ICTソリューション紹介
多数の見込み客への営業効率を最大化するマーケティングツール、MAとは?見込み客の中から、受注確度の高いお客さまを見抜くことができれば、営業効率は格段にアップするはずです。この理想に近づけるツール「MA(マーケティング・オートメーション)」について、その機能とメリットを株式会社ジーニーに聞きました。
「個別のお客さまに最適化したマーケティング」を実施
—MAとはどういうものか、その概要を教えてください。
浅井 MAとは、お客さま一人ひとりの興味関心に応じたマーケティング施策を自動で行い、マーケティングを効率化するインターネット上のプラットフォームです。通常、見込み客を含めたお客さまに製品やサービスをお申込みいただくには、そのお客さまが製品やサービスにどれだけ興味をお持ちか、また、どれだけ購買意欲があるのかを確認し、きめ細かい情報の提供やアプローチが求められます。しかし、多数の見込み客それぞれにそうした対応を行うことは、営業スタッフのリソースを考えてもほぼ不可能です。MAはそうしたプロセスを自動化し、企業の営業活動を効率化するツールなのです。
—MAは、なぜ今注目されているのでしょうか。
浅井 MAそのものは今から10年以上前に生まれましたが、当時のMAは利用にあたり専門のプログラマーが必要で、一般企業が簡単に導入できるものではありませんでした。しかし、現在に至るまでの改良で、少しの学習で誰でも直感的に使いこなせるツールへと成長しました。そして近年、お客さまが製品やサービスを購入する時、ネットで複数の候補を比較することはごく当たり前の行動となりました。そうした環境において、ネットを活用し、より成約に近いお客さまを的確に見抜き、取り逃がさないという機能が評価され、MAはその重要度を増しているのです。
見込み客一人ひとりの行動を“見える化”し効率の良い営業活動を支援
—MAの具体的な機能について教えてください。
浅井 MAは、お客さまの行動を“見える化”し、適切なタイミングで働きかけを行います。例えば、お客さまがウェブサイトを訪問し、資料請求する例でご案内しましょう。お客さまがウェブサイトのフォームに入力したデータは、MAが受け取ります。MAはそれぞれのお客さまに資料のダウンロード先URLを記したメールを自動的に返信しますが、このURLはお客さまごとに別々になっていて、「どのお客さまがメールを開封したのか」に加え、「どのお客さまがどの資料をダウンロードしたのか」が把握できるようになっています。同時にMAは、お客さまの「資料請求した」「資料をダウンロードした」という行動をリアルタイムで営業スタッフにメールで通知することもできます。資料を請求した段階では、お客さまの興味はかなりホットです。しかも、資料請求にあたり用意したアンケートで「近い時期の購入を検討している」という答えを選んだお客さまにすぐお電話を差し上げれば、かなりの確率で商談の日程を決めることができるでしょう。
—ウェブサイトとの連携はいかがでしょう。
浅井 MAは、特定のお客さまがウェブサイトのどのページを閲覧したのかといった行動も記録できます。そうした行動履歴を分析することで、営業スタッフの“打率”を上げることも視野に入ります。例えば、ウェブサイトにあるページのうち、価格情報など特定のページを見る頻度が高いお客さまは成約の可能性が高いという傾向が明らかになったとします。その価格情報ページと相関性のあるページ閲覧履歴を点数化して見込み客それぞれに付与し、その点数が高い見込み客を優先してアプローチすれば、より少ない労力で成約に至ることができるでしょう。
展示会などリアルなイベントでも営業経費の費用対効果最大化に貢献
—ほかにはどのような活用例があるのでしょうか。
浅井 展示会などのイベントでも、MAは効果を発揮します。展示会では多くのお客さまがいらっしゃいますが、後日営業スタッフがそのすべてにアプローチすることは困難です。しかし、お客さまからいただいた名刺をMAにまとめ、資料のダウンロード先のURLをメールでお送りすれば、お客さまごとにメールを開封したか、資料をダウンロードしたかといった状況が“見える化”されます。展示会ごとの費用対効果も明らかになり、営業経費の効率的活用も可能となります。
—最後に、MAの導入にあたって注意することを教えてください。
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▲「お客さまの行動を“見える化”し、適切なタイミングで働きかけを行うMAを有効活用すれば、業績に大きな効果をもたらしてくれるはず」と語る浅井氏。
浅井 MAはきちんと活用すれば、大きな効果をもたらすツールです。ただし、単に導入するだけでいきなり売上が伸びるといった“魔法の杖”ではありません。MAを用いて見込み客の行動を“見える化”し、「ご成約に至る見込み客はどのような行動をとるのか、仮説を立てて実践し、その結果を検証する」という途切れのないサイクルが必要になるのです。そのためには「営業部門の片手間での運用」ではなく、社内にMA運用を軌道に乗せるプロジェクトチームを組織することも必要になるかもしれません。また、お客さま接点となる資料ダウンロードでは、お客さまに「読んでみたい」と思っていただける資料の用意が必要になります。製品やサービスの資料だけでなく、導入事例、ノウハウなどの読み物があれば、お客さまの行動を促すことができます。導入に合わせ、そうした準備を入念に行えば、MAは業績に大きな効果をもたらしてくれるはずです。
会社名 | 株式会社ジーニー |
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設立 | 2010年4月14日 |
本社所在地 | 東京都新宿区西新宿6-8-1 住友不動産新宿オークタワー6階 |
代表取締役社長 | 工藤 智昭 |
事業内容 | マーケティングテクノロジー事業 |
URL | https://geniee.co.jp/ |
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