電話応対でCS向上コラム

第20回 「心」伝える第一声-株式会社トヨタレンタリース山形-

第一声の改善

 弊社は、県内16店舗でレンタカー事業を行っています。スタッフの仕事は幅広く、来店されるお客さまへレンタカーのご利用についての案内、ご出発からご返却までの対応のほか、電話でのお問い合わせやご予約も承っています。最近ではウェブからの予約が増えていますが、全体の約七割近くをお電話で予約をいただいておりますので、日々電話応対スキル向上に取り組んでいます。今回は、約五年前から始めた第一声の改善についてご紹介致します。

ありがたみを感じない

 Before:「お電話ありがとうございます。トヨタレンタリース山形、○○駅前店、□□(名字)でございます」

 名乗りは、会社の印象が決まる大切な挨拶ですが、お客さまからはご意見をいただくことがありました。「長い!いつまで話しているのですか」「どこに電話したのか分かりづらい」また、大変お恥ずかしいのですが、企業電話応対コンテストにおけるフィードバックコメントでは、「お電話ありがとうございますと言っている割には、ちっともありがたみを感じない」といったご指摘もございました。

 そこで、これらの課題を社内研修で共有し、自分たちの応対を見直しました。例えば、お客さまを待たせてはいけないという思いから一息で言い切ろうと早口になっていたこと。レジャーで初めてレンタカーを検討している方もいれば、お仕事で手短に済ませたいお急ぎの方もいる状況に寄り添っていなかったこと。そして、何より数あるレンタカー会社から弊社を選んで電話をかけてくださった感謝の気持ちが、言葉だけで心が伴っていなかったことなどです。

笑顔がつながる

 After:After:「はい、トヨタレンタリース○○駅前店、□□(名字)でございます」

 そこで、①お客さまがどこへ電話をして、②誰が応対したか、を優先することにより、電話の呼び出し音1コール分(3秒)短くすることができました。名乗りからスムーズに本題に入るので、お客さまを苛立たせてしまうことが減り、また、一呼吸置くことによって、感謝の気持ちが言葉に乗り、会話が弾むようになりました。

 ある日、お客さまがニコニコの笑顔で来店されました。「実は昨日、電話するまでは初めての場所で車を運転することが不安でしたが、お天気や道路事情など一つひとつ丁寧に答えてくれたので安心できました。どんな人が応対してくれたのかと楽しみにしてここへ来ました」と嬉しいお言葉をいただきました。電話応対したスタッフがお客さまを笑顔にして、今度はお客さまから私たちへ笑顔をつないでいただいたのです。

 「山形に来て良かった」と思っていただけるような温かみのある応対に、今後も取り組んで参ります。

「次回の講師は、新庄商工会議所の佐藤 亜希子さんです。電話応対コンクールの指導のほか、人材育成や地域活性化の分野においても活躍されています。何事にも前向きに、いつも活き活きしているチャーミングな方です」

鷹濱 幸恵氏

株式会社トヨタレンタリース山形 電話応対技能検定(もしもし検定)企業内導入実施機関の社内講師として、電話応対の指導にあたる。第52回電話応対コンクール全国大会出場、第57回電話応対コンクール全国大会では審査委員を務める。電話応対技能検定指導者級資格保持者20期生。

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