ICTソリューション紹介

-バヅクリ株式会社-
オンラインで相互理解を深めるニューノーマル時代のコミュニケーション

記事ID:D10022

導入が進むテレワークは、感染防止や場所を選ばない働き方改革として効果を発揮している一方、社員間、または内定者と採用企業とのコミュニケーション不足という問題を引き起こしています。今回はICTを活用し、この問題の解消につながるプログラムを提供している、バヅクリ株式会社の代表取締役CEO 佐藤 太一氏に話をうかがいました。

企業が共通で抱えるコミュニケーション問題

 テレワークが急速に普及して約2年が経過し、連日の電車通勤からの解放、場所を選ばない働き方など、多くの恩恵を私たちにもたらしています。
 しかし同時に、企業ではテレワークによる社員間の「コミュニケーション不足」が深刻な問題となってきています。2022年1月にProFuture株式会社とHR総研が実施した調査によると、回答者の93%が社員間のコミュニケーション不足が業務の障害に「なると思う」と答えています。
 このような状況の中、バヅクリ株式会社の代表取締役CEO 佐藤太一氏は、コミュニケーション不足を起因とした、企業が抱える問題について、大きく五つの点を指摘します(図参照)。

代表取締役CEO
佐藤 太一氏

 「まず、内定辞退率の増加です。以前は、内定者を一ヵ所に集めた懇親会で交流やフォローができましたが、現在は人事担当と内定者が1対1でオンライン面談するのみのケースも多いため、内定者も仲間作りが進まず孤独感を感じやすくなっています。さらに、オンライン面談の普及で他社との接触機会が増え、内定先を複数もつ学生が増えたため、学生の確保が難しくなっています。また、Z世代※1を中心に早期退職も増えました。“やりがい”を重視する傾向の強いZ世代はギャップを感じるとモチベーションが下がりやすく、Z世代との関係作りが上手に進められずに困っている企業が多く見られます。
 以前は、飲み会やイベントがこうした問題の解消に役立っていたのですが、現在はそういった機会がなくなっていることも早期退職率増加の一因になっています。 さらに、コミュニケーション不足は、企業内のイノベーション機会の減少も招いています。現在は、他部署や拠点を越えたコミュニケーション機会が減少したため、部署連携、組織横断的なプロジェクトや新規事業のイノベーションを促進しにくい状況になっています。このほか、世代を超えた団結強化が必須の労働組合なども、コミュニケーション不足が問題になってきているようです」(佐藤氏)

足りなかったのはオンラインの場を仕切る役割と目配り

最も人気があるイベント「お絵描き」は、なぜその絵を思 い浮かべたのかなど、心理 的な部分の理解も育まれる

 佐藤氏はこうした問題を、解消するための、上手なオンラインコミュニケーションのヒントを提示します。

 「テレワークによる会議の場合、大勢の社員がオンライン上でアイデアを出し合ったりしますが、対面でこそ生まれる空気感や温度感を感じることができず、発言や提案が難しいとよく言われます。しかし、この難しい部分を上手に感じ取り、場を仕切る『ファシリテーター』※2がいて、目配りの行き届いた進行ができれば、オンラインコミュニケーションは改善されるでしょう。例えば場当たり的に催される飲み会のような場合、盛り上がらずに終わるケースがよくありますが、話題とするテーマが事前に練られていて、特定の人だけが話していないか、退屈そうな人はいないかなど、目配り上手な人がいれば盛り上がるでしょう」(佐藤氏)

 このように、目配りを重視することが「特にZ世代とのコミュニケーションでは大切」と佐藤氏は言います。

 「Z世代は働きがいや自分らしさなどの価値観を共有できる、狭くて深いつながりを求める傾向にあります。彼らのような人がオンライン上でも『この人と自分は合う』『この人はちょっとおもしろいかも』など、お互いの人となりを知る機会を整えられれば、会社の目指す方向と認識のズレによる早期退職を防ぎ、イノベーションを創出する戦力に育ってくれるでしょう。また、オンラインでの交流に際しては、Googleがチーム作りの要素として提唱した『心理的安全性』(誰に、どのような発言をしても、拒絶されることなく開かれた状態)を満たすことで、より深い相互理解が得られるはずです」(佐藤氏)

オンラインで構築した楽しい相互理解の場

 同社が提供するサービスは、このオンラインの場を仕切るファシリテーターを用意し、心理的安全性を満たすチームビルディング(組織作り)や研修を行う、多彩なプログラムを提供しています。世代間の交流や社員同士の相互理解、内定者の不安解消など、企業が抱える課題をヒアリングの上で、その改善・解決に適したプログラムが提案されるのですが、特にチームビルディング寄りのプログラムは、一緒に絵を描いたり、演劇体験をしたり、料理を作ってみたりと、一見「これって遊びじゃないの?」と思うようなイベント的なものとなっています。その一例として「寿司を握る」というプログラムの場合、寿司職人(ファシリテーター)が寿司飯の作り方から寿司の握り方を教え、オンラインでつながった数十人の参加者と食べて対話して一体感を味わいます。

 「このような体験を通して、普段の仕事場では見られない上司や同僚の姿を見ることで、お互いの潜在意識に隠れた価値観などを知り、世代を超えて深い相互理解が得られるように工夫しています。また、内定者や新卒者向けの研修プログラムでは、事前のアイスブレイク(初対面同士の緊張をほぐす会話)を行います。こうした機会をオンラインで創出し、従来の飲み会などにも劣らないコミュニケーションの場を作っています」(佐藤氏)

 以上のように、テレワークの課題であるコミュニケーション不足の解消には、オンラインでつながった参加者が遊び感覚で楽しみながらお互いの理解を深める場を設けることや、その場を取り仕切るファシリテーターが重要とのことです。テレワークが今後も続いていくことが予想される中、オンラインコミュニケーションの質を向上させるヒントにしてみてはいかがでしょう。

※1 Z世代
1 9 9 0年後半から2 0 0 0年代に生まれた世代のこと。幼いころからスマートフォンとインターネットが身近に存在し、SNSが生活に密着していることから、人とつながることを求めたり承認欲求が強い傾向にあり、多様性と自分らしさを大切にするという特徴があるといわれる。
※2 ファシリテーター
ファシリテーション(会議やイベントなどが円滑に進むよう支援する行為)の役割を担う人のこと。
会社名 バヅクリ株式会社
設立 2013年6月3日
本社所在地 東京都港区南青山3-3-3 リビエラ南青山ビルA WORKING PARK EN201
代表取締役CEO 佐藤 太一
資本金 1億円
事業内容 オンラインでの社内イベントおよび研修サービスの実施。テレワー クの課題解決を提案するメディア「バヅクリHR研究所」の運用など
URL https://buzzkuri.co.jp/
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