担当者不在の場合、不在理由をお伝えするだけでは不充分でしょうか?

解決のヒント

 仕事を円滑に進める上で重要なコミュニケーション能力。それゆえに悩む人も多く、また悩み自体も環境によって異なるものです。「解決のヒント」では、電話応対に関するお悩みや日常的なコミュニケーションに関する相談事を、「もしもし検定指導者級資格保持者」の方々からアドバイスしていただきます。

担当者不在の場合、不在理由をお伝えするだけでは不充分でしょうか?

  • お客様などから電話がかかってきた際、担当者が外出していたり休みを取っていた場合に、「ただ今、外出のため不在にしております」や「本日はお休みをいただいているため、不在にしております」など、常に「~のため不在に…」いう言葉をつけるのが正しい言い方なのでしょうか。「外出しております」や「お休みをいただいております」では、ビジネスの受け答えとしては不充分なのでしょうか?
    (事務 担当者)

A.簡潔に答え、自分にできることを伝えるとよいでしょう。

成田 悦子氏

成田 悦子氏

接遇マナーインストラクター
専門学校の講師として、マナー・接遇・電話応対の指導をしています。

 「不在」であることをお客様に充分に分かっていただくため、「外出のため不在」などの言い方をされるのかもしれません。ですが、電話は「簡潔に、分かりやすく、すっきり伝える」ことも必要です。「外出しております」「休みを取っております」で不在であることは充分に伝わります。
 さらに、この場合、相手の気持ちになって自分ができることを伝えるとよいでしょう。「○時には戻りますが、お急ぎではございませんか」「よろしければ、ご伝言を伺いますが、いかがでしょうか」など、気持ちを言葉にするとよいでしょう。

A.状況を伝え、用件を聞くなど思いやりを持って応対する。

田畑 昌子氏

田畑 昌子氏

株式会社 オフィス田畑 代表取締役
お客様に喜ばれ、会社の繁栄に役立つ電話応対を目指しています。

 お客様は、名指し人に用件があるため、「休みを取っております」、「外出しております」だけでは、事務的な印象を与えてしまいます。この場合「お客様の要望に応えたい」、「いち早く連絡が取れるようにしてあげたい」との思いやりを言葉にすることで、応対が前向きな印象になります。「外出しておりますが、○時には戻ります。お急ぎではございませんか」と付け加えるなど、その時の状況によって言葉を換えて伝えましょう。お客様の目的に沿った言葉は、あなたの思いやりの心がつくります。それにより、応対の印象は一段と良くなるのではないでしょうか。

A.不在の理由を伝え、代替案を提示する。

田原 美晴氏

田原 美晴氏

コミュニケーションアドバイザー
「心の通うコミュニケーション」をテーマに、研修講師として活動しています。

 「不在にしております」は、間違いではないものの、常に加えると事務的な印象になります。そこで、状況に合わせ、次のような言い方をしてはいかがでしょうか。
 「あいにく、ただ今外出しておりますが、午後2時に戻る予定でございます。戻り次第こちらからお電話差し上げます」、「○○は本日休んでおります。明日は出社する予定でございます。私、同じ課の○○と申しますが、よろしければ、代わりにご用件をお伺いします」など、不在の理由に代替案をプラスすれば、ビジネス会話として信頼していただける応対となるのではないでしょうか。

 いかがでしたでしょうか。もしもし検定指導者級資格保持者の方々のヒントを参考に、あなたにとってピッタリの答えを見つけてみてください。

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「もしもし検定」とは、公益財団法人日本電信電話ユーザ協会の行う「お客様に喜ばれるビジネス電話応対」の実現と電話応対のエキスパートとして即戦力になり得る社内の指導者の育成を目的とした資格制度です。電話応対に関する高度な知識・技能があり、本検定の実施にあたり指導官や試験官等の役割を担うことのできる「指導者級の資格を有する者」を「もしもし検定指導者級資格保持者」と言います。
詳しくはユーザ協会ホームページより、もしもし検定ページをご覧ください。

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