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-株式会社NTTデータ-
eKYCによる安心安全な本人確認が新たなビジネスチャンスにつながる! 記事ID:D10029

近年、各種取引においてICTを活用して本人確認を電子的に行う「eKYC(electronicKnowYourCustomer)」が注目を集めています。オンライン上で完結する簡便さやセキュリティの高さなどが特徴で、金融機関を中心に導入が始まっています。今回は、eKYCのサービス「マイナPocket」を展開する株式会社NTTデータの第三金融事業本部保険ITサービス事業部サービス企画室の山森泰氏、成田苑子氏、田尻光輝氏に、eKYCのメリットや課題などについてうかがいました。

eKYCが実現するより安心で迅速な本人確認

第三金融事業本部 保険ITサービス事業部 サービス企画室(右)課長代理 成田 苑子氏、(中)課長 山森 泰氏 、(左)田尻 光輝氏

 eKYCとは、各種取引においてオンライン上で本人確認(KYC)を完結する技術を意味します。スマホなどから自分の顔写真や本人確認書類などを送信するだけで、本人の認証が行えるサービスです。時や場所を選ばずアクセスが可能で、従来の方法を遥かにしのぐ利便性やセキュリティの高さが特徴です。金融庁により取引時に本人確認が義務づけられている銀行や証券会社などの口座開設、保険契約、クレジットカードの申込みや各種キャッシュレス決済など、これまで対面での会話や書類の郵送で行われていた本人確認業務が、より安全に、迅速に行えるようになると期待されています。

 「eKYCの導入が推進されている背景には、まず犯罪の未然防止があります。なりすましによる不正利用やマネーロンダリング、詐欺への対策として2007年に制定された法律『犯収法(犯罪収益移転防止法)』で、金融機関などの事業者には、口座開設などの際に本人確認が義務づけられましたが、オンライン取引の増加に伴い、その一部が2018年に改正され、eKYCが認められました。また、従来の本人確認手続きで発生していた『書類作成の煩雑さ』『店頭に通う手間』『郵送でのやり取りによる時間効率の低さ』といったストレスから利用者を解放し、同時に事業者側の人件費や郵送費などの削減に貢献するといったメリットからも、eKYCの導入に踏み切る事業者は加速度的に増加すると予測しています」(成田氏)

 また、eKYCの普及には「コロナ禍も大きな影響を与えている」と成田氏は指摘します。非対面で本人確認が完結するeKYCの特性は、店頭での行動規制やリモートワークが当たり前となった今の時代との相性が良いと言えそうです。この点も、多くの業種で導入が進むと期待されている要因の一つです。

運転免許証とマイナンバーカードどちらを使うかがポイント

 金融機関などを筆頭に各業種での導入が始まったeKYCですが、現在市場にはさまざまな方式が登場し、しのぎを削っている状況です。

 「犯収法に準じた非対面による本人確認方式には、主に七つの方式がありますが、中でも二つの方式が注目されています。それは、自分の顔写真(セルフィー)と運転免許証などの本人確認書類を撮影したデータを送信し判定する、犯罪収益移転防止法施行規則6条1項1号のホに対応した方式(『ホ』方式:図1参照)と、マイナンバーカードのICチップ情報を送信する、同法ワに対応した方式(『ワ』方式:図2参照)です。現在は『ホ』方式が主流で、多くの事業者がこの方式を採用していますが、今後は機能面やセキュリティでより優れた『ワ』方式の普及が進むと予想しています」(田尻氏)

※マイナンバーカードのICチップに書き込まれた署名用電子証明書をNFC対応スマホで読み取り、PIN(暗証番号)を入力して本人確認を実施

 「ホ」方式で主に利用されている本人確認書類は、顔写真付きでは最も汎用性の高い本人確認書類である運転免許証です。警察庁の「運転免許統計」によると、令和3年末時点の運転免許証保持者数は約8,200万人で、このほかの本人確認書類にも多く対応していますので、「ホ」方式は、最もカバレッジ(網羅性)の高いeKYCだと言えるでしょう。しかし免許証の場合、両面の写真と免許証自体の厚みその他の特徴を確認するための、斜めから撮影した写真も必要など、プロセスはやや煩雑です。また重要なセキュリティ面で一抹の不安がぬぐえません。実際に、市販の画像処理ソフトで作成したフェイク画像によるなりすましの事例も報告されています。幸いなことに、この時はバックヤードで確認する職員が画像の不自然さに気づいて、偽造を見抜くことができ、預金口座の不正開設を未然に防止できました。従来のKYCに比べれば大幅に利便性が向上したeKYCですが、現時点では最後はやはり人間によるチェックが必要なようです。

 「写真の合致確認はAIの解析に任せてもよい、ただし最後の判断は人間の目視が望まれる、という指針が金融庁から発表されています。現在のAIの能力は信頼に足ると考えてよいでしょうが、各社ともセキュリティ面には最大限のケアを施しており、何段階ものチェック機能を設けて不正行為に対応しています」(山森氏)

 一方「ワ」方式では、マイナンバーカードのIC情報内に搭載された、個人を認証する機能を本人確認に使用するため、偽造は極めて困難です。セキュリティの高さでは他に抜きん出た方式だと言えるでしょう。また、わずか数秒で認証が終了する即応性の高さは、利用者にとって大変な魅力です。

 「弊社が昨年から事業展開している『マイナPocket』も、『ワ』方式を採用しています。利用者がマイナンバーカードをスマホにかざして暗証番号を入力するだけで、本人確認が完了する簡便さが好評です。人的チェックも基本的に不要のため、コスト削減につながると事業者サイドの評価も高く、手ごたえを感じています」(成田氏)

 注目度の高い「ワ」方式ですが、普及にはマイナンバーカードの交付数がカギを握っています。総務省のホームページ「マイナンバーカードの申請状況」によると、2023年1月29日時点の有効申請受付数は、人口の約67.7%となっています。政府は2022年度末までに、ほぼ全国民にカードを行き渡らせることを目指しています。また、近い将来マイナンバーカードと健康保険証(2023年4月からすべての医療機関・薬局でマイナンバー保険証が利用可能)や運転免許証との一体化が発表されていますので、今後、「ホ」「ワ」方式の併用、「ワ」方式への移行を検討する事業者も増えそうです。

さまざまな場面で本人確認を求められる時代に向けて

 今後、本人確認の重要性は増すばかりです。金融庁が本人確認を必須としている場面にとどまらず、自主的にeKYCを導入しセキュリティに万全を期す事業者の増加も予測されます。特にオンライン上で個人情報の提供が必要となるビジネスでは、確実に本人確認が求められるようになるでしょう。

 「例えばオンラインゲームや回線サービスへの申込み、通信販売のコールセンターなど、顧客の情報を確認する必要があるビジネスの多くで、今後eKYCが導入されると思います。マッチングアプリなどが良い例です。交流前の互いの本人確認は、暮らしの安全に欠かせない行為です。近い将来、eKYCを導入しているか否かが、その企業の信用の目安となる時代が来るのではないでしょうか」(成田氏)

 本人確認のICT化は業種を問わず時代の要請です。現在、eKYCは過渡期とも言えるため、自社ビジネスの差異化、新たなビジネスシーンの創出のために、今こそより安心安全な本人確認サービスの活用を検討すべきタイミングだと思われます。

※NFC
Nearfieldcommunicationの略で、日本語では「近距離無線通信」。端末をかざすだけで通信ができる技術のこと。
会社名 株式会社NTTデータ
設立 1988年(昭和63年)5月23日
本社所在地 東京都江東区豊洲3-3-3豊洲センタービル
代表取締役社長 本間洋
資本金 1,425億2,000万円
事業内容 システムインテグレーション事業、ネットワークシステムサービス事業、その他、これらに関する一切の事業
URL https://www.nttdata.com/jp/ja/
ユーザ協会賛助会員  
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