電話応対でCS向上事例

-センコーグループホールディングス株式会社-
「コンシェルジュのような応接」で顧客対応品質の向上と新分野での成長を

国内及び海外で事業を展開する物流企業であるセンコーグループホールディングス株式会社は、既存事業での競争力向上と新分野への展開を視野に電話応対品質とビジネスマナーを強化。また電話応対コンクールでの経験も、会社の施策に活かしています。

事業概要について教えてください。

  • ▲広報室 グループ内広報・CS企画担当 係長 藤沢 智嘉子氏

     当社は2年前に創業100周年を迎えた総合物流企業です。創業時は工場で生産した原材料を船で輸送する事業が主体でしたが、その後の環境の変化でトラック輸送への進出、さらには物流センター運営といったロジスティクス分野など、主にBtoB分野で事業を拡大してきました。そして近年はホールディングス制を取るとともに、フィットネスや介護事業などライフサポート分野でのM&Aも積極的に進め、BtoC分野へも事業の範囲を広げてきております。(藤沢氏)

社長の号令で「笑顔がステキ活動」を全社的に展開

御社と電話応対との関わりについて教えてください。

  • ▲広報室 グループ内広報・CS企画担当 森岡 未来氏

     電話はお客さまとの大切な接点であり、その良し悪しで会社の印象は大きく左右されます。そのため当社は、社長の「ドライバーや倉庫スタッフが、ホテルのコンシェルジュのような応接を目指そう」という号令のもと、電話応対、対面でのビジネスマナーに近年大きく力を注いでいます。お客さまから電話でお問い合わせをいただいた際には丁寧にお答えすることはもちろん、お客さまに直接お目にかかるドライバー、さらには見学のお客さまをお迎えすることもある物流センターのスタッフが丁寧かつ元気に挨拶することで、お客さまに「荷扱いもきちんとした会社だ」と思っていただきたいのです。(藤沢氏)

     そうしたトップの意向を受け、2010年より、電話と対面、双方のマナー向上を目指す「笑顔がステキ活動」に取り組んでいます。身だしなみ、挨拶など、センコーグループが求める応対、接遇の品質を明文化したマナーブックを作り、普段お客さまに直接お目にかかることの少ない内勤の者であっても「自分たちの先にはつねにお客さまがいる」ということを意識して、電話応対品質とマナーの向上に努めています。(森岡氏)

社内の技能コンテストに「電話応対部門」を新設

御社は電話応対の社内競技会を行っている、とうかがっています。

 現場の社員の技能を競う「技能コンテスト」を年に一度、開催しております。このコンテストは従来、トラックのドライバー部門とフォークリフトのオペレーター部門で行われていましたが、「笑顔がステキ活動」を始めた翌年の2011年、事務や営業部門の社員も参加できるよう、電話応対部門を新設したのです。競技の課題や方式は、日本電信電話ユーザ協会の電話応対コンクールに準じたものとし、支店、グループ会社を含めた全国の事業所から出場選手を募り、各地の予選を勝ち上がった選手がドライバー部門、オペレーター部門とともに一堂に集まり、技術を競っております。(藤沢氏)

 このコンテストに出場し、上位を目指すには、やはり職場による選手へのフォローが必要です。そしてそうしたフォローができる職場は、電話応対品質向上への意識を強く持っています。また選手へフォローをすることは、職場における一体感の醸成とさらなる品質向上への意識づけにもつながります。今年も予選に参加した161名から選ばれた上位選手が、秋に決勝で競います。(森岡氏)

社内コンテストから電話応対コンクールへの流れを確立

御社は近年、電話応対コンクールにも参加されています。

 実は「技能コンテスト」の電話応対部門新設時から、電話応対コンクールへの参加を視野に入れていました。そして2016年のコンクールに、2015年の社内コンテストで上位だった選手を送り出しました。以降、社内コンテスト上位者が選手として参加を続けています。(藤沢氏)

参加しての手応え、また参加により得られたものについて教えてください。

 支店、グループ各社の拠点がある地区でそれぞれ参加していますが、これまでは県大会の上位入賞があるのみで、全国大会への勝ち上がりは、未だ果たせていません。しかし、電話応対コンクールに参加した選手は他社の実力を知り、電話応対品質向上へのモチベーションが高まっています。また各職場に自分の体験を持ち帰り、電話応対指導のリーダー的な存在になっている者も少なくありません。(森岡氏)

 講師の方のお力添えもあり、毎年一歩一歩前進していると思います。選手経験者が指導に回るという流れも確立されつつあり、近い将来、さらに上を目指すことができると思っています。(藤沢氏)

  • ▲本社受付

  • ▲オフィスの様子

海外事業所にも「センコー流」を広め、グローバルな応対品質向上へ

今後の目標について教えてください。

 センコーグループはこれまでの物流におけるBtoBを主体とした事業体から、BtoCを含めたより生活者に密着した事業体への変化を目指しています。高い電話応対品質は、そうした新たな事業分野でお客さまにご満足いただくために不可欠なものです。また、M&Aで新たにグループ入りした会社の中には既に高い応対品質を実現しているところもあり、それも大きな刺激になっています。研修と電話応対コンクールへの参加、さらにはマナーリーダーの育成で、グループ全体の実力をさらに高めていきたいと思います。(森岡氏)

 滋賀県にある当社の研修施設では、グループ会社のあるタイや中国から成績優秀なドライバーを呼び、マナー研修も行っています。また、社内コンテストの電話応対部門には、日本語ができる中国人グループ社員も参加しています。私たちが確立した「センコー流」のマナーを海外にもどんどん展開していくことが目標です。(藤沢氏)

最後にユーザ協会についてご意見、ご要望をお聞かせください。

 電話応対品質やマナーの向上は、自分たちだけの努力では難しいものがあります。協会には今後とも、専門的な知見や教育ツールの提供、講師の派遣を続けていただきたいと思っております。よろしくお願いします。(藤沢氏)

会社名 センコーグループホールディングス株式会社
創業 1916年(大正5年)9月
本社所在地 東京都江東区潮見2-8-10 潮見SIFビル
代表取締役社長 福田 泰久
事業内容 貨物自動車運送事業、倉庫業、海上運送業、国際運送取扱業、鉄道利用運送事業、商事・貿易事業、農業事業、ライフサポート事業、ビジネスサポート事業
URL https://www.senkogrouphd.co.jp/

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