ICTソリューション紹介

派遣社員が能動的にキャリア開発できる仕組みを、200を超えるeラーニングプログラムで実現

企業の「働き方改革」が求められる中、人材育成の点では「いつでも」「どこでも」「何度でも」受講できるeラーニングの活用が進んでいます。株式会社レビックグローバルは、汎用コンテンツ、企業オリジナルコンテンツにより、多様化する企業の教育プログラム拡充に貢献しています。

少子高齢化による外国人採用と働き方改革により進む、企業のeラーニング活用

今や企業の人材育成の基盤ともいえるeラーニング。その歴史はパソコンが普及し始めた90年代にさかのぼります。CD-ROMなどの大容量メディアで教材を提供していたこの時期は、制作コストが高く、受講状況をインタラクティブに把握できなかったため、企業研修においては、エビデンスとして「教育記録を残す」といった限定的な使い方に留まっていました。

  • ▲株式会社レビックグローバル
    代表取締役社長 荒木 靖也氏

    「2000年以降、日本では少子高齢化が深刻になり、人材確保が難しくなる中で、企業は積極的に外国籍労働者を雇用するようになりました。日本語が得意でない人にも分かりやすく、実践に沿った教育プログラムの整備が急務となってきたのです。また、『働き方改革』が推進される中、さまざまな場所から一ヶ所に人を集める集合研修は、時間や費用の面で実施が難しくなっています。このような背景から『いつでも』『どこでも』『何度でも』受講できるeラーニングが強く求められるようになってきました。また、通信回線のブロードバンド化が進み、大容量のコンテンツをインターネットで手軽に提供できるようになったことや、受講者のデバイスがパソコンからスマートフォンにシフトするなど、受講環境が整ったこともeラーニングの発展に大きく影響しています」(荒木氏)

派遣スタッフのキャリア開発支援のために200以上のプログラムを提供

レビックグローバル社のeラーニングソリューションを活用している企業に、アデコグループの日本法人で、総合人事・人財サービスを全国で展開する「アデコ株式会社」があります。

▲アデコ株式会社
キャリア開発本部
本部長 野原 正和氏

「弊社では、2016年にeラーニングを本格導入しました。きっかけは、2015年9月に『労働者派遣法』の改正があり、派遣会社に『派遣労働者のキャリア形成支援』が義務づけられたことです。具体的には、『希望するすべての派遣労働者がキャリア・コンサルティングを受けられるように相談窓口を設置すること』『キャリア形成を念頭に置いた派遣先の提供を行えるように手続きが規定されていること』『キャリアアップに資する内容の教育訓練を段階的かつ体系的に実施すること』です。また、弊社の長期ビジョンとして『キャリア開発があたりまえの世の中をつくる。』を掲げていたこともあり、このタイミングで派遣社員を対象とした体系的な教育プログラムの開発に取り組むことになったのです。弊社の派遣社員は全国に3万人以上おり、勤務場所や勤務時間もさまざまなので、プログラムの提供手段は、『いつでも』『どこでも』に加えて、『誰でも』できるeラーニングがベストと判断し、レビックグローバル社に協力していただきました」(野原氏)

▲マネジメントの基本

「アデコ様に提供しているeラーニングソリューションは二つあります。一つは、アデコ社オリジナルのコンテンツで、主にヘルプデスクに派遣される方に向けたものです。『ヘルプデスクとは』といった基礎項目から、現場の仕事内容まで映像を見ながら分かりやすく学ぶことができます。一回約50分とやや長いのですが、2~3分で一つの章が終わるようなマイクロラーニング形式で、時間がなくても少しずつ受講できるようにしています。また、受け身で受講するのではなく、受講者が気づきを持てるコンテンツになるよう、『実際に現場に派遣された場合』を疑似体験ができるようなプログラムにしています」(荒木氏)

▲タイムマネジメント

「もう一つは、汎用的なビジネス英会話のプログラムで、派遣先で英語が必要となる派遣社員に向けたものです。英語学習にブランクがあったり、ビジネスの現場で英語を使ったことがないスタッフも受講しています。このような汎用的なプログラムを含め、派遣社員のキャリア開発に向けて200以上の教育プログラムを用意しているので、スタッフは教育訓練計画に沿って段階的に受講できるようになっています。このビジネス英会話のプログラムは受講者からも非常に好評で、常に受講者数ランキングの上位に入っています」(野原氏)

受講者が能動的に学ぶ姿勢を持てるようRPAやAIが学習意欲をサポート

▲経営戦略

企業研修にeラーニングを導入するメリットとして、受講者スキルの平準化があげられます。また、不明点を後から見返すことができるので、理解度や習熟度を高めることにも貢献しています。中小企業にとっては、自社オリジナルのコンテンツを一から用意することは困難ですが、レビックグローバルのような教育コンテンツ事業者から自社の状況に合った体系的なプログラムを安価でスピーディーに調達できるようになってきました。一方で、eラーニングによる企業研修が効果を発揮するためには、受講者が能動的に学ぶ姿勢を持つことが重要です。

▲論理的思考

「『集合研修と比べて、実施効果が低いのではないか』というお声をいただくことがありますが、eラーニングならではの強みがあります。まず、受講履歴が詳細に残るため、習得度を客観的に把握することができます。また、RPAやAIを活用して受講者の興味のありそうなジャンルを勧めたり、人気コンテンツがランキング化されるような仕組みを実装することも可能です。受講者が『スキルアップしたい』という気持ちを誘発できるような工夫をシステム側でもしていきたいですね」(荒木氏)

「アデコとしては、個々のキャリアプランに合わせた教育プログラムを提供できるように取り組んでいます。派遣社員が自身のスキルレベルを把握し、今後どのようにキャリアを積んでいくと良いかを可視化した『キャリアマップ』というツールはその一つです。今後は、それをデジタル化し、パソコンやスマートフォン・タブレットで手軽に確認ができ、キャリア・コンサルティングにも活用ができるシステムを実現したいと考えています。派遣社員がスキルアップすることで、派遣先の企業の生産性の向上につながるため、キャリア開発は働く人と企業の両方にとって良い循環を作るものとなります。今後は、仕事の幅や人材の多様化にスピーディーに対応する必要があるため、eラーニングの活用はますます重要になってくるでしょう。その意味では、eラーニングの活用を通じて、社会全体の生産性の向上に寄与することが目標ですね」(野原氏)

会社名 株式会社レビックグローバル
設立 2005年(平成17年)
本社所在地 東京都港区芝公園2-10-1 住友不動産芝園ビル5F
代表取締役社長 荒木 靖也
資本金 6,000万円
事業内容 教育プロデュース事業、教材コンテンツ事業、学習ポータル事業、国外におけるナショナルスタッフ育成事業、代理店/チャネル教育・強化事業
URL https://www.revicglobal.com/
会社名 アデコ株式会社
設立 1985年(昭和60年)7月29日
本社所在地 東京都千代田区霞が関3-7-1 霞が関東急ビル
代表取締役社長 川崎 健一郎
資本金 55億6,000万円
事業内容 人材派遣(一般派遣・特定派遣)/紹介予定派遣、人材紹介、アウトソーシング、再就職支援、コンサルティング
URL https://www.adecco.co.jp/
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