電話応対でCS向上事例

-糸魚川高等職業訓練校-
電話応対技能検定(もしもし検定)3級合格を目標に、事務系就職希望者を支援

糸魚川高等職業訓練校は、人気の高い事務系職業への就職を目指す「求職者訓練」に、パソコンの操作、簿記に加え、もしもし検定に基づいたビジネスマナー研修と電話応対研修を採用、受講者のスキルアップを図っています。

貴校の歴史や概要を簡単にご紹介いただけますか。

  • ▲校長 古海 和則氏

    「本校は昭和35年、新潟県糸魚川市で土木建築業にたずさわる技術者を養成するための職業訓練所として設立され、昭和44年に現在の名称となりました」(古海氏)

職人のキャリアアップとともに失職者の職業訓練も実施

貴校はどのような職業訓練を行っているのか、教えてください。

  • ▲事務局長 山﨑 忍氏

    「キャリアアップを目指す社会人を対象に、国家資格である技能士、建築士、電気工事士など、2年間のコースを設置しています。いわゆる職人の世界でも、現在は腕だけでなく、国家資格の取得が必須となっています。しかしその知識を仕事の現場だけで体得するのは難しいため、仕事を終えたあと本校で学ぶのです。またCADや測量などを短期で学ぶ学科も用意しています」(山﨑氏)

貴校のカリキュラムには電話応対教育やビジネスマナーもあるとうかがっています。

「本校には、先ほど申し上げた長期短期の学科のほか、県から委嘱された『求職者訓練』があります。これは公共職業安定所を通じ応募、受講するもので、事務職への就職を目標に、3カ月間、パソコンの操作、簿記などを学びます。現在は日商パソコン3級を目指す『基本コース』345時限と、日商パソコン2級を目指す『養成コース』373時限の2本立てです」(古海氏)

「それぞれのコースのうち42時限をビジネスマナーの講義に充て、職場での立ち居振る舞い、正しい敬語の使い方、そして電話応対教育を行っています」(土井氏)

“狭い世界”では学べない広範なビジネスマナーで就職を有利に

カリキュラムにビジネスマナーを採り入れた理由はどこにあるのでしょう。

  • ▲42時限あるビジネスマナーの中の電話応対講義の様子

    「糸魚川市では事務系社員の募集は決して多くなく、ひとたび求人が出れば求職希望者が殺到します。こうした中、これまで非事務系の職業にしか就いたことがない人を事務系の求人にマッチさせるには、パソコンや簿記のスキルに加え、ビジネスマナーの習得が不可欠なのです」(古海氏)

    「そうした方々は、以前在籍した会社での先輩や上司が“お手本”になっています。ビジネスマナーの講義には、そうした狭い世界での“常識”を取り払い、どこでも通用する知識を授ける狙いがあるのです」(山﨑氏)

具体的には、どのような形で講義を行うのでしょうか。

  • ▲非常勤講師 きゃりあ・さぽーと代表 土井 惠子氏

    「年度や時期により変動がありますが、一つのコースに約10人の受講者が集まります。この受講者をグループ分けし、特定のシチュエーションでの最適な応対を、実技により表現してもらいます。実技中、私はオブザーバーに徹し、実技修了後、受講生が相互に感想を述べ合ったのち、良かった点、もう少し工夫が必要だった点などをアドバイスします。正解は一つではないことを理解してもらい、状況に応じそれぞれの頭で考え、より正しい応対に近づけるように指導を進めています」(土井氏)

「電話応対技能検定取得予定」と記すことで書類審査を有利に

受講者の変化やスキルアップはいかがでしょう。

「この糸魚川の地域性によるものか、入校当初は引っ込み思案だったり、自信なさそうに会話する受講生が珍しくありません。しかし土井氏の講義を通じ、声が明るくなったり、張りが出てくるように感じます。就職の面接でもプラスになるはずです」(古海氏)

ビジネスマナーの講義では、目標をどこに置いていますか。

「もしもし検定3級です。この講習で検定3級の受講証明書が交付されますが、やはり就職後は受検が難しくなります。そこで受講生には在籍期間もしくは訓練修了直後のタイミングでの受検を勧めています」(土井氏)

「ただそのほかの試験もあり、受検料の支出も重なることから、全員の受検は実現できていません。そこが残念です」(山﨑氏)

ビジネスマナーを学ぶことで、実際の就職で有利になった例はありますか。

「受講生には、検定の合否が出ていない段階でも、履歴書に『電話応対技能検定取得予定』と記すように指導しています。履歴書にそうした記述があると、採用担当者の目に留まりやすいからです」(古海氏)

「お隣の上越市では、履歴書に記した『電話応対技能検定3級資格者』が決め手になり、採用が決まったという例があります。もしもし検定の認知度が上がれば、この糸魚川でも同様の事例は起こりうるでしょう」(土井氏)

観光都市への脱皮と成長をもしもし検定により加速

ビジネスマナー教育、電話応対教育について、貴校の今後の展望をお聞かせください。

「糸魚川市は2009年のユネスコ『ジオパーク』への指定、そして2015年の北陸新幹線開通など、現在は観光都市への歩みも進めています。将来的には、より一段高いビジネスマナー、電話応対スキルが求められるはずです。本校はそうした環境の変化に対応する地元企業向けに、より大規模な電話応対教育に注力していきたいと思います」(古海氏)

「講師としても、人材の育成、そしてもしもし検定の知名度向上に向け、さらに努力を続けていきたいと思っています」(土井氏)

組織名 糸魚川高等職業訓練校
設立 1960年(昭和35年)
所在地 新潟県糸魚川市大字西中1491
校長 古海 和則
事業内容 長期課程木造建築科・求職者訓練・在職者訓練
URL http://www.itokun.sakura.ne.jp/itokunHP/

電話応対技能検定実施機関

職業訓練法人 糸魚川職業訓練協会 糸魚川高等職業訓練校

http://www.itokun.sakura.ne.jp/itokunHP/

関連記事

入会のご案内

電話応対教育とICT活用推進による、
社内の人材育成や生産性の向上に貢献致します。

ご入会のお申込みはこちら