企業幹部が語る
第61回 電話応対コンクール全国大会 in山口
出場企業幹部が語る「コンクール参加の意義」
各地の地区大会を勝ち抜き、都道府県代表として全国大会に選手を送り出した企業は、どのような理由で参加を決めたのでしょうか。また、日々の応対品質向上のため、どのようなことに取り組んでいるのかなどについてうかがいました。
穴吹エンタープライズ株式会社
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代表取締役社長
三村 和馬氏一人のスキルアップが社内全体を巡る好循環を創出
全国大会の本番は、出場した本人より私のほうが緊張しました。出場者の住吉さんは新人の頃から部下でしたので、このような全国大会に出場するほど成長した姿を見て、万感の思いが込み上げてきました。コンクールへの参加は、スタッフの応対品質の向上が目的でしたが、一人がスキルアップすると、その隣のスタッフも真似をしながら自然にスキルアップするというように、好循環が生まれていると感じています。指導においては「電話の向こうのお客さまは、どんな思いを持って言葉を発しているのだろう」とイメージすることを重視しています。お客さまの中には要望を上手く言葉にすることができず、もどかしく思っておられる方がいます。そういった場合にも、上手く言葉を引き出してあげられるような応対が理想だと考えています。
デル・テクノロジーズ株式会社
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ジャパン クライアント
ソリューション グループ
サポートサービス
エリアマネージャー
林田 匡史氏より高いレベルの電話応対を知る絶好の機会
弊社では以前からお客さま応対についてトレーニングする機会を設けていましたが、それは社内の中だけのことでした。そのため、広く社会に通用する応対スキルを身につけてほしいと考え、今回、初参加させていただきました。やはり、日頃あまり知る機会のない他社の応対例を直接見聞きすることで、自社の認識の枠にとらわれず、より高いレベルの電話応対を知る機会として参加することに意義を感じています。実際、全国大会に出場された方々の応対は、とても参考になることが多いように感じられました。また、今回参加した社員はもちろん、同じ組織に所属するほかの社員にとっても参加社員の練習の共有、結果の周知を通して「より良いお客さま応対とは何か」を考える機会となり、自身のお客さま応対に活かしてほしいと思っています。
トヨタカローラ栃木株式会社
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営業推進部
部長
佐久間 良二氏コミュニケーション能力向上の一環として参加
スマホの普及が進み、SNSやメールの利用が増えるにしたがい、最近のコミュニケーションは文字によるものが多くなってきました。そのため、最近の若いスタッフの中には、電話によるコミュニケーションに不慣れな人が増えています。そこで、若手社員の電話の苦手意識をなくすこと、ワンランク上の電話応対スキル・知識の修得、コミュニケーション能力の向上を目的にコンクールに参加しています。普段のトレーニングについては、さまざまなケースを想定したロールプレイングを何度も実施しています。このほか、電話応対を各自がスマホで録音し、自分の声(話し方)が相手にどのように伝わっているかを客観的に聞くことから始め、敬語の間違いや口ぐせを認識して感じの良い応対を身につけるようにしています。
株式会社ピー・アンド・エス
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代表取締役
大友 進氏若い社員たちの経験の場としてとても有意義な大会
私たちの仕事は、薬局という限られた空間で行われています。そのため、異なる業種の方々と触れ合う機会が少なくなりがちです。このようなコンクールに参加することで他業種の方々と知り合うことにより刺激を受けてほしいと思っています。特に、新入社員の研修としてもとても有意義な機会になると思っています。毎年、過去の出場経験者が新人を指導してくれていますのでコミュニケーションにも役立っています。今年度は、15年前に参加した社員からの要望があり参加させていただき、全国大会への出場となりました。薬局には、病気を患ったり健康に不安をお持ちの方がいらっしゃいます。特に高齢者の方の来局も多いです。相手を思いやり、相手の気持ちを察する応対を心がけています。その経験が活かせられればと思っています。
みずほ証券株式会社
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ダイレクトチャネル事業部
東京第二コンタクトセンター長
楠見 潤一氏経験豊富なレジェンドたちが初参加者たちを指導
応対品質の向上のため、スタッフの成長を加速させるためには、どうしてもモニタリングやフィードバックなどの内部評価だけでは限界があります。そのため、このようなコンクールに参加し、上位入賞者のレベルを肌で感じること、自身の評価(順位)を審査員の客観的な評価で知ることはとても重要だと考えています。特にコンクールでは毎年変わる課題に即した応対を学べるため、どんな場合でもしっかりとした応対ができる「真の電話応対のプロ」を目指せると感じています。近年は社内のコンクールに対するモチベーションも上がっており、毎年参加者が増加しています。その中には初参加となるスタッフも多いですが、社内で「レジェンド」と呼ばれる経験豊富でスキルの高いスタッフが中心となり、指導を行っています。
三井住友海上火災保険株式会社
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中国損害サポート部長
加納 亮氏コンクールは新たな気づきが得られる貴重な機会
近年はメールやウェブなど、お客さまとの接点が多様化していますが、事故対応などにおいて電話が最も重要なコミュニケーション手段であることに変わりはないため、電話応対の品質向上はとても大きな課題です。そのため、コンクールは参加者のスキルアップはもちろん、社外のノウハウを見聞きすることで新たな気づきを得ることができる貴重な機会だと考えています。弊社の参加者は指名ではなく、本人の希望によるものですが、毎年参加希望者が増えていますので、コンクールへの参加の意義が社内に浸透しているように感じています。スキルの習得については、社内資格の「電話応対トレーナー」を全国の損害サポート部に配置し、きめ細かな指導を行っています。