企業幹部が語る
第63回 電話応対コンクール全国大会 in高知
出場企業幹部が語る「コンクール参加の意義」
各地の地区大会を勝ち抜き、都道府県代表として全国大会に選手を送り出した企業は、どのような理由で参加を決めたのでしょうか。また、参加によりどのような効果があったのか、日々の応対品質向上のためにどのようなことに取り組んでいるのかなどについて、お話をうかがいました。
アクサ損害保険株式会社
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高知コンタクトセンター部
部長 林 順一氏チーム全体の応対に関する意識が向上
デジタル化が進む一方で、人によるコミュニケーションの重要性が高まっています。保険商品・サービスを提供する当社では、優れた顧客応対の実現に向けて、客観的な評価を得るために、今回このコンクールに参加しました。参加のメリットとしては、チーム全体の応対に関する意識向上が図れ、応対経験の浅い社員は応対品質向上を学ぶ機会になるとともに、応対経験の長い社員は自らの応対を客観的に振り返る機会になる点が挙げられます。さらに、参加者は新たに学んだ電話応対スキルを活かしたオペレーションに挑戦することで自信を深め、応対スキルの向上や仕事へのやりがいにもつながっていると感じています。今後も傾聴力やお客さまとの双方向のコミュニケーション力を磨き、対話を重視したオペレーションを行えるよう、取り組んでいきます。
アルティウスリンク株式会社
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法人ビジネス統括本部 CX第7本部
サービス第3部 第4ユニット ユニット長
蔵持 健人氏選手の応対がよりよい応対品質を示す手本に
コンタクトセンターを運営する当社では、さまざまな事情をお持ちのお客様からのご連絡も多く、「お客様に寄り添った対応」を念頭に置いて応対に臨んでいます。コンクールは初参加でしたが、対応の最前線で奮闘するスタッフにスポットライトを当て、参加者やサポートメンバーのスキルアップ、モチベーション向上につなげることを目的に参加しました。応対品質向上に関しては、応対品質の底上げのための活動が中心でしたが、出場選手の応対や考え方が「よりよい応対品質」を示す手本となり、社内の意識が向上したように感じます。結果、それまで興味を示さなかったスタッフも次第に活動に興味を持ち、県大会で優勝した際には「感動した」といった声が現場から多数上がり、職場の雰囲気が明るくなるという効果も見られました。
株式会社NTT東日本-東北 秋田支店
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ビジネスイノベ-ション部
地域基盤ビジネスグル-プ長
伊藤 裕一郎氏若手社員の応対スキル向上の場として活用
当社では、コンクールを自社の電話応対の特徴やレベルを客観的に確認できる有意義な機会と捉え、入社2年目社員の応対スキル向上の場として活用しています。個人の技能を競うものではありますが、選手をサポートする社員も一緒になって応対シナリオを検討し、応対練習を行うなど、準備を進めてきました。2023年の大会では残念ながら思うような結果を得られませんでしたが、その悔しさをバネに今年度は初の県大会優勝を果たすことができました。また、約100名による手書き応援メッセージを大会会場で掲示するなど、チーム戦として組織全体で選手を支えてきたことがトリガーとなり、仲間意識が高まったと実感しています。これからも、自治体や地域の法人のお客さまに寄り添った電話応対を心がけてまいります。
勝田環境株式会社
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代表取締役副社長 望月 徹男氏
目標は最高の顧客満足を提供すること
一般・産業廃棄物の収集運搬、処分業務を行う当社では、最高の顧客満足を提供することを理念に掲げ、電話応対を重要な顧客接点の一つと捉えています。コンクールについては、女性活躍推進の場としても活用しています。特に新入社員に対しては、入社後のOJT教育の一環として「電話に関する講習会」を行い、電話への抵抗感を軽減できるよう配慮しています。委員会活動として電話応対教育に取り組み始めたころは、電話に対する意識が高いとは言えない状態でしたが、勉強会などを実施する中で委員会以外の社員も自発的に大会に参加するといった変化が見られるようになりました。大会への参加を通して新しい気付きを発見し、挑戦に対して積極的に行動できる社員の姿を目にすることで、ここ数年での成長を実感しています。
株式会社建設システム
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CS統括部 部長 東 英孝氏
電話応対レベルについて他部門からも注目
弊社は建設業向けのアプリケーションを多数扱っており、コンタクトセンターではそのサポート業務を行っています。建設業界においてもICT・DX化が進んでいますが、世代や業務規模によっては浸透が難しいこともあります。すべてのお客さまに安心して使いこなしていただけるよう、アフターフォローを重要視し、視覚的に解決できるFAQの充実などに取り組んでいます。コンクールは、ほかの企業の方の応対を体感することで自社の応対レベルを見つめ直す大切な機会と感じています。また、コンクールを通じて、普段はやり取りしない社員同士のコミュニケーションが生まれ、部門・拠点の異なるメンバー同士の意見交換が活性化するきっかけになっています。さらに、県代表への選出や全国大会出場により、自社の電話応対の技術について他部門からも関心を持ってもらえるようになりました。
株式会社別大興産
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取締役 管理本部長 右田 淳子氏
コンクールを通じて広い視野が身につく
不動産賃貸・売買仲介などを業務とする当社では、2012年頃から顧客満足度向上の取り組みの一環として、若手社員の応対能力向上を目的に、コンクールへ参加しました。この業界では電話一本がビジネスチャンスにつながることもあり、洞察力も重要です。コンクールを通じ、そうした技能を身につけることができればと考えています。以前は、電話応対教育と言えばビジネスマナーの教本と入社時の研修でしたが、継続して参加することで、全国大会出場のレベルにまで達し、社内でチームを結成して取り組むようになりました。応対に苦手意識があった社員が、自身の音声を聞き指導を受けることにより、出場の際には明るい話し方に変化したのを目にして、効果を実感しています。また、プロジェクトを通して遠慮なく言い合える関係性が構築され、日常業務でもやり取りが密になるなど良い効果が出ています。