電話応対でCS向上事例
-アイリスオーヤマ株式会社-講師による指導と客観的な「電話応対診断」によりスキルアップを実践
多彩な商品展開とスピーディな商品開発で躍進を続けるアイリスオーヤマ株式会社。効率を高めるために統合されたコールセンターでは、コミュニケーターのスキルアップのために、さまざまな取り組みが行われています。
御社の事業内容について教えてください。
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▲コールセンター東日本
リーダー
今泉 由美絵氏「弊社は、かつてはプラスチック製品を手がけるメーカーでしたが、1989年に発売した、それまでに培った技術を活かした『クリア収納ケース』が、今日につながる飛躍のきっかけとなりました。その後、業務の多角化を進め、現在はLED照明、家電、お米の三品目を軸に、事業を展開しております」(今泉氏)
「弊社の最大の特徴は、毎週月曜日の新商品開発会議で役員決裁を得た企画がただちに製品化される、スピード感ある商品開発です。生産と物流も一体化し、商品は問屋を介さず小売店さまに直接お届けしています」(小島氏)
お得意さまからのお問い合わせに徹するコールセンター
コールセンターは、どのような役割を持っているのでしょう。
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▲コールセンター西日本
リーダー
小島 昌美氏「直接お取り引きのあるお得意さまからの商品内容や在庫の有無、納期などのお問い合わせへの対応です。お得意さまのお客さま、つまり生活者さまのお問い合わせは、別の窓口が担当しています」(小島氏)
御社が電話応対の品質向上に取り組むようになったきっかけについて教えてください。
「かつて弊社は、全国各地の営業所がお得意さまからのお問い合わせに対応していました。しかし成長が続き、そうした体制が限界になってきたのです。営業所の日常業務をこなしながら膨大な取り扱い商品を覚えるのも困難でしたし、合同での研修や勉強会開催にも支障がありました。そこで13年前、全国7カ所の生産拠点にコールセンターを集約し、応対スキル向上と均質化、情報共有を目指したのです」(小島氏)
「統合後は、各営業所間で大きな差のあったスキルを統一するため、テレビ会議や講習会なども活用し、努力を続けました。その後、さらなる効率化のため、東西合計4カ所のコールセンターに再統合しました」(今泉氏)
コールセンターと生産拠点の情報共有がお得意さま対応に貢献
コールセンターの集約で苦労したところ、また得られたメリットはありますか。
「営業所には、お得意さまからご指名をいただくスタッフもおりました。しかしそうした“できる人”に頼るのではなく、全員が同じ品質で対応できるよう、まずCTI(コンピューター・テレフォニー・インテグレーション:電話網とコンピューターの連携により、顧客データベースなどを検索、表示するシステム)を導入し、誰もがお得意さま情報にアクセスできるようにしました。CTIはその後、在庫情報の確認にも対応し、お得意さまをお待たせしない体制としています」(小島氏)
「メリットは、コールセンターと生産拠点との情報共有の進展です。何度もお問い合わせいただく内容は取り扱い説明書を改訂し記載する、補修部品として用意していなかったものも、引き合いが多ければ販売する、などがその例です。また拠点にある全商品が並ぶショールームが、スタッフの商品への理解に大きく貢献しています」(今泉氏)
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▲コールセンター内に全商品が並ぶショールームがあります
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▲写真中央の黒い突き出た部分がよく壊れるという問い合わせがお得意さまから入り、コールセンターから改善要望を上げて補修部品を用意した洗浄機
日本電信電話ユーザ協会の指導をベースにスキルアップを実現
これまでのスキルアップのためのカリキュラムや教育について教えてください。
「社内だけの努力では、商品知識はともかく、応対そのものの巧拙の判断には難しいものがありました。そこで日本電信電話ユーザ協会から講師を招いて研修を行うこととしました」(小島氏)
「現在はユーザ協会の指導をベースとしつつ、朝礼での唱和のほか、毎月一回、対応を録音し、指導者が評価する制度を導入しています。評価はすべて公表されるため、本人の自覚とモチベーションの向上につながります。また新製品の勉強会も『どこが変わったか』を重点に、定期的に開催しています」(今泉氏)
御社では、ユーザ協会の「電話応対診断」も採り入れているとうかがっています。
「外部からの客観的な判断が知りたくて、申し込みました。評価は厳しいものでしたが、『オープニングやクロージングがきちんとできていない』『お客さまに“ありがとう”の気持ちが伝わっていない』という具体的なご指摘をいただいたことで、自分たちに足りないものがよく分かりました」(今泉氏)
「『できるだけ早く』という意識を改め、全員でオープニング、クロージングの重要性を考え、朝礼でも発声練習を行いました。また評価の高い人の録音を聞き、自分とどこが違うのかも確認しました。こうした取り組みを続けたことで、短い時間でも情報を適切に伝えられるようになり、お客さまの理解度も高まったと思います」(小島氏)
今後の目標や、ユーザ協会への要望をお聞かせください。
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▲全国各地のお得意さまに対応する4カ所のコールセンター
「お得意さまの向こうにいる生活者さまに、商品の特徴や魅力が確実に伝わるよう、さらなるスキルアップに励みたいと思います。生活者さまのご満足は、お得意さまの売り上げにつながる重要なポイントです。そのためには指導力の向上が不可欠です」(小島氏)
「どうやれば自らが持つ技術をスタッフにうまく伝えていけるかに悩んでいる指導者もいます。ユーザ協会には、そうした指導に役立つ研修もご用意いただければと思います。その一方で、スタッフ向けとしては、マナーや応対スキルの向上に役立つ『もしもし検定』に興味を感じております。今後、チャレンジを検討していきたいと思います」(今泉氏)
会社名 | アイリスオーヤマ株式会社 |
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設立 | 1971年(昭和46年)4月 |
所在地 | 宮城県仙台市青葉区五橋2-12-1 |
代表取締役社長 | 大山 健太郎 |
資本金 | 1億円 |
事業内容 | 生活用品の企画、製造、販売 |
URL | http://www.irisohyama.co.jp/ |
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