電話応対でCS向上コラム

-NTTビジネスソリューションズ株式会社-
第44回 お客さまに寄り添って

記事ID:C10045

 私が所属するNTTビジネスソリューションズ株式会社は、「情報通信のプロフェッショナルとしてお客さまの経営課題を解決し、お客さまの事業価値向上と地域社会の発展に貢献すること」を企業理念に掲げ、お客さまにご満足いただける多様な製品・サービスを提供しています。その中で私の勤務する116・IPコールセンタは、総合窓口として、西日本全域からインターネットや電話に関するご注文・各種お手続き・お問い合わせなどを幅広く承っています。

“笑声”は“笑い声”にあらず

 私の接客のスタートは、窓口での応対でした。お客さまと直接顔を合わせ、表情とともにご用件を承り対応できていたその時代……経験を積み重ねていくうちに自信を持って接客できるようになっていたと思います。そんな私が、「言葉と声の重要性」をあらためて思い知る出来事が起こったのは、コールセンタに配転になり、グループリーダーを務めていた時でした。それは、行き違いでお客さまからお叱りを受けたオペレーターから電話を引き継いだ際のことです。

 ご不快な思いをさせたことへのお詫びと事情説明を行っていた私に、突然、お客さまからこんな痛烈な一言が返ってきたのです。「あんた、笑ってるでしょ!!」……もちろん滅相もないことでした。しかし、お客さまがそう仰るのであれば、私がそのように受け取られる応対をしていたということです。私はお客さまにお詫びし、電話を切ったあと猛省しました。その中で気づいたことは、お客さまに納得していただいたあとの事情説明の時、自分では明るい“笑声”での応対だと思い込んでいた言葉が、お客さまには“笑い声”のような響きを与えてしまっていたということでした。

 顔の見えない電話での応対では、耳から聞こえる声(言葉)がすべてです。それからというもの、声の高低や抑揚、すべてにおいて相応しい言葉の選択を心がけるようになったのは言うまでもありません。窓口応対で想いを表情にのせて接客をすることに慣れきっていた私に、大切なことを気づかせてくださったそのお客さまには今でも感謝しています。

ホスピタリティを届ける

 当社は昨年より電話応対技能検定(もしもし検定)の実施機関となり、あらためてお客さま応対の基本に立ち返るべく、今年度も約500名の受検を予定しています。各人の持つホスピタリティを声にのせ、言葉で伝えられるよう、全員で応対品質向上に取り組んでいくこと……それが、今後ますます台頭してくるであろうAI にはできない「お客さまの心に寄り添った応対」につながると考えています。

次回の講師は、佐川急便株式会社の篠原 夏江さんです。社内の電話応対技能検定(もしもし検定)指導、社内インストラクターの育成、また社内電話検証の採点など多岐にわたってご活躍中です。今回、第8期もしもし検定指導者部会委員長に就任されるなど、バイタリティ溢れる笑顔の素敵な女性です。

米田 浩子氏

NTTビジネスソリューションズ株式会社 116・IPコールセンタ(長崎)所属。電話応対技能検定指導者級資格保持者。社内での応対品質向上研修・販売研修等を企画・実施、電話応対コンクール出場者の育成を担当。社内の「電話応対技能検定(もしもし検定)講座」の講師も務める。

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電話応対教育とICT活用推進による、
社内の人材育成や生産性の向上に貢献致します。

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