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ICTソリューション紹介

総務省の支援事業を活用しスムーズなテレワーク導入を

働き方改革

公開日:2020/11/27

―高度化推進室の役割について教えてください。

総務省
情報流通行政局
情報流通高度化推進室長
庄司 周平氏

 「私たちは『民間における情報の電磁的流通の高度化の推進』を目指して活動しています。よりわかりやすくご案内すると、現在のミッションはテレワークの普及、促進及び医療等の情報化の推進になります。テレワークはコロナ禍で大きな注目を集め、採用に踏み切る企業が増えています。ただ実はテレワークはこうした感染症対策だけでなく、働き方改革、生産性の向上、さらには災害時などの事業継続性(BCP)の観点からも、さらなる普及が望まれています。総務省はさまざまなアプローチで、テレワークの普及事業に取り組んでいます」

―「テレワークマネージャー相談事業」はそうした事業の一つだと思いますが、具体的にどのような事業なのでしょうか。

 「テレワーク導入を考える企業や団体は増えてきていますが、事業内容や社内の環境などはさまざまです。テレワークマネージャー相談事業は、そうした企業などに専門家が訪問してヒアリングし、スムーズなテレワークの導入に向けて無料で助言等を行うというものです(図1参照)。事業そのものは以前より行っていましたが、今年度はコロナ禍により3月から訪問をいったん止め、相談を電話やウェブ会議に切り替えましたが、8月から訪問派遣も再開しております。さらにテレワークへのニーズが増えたことで、マネージャーの数を従来の20名程度から、現在は109名まで増員しております。またこの事業をご利用いただき導入した事例のうち、他企業の導入の参考となるものについては、ホームページで公表しています」

専門的知見を持つ「テレワークマネージャー」がテレワーク全般についてアドバイス

―テレワークマネージャーはどのような人でしょう。

 「これまでテレワークのコンサルをやっていた会社や個人、企業ITやセキュリティに詳しい専門家など、テレワークに知見を持っている方々に、総務省が事業を委嘱し、テレワークマネージャーとして活動していただいております」

―では実際にどんなアドバイスが受けられるのでしょうか。

 「どんなシステムを入れればいいのか、セキュリティ対策はどうするのかなど、これからテレワークを導入するにあたり不安に思っていること、分からないこと全般について、個別にお話しを聞いた上で適切にアドバイスします。また他社での参考となる導入事例があれば、ご案内します」

―実際、派遣しての成果はいかがでしょう。

 「テレワーク導入に向けては、社内のシステム的なものや、経営者が導入に積極的ではないなど、企業ごとにさまざまな課題があります。そうした課題を解決するため、派遣に至った件数から考えると、基本的に手応えを感じています」

地域の拠点がテレワーク普及の窓口になる「サポートネットワーク」をスタート

―今年6月から新たに「テレワーク・サポートネットワーク」という事業が始まりました。こちらは「テレワークマネージャー相談事業」とどう異なるのでしょう。

 「『相談事業』は利用企業等も順調に増え、テレワーク導入拡大につながる手応えもありました。ただ事業の仕組みそのものは『希望する企業や団体からの申請に応じて専門家を派遣する』という、ある意味“受け身”の体制でした。そこでより積極的なテレワーク推進体制が必要ではないかと考え、立ち上げたのが『テレワーク・サポートネットワーク』になります(図2参照)。こちらの事業では、すでに地域の中小企業等の支援を行っている商工会議所や社会保険労務士会、日本電信電話ユーザ協会などに窓口になっていただき、テレワークの普及、啓発をうながすチラシの配布やテレワークに関するセミナー、相談会の開催などを地域の事情に応じた形で開催し、テレワークの導入を考える企業や団体を支援しています。窓口は9月末時点で全国に142あり、将来的には各地域におけるテレワーク相談のネットワーク機能を担ってもらうことも期待しています」

―「相談事業」と「サポートネットワーク」はどのように連携していくのでしょうか。

 「『サポートネットワーク』の開始後も、『相談事業』は継続して行っています。現在は『相談事業』で実際の導入など経験を積んだマネージャーが『サポートネットワーク』のセミナーの講師となったり、『サポートネットワーク』のセミナーに参加した事業者がテレワーク導入に興味を持ち、あらためて『相談事業』にお申込みになったりと、相互に働きかけることで、テレワークの普及促進を後押ししています」

労働人口の減少する社会で、テレワークが生産性向上や人材確保のカギに

―事業内容や職種によっては「テレワーク導入が難しい」という声が聞かれます。そうした事業者も、相談を申込む、またはセミナーに参加する意義はあるのでしょうか。

 「テレワークについては『ゼロか100%か』ではありません。一部の業務での導入でも、そのメリットは生かせます。そして多くの職場では、業務を“棚卸し”し、切り分けることで、テレワーク導入の可能性が見えてくるはずです。例えば飲食業なら、お店での接客は無理であっても、経理や人事といった間接部門はテレワークが可能です。また建築業でも、間接部門のほか、施工確認はスマートフォンで撮影してネット経由で送信する、ミーティングはウェブ会議ツールを使うなど、IT機器を活用することで、テレワークに移行できる可能性があります。『うちの会社ではできない』と思わず、まず業務の“棚卸し”をやってみてはいかがでしょうか」

―テレワークの導入を考えているが、セキュリティが不安でという事業者さまにアドバイスをお願いします。

「総務省では、自社の環境に合わせどのように対策すればいいか、またウェブ会議ツールを安全に使うにはどうするかなどをわかりやすく解説した『テレワークセキュリティガイドライン』をご用意しているので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。また『相談事業』『サポートネットワーク』でも、そうしたセキュリティについてのアドバイスを行いますので、お気軽にご利用ください」

―今後のテレワークの展望について、お考えをお聞かせください。

 「進む少子高齢化にともない、これからの日本社会は労働力人口の減少が確実となっており、労働力の確保が事業遂行上の大きな課題となってきます(図3参照)。労働力の“売り手市場”が進み、優秀な人材がより自分にフィットした企業を選ぶようになっていくと“テレワークできない企業”が避けられる可能性もあります。また介護や出産などの事情で実務経験のある社員、能力のある社員が出社できないという理由で辞めてしまい、その後継者が見つからないといった事態は、生産性向上に大きく影響します。つまり出社して働くことができない人材に、在宅など柔軟な働き方を提供することは、事業継続と生産性の維持という両面から、大きな意味を持ってくるのです。またテレワーク化が進めば、ペーパレスなど、仕事内容の合理化、効率化も同時に達成できると考えています。総務省はこうしたテレワークの重要性に鑑み、来年度も今年度同様、これらの事業を継続し、中小企業のテレワーク導入促進を支援していく予定です」

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