お客様との通話の録音やモニタリングは、ご案内をするべきでしょうか?

解決のヒント

 仕事を円滑に進める上で重要なコミュニケーション能力。それゆえに悩む人も多く、また悩み自体も環境によって異なるものです。「解決のヒント」では、電話応対に関するお悩みや日常的なコミュニケーションに関する相談事を、「もしもし検定指導者級資格保持者」の方々からアドバイスしていただきます。

お客様との通話の録音やモニタリングは、ご案内をするべきでしょうか?

  • 当社のコールセンターでは、「電話応対品質向上」などのために、電話応対模様の録音、他のスタッフによるモニタリングを行っています。現在は、その点をお知らせすることなく応対をしています。お客様に録音やモニタリングをしている旨を、ホームページなどで公表した方がよいのでしょうか。もし、お電話をいただいた際に公表するのであれば、どのようにご案内すべきでしょうか。(40代 製薬会社 女性)

A.録音について最低限ホームページに明示すべき。

A.A氏
電話とインターネットを介した顧客との双方向での製品情報紹介をしております。

 顧客との通話を事前の同意なく録音する行為は、個人情報保護法の適用という観点からは、必ずしも個人情報の不正な取得(法17条)には当たらず、利用目的の通知義務等(法18条)に直ちに違反するものとは言えません。しかし、通話を無断で録音することは、個人の人格権侵害として違法性を帯びる可能性があること、顧客に不意打ち的な行為として、不信感を与える可能性もあります。事業者が顧客の信頼を確保する対応としては、書面による直接取得における利用目的の事前明示(法18条2項)に準じて、最低限、ホームページで録音について明示すべきではないでしょうか。

A.応対品質向上などのために録音しているとご案内してみては。

武田 真名美氏

武田 真名美氏

株式会社エヌ・ティ・ティ・ソルコ 業務・品質推進本部
人材育成などに関わる業務を行っています。

 通話内容によって異なりますが、「録音データが何に利用されているか」がポイントになるのではないでしょうか。個人情報を含む内容で個人情報取扱事業者に該当するのであれば、個人情報保護法の適用を考えて、あらかじめ利用目的を会社のホームページに公表されてはいかがでしょうか。コールセンターでの通話録音は、「お客様応対の品質向上及び通話内容の確認」を目的にしているものです。ですから、「お客様応対の品質向上とより良い製品開発のために録音させていただいております。ご了承いただけますか」とご案内して問題はないと思いますよ。

A.自然な会話の中で、お客様の要望に応じて説明。

渋谷 三代子氏

渋谷 三代子氏

株式会社JBMコンサルタント 講師
リーダーシップ研修やマネージメント研修などを得意としています。

 個人情報保護法では、利用目的の通知または公表を義務付けています。利用目的は「個人情報保護方針」としてホームページなどで公表した方がよいでしょう。通話録音については、消費者庁などのガイドラインで「伝える必要はない」となっていますが、お客様との信頼関係を築くために積極的に公表することが望ましいと思います。電話応対では「今後のサービス向上のために通話を録音させていただきます」など、自動音声によるご案内が広く活用されています。直接応答の場合は自然な会話の中で、お客様のご要望に応じて説明されてみてはいかがでしょうか。

 いかがでしたでしょうか。もしもし検定指導者級資格保持者の方々のヒントを参考に、あなたにとってピッタリの答えを見つけてみてください。

もしもし検定指導者級資格保持者とは

「もしもし検定」とは、公益財団法人日本電信電話ユーザ協会の行う「お客様に喜ばれるビジネス電話応対」の実現と電話応対のエキスパートとして即戦力になり得る社内の指導者の育成を目的とした資格制度です。電話応対に関する高度な知識・技能があり、本検定の実施にあたり指導官や試験官等の役割を担うことのできる「指導者級の資格を有する者」を「もしもし検定指導者級資格保持者」と言います。
詳しくはユーザ協会ホームページより、もしもし検定ページをご覧ください。

入会のご案内

電話応対教育とICT活用推進による、
社内の人材育成や生産性の向上に貢献致します。

ご入会のお申込みはこちら