電話応対でCS向上事例

-株式会社エントリー-
スピード感と丁寧さを兼ね備え、他社と差異化できる応対品質を目指す

記事ID:C20062

2002年に設立し、短時間、短期間の求人に強い派遣会社として成長をしてきた株式会社エントリー。今回は、24時間365日、派遣スタッフ登録を受け付ける青森市の「青森24時間Web 登録受付センター」を立ち上げた経緯や応対品質向上の取り組みについてお聞きしました。

事業概要と電話応対の体制をお聞かせください。

執行役員
営業統括本部 副本部長
北日本・九州・沖縄営業統括部
統括部長 鬼頭 秀氏

鬼頭氏:株式会社エントリーは、学生など若者を主な対象とした人材派遣会社です。企業などから「数時間でも人手がほしい」というご要望をいただき、短時間、短期間の派遣スタッフを派遣しています。北海道から沖縄まで全国に約30拠点あり、「青森24時間Web登録受付センター」では派遣スタッフの登録受付業務を行っています。現在、37名が在籍しており、問い合わせへの対応や面談などを担当しています。センターは24時間365日で稼働しているため、朝昼夜の三交代制で業務を行っています。

青森24時間Web登録受付センター
マネージャー 小鹿 麗子氏

小鹿氏:派遣スタッフは、若い方から70代くらいの方まで幅広いので、登録方法は3種類用意しています。メインはスマートフォンを使いオンライン面談をする「Web登録」です。ほかに、支店で開催する登録説明会での「来店登録」、最近導入した自分で撮影した面談動画を提出する「動画登録」があります。青森のセンターでは、繁忙期になると1日に1人当たり30件ほどの登録希望者の受付をすることがあります。その間に問い合わせの電話にも対応しているので、手が回らないほど忙しい時もありますが、利用者さまの利便性を高めることを意識しています。

青森特有の言葉のなまりを直すために、女優になった気持ちで話す訓練を実施

24時間365日稼働のコンタクトセンターを立ち上げた経緯や苦労した点をお聞かせください。

研修風景

小鹿氏:私たちが提供しているサービスは業界では後発になることもあり、競合他社と戦うには差異化が必要です。社長には「若い人が何を望んでいるのかを先回りして、徹底的に利用しやすくしよう」という思いがあり、24時間365日登録できる受付センターを作りました。24時間体制にもかかわらず、夕方以降に働いてくれる人材が見つからない、青森のスタッフ全員が初心者だったため業務内容が分からないなど、最初の数ヵ月はかなり苦労しました。センター設立は5年程前ですが、その間にコロナ禍もあり、市場の状況が目まぐるしく変わっています。その中で、現場のスタッフや派遣スタッフの方からの要望を柔軟にくみ取って改善を行ってきたことで、着実に当社らしいコールセンターになってきたと思います。

小鹿氏:教育の点で苦労したのは、青森特有の言葉のなまりです。さまざまな地域の方とコミュニケーションを取るので、なまりを直すことは特に重要でした。地方の人は、「なまらないと格好つけているようで恥ずかしい」という感覚がありますが、それを払拭するような取り組みを行いました。具体的には、ゲーム感覚で「女優になったつもりで、イケメン俳優との会話をイメージして」や、「俳優の佐藤 健と話す時に、~だべとか言わないでしょ」などと指導してきました(笑)。若い人は、ドラマのセリフをまねるなどの訓練でも徐々になまりがなくなっていきます。また、その都度「今のイントネーションはここがおかしかったよ」などと、お互いに指摘し合って、話し方の訓練をしています。

コロナの前後で、お客さまからの問い合わせ方法などに変化を感じることはありますか。

Web面談の様子

鬼頭氏:登録時に個別で面談をする場合は予約が必要ですが、すぐに予約を入れられないことも多く、若い方は時間に縛られない登録方法を望んでいると感じます。予約をせずに登録できる方法はないかと模索して、動画での登録を導入しました。一方で年齢層が上がると、時間の融通よりも事前に不明点を解決することを優先されるので、オペレーターとの面談を望む方が多くなります。とくにシニア層はスマホでの操作が苦手な方が多いため、対面での説明の機会が必要です。このように、コロナ以前と比べると、年齢層や登録者の方の状況に応じて、柔軟に手続きや対応をすることが求められていると思います。

「電話応対コンクール全国大会」に出場したことで、一気に社内での注目度が高まった

「電話応対コンクール」に取り組まれた経緯、成果を教えてください。

電話応対の様子

小鹿氏:青森センター立ち上げ時に入社したスタッフから聞いて、電話応対コンクール(以下コンクール)の存在を知りました。立ち上げたばかりのコンタクトセンターだったので社内でも知られておらず、まずは存在感を高めるために参加を決めました。紹介してくれたスタッフは過去に県大会への出場経験があったので、先生役となってスクリプトの作成やトークの練習を指導してくれました。その甲斐あって、参加初年度から県大会に出場することができ、選手の自信につながったのだと思います。それ以降は、毎年最低1人、多い年では5人がコンクールに出場しています。以前は、結果を社内で発信しても反応は限られていたのですが、昨年全国大会に初めて出場したことで、社員総会で表彰されるなど一気に注目度が高まりました。また、受賞者の周辺では、「自分も頑張れば、全国大会に出られるかもしれない」といった声があがるなど、良い刺激がありました。今後は青森センターだけでなく、各支店からも積極的にコンクールに参加をしていただき、会社全体で応対品質の向上に取り組めると良いと思っています。

相手のニーズに応じた対応で、応対品質の面でも同業他社と差異化したい

最後に、今後の取り組みについてお聞かせください。

新宿本社

小鹿氏:今後、若者を中心に「メタバース」などの仮想空間の利用が増えるのではないかと考えています。メタバース空間上のバーチャル店舗で登録説明会を開催するというのも面白いのではないでしょうか。当社は高校生の登録者も多いのですが、当社の派遣スタッフとして1度でも働いた経験がある方は、大学生や社会人になってからも『1日だけ働こうかな』といったように、気軽に働ける機会を望む方が多いようです。そうしたニーズに応えるため、メタバースに限らず、若い方々の趣味嗜好を先回りして取り入れていきたいと考えています。
 また、電話応対の点では、青森センターでの丁寧かつスピード感のある電話応対を会社全体に浸透させたいです。派遣スタッフから青森センターに対する応対品質のクレームはないのですが、各支店には派遣スタッフから「たらい回しにされた」「タメ口で話された」というクレームが寄せられることがあります。また、顧客企業の方と派遣スタッフの方が望んでいる応対は同じではありません。相手のニーズに合ったスピード感、応対の丁寧さ、親密度など付加価値を追求し、応対品質の面でも同業他社と差異化ができると、さらに選ばれやすくなると思います。一足飛びで全国の応対品質を高めることは難しいので、一歩ずつ着実に取り組んでいきたいですね。

会社名 株式会社エントリー
設立 2002年(平成14年)2月
本社所在地 東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル41F
代表取締役 寺本 潤
事業内容 人材派遣事業及び人材紹介事業、紹介予定派遣事業、HRコンサ ルティング事業、アウトソーシング事業
URL https://entry-inc.jp/
〔ユーザ協会会員〕

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