「双方向性」を活用、受講生からの質問にもリアルタイムで回答

ICTの発展が大都市と地方都市との“情報格差”を打ち崩しつつあります。今回はその具体例として、東京・初台のスタジオから同じ都内にある会場、そして広島市にある会場の計2カ所を結んで行われたオンラインセミナーで紹介します。

光回線(ひかりクラウド)を利用したシステム概念図

スタジオの講師とカフェの受講生を光回線で結びセミナーを開催

SNSなど個人と個人を結ぶサービスの普及と拡大、スマートフォンの普及とさまざまな情報の電子化により、人々のコミュニケーションから“距離の壁”は徐々に取り払われつつあります。しかしながらセミナーや研修会のように「講師を招き、一定人数の参加により開催されるイベント」には、大都市と地方都市の間で今でも大きな差が存在します。

その理由の一つは、集客性です。多くの人が生活し、働いている大都市では、平日に行われるイベントでも十分な受講生が集まることが期待できます。しかし人口の少ない地方都市では、イベントなどの集客力は限定的になってしまいます。

もう一つの理由は、講師のスケジュール調整の難度です。質の高い講師は普段から多忙であることが通例で、活動の拠点としている大都市からセミナーや研修会が開催される地方都市への移動時間が、足かせになってしまうのです。

しかし、これらの課題も、ICTの進展により、間もなく解決するかもしれません。そうした将来像を予感させるイベントが、2018年3月28日(水)に行われた「オンラインICTセミナー」です。

このセミナーは、東京・初台のスタジオに講師を招き、光回線で結ばれた東京都の表参道にあるカフェ、そして東京から新幹線を使った移動でも4時間近くかかる広島県広島市のカフェを受講会場として開催しました。講師の映像と講義内容を分かりやすく案内するパソコンの画面は、カフェ内の壁面に備え付けた大型スクリーンに投影したほか、受講者が持ち込んだパソコンにも配信。パソコンを使う受講生からは講師に質問を投げかけることもできるという、双方向性も用意されました。

遠隔地の受講生とも「その場にいる」かのような質疑応答を実現

今回、講師の任にあたったのは、元NHKアナウンサーで、現在は市民参加型動画ニュースサイト「8bitNews」を通じ、新たなメディアの形を創出すべく挑戦を続けるジャーナリスト/キャスター、堀 潤氏です。

堀氏は「ネットニュース事業から見える、ICTを活用したビジネスチャンス」というテーマのもと、情報発信者としての心がけをレポート。具体的には自らの東日本大震災被災地取材の体験などをもとに「東北では、福島ではといった“大きな主語”より、〇〇町で農業を営む〇〇さんはという“小さな主語”で実情を伝えるほうが、より現状が伝わる」「意見(オピニオン)より事実(ファクト)を訴えることがより受け手の心に響く」といったお話をいただきました。またご自身の取り組みが、従来のメディアとの対立構造をつくるものではなく、従来のメディアと連携、補完し合うことでより多くの人の注目を集めることを目指している、といったビジョンを受講生に訴えかけました。

セミナーの後半には、東京及び広島の会場から寄せられた質問に、堀氏がリアルタイムで回答する時間が設けられました。

「インターネットで発信する場合は実名が望ましいでしょうか?」という質問に対し、堀氏は「自分が理想とする何かを実現するために発信するのであれば実名が望ましいし、よりチャンスが広がる」と回答し、自身の体験を交えながらその理由を分かりやすく解説。「クラウドファンディングの将来性は?」という質問には、「きちんとプレゼンテーションできる人にとっては、クラウドファンディングは支援の輪を広げることができる仕組みだと考える。成功の秘訣は、私たちが日々向かい合っている事実をきちんと伝えること」という堀氏の考えを紹介しました。

このようにセミナーを受け疑問に思ったこと、講師に聞きたいことを、距離の壁を越え問いかけることができるのは、やはり双方向性を持つオンラインセミナーの魅力と言えるでしょう。

日本電信電話ユーザ協会は今回を皮切りとし、今後もセミナー拠点と全国各地の会場を結んだオンラインセミナーを積極的に展開していく予定です。皆さまのご参加をお待ちしております。


ICTが“距離の壁”を乗り越えた教育を実現

▲特定非営利活動法人 8bitNews 代表理事・ジャーナリスト 堀 潤氏

▲特定非営利活動法人 8bitNews 代表理事・ジャーナリスト
堀 潤

普段インターネットを使った生番組を配信していますが、こうした講演形式のものを遠隔で…というのは初めてでした。そのためちょっと不安もありましたが、後半になってどんどん質問が入ってきたことで、皆さんにセミナーをしっかり聞いてもらっていることを実感するとともに、こうしたインタラクティブなセミナーの将来性を感じましたね。会場の雰囲気が分かるような動画をスタジオ側でも確認できると、もっとよくなると思います。

教育とテクノロジーを融合した「EdTech※1」はこれからの成長分野です。5G※2が導入されればモバイル回線ももっと速くなり、今回のようなセミナーも受講者のいる場所を問わなくなる時代がやってきます。そうした環境が整備されれば、さらにその上に乗るコンテンツが質、量ともに高まっていくことを期待しています。

  1. ※1 EdTech:Education×Technology(教育×テクノロジー)を合わせた造語。インターネットをプラットフォームとして、学習サービスのICT化を低コストで実現できる特徴がある。
  2. ※2 5G:通信量の増大に耐えうるネットワークシステムの大容量化に対応するための通信方式。

参加者の声

セミナー参加理由

▲セミナー風景(東京)
▲セミナー風景(東京)

・情報発信について堀さんの話を聞いてみたかった。

・ICTに関心があるため。

・オンラインセミナーに興味があり、活用もしてみたかったから。

・離れた拠点間の意思疎通の方法の一つとして体験してみたかった。


貴社のICT課題

▲セミナー風景(広島)
▲セミナー風景(広島)

・企業のニーズを理解できる提案力(システム化、IoT、ウェブマーケティングなど)。

・ITでの情報発信。

・業務プロセスの可視化。

・労務管理、小規模事業者向けの安価なソフトがあれば良い。


セミナーで役立ったこと

・インターネットなどを活用する際の小さな主語、事実、ダイバーシティの考え方。

・ITの活用がスマート、物事の本質が見えているので持続可能なビジネスモデル。

セミナー内容について

・気づきやヒントについて指摘があったが、それを具体的にどうすればビジネスになるのか、ということについて説明がなかった。(事例紹介でもよいですが)

オンラインセミナーについて

・会場周辺の音、人通りについて配慮ができていればより良かった。

・オンラインセミナーなら、場所がどこからでもアクセス可能だと便利。

・ライブ感がある。音質が良ければ聞きやすかった。

・PowerPointの字が読み取りにくい。タブレットを持ってくれば良かった。

・カフェスペースの公共性、活用方法に新たな体験をすることができた。講演の場合にはチャットでの質問でより深い内容を講演途中にはさんでもらうこともでき、興味深い形式だった。


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