電話応対でCS向上コラム

第28回 人を動かすことば力 アナウンサーのノウハウから学べ

異動や昇進の辞令を受けて、新しい環境で活躍されている方も多いかと思います。環境が変わることは、精神的にも身体的にもストレスになります。特に中間管理者の方々は、部下の管理指導に責任を持たされ、一方で上司との関係に気を使い、その板挟みになって悩むことも数多いでしょう。今回は、そんな中間管理者のための悩みの解消法を紹介しましょう。

公私で悩みがちな中間管理者世代

  • 中間管理者になると、上司と部下のはざまでの人間関係の難しさがあるほか、同僚との競争も厳しくなっていきます。私にも覚えがありますが、業務知識もスキルも識見も充分身に付いてくる中間管理者の世代は、もはや職場で誰にも頼ることができません。さらには家庭でも、夫婦間や親子間など、様々な問題が顕在化してくる世代でもあります。それらを全て自分の力で解決していくしかないのです。

悩みを解決するための3カ条

こうした中間管理者世代の悩み対策としては3つ考えられます。1つ目は意識を変えることです。自分を中心に、目先の悩みばかりを見ていますと、なかなかそこから抜け出せません。視点を変えて、全体の中から今の自分と立場を見るようにすることです。
自分の悩みがいかに小さいことかに気付き、気持ちが楽になります。
2つ目は、悩みを共有できる仲間を、同期など同世代の中から見つけるのです。そしてその仲間と、時に怒り、時に思い切り愚痴り、時に前向きな夢を語り合うことを積極的に行うのです。必ずガス抜きができます。そしてそこから新たなエネルギーが生まれます。
この際に、1つだけ気を付けていただきたいことは、決して後ろ向きのことばを吐かないことです。「おれ自信がないよ」「この会社はもうダメだな」「部下がまったく頼りにならない」「部下に信頼されていない気がする」このような後ろ向きのことばを吐きながら愚痴を言っていますと、事態はどんどんその方向に流れて行きます。ことばにはそうした力があるのです。
3つ目は、後ろ向きのことばを吐かず、作り笑いでもいいから笑顔を絶やさないこと。どのような苦境にあっても常に明るく元気に振る舞うこと。こうした「フリ」をすることが、事態を良くしてくれるのです。「この世のあらゆる所産は思ったようになる」成功哲学の祖、ジェームス・アレンのことばです。

今回の振り返り

  • 視点を変えて、自分の悩みがいかに小さいことかに気付く

  • 悩みを共有できる仲間を見つけ、愚痴や夢を語り合う

岡部 達昭氏

日本電信電話ユーザ協会電話応対技能検定 専門委員会委員長。
NHKアナウンサー、(財)NHK放送研修センター理事、日本語センター長を経て現在は企業、自治体の研修講演などを担当する。「心をつかむコミュニケーション」を基本に、言葉と非言語表現力の研究を行っている。



このコーナーでは、「もしもし検定」の試験で出題された問題の中から、毎回1問ずつ掲載していきます。

■問題(※3級試験問題より)
携帯電話からパソコン向けメールアドレスにメールを送る時、受取る側のパソコンで必ず正しく表示される文字はどれですか。次の中から1つ選びなさい。

1.絵文字
2.半角のカタカナ
3.㈱㍉㊞などの環境依存文字
4.半角の記号

入会のご案内

電話応対教育とICT活用推進による、
社内の人材育成や生産性の向上に貢献致します。

ご入会のお申込みはこちら