企業幹部が語る
第60回 電話応対コンクール全国大会
出場企業幹部が語る「コンクール参加の意義」
地区大会を勝ち抜き、都道府県代表として全国大会に選手を送り出した企業は、どのような背景で電話応対コンクール(以下、コンクール)への参加を決めたのでしょう。また、そこで得た経験を業務にどう活かしているのでしょう。各企業に「コンクール参加の意義」についてうかがいました。
イオンクレジットサービス株式会社
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カード北日本コールセンター
センター長
筑前 延仁氏参加者に加え教育担当者にとっても貴重な経験になる
弊社はお客さま満足度№1企業実現のために、迅速でハートフルなコールセンターを目指し、「安心」と「信頼」の提供を心がけています。お問い合わせは1日約8,000~12,000件を数え、お客さまの各種属性変更や月々の請求・明細関連をはじめ、クレジットカードに関わるすべての問い合わせを受け付けています。コンクールの参加を通じて、お客さまに満足いただける応対も時代により変化することが分かりました。さらに業界での立ち位置や、センターの改善点に気づくことで応対品質向上につなげることができます。また、一つのお題について深く考え、切磋琢磨することは、普段の業務に対するモチベーションの向上にもつながります。参加者はもちろん、教育担当者も刺激を得て、経験を積むことができたこともコンクール参加の大きな成果です。
株式会社NTT東日本-南関東
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テクニカルサービスセンタ
北海道第二フロント
フロント長
酒井 洋典氏コンクールは“言葉力”の重要性に気づく絶好の機会
当センターは、インターネット接続や各種通信機器の保守サポートをはじめとする、ビジネス系高付加価値サービスなどに関する受付業務を行っています。コンクールへの参加は、応対品質向上はもちろん、目標に対して真剣に取り組むことや、緊張感の中で自分の力を試すことなどを目的としています。さらに目先のテクニックではなく、自分の発する言葉で、相手に「優しさ」や「温かみ」「安心感」を伝えることができる、“言葉力”の素晴らしさや難しさに気づく絶好の機会だと考えています。参加者がトレーニングを通じて切磋琢磨し、高め合うことで上向きのスパイラルが発生します。いつの間にか参加メンバー全員の応対スキルが上がることが真骨頂ですので、一人でも多くの方に経験してもらえるよう、継続して参加したいと考えています。
佐川急便株式会社
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中京支店 支店長
岡島 由純氏大会の結果がまわりの従業員のモチベーション向上に
弊社では、電話応対を会社の代表としてお客さまと接する“第二の営業”として位置づけ、すべての電話に心のこもった応対を実践し、信頼関係を築けるよう努めています。コンクールを通じて得た経験や応対力は、日々の業務に活かし、応対品質の向上につなげています。全国大会の本番で架空の会社の社員を演じることは、想像力や察知力を養い、お客さまへの先回りした提案や、迅速な問題解決につながるのではないでしょうか。おかげさまで三重県、岐阜県で2年連続優勝者を輩出できたことで、「来年は自分も参加してみたい」といったまわりの従業員のモチベーション向上にもつながっています。参加者は自信を持って日々の応対に臨むことができ、継続してコンクールに携わることで、指導者として活動できるようになるという流れができています。
株式会社JALナビア
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取締役センター長
坂本 暢子氏普段の応対やお客さまに向き合う姿勢が問われる大会
弊社は、お客さまとJALグループとをつなぐ総合コンタクトセンターとして、国内線・国際線、国内・海外ツアーの予約・販売など、1日10,000件ほどの各種お問い合わせに対応しています。皆さまの「旅」の良きナビゲーター、アシスタントでありたいという思いが「JALナビア」という社名に込められています。コンクールは、普段の私どもの応対がどんな場面でも満足いただけるものなのか、お客さまに向き合う姿勢が問われます。そのため、良い評価をいただけた場合には励みとし、また評価されなかったとしても、その挑戦の過程を称え、応対を振り返る重要な機会としております。参加したメンバーのみならず、支援する先輩や同僚、後輩間で良いコミュニケーションが生まれ、チームワークが醸成されることも見逃せない効果と言えるでしょう。
道後プリンスホテル株式会社
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取締役副社長
佐渡 祐収氏県大会優勝はコロナ禍の希少な朗報、この機運を今後も
電話応対は、“旅館のおもてなしの入口”であるため、お客さまが安心して宿泊予約をしていただき、ご来館いただけるような応対に努めています。電話での問い合わせは1日100件ほどで、主に宿泊予約や宿泊に関連するものです。コンクールは、第三者からの評価や、他社の電話応対を学べる貴重な機会であり、それによって電話応対の品質向上を図ることを目指すとともに、自己研鑽の手段としても活用しています。これまで参加してきた成果としては、実際に参加者の電話応対能力や品質が格段に向上しているのを実感できています。今回の県大会優勝は、コロナ禍で苦しむ旅館業にとって久しぶりの朗報であり、SNSを通じて会社全体で応援・支援する気運が高まりました。この盛り上がりを継続すべく、今後も挑んでいこうと考えています。
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常勤理事 総務部長
梅川 雅之氏創業120周年を契機に“一段階上の電話応対”を目指す
当金庫では、電話応対をお客さまの第一印象を左右するものとして重視しており、常に「明るく」「親切」「丁寧」を念頭に、誠意を持った応対を行うよう指導しています。コンクールへ参加する目的は、他社の電話応対を見聞きすることで、改善点などの気づきを得て日常業務に活かすことです。今回県大会の優勝者が出たことで、金庫内での盛り上がりも大きくなっており、ほかの職員への波及効果も期待しています。当金庫は、2022年4月に創業120周年を迎えます。それを契機に、店頭での受付時や外訪活動時に、「元気よく、笑顔あふれる金融機関」をアピールする取り組みを予定しています。その中に電話応対も加え、「富山信用金庫の電話応対は、誰が出ても、人の心に寄り添ったおもてなしの心にあふれている」と評判になることを目指したいです。