表現の精度が上がっていくものと考えます。

    個人事業主であってもインバウンド需要をキャッチアップ

    —ジャパリンガルの 対応言語はどのくらいあるのでしょうか?

    現時点における対応言語は、英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語です。基本的にはこの4言語がカバーできれば、多くの外国人観光客に対応ができます。今後は、ニーズの高いタイ語、ベトナム語、フランス語、スペイン語を追加していく予定です。

    —これから多言語化を考えている方々へアドバイスをいただけますか。

    現在、経済産業省が各自治体を通じて実施している「IT導入補助金」は、中小企業・小規模事業者などが自社の課題やニーズに合ったITツール導入の経費の一部を補助することを目的としています。この補助金を活用すれば、ジャパリンガルをさらに気軽にご活用いただけます。

    —最後に、今後のビジョンを教えてください。

    今後は、音声翻訳、ウェブサイト多言語化など、弊社内に30ほどある外国語受け入れ対応ソリューションを連動させて、ワンストップサービスとしてお客さまに提供していきたいと考えています。またジャパリンガルはAPI※2を公開しているので、外部サービスとの連携も容易です。ウェブ多言語化、デジタルカタログなど他サービスの多言語化支援にも注力していきます。本サービスを拡充することで、外国語が堪能な従業員がいない中堅・中小、個人事業主にとってのインバウンド需要拡大の起爆剤になりたいと考えています。

    1. ※1 ニューラルネットワーク:人間の脳の神経細胞をモデルとして構想される情報処理システム。
    2. ※2 API:Application Programming Interfaceの略。自己のソフトウェアを一部公開して、ほかのソフトウェアと機能を共有できるようにしたもの。
    会社概要
    凸版印刷株式会社
    会社名
    凸版印刷株式会社
    設立
    1900年(明治33年)
    本社所在地
    (本店)東京都台東区台東1丁目5番1号 (本社事務所)東京都千代田区神田和泉町1番地
    代表取締役社長
    金子 眞吾
    資本金
    1,049億8,600万円(2018年3月末現在)
    事業内容
    「印刷テクノロジー」をベースに「情報コミュニケーション事業分野」、「生活・産業事業分野」及び「エレクトロニクス事業分野」の三分野にわたり幅広い事業活動を展開。
    URL
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  • 次世代通信規格「5G」の実力と、ビジネスへの展開を探る

    特集記事PDF版はこちら 現行の4Gに代わる新世代の携帯電話通信規格「5G」の実…

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    現行の4Gに代わる新世代の携帯電話通信規格「5G」の実用化、商用利用を目指した実証実験が全国各地で行われています。5Gがどのような特徴を持ち、そしてビジネスにどのようなメリットをもたらすのか、5G導入を推進する総務省の新世代移動通信システム推進室に聞きました。

    4Gより10倍速い通信速度とリアルタイムな通信を実現

    —5Gとはどのようなものなのか、これまでの通信方式との違いを含めて教えてください。

    中村 5Gは2020年の商用利用を目指し整備を進めている、次世代(第5世代)の移動通信方式です(図1)。現在、主流となっている方式は4Gですが、5Gは4Gに比べて伝送速度が超高速である、多数の端末を同時に接続できる、低遅延、つまりリアルタイムな通信が可能になるといった特徴があります(図2)。

    —それぞれの特徴を、より詳しく教えてください。

    中村 4Gの伝送速度は最大1Gbps程度ですが、5Gではその10倍の10Gbpsでのデータ通信が可能となり、これまで困難だった4K/8K映像の超高速伝送にも対応します。また同時接続数はkm²あたり100万台と、4Gの100倍に飛躍的に増加します。通信の遅延は4Gの10ミリ秒から1ミリ秒と激減します。

    総合通信基盤局 電波部 移動通信課 新世代移動通信システム推進室 課長補佐 中村 元氏

    ▲総合通信基盤局
    電波部 移動通信課
    新世代移動通信システム推進室
    課長補佐
    中村 元

    「距離の壁」を取り払い、さまざまなサービスでの利用を想定

    —こうした特徴は、生活やビジネスにどのような効果をもたらすのでしょうか。

    中村 高精細な映像の伝送と低遅延は、距離の壁を取り払ったサービスを可能にすると考えられます。例えば遠隔地にいる医師が患者の映像を見て病気を診断したり、さらにはロボットを通信経由で操作して手術したりすることも可能になります。一般企業においても、複数のお客さまのところに新製品のサンプルを送り、お客さまが装着したヘッドマウントディスプレイ(ヘルメットやゴーグルのような形状をした装着型ディスプレイ)を介して、遠隔地であっても、あたかも目の前で説明されているようなプレゼンテーションを行うといった活用もあり得るでしょう。さらに低遅延を活かした運送業への利用も考えられています。これは複数のトラックで走行する時、先頭車両のみ人が運転し、後続の車列は先頭車両の走行情報を通信で受け取り、無人で追従するというものです。人が運転する場合は事故を防ぐため、高速道路を時速80km程度で走行すると80mくらいの車間距離が必要ですが、5Gを活かした無人運転では先頭車の加減速にほぼリアルタイムに反応できるため、車間距離を5~6m以下まで縮めることが技術的には可能となります。これは現在運送業界が直面している人手不足解決に向けての処方箋になるとともに、短い車間距離による車列が空気抵抗を減らし、燃費向上という効果も期待できます。

    「ローカル5G」の利用は製造現場にも大きな変革を

    —工場など製造現場にも、メリットはあるのでしょうか。

    中村 少量多品種生産方式をとっている工場では、製造する製品が変わるごとに製造装置やロボットの配置換えが行われますが、その際に手間となるのがそうした装置やロボットとセンサーなどをつなぐ配線の付け替えです。4Gでは、配線の無線化は遅延などの通信品質の問題から困難でした。しかし、5Gの低遅延を活かし無線化すれば、再配線の手間が削減され、生産性の向上に寄与するはずです。こうした製造現場での活用など、きめ細かなニーズに対応するため、総務省では「ローカル5G」の導入についても検討を行っています。

    —その内容を詳しく教えてください。

    中村 ローカル5Gは、地域ニーズや個別ニーズに応じてさまざまな主体が5Gを活用するシステムです。5Gの多数同時接続と遅延の少ない通信という特徴は、工場内の膨大なセンサーやIoT端末をすべて無線で管理することも可能とします。導入においては企業や自治体などさまざまな主体ごとに用途に合わせネットワークを柔軟に設計できますし、また、例えば工場内などで完結したネットワークとすれば、セキュリティも確保できます。さらには基幹システムや製造実行システムとも連携した「スマートファクトリー」の実現にも、大きな役割を果たすことが期待されています。

    中小企業が抱えるさまざまな課題を解決する切り札にも

    —5Gは単に“次世代の携帯電話”だけではなく、さまざまな活用が考えられるわけですね。

    中村 私たち総務省は、通信事業者とも連携して5Gの実用化を進めていますが、実際にどのようなサービスに活用できるのかについては手探りです。そのため、これまで、地域の自治体やさまざまな事業者とも連携した実証実験を行い、「何に使えるのか」だけでなく「どういったニーズがあるのか」の掘り起こしを進めています。中小企業の方々はさまざまな課題を抱えていらっしゃると思いますが、そうした課題のうち、5Gが解決できるものは必ずあるはずです。また、高速で低遅延の5Gの導入により通信というボトルネックが解消すれば、これまで問題にならなかった通信以外のシステムの“遅れ”がクローズアップされ、そこを改良しようという動きも出てくるでしょう。また現在、例えば映像の伝送では4K/8Kカメラと通信機器というように異なる装置を連携させていますが、5Gの利用が拡大すれば、通信機器と一体化した高精細カメラなどが生まれ、かつ価格も低下し、新たな産業の成長にもつながるはずです。

    —今後の5Gの展開について教えてください。

    中村 この4月に携帯電話事業者に向けて、5G向けの周波数割り当てが行われました。今年9月に日本で開催される「ラグビーワールドカップ2019™」でプレサービスが行われ、2020年に商用利用が始まる予定です。総務省としては、先に挙げたローカル5Gも含め、5Gの早期の展開と普及を実現すべく環境づくりを進めていきます。

    組織概要
    総務省
    組織名
    総務省
    所在地
    東京都千代田区霞が関2-1-2
    総務大臣
    石田 真敏
    URL
    http://www.soumu.go.jp/
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  • 業務効率化と人手不足対策の切り札、AI OCRとは?

    特集記事PDF版はこちら オフィス内の事務処理には多くのICTソリューションが導…

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    オフィス内の事務処理には多くのICTソリューションが導入されていますが、取引先とのやりとりに紙の伝票が介在し、その入力業務が大きな負荷となっている企業は少なくありません。AI OCR※1が今、そうした“人的作業”を軽減し、人手不足対策の切り札になると期待されています。

    1990年代に成熟した技術が、AIの導入でさらに発展

    —OCR(光学的文字認識)のこれまでの歩みを簡単に紹介してください。

    嶋田 OCRそのものの歴史は古く、1960年代後半には郵便番号の自動読み取り機で実用化されていました。認識の精度は年を追うごとに高まり、辞書と照らし合わせ認識精度を高める仕組みなども導入され、1990年代には技術的に成熟していました。

    —そのOCRが、現在改めて注目を集めているのはどうしてですか。

    嶋田 まずAI(人工知能)との組み合わせによる性能の向上です。それまでのOCRはすでに96~97%の認識率をマークしていましたが、多種多様なフォーマットが混在するような環境への対応は苦手でした。これがAIの導入により、例えば紙の請求書であれば「この部分は日付、この部分は金額を表す」と判断し、デジタルデータとして格納することが可能になったのです。RPA※2の普及も追い風になりました。手書きの伝票をAI OCRが読み取り、そのデータをRPAが処理して販売管理システムや会計システムに連携するという流れが、企業の事務作業の効率化に大きく貢献することとなったのです。

    ▲デジタルビジネス事業本部
    ワークフローソリューションセンター
    プロジェクトマネージャ
    嶋田 敦夫

    これまで必須だったエンジニアによる作業をなくし導入コストを低減

    —AI OCRの業務への導入には、どのような特徴がありますか。

    嶋田 これまで伝票処理へのOCRの導入には、どのような伝票が存在し、伝票のどの部分がどの項目にあたるのかという定義づけを、エンジニアがあらかじめ行う必要がありました。その行程に数十万円、時には数百万円という費用がかかっていたのです。しかしAI OCRは、導入段階ですでに他社で多くのデータを読み取り、学習を重ねています。そのため、改めての定義づけが不要で、導入時のコストが小さく、またスムーズな稼働が可能です。また弊社製品では、稼働後も学習が続き、伝票を読めば読むほど、認識精度は高まっていきます。

    —AI OCRを使った業務の具体的な流れを教えてください。

    嶋田 弊社製品を例に紹介いたします。まず、複合機で紙の請求書をスキャンします。次にAIがその画像から日付、金額などを適切に判断し、デジタルデータとして格納します。そのデータを人間が目視で確認し、読み取りミスがあれば訂正します。最終的にそれらのデータが、販売管理システムや会計システムに、場合によってはRPAによって引き継がれることになります。AI OCRが読み取りミスをしてお客さまが訂正した場合、AI OCRはそれが「ミスであった」と認識して、次回以降の読み取りはより正確になります。

    小規模の事業者こそ、AI OCRによる負荷軽減で大きな効果を

    —どのような企業に、大きな効果をもたらすのでしょうか。

    嶋田 弊社製品では読み取りの対象を請求書に絞っていますが、規模の比較的小さな事業者、具体的には毎月処理する請求書の枚数が100枚から200枚くらいの事業者に大きな効果があると考えています。こうした会社では、経理部門に十分な人員を配置することが難しく、月末・月初など請求書が集まる時期に手作業で入力するのは、かなりの手間になっていると思われます。AI OCRを導入すれば、こうした負担が格段に小さくなり、場合によっては導入により浮いた人的リソースを別の業務に充てることもできるでしょう。また小さな事業者であれば、取引先の数も限られていることから、請求書のフォーマットも少なく、AI OCRによる認識もより正確になるというメリットもあります。冒頭でも申し上げたように、RPAをすでに導入していらっしゃる事業者では、より大きな効果があると考えられます。

    あらゆる種類のデータを同様にハンドリングできる業務環境の実現へ

    —AI OCRにはクラウド型とオンプレミス型がありますが、それぞれどのような特徴がありますか。

    嶋田 クラウド型は、お客さま側にサーバーなどの設置の必要がなく、より低コストでの運用が可能です。またAI部分は複数のお客さまで共用となるため、学習の効果がより高まります。またバージョンアップもクラウド側で行うため、常に最新の機能をお使いいただけます。オンプレミス型は、セキュリティポリシーの関係で社内の業務データを外に出すことができないお客さまにご活用いただいています。ただ、クラウド型を採用する販売管理システムや会計システムなどが増えてきていることから、今後はそうしたシステムとOCR、RPAなどがAPI※3連携し、“どこで動いているか”を気にすることなくご利用いただけるようになっていくと思われます。

    —AI OCRの今後の展望について、教えてください。

    嶋田 認識率はかなり高まってきてはいますが、100%にすることは困難だと思います。しかしAI OCRで認識ミスがあっても、下流工程のRPAがそれを異常値と判断したり、注文書など別の証憑との突合でミスを感知したりするといったフェイルセーフ※4があれば、信頼性は大きく高まるでしょう。もう一つの発展は、企業固有の表現(固有名詞など)が多く、AIによる事前学習が不十分なために読み取り難易度の高い、注文書、納品書、契約書などほかの伝票への展開です。最終的な目標としては、OCRが介在することで、電子データ、メールの添付書類、紙の伝票をすべて同じように扱えるようになると思いますし、それが現在目指す一つのゴールであると考えております。


    1. ※1 AI OCR : 紙やPDFなどの文字情報を電子化する技術がOCR(Optical Character Recognition/Reader=光学的文字認識)で、これにAI(人工知能)技術を取り入れたもの。
    2. ※2 RPA:Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略で、人工知能を備えたソフトウエアのロボット技術により、定型的な事務作業を自動化・効率化すること。
    3. ※3 API:Application Programming Interfaceの略で、自己のソフトウエアを一部公開して、ほかのソフトウエアと機能を共有できるようにしたもの。
    4. ※4 フェイルセーフ : 何らかの装置・システムにおいて、誤操作・誤動作による障害が発生した場合、常に安全側に制御すること。
    会社概要
    株式会社リコー
    会社名
    株式会社リコー
    設立
    1936年(昭和11年)2月6日
    本社所在地
    東京都大田区中馬込1-3-6
    代表取締役社長
    山下 良則
    資本金
    1,353億円(2018年3月31日現在)
    事業内容
    オフィス機器(複合機など)や光学機器の研究、開発、製造、販売およびサービス提供
    URL
    http://www.ricoh.co.jp/
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  • あなたを狙う「標的型攻撃メール」〈前編〉

    問い合わせや取引などを装って届いたメールのリンクをクリックしたり、添付ファイルを…

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    あなたを狙う「標的型攻撃メール」〈前編〉

    問い合わせや取引などを装って届いたメールのリンクをクリックしたり、添付ファイルを開いたことで、ウイルスなど悪意あるソフトウェア(マルウェア※1)に感染してしまう。そんな「標的型攻撃メール」の被害が拡大しています。独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)に取材したその実態と対策を、2回にわたり連載します。

    表:標的型攻撃メールの着眼点(IPAテクニカルウォッチ(技術レポート)「標的型攻撃メールの例と見分け方」より)

    標的型攻撃メールの着眼点
    1. は本誌編集部による注釈

    「IPAテクニカルウォッチ標的型攻撃メールの例と見分け方」
    https://www.ipa.go.jp/security/technicalwatch/20150109.html

    誰もがターゲットになり得る「標的型攻撃メール」

    —「標的型攻撃メール」とは、どのようなものなのでしょうか。

    釜谷 標的型攻撃メールとは、特定の組織や人を対象とした“ついうっかり開いてしまう”ような仕掛けが施されたメールのことです。このメールの本文中のリンクをクリックしたり、添付ファイルを開いてしまうと、利用者のPCがウイルスなどの悪意あるソフトウェアに感染してしまいます。その起源は意外に古く、国内では2005年くらいに観測されています。

    —こうした攻撃を仕掛ける動機はどこにあるのでしょう。

    釜谷 攻撃者(メールの送信者)の最終的な目標は、情報や金銭を盗み取ることです。ただ攻撃者は直接メールの受取人を狙っているとは限りません。受取人をだまし、そこから得た情報(メールアドレス、会社の内部情報など)を踏み台に、さらに親会社や取引先を狙うパターンもあります。つまり誰もが標的型攻撃メールのターゲットとなり得るのです。

    ▲IPAが発行している『IPA NEWS』(右)と、ホームページ上で公開しているIPAテクニカルウォッチ「標的型攻撃メールの例と見分け方」(左)

    ▲IPAが発行している『IPA NEWS』(右)と、ホームページ上で公開しているIPAテクニカルウォッチ「標的型攻撃メールの例と見分け方」(左)

    正規のメールのやり取りの途中で相手がすり替わることも

    —「標的型攻撃メール」にはどのような種類があるのでしょう。

    釜谷 私たちは大きく三つのタイプに分類しています。一つめが複数の組織や業界を狙うもの。二つめが特定の組織を狙うもの。三つめが不特定多数にばらまかれるものです。まず、複数の組織や業界を狙うものの多くは日本語が不自然で比較的見破りやすいものです。しかし特定の組織を狙うものは、何らかの形で手に入れた業務上のメールの文面が利用されることもあり、見極めが非常に困難です。これは標的型攻撃メールの中でもっとも注意すべきタイプでしょう。そして不特定多数にばらまかれるものは、タイトルや文面をネットで検索すれば同様の事例が見つかることもあり、多くは判別が容易です。

    —そうしたメールの具体的な例を教えてください。

    釜谷 複数の組織や業界を狙うメールには、取材や就職の問い合わせを装うタイプが多く見られます。これはそうした問い合わせが一般的で、受け取った方もつい添付ファイルを開いてしまうと攻撃者が意図しているからです。特定の組織を狙ったものは、実際のメールの文面を模倣しているため、内容は多様です。時には本来の取引先とのメールのやり取りの途中で攻撃者が割り込み、相手方になりすましてしまうこともあります。不特定多数に送られるメールは、宅配便のお知らせや請求書を装うもの、情報セキュリティに関するニセの注意喚起などが挙げられます。最近はネットで一般的な各種サービスが送信するメールの体裁をコピーして使うものも増えています。利用者は見慣れたデザインに安心して文中のリンクをクリックしがちなので、特に注意が必要です。※2

    マルウェアの感染で、情報漏洩、さらには金銭的被害も発生

    —マルウェアに感染すると、どうなるのでしょうか。

    釜谷 情報窃取が目的である標的型攻撃の場合、特殊なプログラムが利用者のパソコンにインストールされ、外部の攻撃者からの遠隔操作が可能になります。一方でマルウェアの一部は利用者の会社内の他のパソコンへの感染も試みます。こうした攻撃が成功すると、企業情報や金銭にかかわる情報が漏洩するほか、実在するメールアドレスも乗っ取られた新たな被害拡大にもつながるのです。こうした標的型攻撃に使われるマルウェアはウイルス対策ソフトで検知できない場合も多く、感染が長期化する例も珍しくありません。Windows7で感染したマルウェアがWindows10にアップグレードした後も残っていたという例も報告されています。もちろん感染が長期化すれば、被害もそれだけ大きくなります。そうした被害を避けるには、まずは「標的型攻撃メールを見分けるテクニック」の周知が必要になるのです。

    —次回、そのテクニックについて詳しくお聞かせください。(後編に続く

    1. 1 マルウェア:不正かつ有害な動作を行う意図で作成された悪意のあるソフトウェアや悪質なコード(符号)の総称。
    2. 2 参考文献:「サイバーレスキュー隊分析レポート2016 長期感染の実態」https://www.ipa.go.jp/security/J-CRAT/report/20170127.html

    独立行政法人 情報処理推進機構(IPA:Information-technology Promotion Agency, Japan)

    日本の情報セキュリティ対策を担う独立行政法人。内外の関係機関とも連携し、サイバー攻撃情報の収集、分析、対策立案に取り組むほか、次世代を担うIT人材の育成にも尽力している。
    https://www.ipa.go.jp/

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  • あなたを狙う「標的型攻撃メール」〈後編〉

    「取材の依頼」「宅配便からの通知」「情報セキュリティに対する注意喚起」など、さま…

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    あなたを狙う「標的型攻撃メール」〈後編〉

    「取材の依頼」「宅配便からの通知」「情報セキュリティに対する注意喚起」など、さまざまな体裁で届く「標的型攻撃メール」。私たちはどうやってそれを見破り、またシステム管理者はどういった対策を取るべきなのでしょう。前回に引き続き、独立行政法人 情報処理推進機構にお話をうかがいました。

    攻撃者が期待するのは「添付ファイルの実行」「リンクのクリック」

    —前回、マルウェア※1への感染を防ぐには「標的型攻撃メールを見分けるテクニック」が必要だとうかがいました。

    釜谷 現在、テキストの文面をメールソフトで表示しただけでマルウェアに感染する攻撃は確認されていません。つまり標的型攻撃メールが狙う「添付ファイルを開く」「メールにあるURLをクリックする」という操作をしなければ、感染は防ぐことができるのです。

    —具体的には、どのような見分け方があるのでしょう。

    釜谷 まず確認していただきたいのが、日本語の文面です。日本語が不自然であったり、一見普通に見えても日本では使われていない漢字(中国語フォント)があるかどうかです。次は差出人のメールアドレスと本文中の署名が一致しているかもチェックしてください。これらの不審点は、標的型攻撃メールに多く見られる特徴です。ただこうしたポイントをクリアしても、添付ファイルや本文中のリンクが偽装されている可能性があるので、注意が必要です。

    ▲セキュリティセンター企画部 中小企業支援グループ グループリーダー 横山 尚人氏

    ▲IP技術本部
    セキュリティセンター
    情報セキュリティ技術ラボラトリー
    主任研究員
    釜谷 誠氏

    不審な添付ファイルは「ファイルの拡張子」で見分ける

    —添付ファイルにはどのような偽装が行われているのでしょうか。

    釜谷 マルウェアに感染させるためには、添付ファイルが実行形式のファイル※2や、Microsoft Officeなど特定のプログラムが関連付けられたファイルである必要があります。Windowsの場合、実行形式かどうかは拡張子で見分けることが可能なので、パソコンの設定を「拡張子を表示する」にしてください。Windows10の標準設定では、ファイルの種類を示す拡張子(ファイル名の末尾につけられる文字列)が非表示になっています。拡張子を表示させる方法はいくつかありますが、一番分かりやすいのは「コントロールパネル」で設定する方法です。Windowsの画面の「スタートメニュー」から「コントロールパネル」を選びます。標準ではここが「カテゴリ表示」になっていると思いますので「デスクトップのカスタマイズ」をクリックし、続けて「エクスプローラー(旧フォルダー)のオプション」を選びます。表示される「エクスプローラーのオプション」の上部のメニューから「表示」を選び、「詳細設定」にある「登録されている拡張子は表示しない」に付いているチェックを外し、続けて「OK」をクリックすると、ファイル名に拡張子が表示されるようになります。拡張子では「.exe」「.com」が実行形式ファイルとして広く知られていますが、ほかにも「.scr」「.vbs」なども実行形式ファイルとなります。そのままダブルクリックすると悪意あるプログラムが実行されるおそれがありますので、注意してください。さらにアイコンの偽装もあります。例えばWordのアイコンで、実は中身は「.exe」だったりするものです。こうした偽装に引っかからないために、メールの添付ファイルはダブルクリックでそのまま開くのではなく、デスクトップなどに事前に用意した作業用フォルダーにコピーすることで、添付ファイルの「種類」が確認できます。添付ファイルの「種類」が表示されない場合、Windows10はフォルダーウィンドウ上部から「表示」と書いてあるタブを選び「詳細」を選択すれば「種類」が表示されます(Windows7はフォルダーウィンドウ右上にある「▼」をクリックして「詳細」を選択で「種類」が表示されます)。添付ファイルの「種類」を確認することで、アイコンを偽装したファイルを見破る手がかりになります。ぜひ習慣づけてください。

    —リンクの偽装とは、どのようなものでしょうか。

    釜谷 メールには、テキストメールと、HTMLメールがあります。HTMLメールでは、文字列で示されたものとは異なるURLを埋め込むことで、攻撃者が受取人を意図しないウェブページに誘導することも可能です。リンクはやみくもにクリックせず、マウスのポインタを合わせるなどして実際のURLを確認しましょう。文字列と異なる場合は標的型攻撃メールの可能性があります。またメールソフトの設定でHTMLメールを非表示にすると、誘導先のURLがあわせて表示されるため、偽装の察知には有効です。HTMLメールを「非表示」にするために、Microsoft Outlookのメールでは上部にある「ファイル」から「オプション」→「セキュリティセンター」と進み、「セキュリティセンターの設定」から「電子メールのセキュリティ」を選択し、「すべての標準メールをテキスト形式で表示する」のチェックボックスにチェックを入れて「OK」を押します(Windows10の標準メールアプリでは、「設定」から「オプション」を選択し「外部の画像やスタイルの書式を自動的にダウンロードします」をオフにします)。

    —つまり利用者がWindowsやメールソフトの設定を適切にし、警戒を怠らないことが、標的型攻撃メールによるマルウェアへの感染防止に効果があるということですね。

    釜谷 そのとおりです。加えてMicrosoft Officeのマクロを無効化する、脆弱性が多いと言われているInternetExplorerは業務アプリでしか使わない、JavaやFlashPlayerは業務で不要なら削除するという対策も有効でしょう。マクロとは繰り返しの作業を自動化するための一連のコマンドですが、有害なマクロが実行されるとセキュリティ上のリスクとなります。無効にするにはOfficeの「ファイル」から「オプション」→「セキュリティセンター」と進み、「セキュリティセンターの設定」から「マクロの設定」を選び、「警告を表示してすべてのマクロを無効にする」または「警告を表示せずにすべてのマクロを無効にする」を選択し「OK」を押します。また不審に思えるメールは「件名」や「添付ファイル名」で検索してください。不審に思えるメールの件名や添付ファイル名をコピーして、Googleなどの検索エンジンの検索フォームに貼り付け、検索します。特に前回お話した不特定多数にばらまかれる標的型攻撃メールは情報共有が早いため、見分けるのに有効な手がかりが見つかることがあります。

    万一に備えた「社内報告ルール」の整備と組織内の情報共有を

    —では、システム管理者が取るべき対策を教えてください。

    釜谷 標的型攻撃メールの受信状況を調べるために、メールサーバーのログを「差出人」「件名」「本文」「添付ファイル名」で検索できるようにしておくことが重要です。また社内からの不審な通信を調べるためにプロキシサーバーを設置し、こちらもアクセスログを「コンピューター名」「IPアドレス」「時刻」などで検索できるようにしておきましょう。そして万一感染したらどうするのか、社内での報告ルールと対応策を整備しておくことも重要です。

    —最後に、疑わしいと思われるメールを受けたらどのようにすべきか、教えてください。

    釜谷 誰かが標的となっている場合、同じ組織内の別の人物にも同様のメールが届いている可能性があります。組織内での情報共有を密にしましょう。また被害を拡大させないためには、組織を越えた業界などの広い範囲での情報共有が、次の被害を防ぐことにつながります。
     当機構の「J-CRAT/ 標的型サイバー攻撃特別相談窓口」※3では、広く標的型サイバー攻撃に関する相談や情報提供も受付けています。いただいた情報を基にサイバー攻撃の連鎖をたどるとともに、攻撃の特徴を関連する組織へ提供することで被害の早期検知と拡大防止に努めています。ぜひ、ご相談いただければと思います。

    1. 1 マルウェア:不正かつ有害な動作を行う意図で作成された悪意のあるソフトウェアや悪質なコード(符号)の総称。
    2. 2 実行形式ファイル:ファイルを開くことで内部に記述された命令を実行するもの。そのため、攻撃者が事前にファイルに挿入したウイルスのダウンロードや遠隔操作などが行われてしまう。
    3. 3 「J-CRAT/標的型サイバー攻撃特別相談窓口」https://www.ipa.go.jp/security/tokubetsu/index.html

    独立行政法人 情報処理推進機構(IPA:Information-technology Promotion Agency, Japan)

    日本の情報セキュリティ対策を担う独立行政法人。内外の関係機関とも連携し、サイバー攻撃情報の収集、分析、対策立案に取り組むほか、次世代を担うIT人材の育成にも尽力している。
    https://www.ipa.go.jp/

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  • ITを活用した次世代農業の創出へ 連携と新技術で、新たな可能性を広げる

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    ITを活用した次世代農業の創出へ 連携と新技術で、新たな可能性を広げる

    高齢化、担い手不足、所得の減少など農業が抱える課題に対して、AIやIoTなどのテクノロジーを活用して解決の道を探ろうという試みが始まっています。株式会社オプティムでは、2015年より、佐賀大学や佐賀県と連携してそれぞれの技術と知見を持ち寄り、これまでにない次世代農業を創出する“スマート農業”の実証実験を開始しました。付加価値をつけた農作物を百貨店で販売するなどの活動を通じて、協力を申し出る農家も増え、実証実験の場も全国各地へ広がり、成果を上げています。

    オプティムが考える「○○×IT」によるイノベーション戦略

    (上の図は株式会社オプティム提供)

    「ネットを空気に変える」をスローガンに事業を展開

    株式会社オプティムは、代表取締役社長の菅谷俊二氏が佐賀大学農学部在学中の2000年に起業した企業です。同社は「ネットを空気に変える」をスローガンに、インターネットを電気、ガス、水道と同様に誰でも使えるインフラとして普及させるべく、事業を展開しています。中でもモバイルデバイス管理市場では出荷額・シェア1位を6年間も継続中です。そんな同社は2015年8月、佐賀大学や佐賀県と三者間連携で「スマート農業」の実証実験事業を進める協定を締結しました。きっかけは菅谷氏が佐賀大学農学部60周年の講演で同社の取り組みを紹介した際、農業への応用の可能性に話が広がったことです。その後協議を進めて、佐賀大学とオプティムに佐賀県も加えた三者連携協定が締結されたのです。

    「締結後始めの1年間で技術の実証を進め、技術的に確立ができる目途がつきました。定期的に佐賀で開催している三者の月次検討会には生産者の方も参加しており、そこから実証実験に取り組まれた方や、従来からスマート農業に関心を持っていて参加を希望された方もいらっしゃいました」(休坂氏)

    ▲執行役員 インダストリー事業本部・休坂 健志 氏

    ▲執行役員 インダストリー事業本部
    休坂 健志氏

    AI、IoTなどを駆使して自社開発独自技術で「楽しく、かっこよく、稼げる」農業を

    同社ではITを農業に活用する具体的な技術をAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ロボティクス(ロボット工学)を組み合わせて自社開発をしています。例えば、従来、広い農地に農薬を撒くために産業用ヘリコプターが用いられていますが、大量に農薬を使用し、散布区域外に農薬が拡散してしまう恐れもあります。そこで同社ではドローン※1を使って、必要な場所にのみ農薬を散布する技術を開発。カメラを搭載した自動飛行のドローンから送られた画像データを基に、AIを用いて虫食い状態の葉を検知し、ピンポイントで農薬を使用することで、虫害を防ぎながら農薬の量を減らす取り組みです。ほかにもハウス内に設置した大量のセンサーからの情報と、撮影した画像データなどを基にトマトの収量を予測するシステムや、スマートグラス※2などを用いて、遠隔地にいるベテランの農家や専門家と連絡を取り合い、適切な判断を仰ぐことができるサービスを考案しています。

    これらの独自の技術を用いて「楽しく、かっこよく、稼げる」農業を目指している同社では、従事者の高齢化や担い手不足、所得の低下など持続的な経営が難しくなる農業の課題解消を図っています。

    「佐賀県以外でも取り組みを展開する中で、類似した課題に直面していることを感じます。それは勘と経験にのみ頼った農業を『見える化』させたい、農産物の生育に関する情報をデジタル化して分析することでノウハウを蓄積したい、という課題です。手掛けられている作物は変わりますが、同じような悩みを抱えた農家の方が全国各地にいらっしゃいます」(休坂氏)

    ▲カメラを搭載し、広域、長時間のデジタルスキャンを実現する固定翼型ドローン「OPTiM Hawk」
    ▲カメラを搭載し、広域、長時間のデジタルスキャンを実現する固定翼型ドローン「OPTiM Hawk」

    ▲カメラを搭載し、広域、長時間のデジタルスキャンを実現する固定翼型ドローン「OPTiM Hawk」

    ▲必要な場所にピンポイントで農薬散布ができるマルチコプタードローン「OPTiM Agri Drone」
    ▲必要な場所にピンポイントで農薬散布ができるマルチコプタードローン「OPTiM Agri Drone」

    ▲必要な場所にピンポイントで農薬散布ができるマルチコプタードローン「OPTiM Agri Drone」

    農産物に新たな付加価値「スマートえだまめ」を完売

    実証事業2年目にはアライアンスパートナーである佐賀県の農業生産法人・株式会社イケマコの農場で、ピンポイント散布による減農薬で育てた大豆の栽培を実施しました。農薬の使用量を通常栽培時の10分の1の量に抑制し、収穫後の残留農薬の調査では「不検出」の結果を取得しました。収穫した枝豆を「スマートえだまめ」として百貨店で販売したところ、通常の枝豆の約3倍の価格にも関わらず完売。先端技術を用いて、安心・安全の付加価値を野菜につけて販売することに成功したのです。また、農業法人を運営する若手の農家からはプロジェクトに参画したいという申し出も受けました。さらに同社では「スマート農業」の実証実験を拡大中で、オリーブ栽培農家と進める静岡県藤枝市や、秋まき小麦の生産性向上を図る北海道帯広市などでも開始。また佐賀県では、有明海の海苔栽培に応用する取り組みも始まっています。

    「すべての農家の方が対象になるわけではありませんが、地方で人材不足問題に直面している中、農地の規模が大きくなり、限られた人数で運営しなければならない方や、既存のやり方を変えていきたい方、自分たちで販路を拡大していきたい方などに対して、農家のあり方の一つの選択肢になれればと考えています」(休坂氏)

    ▲蓄積された農家の方々のノウハウと最先端のテクノロジーを融合して育てた「スマート野菜」。パッケージに印刷された2次元バーコードからスマートフォンにアクセスすれば、生産者の声などを閲覧できます

    ▲蓄積された農家の方々のノウハウと最先端のテクノロジーを融合して育てた「スマート野菜」。パッケージに印刷された2次元バーコードからスマートフォンにアクセスすれば、生産者の声などを閲覧できます

    人材不足という構造的課題に対し、視野や視点を変えて新規顧客や新規分野を開拓していく姿勢は、農業分野に限らず、多くの事業者にとって示唆に富むものです。

    農業だけではない「○○×IT」の可能性を探る

    農業のスマート化でも注目される同社ですが、ほかの産業分野でのIT活用にもチャレンジしています。例えば、建機メーカーとは土木測量技術の応用、佐賀大学とは農業で病害虫を検知する技術を用いて眼底画像の診断支援に応用するプロジェクトが進んでいます。

    「ほかにもコスメ(化粧)や教育、医療、介護、小売などさまざまな分野へのIT活用も研究しています。AI、IoTの知見を活かして、新たな分野で価値を生み出していくことを目指しています」(休坂氏)

    高齢化、担い手不足などの問題は農業分野に限った問題ではなく、日本の普遍的な社会課題になりつつあります。解決策が分からない未知の課題に対して既存の技術・方法に捉われず、試行錯誤しながら新たな活路を見出す姿勢は、業種、業界の壁を超えて参考になります。

    1. 1 ドローン:無人で遠隔操作や自動制御によって飛行できる小型の航空機の総称。空撮、警備、偵察、配送などさまざまな用途に活用されている。
    2. 2 スマートグラス:カメラとマイク付イヤホンが内蔵された眼鏡型の遠隔作業支援ツール。これを装着した作業者が見ている映像が遠隔地のパソコンモニターに映され、マイクとイヤホンで指示を送ったり、受けたりすることができる。
    会社概要
    株式会社オプティム
    会社名
    株式会社オプティム
    設立
    2000年(平成12年)6月
    所在地
    (東京本社)東京都港区海岸1丁目2番20号 汐留ビルディング21F
    佐賀本店)佐賀県佐賀市本庄町 オプティム・ヘッドクォータービル
    代表取締役社長
    菅谷 俊二
    事業内容
    ライセンス販売・保守サポートサービス(オプティマル)事業(IoTプラットフォームサービス、リモートマネジメントサービス、サポートサービス、その他サービス)
    URL
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  • 「双方向性」を活用、受講生からの質問にもリアルタイムで回答

    ICTの発展が大都市と地方都市との“情報格差”を打ち崩しつつあります。今回はその…

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    「双方向性」を活用、受講生からの質問にもリアルタイムで回答

    ICTの発展が大都市と地方都市との“情報格差”を打ち崩しつつあります。今回はその具体例として、東京・初台のスタジオから同じ都内にある会場、そして広島市にある会場の計2カ所を結んで行われたオンラインセミナーで紹介します。

    光回線(ひかりクラウド)を利用したシステム概念図

    スタジオの講師とカフェの受講生を光回線で結びセミナーを開催

    SNSなど個人と個人を結ぶサービスの普及と拡大、スマートフォンの普及とさまざまな情報の電子化により、人々のコミュニケーションから“距離の壁”は徐々に取り払われつつあります。しかしながらセミナーや研修会のように「講師を招き、一定人数の参加により開催されるイベント」には、大都市と地方都市の間で今でも大きな差が存在します。

    その理由の一つは、集客性です。多くの人が生活し、働いている大都市では、平日に行われるイベントでも十分な受講生が集まることが期待できます。しかし人口の少ない地方都市では、イベントなどの集客力は限定的になってしまいます。

    もう一つの理由は、講師のスケジュール調整の難度です。質の高い講師は普段から多忙であることが通例で、活動の拠点としている大都市からセミナーや研修会が開催される地方都市への移動時間が、足かせになってしまうのです。

    しかし、これらの課題も、ICTの進展により、間もなく解決するかもしれません。そうした将来像を予感させるイベントが、2018年3月28日(水)に行われた「オンラインICTセミナー」です。

    このセミナーは、東京・初台のスタジオに講師を招き、光回線で結ばれた東京都の表参道にあるカフェ、そして東京から新幹線を使った移動でも4時間近くかかる広島県広島市のカフェを受講会場として開催しました。講師の映像と講義内容を分かりやすく案内するパソコンの画面は、カフェ内の壁面に備え付けた大型スクリーンに投影したほか、受講者が持ち込んだパソコンにも配信。パソコンを使う受講生からは講師に質問を投げかけることもできるという、双方向性も用意されました。

    遠隔地の受講生とも「その場にいる」かのような質疑応答を実現

    今回、講師の任にあたったのは、元NHKアナウンサーで、現在は市民参加型動画ニュースサイト「8bitNews」を通じ、新たなメディアの形を創出すべく挑戦を続けるジャーナリスト/キャスター、堀 潤氏です。

    堀氏は「ネットニュース事業から見える、ICTを活用したビジネスチャンス」というテーマのもと、情報発信者としての心がけをレポート。具体的には自らの東日本大震災被災地取材の体験などをもとに「東北では、福島ではといった“大きな主語”より、〇〇町で農業を営む〇〇さんはという“小さな主語”で実情を伝えるほうが、より現状が伝わる」「意見(オピニオン)より事実(ファクト)を訴えることがより受け手の心に響く」といったお話をいただきました。またご自身の取り組みが、従来のメディアとの対立構造をつくるものではなく、従来のメディアと連携、補完し合うことでより多くの人の注目を集めることを目指している、といったビジョンを受講生に訴えかけました。

    セミナーの後半には、東京及び広島の会場から寄せられた質問に、堀氏がリアルタイムで回答する時間が設けられました。

    「インターネットで発信する場合は実名が望ましいでしょうか?」という質問に対し、堀氏は「自分が理想とする何かを実現するために発信するのであれば実名が望ましいし、よりチャンスが広がる」と回答し、自身の体験を交えながらその理由を分かりやすく解説。「クラウドファンディングの将来性は?」という質問には、「きちんとプレゼンテーションできる人にとっては、クラウドファンディングは支援の輪を広げることができる仕組みだと考える。成功の秘訣は、私たちが日々向かい合っている事実をきちんと伝えること」という堀氏の考えを紹介しました。

    このようにセミナーを受け疑問に思ったこと、講師に聞きたいことを、距離の壁を越え問いかけることができるのは、やはり双方向性を持つオンラインセミナーの魅力と言えるでしょう。

    日本電信電話ユーザ協会は今回を皮切りとし、今後もセミナー拠点と全国各地の会場を結んだオンラインセミナーを積極的に展開していく予定です。皆さまのご参加をお待ちしております。

    ICTが“距離の壁”を乗り越えた教育を実現

    普段インターネットを使った生番組を配信していますが、こうした講演形式のものを遠隔で…というのは初めてでした。そのためちょっと不安もありましたが、後半になってどんどん質問が入ってきたことで、皆さんにセミナーをしっかり聞いてもらっていることを実感するとともに、こうしたインタラクティブなセミナーの将来性を感じましたね。会場の雰囲気が分かるような動画をスタジオ側でも確認できると、もっとよくなると思います。

    教育とテクノロジーを融合した「EdTech※1」はこれからの成長分野です。5G※2が導入されればモバイル回線ももっと速くなり、今回のようなセミナーも受講者のいる場所を問わなくなる時代がやってきます。そうした環境が整備されれば、さらにその上に乗るコンテンツが質、量ともに高まっていくことを期待しています。

    ▲特定非営利活動法人 8bitNews 代表理事・ジャーナリスト 堀 潤氏

    ▲特定非営利活動法人 8bitNews
    代表理事・ジャーナリスト
    堀 潤氏

    1. 1 EdTech:Education×Technology(教育×テクノロジー)を合わせた造語。インターネットをプラットフォームとして、学習サービスのICT化を低コストで実現できる特徴がある。
    2. 2 5G:通信量の増大に耐えうるネットワークシステムの大容量化に対応するための通信方式。

    参加者の声

    セミナー参加理由

    ・情報発信について堀さんの話を聞いてみたかった。

    ・ICTに関心があるため。

    ・オンラインセミナーに興味があり、活用もしてみたかったから。

    ・離れた拠点間の意思疎通の方法の一つとして体験してみたかった。

    ▲セミナー風景(東京)

    ▲セミナー風景(東京)

    貴社のICT課題

    ・企業のニーズを理解できる提案力(システム化、IoT、ウェブマーケティングなど)。

    ・ITでの情報発信。

    ・業務プロセスの可視化。

    ・労務管理、小規模事業者向けの安価なソフトがあれば良い。

    ▲セミナー風景(広島)

    ▲セミナー風景(広島)

    セミナーで役立ったこと

    ・インターネットなどを活用する際の小さな主語、事実、ダイバーシティの考え方。

    ・ITの活用がスマート、物事の本質が見えているので持続可能なビジネスモデル。

    セミナー内容について

    ・気づきやヒントについて指摘があったが、それを具体的にどうすればビジネスになるのか、ということについて説明がなかった。(事例紹介でもよいですが)

    オンラインセミナーについて

    ・会場周辺の音、人通りについて配慮ができていればより良かった。

    ・オンラインセミナーなら、場所がどこからでもアクセス可能だと便利。

    ・ライブ感がある。音質が良ければ聞きやすかった。

    ・PowerPointの字が読み取りにくい。タブレットを持ってくれば良かった。

    ・カフェスペースの公共性、活用方法に新たな体験をすることができた。講演の場合にはチャットでの質問でより深い内容を講演途中にはさんでもらうこともでき、興味深い形式だった。

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  • 中小企業のセキュリティ対策は、まず5項目の実行から

    セキュリティ対策の重要性を感じつつも、人手や予算の不足で具体的な施策を講じること…

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    中小企業のセキュリティ対策は、まず5項目の実行から

    セキュリティ対策の重要性を感じつつも、人手や予算の不足で具体的な施策を講じることができない中小企業は少なくありません。独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は、そうした中小企業向けに、スピーディかつローコストで実行できる「SECURITY ACTION」を策定しました。

    中小企業が持つ情報も、悪意ある攻撃者にとっては宝の山

    —SECURITY ACTIONの概要と目的について教えてください。

    横山 インターネットに接続している以上、セキュリティ対策の重要性は、大企業でも中小企業でも、変わりはありません。しかし、予算に余裕があり、また情報システム部門など専任の部署を設置できる大企業に比べ、予算や人的リソースにゆとりのない中小企業の多くは、そうした対策が十分とは言えない状況にあります。また「うちにはそれほど重要な情報はないから、サイバー攻撃される理由がない」「セキュリティ向上はコストがかかるばかりで、利益に結びつかない」といった考え方も根強く残っています。しかし、取引先情報や従業員情報だけでも、攻撃者にとっては“美味しい情報”ですし、情報流出事故は企業の存亡そのものに関わる可能性もあり、費用対効果だけの問題ではありません。そこで中小企業自らが情報セキュリティ対策に取り組んでいただくきっかけとして、すぐにできるセキュリティ対策として策定したのが、二段階の取り組みからなる「SECURITY ACTION」なのです。

    ▲セキュリティセンター企画部 中小企業支援グループ グループリーダー 横山 尚人氏

    ▲セキュリティセンター企画部
    中小企業支援グループ グループリーダー
    横山 尚人氏

    まず“5か条”の実行で、悪意ある攻撃を防御

    —その具体的な内容は、どのようなものなのでしょうか。

    横山 私どもは2016年11月に『中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン』(図内①)という冊子を作り、これまで数度の改訂を行いつつ、配布しております(https://www.ipa.go.jp/security/keihatsu/sme/guideline/)。この冊子の内容から、2017年10月、まず第一段階として、分かりやすく、すぐにできるものをピックアップした5項目が、『情報セキュリティ5か条』(図内②)です(https://www.ipa.go.jp/files/000055516.pdf)。この5項目は、社内のパソコンやネットワークを安全に運用する上で不可欠なものばかりで、これらの確実な実行は、コンピューターウイルス感染や不正ログインなどへの基本的な対策として、とても有効です(図参照)。

    ▲IPAが提供している「情報セキュリティ対策」の情報ツール

    ▲IPAが提供している「情報セキュリティ対策」の情報ツール

    —第二段階は、どのようなものになりますか。

    横山 自社のセキュリティ対策の現状をセルフチェックできる『新5分でできる! 情報セキュリティ自社診断』(〈パンフレット(図内③)〉https://www.ipa.go.jp/files/000055848.pdf〈自社診断シート(図内④)〉https://www.ipa.go.jp/files/000055517.pdf)です。きちんとしたセキュリティ対策に取り組みたいと思っていても、まず何から手をつけていいのか分からないという中小企業の方は少なくありません。この『情報セキュリティ自社診断』は、『Part1 基本的対策』『Part2 従業員としての対策』『Part3 組織としての対策』という流れで合計25問を用意し、質問項目に目を通していただくことだけでもセキュリティ対策に何が必要かをお分かりいただけるよう、工夫しています。さらに各質問に「実施している」「一部実施している」「実施していない」「分からない」という4択でお答えいただき、合計した点数に応じ、どのような対策を講じるべきかについてもご案内しています。

    ロゴマークによる周知で、取り組み姿勢を顧客にアピール

    —SECURITY ACTIONのロゴマーク制度も用意されています。その概要、メリットを教えてください。

    横山 第一段階への取り組みを宣言することで、『SECURITY ACTION★(一つ星)』のロゴマークが、第二段階の自社診断を実施し、かつ『情報セキュリティポリシー(基本方針)』を定め、公開することを宣言することで『SECURITY ACTION★★(二つ星)』のロゴマークが使用できます。このロゴマークを自社のウェブサイトに掲出したり、名刺、会社案内などに印刷し、自社のセキュリティへの取り組み姿勢をアピールすることで、既存顧客とのさらなる関係性強化や新規顧客獲得のきっかけになります。またSECURITY ACTIONの実施を要件とする補助金などの利用が可能になる場合もあります。「★★」に必要な情報セキュリティポリシーのサンプル(ひな形)は、当機構ウェブサイトの『中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン(https://www.ipa.go.jp/security/keihatsu/sme/guideline/)』からもダウンロードできますので、ぜひご活用いただきたいと思います。ロゴの使用申請について、詳しくはSECURITY ACTIONのウェブサイト(https://www.ipa.go.jp/security/securityaction/sa/)でご確認ください。

    SECURITY ACTION宣言が、「IT導入補助金」の必須条件に

    生産性向上を目的に、ソフトウェアやサービスなど(ITツール)を導入する中小企業・小規模事業者向けに経費の一部を補助する「IT導入補助金(平成29年度補正サービス等生産性向上IT導入支援事業)」は、現在、対象事業者を公募しております(一次公募終了、二次公募8月3日(金)まで、三次公募10月上旬まで〈予定〉)。この事業はITツールの導入に対し、1/2の補助(上限額50万円、下限額15万円)をし、支援を行うというものです。申請にあたっては、中小企業・小規模事業者などであること、日本国内の個人または法人であることなどのほか、SECURITY ACTION「★」「★★」のいずれかの宣言を行うことが条件として定められています。詳しくは公式サイト(https://www.it-hojo.jp/)をご覧ください。

    独立行政法人 情報処理推進機構(IPA:Information-technology Promotion Agency, Japan)

    日本の情報セキュリティ対策を担う独立行政法人。内外の関係機関とも連携し、サイバー攻撃情報の収集、分析、対策立案に取り組むほか、次世代を担うIT人材の育成にも尽力している。
    https://www.ipa.go.jp/

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  • 生産性を大きく向上させる“ソフトウェアのロボット”、RPAとは?

    人間に代わってオフィスでパソコンを操作して作業を行うRPA(ロボティック・プロセ…

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    生産性を大きく向上させる“ソフトウェアのロボット”、RPAとは?

    人間に代わってオフィスでパソコンを操作して作業を行うRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)が、今注目されています。RPAとは具体的にどのようなことができるのか、どのような事業所にメリットがあるのかなどを、株式会社エヌ・ティ・ティ・データに聞きました。

    【RPAを導入した情報システム事例(システム運用業務自動化)】

    これまで人間が行っていたパソコン上の作業を“ロボット”が代行

    —RPAとはどういうものか、概要を教えてください。

    中川 現在、工場などの生産現場はロボットによる自動化と改善活動が進み、高いレベルの業務効率化を達成しています。しかし、オフィスにおけるパソコンを使った作業では、人の手によるコピー&ペーストなどの定型作業が残っています。RPAとは、パソコン上でロボットのように動くソフトウェアのことで、こうした人の作業を代替して自動化するものです。複数のファイルを開き、特定の部分をコピー&ペーストする、一定の処理が終わったファイルを保存し、プリントアウトするといった作業を、人間と同様に、かつ疲れることなく正確に繰り返すことができます。つまりこうした単純作業をRPAに置き換えることで、コスト削減と業務効率化が達成できるのです。

    —RPAは、どんな業務環境に導入すると効果がありますか。

    中川 現在のオフィスでは、ERPパッケージ※などのシステムが幅広く活用されています。しかし、システム操作自体が大変であったり、システムとシステムが接続されておらず、片方のシステムからデータを抽出し、そのデータに手を加えたものを、他方のシステムにアップロードする、といった作業が大変であったりするケースは珍しくありません。

     また、クラウド型サービスなどは、人手を介してブラウザの画面へデータを入力する作業が前提となっています。こうした作業を自動化するには、前者では多くの予算を必要とするシステム改修が、後者ではクラウド提供元の他社との煩雑な調整が必要になります。RPAであれば、このような環境においても、既存のシステムに手を加えることなく、自動化することが可能となります。

    休みなく働くことで人間の約9倍の生産性を実現

    —RPAの具体的な利用方法について教えてください。

    中川 RPAの作業手順の作り方は、大きく三種類あります。一つめは、人がRPAをインストールしたパソコンで作業し、その手順を覚えさせるというものです。二つめは、RPAの動作を規定したパーツをパズルのように組み合わせ、RPAの作業手順を組み立てるという方法です。三つめが、プログラミングに近い形で作業手順を作りこむ方法です。特に、最初の二つの作り方の進歩により、RPAはプログラミング知識のない業務担当者でも現場で自動化できる手段としての評判を呼び、爆発的なヒットにつながりました。

    —このRPAの導入で、どのくらいの業務効率化が図れるのでしょうか。

    中川 私どもは大まかに見て、約9倍の生産性向上が図れるとご案内しています。RPAは一般的な人に比べて約3倍の速度でパソコンの操作ができます。また、人の労働時間は1日8時間ですが、RPAはその3倍、24時間休むことなく働き続けることができるからです。例えば、金融機関などでは、正確を期すために同じ作業を二人の人間が行い、最終的に突合するというフローを導入しているところもありますが、片方をRPAが、片方を人間がやれば、単純に人的コストを半分にすることができます。

    業務効率化以外にも、人の効率的配置などにメリットが

    —RPAの導入で、そうした業務効率化以外のメリットはありますか。

    中川 まずは人為的ミスの消滅です。単純なコピー&ペースト作業でも、人間が行う以上、ミスは避けられません。しかし、RPAは疲れることなく何時間でも同じ作業をミスなく繰り返すことができます。次に、業務フローの見える化と改善です。RPAの作業手順を作る過程で、業務フローが明らかになります。そこで、そもそも必要のなかった作業や、順序を変えるほうが上手くいく作業などが洗い出され、フロー自体が改善されるのです。そして、人的リソースの最適な配置です。RPAの導入で削減された人手は、例えば営業や窓口でのお客さま対応など、人間にしかできない業務に振り向けることが可能となります。今後は少子高齢化、働き方改革により、これまで回っていた業務フローまで、人手不足で継続が困難になることが予想されます。そのような状況において、RPAは大きな助けになるはずです。

    —逆にRPAが苦手とする業務はありますか。

    中川 現在のRPAには、理想のAI(人工知能)のように曖昧な判断をする機能はなく、あくまで定型的作業を繰り返すだけです。そのため、作業を覚えたフォーマットとは異なるファイルが届いてしまうと扱えませんし、フォーマット欄外にコメントが添えてあっても気がつかずにそのまま処理をしてしまいます。このあたりは、処理の前後で人が確認するなど、RPAの苦手な例外事象をカバーする業務フローが必要となります。

    10名規模以上の企業であれば、どのような業種にも効果が

    —RPAはどのような規模、どのような業種での導入に効果があるのでしょうか。

    中川 1,200社の弊社導入実績を分析しましても、10名規模以上の企業であれば、業種を問わず十分な効果が出ていると言えます。

    —気になるコストですが、どのくらいになりますか?

    中川 弊社が取り扱う商品では、動作手順を作れるRP Aが1台あたり定価約90万円/年、手順の実行だけ行うRPAが1台約24万円/年です。最小構成では、年間約90万円で9人力のロボットを導入できるということになります。

    —最後にRPAの導入を考えている企業へのアドバイスをお願いします。

    中川 弊社に限らず、RPAを取り扱う事業者は、ほぼすべてトライアルプランを設けていますので、相談してみてください。また、RPA研修も各社から提供されていますので、こちらをご受講いただくのが、最もお手軽かと思います。実際に触れてみることで「この業務に活用できる」「あんなことも自動化してみたい」というイメージが膨らむはずです。

    1. ERPパッケージ:部門や業務別に蓄積されているシステムの情報を一元管理するパッケージシステム。
    会社概要
    株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
    会社名
    株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
    設立
    1988年(昭和63年)5月23日
    本社所在地
    東京都江東区豊洲3-3-3 豊洲センタービル
    代表取締役社長
    本間 洋
    事業内容
    システムインテグレーション事業、ネットワークシステムサービス事業、そのほか、これらに関する一切の事業
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  • 多数の見込み客への営業効率を最大化するマーケティングツール、MAとは?

    見込み客の中から、受注確度の高いお客さまを見抜くことができれば、営業効率は格段に…

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    多数の見込み客への営業効率を最大化するマーケティングツール、MAとは?

    見込み客の中から、受注確度の高いお客さまを見抜くことができれば、営業効率は格段にアップするはずです。この理想に近づけるツール「MA(マーケティング・オートメーション)」について、その機能とメリットを株式会社ジーニーに聞きました。

    【MA(マーケティングオートメーション)の概略図】

    「個別のお客さまに最適化したマーケティング」を実施

    —MAとはどういうものか、その概要を教えてください。

    浅井 MAとは、お客さま一人ひとりの興味関心に応じたマーケティング施策を自動で行い、マーケティングを効率化するインターネット上のプラットフォームです。通常、見込み客を含めたお客さまに製品やサービスをお申込みいただくには、そのお客さまが製品やサービスにどれだけ興味をお持ちか、また、どれだけ購買意欲があるのかを確認し、きめ細かい情報の提供やアプローチが求められます。しかし、多数の見込み客それぞれにそうした対応を行うことは、営業スタッフのリソースを考えてもほぼ不可能です。MAはそうしたプロセスを自動化し、企業の営業活動を効率化するツールなのです。

    —MAは、なぜ今注目されているのでしょうか。

    浅井 MAそのものは今から10年以上前に生まれましたが、当時のMAは利用にあたり専門のプログラマーが必要で、一般企業が簡単に導入できるものではありませんでした。しかし、現在に至るまでの改良で、少しの学習で誰でも直感的に使いこなせるツールへと成長しました。そして近年、お客さまが製品やサービスを購入する時、ネットで複数の候補を比較することはごく当たり前の行動となりました。そうした環境において、ネットを活用し、より成約に近いお客さまを的確に見抜き、取り逃がさないという機能が評価され、MAはその重要度を増しているのです。

    見込み客一人ひとりの行動を“見える化”し効率の良い営業活動を支援

    —MAの具体的な機能について教えてください。

    浅井 MAは、お客さまの行動を“見える化”し、適切なタイミングで働きかけを行います。例えば、お客さまがウェブサイトを訪問し、資料請求する例でご案内しましょう。お客さまがウェブサイトのフォームに入力したデータは、MAが受け取ります。MAはそれぞれのお客さまに資料のダウンロード先URLを記したメールを自動的に返信しますが、このURLはお客さまごとに別々になっていて、「どのお客さまがメールを開封したのか」に加え、「どのお客さまがどの資料をダウンロードしたのか」が把握できるようになっています。同時にMAは、お客さまの「資料請求した」「資料をダウンロードした」という行動をリアルタイムで営業スタッフにメールで通知することもできます。資料を請求した段階では、お客さまの興味はかなりホットです。しかも、資料請求にあたり用意したアンケートで「近い時期の購入を検討している」という答えを選んだお客さまにすぐお電話を差し上げれば、かなりの確率で商談の日程を決めることができるでしょう。

    —ウェブサイトとの連携はいかがでしょう。

    浅井 MAは、特定のお客さまがウェブサイトのどのページを閲覧したのかといった行動も記録できます。そうした行動履歴を分析することで、営業スタッフの“打率”を上げることも視野に入ります。例えば、ウェブサイトにあるページのうち、価格情報など特定のページを見る頻度が高いお客さまは成約の可能性が高いという傾向が明らかになったとします。その価格情報ページと相関性のあるページ閲覧履歴を点数化して見込み客それぞれに付与し、その点数が高い見込み客を優先してアプローチすれば、より少ない労力で成約に至ることができるでしょう。

    展示会などリアルなイベントでも営業経費の費用対効果最大化に貢献

    —ほかにはどのような活用例があるのでしょうか。

    浅井 展示会などのイベントでも、MAは効果を発揮します。展示会では多くのお客さまがいらっしゃいますが、後日営業スタッフがそのすべてにアプローチすることは困難です。しかし、お客さまからいただいた名刺をMAにまとめ、資料のダウンロード先のURLをメールでお送りすれば、お客さまごとにメールを開封したか、資料をダウンロードしたかといった状況が“見える化”されます。展示会ごとの費用対効果も明らかになり、営業経費の効率的活用も可能となります。

    —最後に、MAの導入にあたって注意することを教えてください。

    浅井 MAはきちんと活用すれば、大きな効果をもたらすツールです。ただし、単に導入するだけでいきなり売上が伸びるといった“魔法の杖”ではありません。MAを用いて見込み客の行動を“見える化”し、「ご成約に至る見込み客はどのような行動をとるのか、仮説を立てて実践し、その結果を検証する」という途切れのないサイクルが必要になるのです。そのためには「営業部門の片手間での運用」ではなく、社内にMA運用を軌道に乗せるプロジェクトチームを組織することも必要になるかもしれません。また、お客さま接点となる資料ダウンロードでは、お客さまに「読んでみたい」と思っていただける資料の用意が必要になります。製品やサービスの資料だけでなく、導入事例、ノウハウなどの読み物があれば、お客さまの行動を促すことができます。導入に合わせ、そうした準備を入念に行えば、MAは業績に大きな効果をもたらしてくれるはずです。

    ▲「お客さまの行動を“見える化”し、適切なタイミングで働きかけを行うMAを有効活用すれば、業績に大きな効果をもたらしてくれるはず」と語る浅井氏。

    ▲「お客さまの行動を“見える化”し、適切なタイミングで働きかけを行うMAを有効活用すれば、業績に大きな効果をもたらしてくれるはず」と語る浅井氏。

    会社概要
    株式会社ジーニー
    会社名
    株式会社ジーニー
    設立
    2010年4月14日
    本社所在地
    東京都新宿区西新宿6-8-1 住友不動産新宿オークタワー6階
    代表取締役社長
    工藤 智昭
    事業内容
    マーケティングテクノロジー事業
    URL
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  • 利用者本位のICTソリューションを導入し、既存事業者とサービスを差別化。業績拡大を実現

    すでに成熟したと思われる産業でも、ICTの導入により競合他社に比べての優位性を高…

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    利用者本位のICTソリューションを導入し、既存事業者とサービスを差別化。業績拡大を実現

    すでに成熟したと思われる産業でも、ICTの導入により競合他社に比べての優位性を高めることで、急成長する可能性は残されています。そうした事業者の一つ、創業から16年で全国に500を超える店舗網を築いたWASHハウス株式会社に、成長とICTとの関わりについて話を聞きました。

    「利用率が低い業種」であれば、人口減少社会でも売上を維持

    コインランドリーの企画、運営、管理を手がけるWASHハウス株式会社は、現在全国に直営店・フランチャイズチェーン店(FC店)を合わせ500を超える店舗を展開しています。

    「弊社は2001年、株式会社ケーディーエムとして設立され、翌年からコインランドリー店舗の出店を開始しました。2005年に現在の社名に変更、その後順調に事業を拡大し、2016年に東証マザーズ、福証Q-Boardに同時上場しています」(児玉氏)

    今後到来する少子高齢化社会、人口減少社会を念頭に事業分野を検討した児玉氏が、最終的に導き出した答えがコインランドリー事業でした。

    ▲代表取締役社長 児玉 康孝氏

    ▲代表取締役社長 児玉 康孝氏

    「現在お客さまの利用率が高い業種であればあるほど、人口減で大きな影響を受けます。なぜならお客さま一人が使う金額が同一であると仮定すると、人口減がそのまま売上減に直結するからです。しかし利用率の低い業種は、その利用率を高めることで売上の維持、さらには拡大も可能です。弊社の起業当時、コインランドリーの利用率は3%と言われていました。これを6%にすれば人口が半減しても同じ規模の売上を維持できるのです」(児玉氏)

    強力なライバルがいない業界に、全く新しいFC事業モデルで参入

    さらに児玉氏がコインランドリー事業を有望視した理由はもう一つあります。それは現在、市場にいる競合他社の規模が小さく、またきちんと組織化されたFC店も存在していないことでした。

    「コインランドリー事業は開業時に設備投資が必要で、その投資の6割から7割が償却資産となります。つまり1社で店舗網を広げていくと長期間にわたり発生する減価償却費が利益を圧迫します。そのため『キャッシュフロー上は黒字であるが決算上は赤字』という状態がずっと続き、事業継続が困難になります。それが多店舗展開できない大きな理由なのです。また、同じブランドを名乗るチェーン店的なものはありましたが、内実は同一の装置メーカーの製品を導入しているというだけで、個人商店の域を抜け出していなかったのです」(児玉氏)

    こうして同社は、全く新しいFC事業モデルでコインランドリー事業に進出しました。

    「先に述べた減価償却費の問題から、多店舗展開するにはFCというオフバランス化(貸借対照表に計上されない)が必須でした。しかし、従来のFC事業モデルでは本部と加盟店が対立するという構造的な欠陥があったため、それを解決するために、店舗管理、広告宣伝活動などはすべて本部が請け負う仕組みを採用しました。つまりFCオーナーの仕事をすべてWASHハウスが代行することで、一般のFCで起こりがちな『オーナーに能力がないから売上が伸びない』『本部の指導が悪いから売上が伸びない』という本部とオーナーの対立が起こらないFC事業を創出したのです」(児玉氏)

    ビジネスモデル特許を取得した、機器の遠隔操作とウェブカメラで無人店のデメリットを解消

    そして利用者に向けての大きな訴求点として取り入れたのが、ICTによるサポートでした。

    「参入した当時、一般的なコインランドリー事業のユーザーサービスは、他業種の水準とはかけ離れたところにありました。店舗は無人で『機械が動かない、洗濯物が取り出せない』といったトラブルへの対応も『翌営業日に』が当たり前で、そもそもサービス業として求められるクオリティを満たしていなかったのです」(児玉氏)

    同社はそうした“悪習”を断ち切るため、まず二つの仕組みを導入しました。

    「一つ目が遠隔操作できる機器の設置です。これはメーカーに要望を伝え、電話回線経由で再起動ができる機器を開発してもらいました。これで『料金を入れたのに動かない』というトラブルも、遠隔で機器を再起動し、課金した状態を設定しお客さまにご利用いただくことで解決できるようになりました。もう一つがインターネットを使ったウェブカメラの導入です。当時の回線はADSLで、ウェブカメラの画質も現在よりずっと低いものでしたが、それでも本部から各店舗の状況が確認できるようになりました」(児玉氏)

    そしてこれらのICTは、その後の技術の進展とともに、さらに中身を充実させています。

    今後到来する少子高齢化社会、人口減少社会を念頭に事業分野を検討した児玉氏が、最終的に導き出した答えがコインランドリー事業でした。

    【図:ICTを活用した遠隔操作による運営サポート】"

    「現在は全店舗に双方向で音声通話も可能なウェブカメラシステムを導入し、ここ宮崎市の本部から一括管理しています。各店舗に複数台設置したウェブカメラは高精細なもので、洗濯表示タグを読みとることもできます。お客さまが困っている様子ならば、お声がけして直接お話しし、困りごとを解決できます。また夜間でも常に監理を続けることで、防犯効果もあります。つまりここ本部がお客さまに対応するための目となり、あたかも店舗にスタッフがいるかのようなサービスが実現できるのです。この組合せでビジネスモデル特許を取得しており、これは競合他社に比べ大きな優位点だと思います」(児玉氏)

    本当にお客さまのためになるICTソリューションを選別導入 将来は海外展開も

    最後に児玉氏に、今後のさらなるICT導入の意向、事業の将来像をうかがいました。

    「弊社はこれまでに蓄積したデータにより、『この場所に出店すれば、どれくらいの売上が見込める』という確かなシミュレーションを可能としています。このデータを武器に、新たなオーナーの投資を促し、国内展開を進めていきたいと思います。また弊社のICTによるお客さまサポートは、ADSLによるウェブカメラから双方向のビデオ通信システムまで発展してきましたが、ICTと名がつくものであれば何でも導入してきたわけではありません。例えば『洗濯終了時のメール通知機能』を持つ機器もありますが、実際にはお客さまは『何分後に終わるか』を確認して機器の前を離れるわけですから、そうした機能にはこだわりませんでした。逆に機器の価格上昇、さらにはお客さまの個人情報を管理するコストなど、ムダな経費の原因になってしまうのです。今後もそうした姿勢を堅持し、お客さまの役に立つICTソリューションを見極め、導入していきたいと思います。そして近い将来には、海外への出店も視野に入れています。洗濯というのは世界中どこでも行われている人間の活動であり、発展途上国から先進国へ成長する途上の国々では大きな潜在的ニーズがあると思っているからです」(児玉氏)

    WASHハウスのこうした取り組みと成長は、すでに成熟したと思われる産業へのICT導入に、大きなヒントとなるのではないでしょうか。

    会社概要
    WASHハウス株式会社
    会社名
    WASHハウス株式会社
    設立
    2001年(平成13年)11月28日
    本社所在地
    宮崎県宮崎市新栄町86番地1
    代表取締役社長
    児玉 康孝
    資本金
    9億9445万8千円(2018年9月末現在)
    事業内容
    遠隔管理型コインランドリー店舗の企画・開発・運営事業
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  • メールの効果的な活用で価値あるお客さまとの関係強化を

    インターネットを経由したコミュニケーションツールが多様化する現在、そのツールを“…

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    メールの効果的な活用で価値あるお客さまとの関係強化を

    インターネットを経由したコミュニケーションツールが多様化する現在、そのツールを“どう使い分けるか”が、ビジネスの成否を分ける大きなポイントになります。今回は電子メールの的確な活用法について、ユミルリンク株式会社に話を聞きました。

    SNSやメッセンジャーアプリが浸透する中、BtoC、BtoBではメールの活用は年々拡大

    —現在のメールを取り巻く環境は、どのようになっているのでしょうか。

    武藤 SNSやメッセンジャーアプリ(LINEなど)の利用が拡大したことで、特にCtoCにおいては“メール離れ”が顕著です。そうした状況から、メールを「古いツール」と捉えている方も少なくないでしょう。ところが、そうした表面的なイメージとは異なり、ビジネスにおけるメール活用は年々拡大を続けています。つまり、それだけ多くの企業が「メールに効果がある」と考え、実際に活用しているのです(図1・図2参照)。

    概略図
    概略図

    —実際の活用例について教えてください。

    武藤 まずBtoCにおける、お客さまとのコミュニケーションです。特にECサイトでは、お客さまが興味を持つメールを配信し、そのメールに記載されたリンクをクリックしていただき、商品購入につなげるサイクルを繰り返すことが、ブランドやウェブサイトのファン、つまりロイヤルカスタマー(忠誠心の高い顧客)醸成に大きな効果を上げています。次に、主にBtoBにおいて、お客さまとの関係を維持強化するための活用です。現在、営業スタッフの不足を課題とする企業が多く、すべての得意先を人間がカバーすることは困難になってきています。そうした得意先への新製品やキャンペーンの情報伝達に、メールを活用しているのです。

    —メールでのコミュニケーションと、ウェブ広告やSNS広告の違いについて教えてください。

    武藤 ウェブ広告はあくまで告知であり、集客が主目的になります。またSNS広告は口コミによる拡散が期待できますが、その動機づけは「面白いかどうか」によるもので、販促目的のものは拡散しにくい傾向が見られます。また、投稿が時系列に表示されても、ほかの新たな投稿で埋めつくされ、すぐに表示されなくなってしまうため、内容の訴求が難しいことも課題です。これらに対しメールは、ある一定の関係を築いたお客さまに必要な情報をお届けできるという特徴があります。情報を届けるという意味ではLINEにも共通する部分がありますが、LINEはお客さまのプライベートな空間に入り込むような“押しつけ感”がある一方、メールは部屋の外のポストに投函されるような適度な距離感がメリットです。

    —メール送信そのものはパソコンのメールソフトでも可能です。御社のような事業者の有料サービスを使う意義はどこにあるのでしょうか。

    武藤 まず負荷とリスクの軽減です。1,000通くらいのメールをBCCで送信する場合でも、送信元のパソコン、そしてメールサーバーには一定時間、少なくない負荷がかかります。メール送信中にパソコンでの作業が止まれば生産性に影響しますし、社内サーバーでの送信は、システムにも影響を及ぼす可能性があります。さらに処理能力の問題から、お客さまにほぼ同時間に同じ情報を届けることも困難です。また誤ってBCCではなくCCで送信してしまうと、大規模なメールアドレスの漏えいにつながります。ヒューマンエラーを0%にすることは不可能ですから、リスク回避のためにもBCCでの送信は止めるべきです。さらに確実な送達や効果の検証でも、有料サービスにメリットがあります。

    開封率やクリック率の把握で、有料サービスに大きなメリット

    —それはどういったメリットでしょう。

    武藤 実は通信キャリアやISP(インターネット・サービス・プロバイダ)は、スパムメールを防ぐため、同一発信元からの一斉メールを細かくチェックし、一定数を超えたメールはフィルタにより排除したり、ブロックしたりする仕組みを取り入れています。その基準は事業者によってさまざまで、公表されていません。つまりBCCや自社システムで大量に送信された同じ内容のメールは、そうしたフィルタにより選別され、結果的にお客さまのところに届かない可能性が高くなるのです。弊社はそうした事業者の基準を独自調査で把握し、各事業者ごとに最適化した送信をすることで、お客さまへの到達率を高めています。また有料サービスを使うことで、パソコンからのメール送信では把握が難しい開封率、本文中のメールのクリック率、クリックからの成約率などのデータをきちんと収集することができます。そしてメールのリンクをクリックしたのに商品購入に至っていないお客さまを選別し、商品の魅力などを訴求するメールをお送りし、購買を促すという、お客さま一人ひとりの反応に応じたフォローも可能となります。

    メールの効果を最大限に引き出すため、緻密な戦略と継続的な効果測定

    —最後に、メールを活用し業績を伸ばすためのポイントについて教えてください。

    武藤 メールはあくまでも業績を伸ばすための手段であり、目的ではありません。一定のクオリティ、お役に立つ情報をきちんと含んでいるものでなければ、開封したお客さまを失望させてしまい、かえって逆効果になります。またメールの効果を高めるには、単にメールを作成して送信するだけでは不十分です。メールを伝達手段と考えた上で、その本文に記載したリンクをクリックしてどのページを見ていただき、購買行動など次のアクションにつなげるかという全体の設計に気を配ることが重要なのです。特に最近は、スマートフォンがメール受信の主役になりつつあります。メールの文面はスマートフォンの小さな画面でも分かりやすく、かつ要点をまとめたものとし、より詳しい説明はメールに記載されたリンクから遷移するランディングページで行うなどの役割分担も考えるべきです。またメールの開封率、クリック率、クリックからの成約率などにもきちんと目を配り、どう工夫すればそうした数字が変化するのか、ABテスト(異なる文面のメールを送信し、どちらにより効果があったかを確かめるテスト)を含めた検証も必要です(図3参照)。送ったメールにお客さまがどう反応したかを定期的に確認し、より効果のある方法を探るPDCAサイクルを確立することで、メールマーケティングは企業の業績に大いに貢献することになるでしょう。

    【図3:ABテストの利用パターン】
    会社概要
    ユミルリンク株式会社
    会社名
    ユミルリンク株式会社
    設立
    1999年(平成11年)7月
    本社所在地
    東京都渋谷区代々木2-2-1 小田急サザンタワー12F
    代表取締役社長
    清水 亘
    資本金
    1億1,828万円
    事業内容
    クラウド(ASP・SaaS)事業
    URL
    https://www.ymir.co.jp/
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  • ICTで海の状態をリアルタイムに把握。持続可能な未来の漁業を創る

    ほかの産業に比べ、ICT化が立ち遅れていると言われる漁業の世界。水産資源枯渇とい…

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    —和田先生が研究されているICT漁業とは、どのようなものなのでしょうか。

    ほかの産業に比べ、ICT化が立ち遅れていると言われる漁業の世界。水産資源枯渇という大きな課題に対し、漁師の協力を仰ぎつつ、ICTの力を駆使しながら、果敢に立ち向かっている研究者がいます。公立はこだて未来大学の和田雅昭教授に、ご自身が取り組まれている“ICT漁業”について話を聞きました。

    海中の状態をリアルタイムに把握

    —和田先生が研究されているICT漁業とは、どのようなものなのでしょうか。

    和田 IoTの技術を活用することで、海洋の状態を“見える化”し、リアルタイムに漁業関係者にお伝えするというシンプルな仕組みです。従来は、海中に一定期間設置したセンサーを回収してデータを取得しており、いわば過去のデータを基に解析するしか手だてはありませんでした。海中の状態と魚介類の生育に相関性があると分かっていても、過去のデータでは何ら対策を講じることができません。リアルタイムに状況を把握できるようになったことで、早めに手を打つことができるようになりました。

    この取り組みを始めたきっかけは、私が函館にある漁業・養殖業向けの機械メーカーに技術者として勤務していた時代にさかのぼります。私が設計した機械を使っていた養殖場でホタテガイの大量死が発生しました。機械に対するクレームがありましたが、温暖化の影響により水温の変化が顕著になっていると報道があった時期とちょうど重なっていて、単純に原因が機械にあると決めつけてしまっては、もしかしたら来年も同じようなことが発生するかもしれないと考えました。現に、どんなに老練な漁師でも「昔は陸上で感じる気候の変化から海の状態が分かったが、今は明日のことも分からない」と口々に言っていました。それならばこれを機に、海の状態を正確に把握する必要があると直感的に思ったのです。

    ところが、海の状態を掌握するには、一定の研究期間も予算も必要になります。当時、勤務していた民間企業では対応が難しく、それなら大学に籍を置く研究者という立場で漁業に貢献しようと、はこだて未来大学の門をたたきました。

    ICT漁業の利用価値が認められ今や日本全国に利用者が拡大

    —“海の状態を知る”には、どのような計測データが必要になるのでしょうか。

    和田 対象となる魚介類によって、必要な情報は変わってきます。この函館地区では昆布の養殖も盛んですが、昆布の生育には塩分濃度や光の量が関係しています。魚の養殖では海中の酸素量を把握する必要があります。中でも最も測定がしやすく汎用性が高いのは水温の変化データです。以前から測定は行われていましたが、海洋観測用として気象庁が使用していた測定器は数千万円になりますし、水産試験場が購入するものでも約600万円になります。私がイメージしていたのは漁師さんが使用する機械ですから、高くても10万円前後が限界だろうと。しかもコンパクトで扱いやすく、彼らが自分の養殖場の位置を示す標識の竿に、簡単に取りつけられるものを作りたいと考えました。

    研究を開始した頃はまったく予算がありませんでしたから、マザーボード※の設計から基板の加工まで、すべて自分で対応するしかありませんでした。冬の北海道の海域は氷点下の過酷な環境になるので、測定データを送信する際に信号に遅延が生じたり、電池が一気に消費されてしまったりとトラブルも多発しましたが、測定ユニットを筒状の耐水ケースに入れたり信号の遅延を許容する設計にしたりと、さまざまな工夫を重ねてきました。

    —漁師の方からの反応はいかがでしたか。

    和田 2006年に現在のシステムの原型ができあがり、漁師さんの手元にあるスマートフォンで水温データが閲覧できるようになったのですが、当初は誰からも振り向いてはもらえませんでした。ところが東日本大震災の後、一気に形勢が変化しました。東北の漁師さんたちが大きなダメージを受けたのはご存知の通りですが、復興に取り組む段階で、震災前と同じ漁獲量が得られなくなり、漁師の感覚として“海が変わった”という言葉があちこちから聞こえるようになりました。私も東北出身なので復興ボランティアに参加していて、そこで地元の漁師さんに提案。この測定器を東北の海に浮かべ、データを提供することにしました。

    震災を機に、東京で働いていた若い人たちが東北に戻り、実家の漁業を継承しようという動きが生まれていたのも、私たちの活動の後押しになりました。彼らは漁業の素人であると自覚すると同時にICTの利便性を理解しているため、ICT漁業が積極的に導入されて利用価値が認められるようになったのです。それをきっかけに東北以外の漁場からも声がかかるようになり、今は技術ライセンスを企業に移管して量産。日本全国の海に利用者が拡大しています。

    本当に知りたいのは「明日」のこと 経済循環を生むためにあらゆる人たちとつながり無駄をなくす

    —現在は、その技術はどこまで応用が広がっているのでしょう。

    和田 当初は養殖や定置網など、決められた場所のデータを収集するにとどまっていましたが、水産試験場の方から、「動き回る漁船に設置してほしい」という依頼がありました。現在の水産資源の状態をリアルタイムに把握することで、乱獲による資源の枯渇を防ぎたいと考えたのでしょう。

    シーズン前の資源量を把握した上で、GPSの位置情報と漁獲量データを集計して、成長量を加味しながら差し引いていけば“どのくらい魚がいるのか”という現状が分かります。極端に少なくなっていれば、「もう今シーズンは獲らないでおこう」という判断もできます。実際に留萌市のなまこ漁場は、この手法を導入して、“数年後には絶滅”という状態から逃れることができました。

    —今後、和田先生はどのようなビジョンを描いているのでしょうか。

    和田 現在の海の状態はある程度、把握できるようになりました。ところが、私たちが本当に知りたいのは「明日」のことです。函館周辺の海域でも猛烈な勢いで漁獲量が減っています。漁師だけでなく、水産物を加工する会社や飲食店、観光産業にも影響を与えています。海に資源がなくなったら、この町が衰退していくという大前提は当然あるのですが、水産業を持続的なものにしていくためには、魚を売ってお金に換えていかなければなりません。そういった経済循環を生むために、私たちにどんなことができるか。導き出された答えは、あらゆる技術者や業界の人たちとつながっていくことです。

    タブレット端末に表示された、なまこの漁獲量のグラフ

    ▲タブレット端末に表示された、なまこの漁獲量のグラフ

    私はIoTの専門家ですが、例えばAIの専門家と一緒に、漁船に取りつけられたセンサーによって取得したデータをAIによって画像解析します。傾向がつかめれば、今どんな魚が獲れるのかが分かるようになり、価値の高い魚が獲れるのならば、氷をたくさん用意するなどの準備ができるようになります。逆に魚がいなければ、漁に出る必要がないので無駄な燃料を使わなくなります。そして、明日、どんな魚がどの港で揚がるかということが分かれば、仲買人も無駄なく動けるようになるし、販売計画も立てることができます。それが進めば前日に競りができるようになるかもしれません。売り先をしっかりと確保できればロスがどんどんなくなっていきます。

    筒状の耐水ケースに入れられた「海水温検知センサー」

    ▲筒状の耐水ケースに入れられた「海水温検知センサー」

    この先、資源量が劇的に回復することはありえません。そういった状況の中、水産業を持続させるためには、無駄をなくすしか手段はないのです。明日が分かるというのは、そのための最初のアプローチとなります。私が描く漁業の未来を実現するためには、技術だけでなく理解者を増やしていく必要もあると思っています。

    センサーから送られた水温データは、スマートフォンで見ることができますセンサーから送られた水温データは、スマートフォンで見ることができます

    ▲センサーから送られた水温データは、スマートフォンで見ることができます

    1. マザーボード:コンピュータで利用される部品が取りつけられた電子回路基盤。
    組織概要
    組織名
    公立大学法人 公立はこだて未来大学
    設立
    2008年(平成20年)4月1日
    所在地
    北海道函館市亀田中野町116番地2
    理事長・学長
    片桐 恭弘
    URL
    https://www.fun.ac.jp/
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  • 「道具」に振り回されないために経営者は身近なICTを賢く使いこなす知恵を持て

    シャープやインテルなどの要職を歴任した後、ベンチャーキャピタルを立ち上げ、現在、…

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    シャープやインテルなどの要職を歴任した後、ベンチャーキャピタルを立ち上げ、現在、ビジネスアカデミー「丸の内『西岡塾』」塾長を務める西岡 郁夫氏。同氏の率直で鋭く本質を突いたメッセージは、同塾での講義や全国各地で行っている講演でも多くのビジネス・パーソンの共感を得ています。本誌では、中小企業経営者のICTへの向き合い方をテーマにお話をうかがいました。


    業務の現場を知らない人にシステムを任せるのは無責任

    —日本の中小企業におけるICT活用の現状をどう見ますか?

    西岡 はっきり言って、非常に遅れています。ICT全盛期のこの時代にいまだに受発注をFAXだけで行っている中小企業がある。今、そんなことをやっている国なんて世界中見渡してもほとんどないですよ。原因は明らかに経営者の勉強不足です。ICTで業務を進める時代と聞いて、「そろそろウチでもやるか」と考えるのは良いけれど、どのようなシステムが必要なのかさえ分かっていない。それにも関わらず「システム部長に任せる」とか「知り合いのところに頼もう」などと、業務の現場も知らない人に任せてしまう無責任な経営者が多い。挙句の果てに無駄な投資になってしまい「ICTは金食い虫だ」とぼやいているのです。

    これはインテル在職時のエピソードですが、米国の本社からプロセッサ(ICチップ)5万個分のキャンセルが生じたので、世界中の拠点に追加発注を取るよう指示を受けました。日本ではすぐにオーダーが入ったのでメールにて発注したのですが、時差のために他国に先取りされるということがありました。受注生産管理業務をリアルタイムで処理できなかったことが原因です。これではいけないと考え、リアルタイムで処理できるERP(基幹系情報システム)を導入することになりました。このプロジェクトをめぐり、情報システム部長はシステムを自社開発すると主張。しかし、当事者である業務本部長は、「パッケージソフトには多くの会社の実績があり、ユーザーのベストプラクティスが詰まっている。それを導入しよう。自分が責任者になるから、情報システム部門はサポートしてほしい」と反対したのです。結局、業務本部長の案が通ってプロジェクトが進み、リアルタイム処理システムが完成。その結果、なんと在庫を60分の1にまで減らすことに成功したのです。製造から出荷までの複雑な流れを知り抜いた、現場を熟知した者が率いたからこそ、超大規模システムが短期間で稼働でき、望むような結果が出せたのです。

    グループウェアやメールなどの「道具」に振り回されていないか

    —「働き方改革」にICTツールをどのように役立てたら良いのでしょう?

    西岡 グループウェアやメールを使う人が増えていますが、この便利なツールも使い方を間違えたら悲惨です。特にグループウェアの「会議予約システム」に振り回されている管理職が多いように見受けます。スケジュールが共有されるので、会議への参加を要請されやすく、スケジュールが空いているというだけで安易に応じてしまう。本来、会議は戦略的に考え抜いた上で準備し行うものなのに、安易な態勢で臨むのでは成果も知れたもの。ただただ「忙しい」と駆け回ることになります。また、メールの使い方も無駄が多くないですか?結論を端的に書く、無駄なCC(同報)はしない、返信なしは賛成とみなすなどの「メール・リテラシー」を持っていないのです。私がインテルで学んだのは、優先順位を低くして良い場合は件名に「fyi(for your information:参考までに)」とつけたり、たとえ隣席同士でも、当事者だけの判断では難しい案件には上司にCCをつけるなど、戦略的で成熟したメールの使い方でした。

    昨今話題の「働き方改革」には、身近なICTツールを賢く使いこなす知恵と、それを使って、誰でもいつでも業務の引継ぎができる体制づくりが必要です。

    AIなどが引き起こす社会や市場の大変革についていくために

    —AIやIoTなど新しい技術革新にどう対処すべきでしょうか?

    西岡 新しい技術革新はAIやIoTだけではないですよね、ブロックチェーン※1がビットコインを生み、フィンテック※2が決済手段を変えています。でも、これらの技術革新を先端ICT分野のできごとだと見なしている経営者がいますが、それは間違いです。例えば、今使えるAIは「膨大なデータを解析して、最適解を見つける」のに向いています。だからAIで癌の診断と治療法のアドバイスができるのです。今後、急速に身近な業務に使えるものになるでしょう。AIはICTの分野だけでなく、社会や市場の大変革に直結しているのです。また、クルマの自動運転なども、日本人が思っている以上に早く普及すると思います。移動や物流のインフラが根本的に変わるのに、排気量が大きいクルマを乗りこなすのがかっこいいというイメージに固執し過ぎて、いまだに「乗り心地」や「快適運転」とかにこだわっているように思えます。

    イノベーションというのは、既存の仕組みを上手く組み合わせて連鎖的・加速度的に起きるのですから、クラウドやスマートフォンやAIがここまで来たなら、次はどうなるか?それが自社の業務やサービスにどう使えるか?といったことを、常に考えていなければなりません。中小企業の経営者といえども、グーグルやアマゾンといった先進企業が始めていることをベンチマークするくらい研ぎ澄ました、ビリビリした感覚を持ってもらいたいですね。(文責/本誌編集部)

    1. ※1 ブロックチェーン:分散型台帳技術、または、分散型ネットワークのことで、ビットコインを原型とするデータベース。
    2. ※2 フィンテック:金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、ファイナンス・テクノロジーの略。

    丸の内「西岡塾」

    西岡 郁夫(にしおか いくお)氏
    西岡氏が2002年(平成14年)に立ち上げた若手管理職を対象にしたビジネスアカデミー。約20人の塾生が週に一度集まり、約8か月にわたって毎週講義や演習を実施。異なる業種の塾生同士が議論を深め合う。さまざまなジャンルで実績を上げてきた経営者や学者などが講師を務め、塾生たちの自己変革を促す。
    ■プロフィール

    西岡 郁夫(にしおか いくお)氏
    株式会社イノベーション研究所代表取締役社長、丸の内「西岡塾」塾長。工学博士。
    1943年、大阪府生まれ。1969年、大阪大学大学院工学研究科通信工学専攻修士課程修了、シャープ入社。同社情報システム本部コンピュータ事業部長、同副本部長を経て、1992年インテル日本法人に転進。同社代表取締役社長、同会長を経て1999年退職。同年、ベンチャーキャピタルのモバイルインターネットキャピタルを設立。2002年、丸の内ビジネスアカデミー「丸の内『西岡塾』」設立。ベンチャーを支援する「ベテランとベンチャーの会」世話人や大学客員教授など役職を務める。
    新刊著書『一流マネジャーの 仕事の哲学』(日経BP社)
    「西岡塾」ホームページ:http://nishiokajuku.com/

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  • 大規模災害に備えた通信会社の取り組みとは?

    「通信手段の確保」は、大規模災害時の救援や復旧活動に大きな役割を果たします。ふだ…

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    「通信手段の確保」は、大規模災害時の救援や復旧活動に大きな役割を果たします。ふだんは「使えて当たり前」と思っている固定電話や携帯電話の大規模災害時の取り組みについて、ご紹介します。

    重要な電話が優先的につながる仕組みとは

    地震や津波などの大規模災害が発生すると、まず気になるのは被災地域に住む家族や知人の安否です。また被災地域に住む人は、被災状況を知らせ、支援を求める必要に迫られます。こうした連絡手段として、最近ではTwitterやLINEなどのSNSの活用も広がってきてはいますが、やはり電話による被災地への安否確認の連絡(いわゆる「見舞い呼」)が多く、時には通話の集中で電話回線がパンクして官公庁や病院など、救援活動に必要な通話が困難になり、救援の遅れによる二次的な被害につながるおそれもあります。

    また大規模災害により電話回線や基地局が損傷したり、災害を起因とする停電で、電話システムそのものがダウンすると、被災地域の状況が分かりにくくなり、適切な救援の手だてがとれない可能性もあります。

    こうした事態を防ぐため、大規模災害発生時には各通信会社は企業や家庭の固定電話、一般の携帯電話からの発信を規制し、救援に重要な役割を果たす通話が優先的につながるように設定したり、通信が途絶している地域に代替となる通信手段を用意するなど、迅速な復旧に向け協力体制を構築します。

    電話網に負担をかけない連絡手段を用意

    もちろん発信を規制するだけでは、安否を気遣う人々の不安、支援を求める人々の要請に応えることはできません。そこで各通信会社は、一般ユーザー向けに、電話での通話に代わる安否確認サービスを用意しています。NTT東日本、NTT西日本の「災害用伝言ダイヤル(171)」は、手がかりとなる電話番号とともに30秒以内の伝言を録音し、第三者が再生、返答できるサービスです。また「災害用伝言板(web171)」は、インターネットを経由してサーバーに100文字以下の伝言を残すことができます。

    NTTドコモ、au、ソフトバンク、ワイモバイルなどの各携帯電話会社も、同様の機能を持つ「災害用伝言板」を、それぞれ用意しています。この「災害用伝言板」は利用者の利便性に配慮し、各通信会社の協力のもと、ほかの通信会社で登録された情報でも検索できる仕組みが導入されています。

    一方、電話が通じなくなった地域や、自宅を離れ避難所で生活する人々への代替の通信手段としては、NTT東日本、NTT西日本が避難所に被災者が無料で利用できる特設公衆電話を設置するほか、各携帯電話会社も携帯電話、さらには通信衛星を経由して固定電話や携帯電話との通話ができる衛星携帯電話を貸与するなどの救援策を用意しています。

    「いざという時」のため、ふだんの備えを

    こうした活動の具体例として、本年4月に発生した熊本地震での対応を、NTT西日本にお聞きしました。

    「熊本地震では、のちに『前震』と判断された4月14日(木)21時26分の震度7の地震発生から14分後の21時40分に、災害用伝言ダイヤルを設置しました。この災害用伝言ダイヤルは16日(土)の、同じく震度7の本震をまたぎ、5月31日(火)まで提供され、期間中に録音と再生合わせて約7万8,000件の利用がありました。また同じく設置された災害用伝言板も、同時期に登録、閲覧合わせ約13万2,000件のご利用があり、ともに被災者からの安否情報の発信、家族や知人からのその確認に役立ったのではないかと考えています。また各地の避難所には固定電話網や移動可能な衛星通信基地局を使った特設公衆電話を設置し、多くの方々にご利用いただきました」(NTT西日本)

    そして災害への対応に向けては、私たち利用者のふだんからの心構えと準備が重要となります。

    「災害時伝言ダイヤルは、毎月1日と15日、防災週間など、体験利用できる時期を設けています。いざという時に備えるため、まずご家族で『連絡のキーとなる電話番号』を決め、こうした体験利用を通じ、使い方を確認していただければと思っています」(NTT西日本)

    私たち利用者は、こうした大規模災害が“起こりうるもの”と認識し、各通信会社の提供する災害時のサービスについて知識を深めておくことが大切です。万一の際のスムーズな安否確認や不安の解消のために、ぜひ身近な方とお話し合いを持たれてみてはいかがでしょうか。

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  • 災害時に強い公衆電話の認知度向上の取り組み

    公衆電話には、大規模災害時に優先的につながる仕組みが用意されています。しかしその…

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    公衆電話には、大規模災害時に優先的につながる仕組みが用意されています。しかしその一方で、公衆電話は設置台数が減り、使い方を知らない人も増えています。公益財団法人日本公衆電話会は、こうした災害時の公衆電話の役割を啓蒙する活動を続けています。

    「公衆電話の場所を知ること」も災害対策に

    大規模災害が発生し、安否を気遣う「見舞い呼」で電話回線の混雑が見込まれる場合、一般の固定電話、携帯電話には発信規制が行われ、電話がかかりにくくなります。こうした場合、連絡手段として役立つのが公衆電話です。不特定多数の人が利用する公衆電話は、官公庁や病院などの特定の電話と並び、発信規制の対象外となっています。そのため、固定電話や携帯電話からの通話が困難な時でも、比較的かかりやすくなっているのです。

    しかし現在、公衆電話はその設置数が大きく減少し、いざという時に使おうと思っても、なかなか見つけづらい状況にあります。こうした中、公衆電話の設置場所を周知し、大規模災害時の有効な通信手段として活用できるよう、活動を続けている団体があります。それが公益財団法人日本公衆電話会です。

    ▲常務理事 事務局長 岡村 力氏

    ▲常務理事 事務局長
    岡村 力

    「かつては街角のあちこちで見かけることができた公衆電話ですが、今は探してもすぐには見つかりません。そこで私どもは、大規模災害時に公衆電話を探す助けとなる『帰宅困難者支援 公衆電話マップ』を制作しました。これまで配布したのは『新宿駅版』『渋谷駅版』『上野駅版』で、いずれも片面に駅周辺の屋内外の公衆電話の位置、特設公衆電話が設置される拠点、さらに帰宅困難者用支援候補施設を記した地図を、もう片面に公衆電話の使い方と『災害用伝言ダイヤル(171)』『災害用伝言板(web171)』の使い方をまとめています。これらは当会のウェブサイトからもダウンロードできますので、ぜひご利用いただければと思っています。また近い将来発生すると予想されている南海トラフ地震、東海地震対策に取り組む四国の地方自治体向けには『屋外公衆電話設置マップ』を制作し、一部の自治体にそれぞれ1万5,000~2万部を贈呈しています」(岡村氏)

    家族の安心のため、子どもに公衆電話の使い方を

    また、携帯電話が一般的になってから20年近くが経過した現在、公衆電話の使い方を知らないという子どもたちが増えています。

    「公衆電話は災害時に役立つ重要な連絡手段ですが、アンケートの結果、公衆電話を使ったことがないというお子さまが増えていることが分かりました。そこで私どもは、小学生を対象に『公衆電話教室』を開催しています。親御さまにおかれましても、お子さまと一緒に外出した時に公衆電話を見かけたら、その使い方をお教えになられてはいかがでしょうか。お子さまに10円玉を手渡し、公衆電話からご自身の携帯電話あてに電話をかけてもらうだけで、すぐに使い方を理解されると思います。そして万一の災害に備え、災害用伝言ダイヤルの使い方と伝言先のキーとなる電話番号を記したメモを持たせてあげたら、安心度も大きく高まると思います」(田島氏)

    同会では、これからも各地で子どもたち向けに公衆電話の使い方のレクチャーを続けていくとともに、災害用伝言ダイヤルの認知度向上への努力を続けていくとのことです。

    ▲広報 担当部長 田島 敏明氏

    ▲広報 担当部長
    田島 敏明

    組織概要
    公益財団法人日本公衆電話会
    組織名
    公益財団法人日本公衆電話会
    設立
    1972年(昭和47年)8月15日
    所在地
    東京都新宿区西新宿1-13-12
    会長
    上坂 清
    事業内容
    公衆電話を基本とした利便性向上に向けた事業、「安全で安心できる地域社会」の実現に向けた事業など
    URL
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  • 利便性、経済性に優れたクラウドのセキュリティ上のリスク

    IPA(独立行政法人情報処理推進機構)セキュリティセンター監修のもと、情報セキュ…

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    IPA(独立行政法人情報処理推進機構)セキュリティセンター監修のもと、情報セキュリティ対策をご案内する当連載。
    脆弱性対策に「ネット利用者の意識改革」もプラスし、御社のセキュリティを確かなものにしましょう。

    インターネットを使ったサービスは、私たちの生活、そして仕事にも深く結びついています。しかしネットの世界は100%安全ではありません。悪意ある攻撃者が用意した落とし穴に引っかかると、ウイルス感染や、金銭に関わる情報の漏えいなど、業務に大きな支障を与えるトラブルに巻き込まれる可能性があります。


    業務に関係ないサイトにはアクセスしない

    では業務用PCで、ネットを安全に利用するためには、どのような心構えが必要でしょうか?その第一の対策は、業務に関係ないウェブサイト、特にアダルト系サイトや運営元のはっきりしない無料動画サイトに興味本位でアクセスしないことです。こうしたサイトの中には「年齢認証」「視聴への同意」などというメッセージを読まずに理解していないユーザの行動を逆手に取り、有害なソフトウェアを実行させようとするものがあるからです。もしその甘言に乗ってウイルスに感染すれば、その本人はもちろん、上司も監督責任を問われるでしょう。

    次に、いわゆる「フィッシング詐欺」への警戒です。

    ▲技術本部 セキュリティセンター 情報セキュリティ技術ラボラトリー IPA-CERT 主任研究員 渡辺 貴仁氏

    ▲技術本部 セキュリティセンター
    情報セキュリティ技術ラボラトリー
    IPA-CERT 主任研究員
    渡辺 貴仁

    フィッシング詐欺の典型例の一つは、メールなどでユーザを本物に似せて作ったウェブサイトにユーザを誘導し、インターネットバンキングやクレジットカードの情報を盗み取る手口です。銀行やクレジットカード会社を名乗り「重要なお知らせ」「本人認証サービス」などというタイトルで送られてくるメールの本文にあるURLを安易に信用せず、文面の日本語に不自然な部分がないかを確認し、さらにはサービス提供元のウェブサイトでそうしたメール配信について告知されているかどうかも確認しましょう。またネットを使う詐欺には、架空の通販サイトを用意し、その信憑性も確認せず利用するユーザから金銭やカード情報を入手し、そのまま消え去ってしまうケースも考えられます。通販を利用する際には、ウェブサイト上に特定商取引法に基づいた代表者や住所などが記載されているか、またその住所が本当に存在するかを確認する心づもりが必要でしょう。


    「フィルタリングソフト」導入など適切な管理も重要

    ▲技術本部 セキュリティセンター 調査役 石井 茂氏

    ▲技術本部 セキュリティセンター
    調査役
    石井 茂

    なお、正規のウェブサイトであっても、ある日突然、悪意ある攻撃者に乗っ取られ、ウイルス感染サイトに仕立てられる事象も発生しています。管理者としては、そうした危険性についても利用者に周知し、各PCにインストールされているセキュリティソフトをつねに最新のものにアップデートするとともに、「フィルタリングソフト」などの導入により、PCから不正な通信先へのアクセスがないかどうかについても、目を光らせましょう。


    ・組織名:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)セキュリティセンター
    ・事業内容:「利用者視点に立った複雑、膨大化する情報社会システムの安全性・信頼性の確保」を理念として、さまざまな活動を実施。
    ・URL:http://www.ipa.go.jp/security/


    ユーザ協会では、皆さまのホームページに情報漏えいやページの改ざんにつながる脆弱性(弱点)が無いか、不正なサイトへのリンクが埋め込まれていないかを診断し、結果を通知する「ホームページ・セキュリティ診断」サービスをご用意しています。
    詳しくは、ホームページ・セキュリティ診断をご確認ください。

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  • 高齢者向け応対をスキルアップする「老人性難聴体感アプリ」を開発

    高齢化が進む日本では、コールセンターでも高齢者向けの対応が不可欠です。長年、補聴…

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    高齢化が進む日本では、コールセンターでも高齢者向けの対応が不可欠です。長年、補聴器メーカーで研究開発に取り組み、音響技術会社を設立した坂本氏は、高齢者の「聞こえの問題」に着目。コンタクトセンター運営会社TMJと連携して、老人性難聴体感アプリ「ジェロトーク」を開発しました。アプリ開発までの道のりと「ジェロトーク」の仕組みをご紹介します。


    老人性難聴では音量ではなく、音質が問題

    現代の日本は、少子高齢化社会への歩みを続けています。コールセンターにおいても高齢化社会への対応は不可欠で、「大きな声で繰り返し」といった、高齢者向け応対の指針を定めるセンターも少なくありません。

    しかし補聴器メーカーで長年研究開発に取り組んだのちに独立、音響技術のベンチャー企業オトデザイナーズを設立した坂本氏は、この指針に警鐘を鳴らします。

    「加齢にともなう聴力の衰え、つまり老人性難聴は、『相手の声が小さく聞こえる』といった単純なものではありません。老人性難聴では、耳に入り、理解される音質にも変化が表れるのです。たとえば日本語にある数十種類の母音や子音の周波数成分の違いはわずかです。私たちの耳はそのわずかな違いを聞き分け、音声を『言葉』として理解していますが、加齢によりこれらの違いが聞き分けづらくなってきます。それが高齢者の『聞こえ』の問題の原因なのです」(坂本氏)

    代表取締役 坂本 真一氏

    ▲代表取締役
    坂本 真一

    そのため「大きな声で繰り返し」という指針は、ご高齢のお客さまの理解にはまったくつながらないと言うのです。

    「『聞こえ』の問題は、音量ではなく、音質の問題です。大きな声で何度も繰り返す話法では、言葉の内容がご高齢のお客さまには理解されないだけでなく、逆に不快感すら与えてしまうケースが多いのです」(坂本氏)


    電話というハードウェアへの知識不足も課題の一つ

    高齢者に「音の聞こえ」を書き出してもらうなど数多くの検証を重ね、音声データを可視化して分析し、音声フィルタの精度を高めています。

    ▲高齢者に「音の聞こえ」を書き出してもらうなど数多くの検証を重ね、音声データを可視化して分析し、音声フィルタの精度を高めています。

    坂本氏はもう一点、コールセンターで働く人の、電話というハードウェアに対する知識不足も課題として指摘します。

    「電話は限られた周波数の幅の中で音声を伝えるため、音そのものの成分を大幅にカットします。また受話器のスピーカーも、そうした目的に応じて設計されています。つまり話者が大声で話せば話すほど、その声は割れて聞き取りにくい音になるのです」(坂本氏)

    さらに高齢者自身に難聴という「自覚」がないことが、問題をより複雑にします。

    「老人性難聴は加齢とともにゆっくり進むため、ほとんどの方に『聞こえの問題』の自覚症状がありません。つまり、うまく意思疎通できないのは相手の話し方のせいと感じるのです」(坂本氏)

    こうした問題に対して導いた解決策が、「高齢者の聞こえ」を再現し、老人性難聴を模擬体験できる特殊な音声フィルタの開発です。

    「ご高齢の方に、耳に入った音が『どう聞こえたか』を書き出してもらうという検証を数多く重ね、フィルタの精度を高めていきました。さらに突発性難聴になり、回復した音響研究者にも協力を求め、『難聴になった時にどのような聞こえだったか』の記憶と突き合わせてもらうことをお願いしました。この検証で、ほぼ正確に再現できているという確信が持てました。あとはどうやってこれを世に送り出すことができるかを考えていたのです」(坂本氏)


    老人性難聴体感アプリ「ジェロトーク」が誕生

    このタイミングで坂本氏にコンタクトしたのが、高齢のお客さまとの間の意思疎通に課題があることを感じていたコンタクトセンター運営大手の株式会社TMJ(http://www.tmj.jp/)でした。この両者の協力により、老人性難聴体感アプリ「ジェロトーク」が誕生します。

    「『ジェロトーク』は、私が確立した老人性難聴を再現する手法と、TMJが考えたトレーニング用のインターフェイスを組み合わせたアプリです。スマホやタブレットで『ジェロトーク』を立ち上げ、自分の声を入力すると、その声がフィルタを通して変換され、高齢者の『聞こえ』となり再生されます。この流れを繰り返し、高齢者向けの発声をトレーニングできるのです。またプリインストールされた『良い聞こえ』を示すサンプルで、語調やリズム、スピードも学べます。入力した音声は100点満点で採点され、言葉のどの部分の話し方に問題があるかも表示されるので、独習でも上達度が分かる仕組みです」(坂本氏)

    任天堂Wiiのゲームソフト「キキトリック」にも、オトデザイナーズの音声技術が使われています。

    ▲任天堂Wiiのゲームソフト「キキトリック」にも、オトデザイナーズの音声技術が使われています。

    TMJは、この「ジェロトーク」を1カ月単位でレンタルするサービスも行っています。高齢のお客さまへの応対改善を考えている企業にとって、力強い味方となりそうです。

    世界にも効果を波及できる成果を送り出していきたい

    坂本氏は、独立したそもそもの動機を「大小さまざまな研究成果が、世に出ることなく終わってしまう現実を何とかしたかったから」と言います。坂本氏の研究成果は、「ジェロトーク」のほか、任天堂Wiiのゲームソフト「キキトリック」やiPhoneソフト「赤ちゃん声日記」など、さまざまな商品やアプリとして実を結んでいます。

    「会社員時代は、同僚から『これはいいね!』と言われた研究成果も、社内の力学などでそのまま埋もれてしまう現実を前に、徒労感をおぼえる日々でした。その現実を打破するために、ある意味、あと先考えずに辞めてしまった部分もありますが、後悔はしていません。日本は世界に先駆けて高齢化社会を迎えますが、そこで培った経験を活かせば、この分野で世界をリードできる存在となれるはずです。私たちのチャレンジが将来的に世界にもその効果を波及できる。そんな成果を送り出していきたいですね」(坂本氏)

    会社概要
    株式会社オトデザイナーズ
    会社名
    株式会社オトデザイナーズ
    設立
    2006年(平成18年)2月
    所在地
    埼玉県和光市南1-27-65
    代表取締役
    坂本 真一
    資本金
    1,200万円
    事業内容
    聴覚心理に基づく技術やサービスの提供
    URL
    https://www.otodesigners.com/
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  • 業務用PCでネットを安全に利用するための心構えと対策

    IPA(独立行政法人情報処理推進機構)セキュリティセンター監修のもと、情報セキュ…

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    IPA(独立行政法人情報処理推進機構)セキュリティセンター監修のもと、情報セキュリティ対策についてご案内します。
    最終回は、最近ビジネスシーンでの利用が伸びているクラウド。そのリスクをそれぞれのサービス別にご紹介します。

    現在、ビジネスシーンでのクラウド利用が伸びています。その理由は、どこからでも情報にアクセスできる利便性と、自社での設備投資を不要とする経済性です。しかしクラウドはこうしたメリットの反面、セキュリティのリスクも存在します。今回はこうしたリスクについて、ご案内しましょう。


    それぞれのサービスごとに異なるリスク

    ●オンラインストレージ

    クラウド上にファイルサーバーを置き、情報を保存するオンラインストレージの多くは、IDとパスワードのみで利用者を認証する仕組みをとっています。

    そのためIDやパスワードが流出すると、第三者に業務情報を読み出されるおそれがあります。

    ●ウェブメール

    クラウド上のメールアプリを利用し、メールのデータもクラウドに保存するウェブメールでも、IDとパスワードの流出で、オンラインストレージと同様の被害が発生するおそれがあります。

    ▲技術本部 セキュリティセンター 情報セキュリティ技術ラボラトリー IPA-CERT 主任研究員 渡辺 貴仁氏

    ▲技術本部 セキュリティセンター
    情報セキュリティ技術ラボラトリー
    IPA-CERT 主任研究員
    渡辺 貴仁

    ●オンライン翻訳サービス

    オンライン翻訳サービスを使い文章そのものを翻訳する場合、原文をそのままクラウド事業者に渡してしまうことになります。もしこの原文が社外秘の文章であれば、社内規則に明確に違反してしまうことになります。

    ●クラウド型IME(入力支援ソフト)

    一部のIMEは、入力内容をクラウドに送信し、クラウド上の辞書を利用して漢字変換します。こうしたIMEでは、社内で作成した文書の一言一句がインターネットに流出してしまうリスクがあります。

    ●事務処理系サービス

    出退勤、会計、営業支援などをクラウド上のアプリで行うサービスでは、会社の生命線である業務データをそのままクラウド事業者に渡してしまうことになります。またクラウド事業者が経営不振に陥ると、いきなりサービス停止となり業務データを失うなど、会社の事業継続性にも大きな影響を与えます。


    クラウド事業者の信頼性にも注力を

    ▲技術本部 セキュリティセンター 調査役 石井 茂氏

    ▲技術本部 セキュリティセンター
    調査役
    石井 茂

    クラウドを利用する際は、こうしたクラウドそのものが内包するリスクと、クラウド事業者の信頼性をしっかり吟味し、利用の可否も含め、検討すべきでしょう。また社員が個人的に利用したクラウドサービスが業務情報の流出につながらないよう、そうした行為を社内規則で禁止する措置が必要です。

    ここまで4回にわたり、IPA監修のもと、セキュリティ情報についてご紹介してきました。しかしネットをとりまく環境は時々刻々と変化しており、リスクもこの連載で紹介した内容がすべてではありません。御社のセキュリティ対策をいっそう高める上でも、定期的にIPAのウェブサイトを訪れ、最新情報に触れていただければ幸いです。


    ・組織名:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)セキュリティセンター
    ・事業内容:「利用者視点に立った複雑、膨大化する情報社会システムの安全性・信頼性の確保」を理念として、さまざまな活動を実施。
    ・URL:http://www.ipa.go.jp/security/


    ユーザ協会では、皆さまのホームページに情報漏えいやページの改ざんにつながる脆弱性(弱点)が無いか、不正なサイトへのリンクが埋め込まれていないかを診断し、結果を通知する「ホームページ・セキュリティ診断」サービスをご用意しています。
    詳しくは、ホームページ・セキュリティ診断をご確認ください。

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  • コンピュータウイルス感染がもたらすリスクと防止策

    IPA(独立行政法人情報処理推進機構 セキュリティセンター)監修のもと、情報セキ…

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    IPA(独立行政法人情報処理推進機構 セキュリティセンター)監修のもと、情報セキュリティ強化の必要性とそのノウハウをご案内する当連載。今回はコンピュータウイルス(以下ウイルス。このコラムでは独立したプログラム、ほかのプログラムに寄生するコードも含め、広義の意味で用います)への感染がもたらすリスクと、感染防止策について解説します。

    現在、金銭的な目的としているウイルスが多く存在します。その代表格が、前回もご紹介したインターネットバンキングをターゲットとしたウイルスです。このウイルスは、インターネットバンキングにアクセスしたブラウザの画面上にニセの入力画面を表示してユーザのIDやパスワードを入手し攻撃者に送信します。攻撃者は正規のユーザになりすまし、不正送金などで金銭を窃取します。


    多様化するウイルス

    またPCを“人質”にとる「ランサムウェア」というウイルスも、多くの感染が報告されています。このウイルスはPCの画面をロックしたり、ハードディスクのデータを暗号化するなどしてPCを使用不能とし、その解除の見返りに“身代金”を要求します。身代金を支払ってもそうしたロックや暗号化が解除されるかどうかは不透明で、被害は直接、間接を含め、大きなものになってしまうのです。

    ウイルス感染による「サイバー攻撃」への荷担も、増えています。これはウイルスに感染したPCが外部からの命令で動く「ボット」になり、別のサーバに保管されている機密情報を抜き取るための踏み台となってしまうというものです。当該PC、そして社内ネットワークにかかる大きな負荷と、駆除のための労力が必要となります。

    ▲技術本部 セキュリティセンター 調査役 石井 茂氏

    ▲技術本部 セキュリティセンター
    調査役
    石井 茂


    セキュリティの定期的更新で脆弱性をカバー

    ▲技術本部 セキュリティセンター 情報セキュリティ技術ラボラトリー IPA-CERT 主任研究員 渡辺 貴仁氏

    ▲技術本部 セキュリティセンター
    情報セキュリティ技術ラボラトリー
    IPA-CERT 主任研究員
    渡辺 貴仁

    こうしたウイルス感染による被害を防ぐためには、まず何よりもOSやソフトウェアの更新情報に気を配り、セキュリティパッチと呼ばれるプログラムを適用して「脆弱性」を解消することが大切です。

    なおWindows XPのように、開発元のサポート期限が切れたOSは、セキュリティパッチが配布されません。Windows XPは2014年にサポートが終了しましたが、後継のWindows Vistaは2017年4月11日に、Windows7は2020年1月14日にサポート期限を迎えます。業務で使うPCは、こうしたサポート期間をしっかりと確認しつつ、十分なリードタイムを設けてリプレイスする計画を立ててください。

    またセキュリティソフトは必ずインストールし、ウイルス定義データベースも定期的にアップデートしましょう。さらに次々に登場する新たな攻撃の手法に対応できるよう、セキュリティソフトそのものも定期的に更新することも、ぜひご検討ください。


    ・組織名:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)セキュリティセンター
    ・事業内容:「利用者視点に立った複雑、膨大化する情報社会システムの安全性・信頼性の確保」を理念として、さまざまな活動を実施。
    ・URL:http://www.ipa.go.jp/security/


    ユーザ協会では、皆さまのホームページに情報漏えいやページの改ざんにつながる脆弱性(弱点)が無いか、不正なサイトへのリンクが埋め込まれていないかを診断し、結果を通知する「ホームページ・セキュリティ診断」サービスをご用意しています。
    詳しくは、ホームページ・セキュリティ診断をご確認ください。

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  • 情報セキュリティ対策の必要性とその強化法

    「情報セキュリティの重要性は理解しているつもりだが、どこから手を付けていいのか分…

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    「情報セキュリティの重要性は理解しているつもりだが、どこから手を付けていいのか分からない」と思っている経営者の方も、多いのではないでしょうか。この連載では、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構セキュリティセンター)の監修のもと、合計4回にわたり、情報セキュリティ強化の必要性とそのノウハウを、分かりやすくご案内します。

    情報セキュリティは、現在の企業経営において、最重要課題の一つとなっています。なぜなら個人情報漏えいなど、情報セキュリティに関わる事故は、企業のイメージダウンや顧客離れにもつながり、場合によっては経営の根幹に関わるダメージを与えることになるからです。


    セキュリティ対策の甘い企業が標的になる

    ▲技術本部 セキュリティセンター 情報セキュリティ技術ラボラトリー IPA-CERT 主任研究員 渡辺 貴仁氏

    ▲技術本部 セキュリティセンター
    情報セキュリティ技術ラボラトリー
    IPA-CERT 主任研究員
    渡辺 貴仁

    そして不正アクセスによる攻撃は、多くのサービスがインターネットにつながったサーバやコンピュータを介して提供されている現代社会において、どんな企業においても「直面せざるを得ないリスク」となっています。犯罪者の前で「うちは有名な会社ではないし、そんな大事な情報を扱っているわけでもないから大丈夫だろう」という考えは通用しません。犯罪者はまず投網をかけるようにセキュリティ対策の甘い企業を探し出し、そこに金銭的なメリットを求めて不正アクセスなどを試みるからです。

    二つほど例を挙げましょう。

    【事例1】インターネットバンキングを狙った不正送金

    まず一つ目は、企業が利用するインターネットバンキングが狙われたケースです。

    個人に比べて、企業のインターネットバンキングは、預金残高、振り込み可能額とも大きく、不正アクセスによる被害を受けるケースが増えています。

    その典型的な手口は、銀行を騙るメールで偽のインターネットバンキングのページに誘導したり、ウイルスに感染させるなどして偽装したポップアップウインドウを表示し、利用者にID・パスワードや乱数表・合言葉といった第二認証情報を入力させるというものです。入力した情報は正規の銀行ではなく犯罪者に送られ、その情報をもとに利用者になりすまし、犯罪者の口座に送金してしまうのです。2014年には、1件で最大3,600万円という多額の不正送金の被害にあった例も、IPAに報告されています。

    実際、公的機関も、こうしたインターネットバンキングに対する被害の広がりを警告しています。今年2月に警察庁が発表した「不正送金事犯の発生状況について」というレポートによると、平成26年に確認された不正送金は1,876件で、被害額は約29億1,000万円(うち、金融機関が不正送金を阻止した額を差し引いた実質的な被害額は約24億3,600万円)にも上っているのです。

    【事例2】個人情報の漏えい

    もう一つは、ECサイト運営企業がターゲットとなった例です。

    この企業は売上高こそ年商2億円くらいですが、ある分野でトップのシェアを持っていました。しかしこの企業が犯罪者による不正な攻撃によりウイルス感染したことで、クレジットカード番号を含む個人情報を盗み取られてしまったのです。そしてこの事件は同社のクレジットカード加盟店契約にも影響を与えました。クレジットカード加盟店契約は、新規の場合、比較的間口が広く、所定の要件が整っていれば審査はクリアできます。しかしいったんこうした流出事故を起こしてしまうと、加盟店契約を続けるために社内の情報管理体制などが厳しくチェックされるなど、ハードルが一気に高くなってしまうのです。

    この企業はそうした新たな要件を満たすことができずに加盟店契約を継続できなかったため、カード決済代行会社による決済サービスを利用せざるを得なくなりました。同社は信頼失墜で売り上げが約半減した上、カード決済代行会社に支払う手数料も必要になり、経営環境が一気に悪化してしまったのです。

    これら実例としてとりあげたインターネットバンキングやECサイトでのクレジットカードによる決済は、現在数多くの企業で利用されています。そういう意味でも、冒頭に申し上げた「どんな企業であっても、リスクにさらされている」ということがおわかりいただけるでしょう。

    情報セキュリティ対策を強化する方法
    「5分でできる自社診断」

    では、こうしたリスクに対応する情報セキュリティ対策を強化するには、どうすればいいのでしょうか?

    特に社内に情報システム部門がなく、PCの導入や環境の構築も部署それぞれが行っているような企業では、「まずどこから手を付けるのか?」というところから頭を悩ますことになると思います。

    そうした企業のご担当者の方々に、ぜひご利用していただきたいのが、IPAが制作した「5分でできる自社診断シート/同パンフレット」です。シートには合計25個の設問(診断項目)があり、それぞれについて4つの選択肢が用意されています。この選択肢から回答を選び、点数を合計することで、社内のセキュリティレベルが測定できるのです。

    ▲技術本部 セキュリティセンター 調査役 石井 茂氏

    ▲技術本部 セキュリティセンター
    調査役
    石井 茂

    診断項目は「重要情報の保管、持ち出し、廃棄」といった情報の取り扱いそのものから、PCのセキュリティ対策、万一情報流出が起こった場合の対応策まで、多岐にわたっています。そして個別の設問について、パンフレットでその重要性と対策が詳しく解説されています。そのため「いま自社がどのような状況にあるのか」「まずとるべき対策は何なのか」が、容易に判断できるのです。

    この「自社診断シート」に記載された内容をすべてクリアした企業向けには、別の小冊子「中小企業における組織的な情報セキュリティ対策ガイドライン」が用意されています。こちらの冊子の内容を理解し、実行に移せば、御社のセキュリティ対策は格段に強化されると思っていいでしょう。

    これらは、IPAのウェブサイト(https://www.ipa.go.jp/index.html)からPDF形式でダウンロードできます。ぜひダウンロードして、御社のセキュリティ状況のチェックと強化にお役立てください。

    次回以降の連載では、PCのウイルス対策やインターネット利用における注意点など、より具体的なセキュリティ対策を、不正アクセスなどの事例をもとに、ご紹介していきたいと思います。


    ・組織名:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)セキュリティセンター
    ・事業内容:「利用者視点に立った複雑、膨大化する情報社会システムの安全性・信頼性の確保」を理念として、さまざまな活動を実施。
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    ユーザ協会では、皆さまのホームページに情報漏えいやページの改ざんにつながる脆弱性(弱点)が無いか、不正なサイトへのリンクが埋め込まれていないかを診断し、結果を通知する「ホームページ・セキュリティ診断」サービスをご用意しています。
    詳しくは、ホームページ・セキュリティ診断をご確認ください。

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  • 便利なフリー公衆無線LANだが、「リスク」にも注意を!

    空港やホテルのロビー、カフェなどに用意されている公衆無線LANのなかには、「誰で…

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    空港やホテルのロビー、カフェなどに用意されている公衆無線LANのなかには、「誰でも無料で使える」タイプがあります。しかし、その便利さの裏には、リスクも隠れているのです。セキュリティ企業 株式会社ラックのセキュリティアカデミー プロフェッショナル・フェロー・長谷川 長一氏に、公衆無線LANに潜む「リスク」をうかがいました。


    有償の無線LANサービスとフリースポットの違いはどこに?

    セキュリティアカデミー プロフェッショナル・フェロー 長谷川 長一氏

    ▲セキュリティアカデミー
    プロフェッショナル・フェロー
    長谷川 長一

    外出先でPCをネットにつなぐときに、一般に開放されている公衆無線LANを活用している方が多くいらっしゃると思います。また通信量制限との兼ね合いでスマホを公衆無線LANにつないで使っている方もいらっしゃいます。本日は、この公衆無線LANのセキュリティ上のリスクと安全に利用するポイントについて、お聞かせください。

    「公衆無線LANは、大きくふたつのタイプに分けられます。ひとつ目はインターネットプロバイダや携帯電話会社、通信会社などが、自社の顧客向けに提供しているものです。利用にはそれぞれの会社との継続的な契約が必要であったり、利用の都度料金がかかるなど、基本的に有償のプランとなります。こちらは、PCと無線LANのアクセスポイントとの通信を暗号化しています。また同じサービスにつながるPC同士も互いに見えないようにするなど、高いレベルのセキュリティが確保されています。

    もうひとつが、空港、ビジネスホテル、カフェといった不特定多数が利用する施設が、顧客サービスの一環として無償で提供している、いわゆるフリースポットで、利用による情報漏洩などのリスクが非常に高くなっているものです」(長谷川氏)


    ▲利用者同士のセキュリティー相関図

    そのリスクを、わかりやすくご説明していただけますか?

    「無線LANを使うとき、PCやスマホと無線LANのアクセスポイントとの間で、さまざまな情報がやりとりされます。先ほど申し上げたように、有償の公衆無線LANは情報伝達が暗号化されているため、もし第三者が通信を傍受しても、その中身を読み取ることはできません。しかし通信を暗号化していないフリースポットでは、特別なツールを使えば、その内容を判読することが可能です。つまりやりとりする情報が、そのまま悪意ある第三者に筒抜けになってしまうおそれがあるのです」(長谷川氏)


    ▲暗号化されていない通信は、悪意のある第三者に盗聴されるリスクがある

    インターネットバンキングやカード決済で金銭的被害が

    通信の内容が漏れると、具体的にどのような危険性が生じるのでしょう?

    「まず、利用者のインターネットを使ったさまざまな行動が丸見えになります。もし悪意ある第三者が盗聴している状況でインターネットバンキングを使うと、銀行の口座番号、パスワードといった、インターネットバンキングを可能とする情報が盗み取られる可能性があります。また通販サイトの買い物でクレジットカード決済を行うと、カードの番号、有効期限、名義人といった情報が流出してしまうリスクがあるのです。こうした情報が、そのまま利用者の金銭的被害につながってしまうというわけです」(長谷川氏)

    ではフリースポットの利用では、そうしたオンラインバンキングやクレジットカードを使った決済に気をつけるだけでいいのでしょうか?

    「ところがそれだけではないのです。たとえば直接金銭にかかわらない会員制サイトの利用で、ユーザ名とパスワードが盗み取られたとします。同じユーザ名とパスワードを複数のサイトで使っている人は多いので、もし悪意ある第三者がこのユーザ名とパスワードで通販サイトなどにログインを試みれば、かなりの可能性で成功してしまうのです。とくにユーザ名にメールアドレスを指定するサイト同士では、その成功頻度がかなり高くなります。つまり単なる会員制のページの利用でも、最終的に金銭的被害につながる可能性はゼロではないのです」(長谷川氏)

    フリースポットを使う際は、そうした会員制のサイトを利用しないなどの配慮も必要なのですね。

    「やはりフリースポットは、ニュースサイトを見る、食事や交通機関などの調べ物をするなど、限定的な利用にとどめるべきでしょう。自宅や会社と同じ感覚でフリースポットを使いインターネットを利用すると、前述のような金銭的被害のリスクが高まります。また会社のシステムにログインするなどという行為も厳禁です。その上で、万一を考えて、複数の会員制サービスで同じパスワードを使い回すことは絶対にやめましょう」(長谷川氏)

    しかし実際には多くの人が、そうしたことを気にせずにフリースポットを使っているのではないでしょうか。

    「空港など一部のフリースポットでは、利用開始時にブラウザの画面にセキュリティ関連の警告を出し、『通信が暗号化されていないこと』を利用者に伝えるようにしています。しかしほとんどの人がそれを気にしていません。そうした盗聴のリスクを知らないこと、そして自分のPCにある情報がそれほど重要だと気づいていないことが背景にあると思われます。悪意ある第三者は、そうしたセキュリティ意識の低さにつけ込んでいるのです。場合によっては、金銭的被害に止まらないケースも考えられます。

    また個人経営のカフェにあるフリースポットのように、そうした警告画面もなく、PCの画面上に表示されるアクセスポイントを選ぶだけでネットに接続できるフリースポットもありますが、こちらはさらに危険です。なぜならアクセスポイント名は容易に変更できるため、そのフリースポットがカフェの用意したものでなく、個人情報や機密情報の窃取を目的に、悪意ある第三者が設置したものである可能性があるからです」(長谷川氏)

    被害は自社だけでなく、取引先各社へ波及も

    とくに業務にからむ情報であれば、どんな些細な情報でも「重要である」と考えなければならないわけですね。

    「企業によっては、社員のセキュリティ教育が行き届いており、外出先のフリースポットへの接続禁止など、行ってはならない行為もきちんと規定されています。そしてスマホやモバイルルータを配布し、メールのチェック、会社のシステムへのログインといった業務はこれらの“信頼できる”アクセス手段を利用するよう、定めています。

    しかし、まだ数多くの企業が、そこまでのセキュリティ対策がとれないままでいます。他企業からの業務を受託している企業が持つ情報は、悪意ある第三者にとって宝の山です。なぜなら、そこには知財系情報や個人情報が多く含まれている上、そこから得た情報を踏み台にして企業からさらなる情報を窃取できる可能性もあるからです。もしそうした情報がセキュリティ意識の低い社員のフリースポット利用により流出してしまうと、その企業の存亡そのものにもかかわる事態となってしまうでしょう」(長谷川氏)

    では、会社からそうしたスマホやモバイルルータの支給がない企業であったとしても、フリースポットで業務がからむネット利用やメールのやりとりは控えるべきなのですね。

    「はい。単に無料で使えるからという理由でフリースポットを使うことは、とてもリスクが高いことなのです。経営者や管理職は、そうした意識をしっかり持って、セキュリティ対策の甘いフリースポットの利用をしないといったルール作りをすることが大切だと思います」(長谷川氏)

    そのほか、外出先で無線LANを使う際に注意しなければならないことはありますか?

    「利用者本人のPCが、他の利用者からどう見えているかということもポイントとなります。ファイル共有を不適切に設定したままで無線LANにつなぐと、こちらの共有フォルダの中身が他の利用者に丸見えになる場合があるのです。また私の経験では、ワイヤレスアドホック(他のコンピュータとファイルやインターネット接続を無線LAN経由で共有するモード)で使っているPCをネットワーク上に見つけたこともあります。この場合も、第三者によりHDD(ハードディスク)内のファイルを盗み取られる可能性が非常に高くなります。そうして盗み取られたファイルそのものが重要なファイルでなくても、会社名や部署、個人名という情報があれば、それは取引先への標的型攻撃(知人や顧客になりすまして接近し、ウイルスを感染させたり、情報を盗み取ったりすること)に有益な情報として使われてしまいます」(長谷川氏)

    自分自身だけでなく、会社や取引先も危険にさらしてしまうことになるのですね。

    「業務で無線LANを使う場合は、やはり無料のものではなく、通信会社などが展開する有料サービスを選ぶことを強くおすすめします。

    また無線LANとは直接かかわりはありませんが、端末の管理にも十分気を配りましょう。PCやスマホを席に置いたままお手洗いに行くなど端末から目を離す行為はやめるべきですし、パスワードやジェスチャによるロックも必ずかけるべきです。もしクラウドに業務データを保存している場合は、端末の盗難により取り返しのできない被害につながりますから」(長谷川氏)

    株式会社ラックホームページ http://www.lac.co.jp

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