「お客さまの気持ちをくみとること」を自分自身の頭で考え、実行する。
幸福米穀株式会社

幸福米穀は、昭和43年に創業した米穀小売店をルーツとする米穀販売会社です。大阪府寝屋川市の本社には、工場、倉庫が隣接。米穀卸売業のほか、外食産業向け無洗米の供給、さらには大学との共同研究による新品種の研究開発など、単なる「お米の販売会社」という枠を越えた事業内容を特徴とし、その業容はいまも拡大を続けています。今回は、創業者であり現会長の北本 明氏と、社長の北本 武氏に、お客さま満足度向上への取り組みについて話を聞きました。

御社の創業のいきさつについて教えてください。会長が20代で創業されたとのことですが?

会長・ 北本 明氏

▲会長 北本 明

「私は昭和33年に和歌山の工業高校を卒業し、18才で大阪に出てきました。まず米穀店を営む叔父のもとで9年間修業し、27歳で独立、創業いたしました」(会長・北本 明氏)


創業も、現在本社がある大阪府寝屋川市だったのでしょうか?

「最初にお店を開いたのは寝屋川市のとなり、大阪府門真市です。当時の門真市は松下電器産業(現在のパナソニック)のお膝元で、市長が『松下に勤める社員が幸せに暮らせるように』と名付けた『幸福町』という町がありました。その名前の由来を知った私は、お店を出すならここだ、と思い、『幸福米穀』という屋号を決めました」(北本 明氏)

十分な経験を積んでの開業だったかとは思いますが、当時の米穀販売などをとりまく状況についてお聞かせください。

「そのころのお米屋さんは免許制で、だまっていても利益が出せる環境にありました。でも私は、それが『本当にお客さまに喜んでいただける商売なのか?』と、つねづね疑問に思っていたのです。そこで創業にあたっては、自分の毎月の給料を修業5万2,500円と考え、それ以外の利益はお客さまに『安売り』や『景品』で還元しようと考えたのです。これがお客さまに好評で、そのうち口コミで噂を聞きつけ、大阪府全域からお客さまが集まるようになりました」(北本 明氏)

そういった商売のやり方について、近隣の同業者との摩擦やお役所からの指導などはなかったのでしょうか?

「もちろん近隣の同業者、そして地域の組合からも、大きな反発を受けました。また他地域からのお客さまに対しては、エリア別に世話役になっていただける方を決め、そちらに配達する方法をとっていたのですが、他地域の組合などから販売を自粛してほしいと要望をうけました。でも、やはりお客さま第一を考え、要望には耳をかしませんでした。2~3年もめましたけど、結局OKになりました(笑)」(北本 明氏)

小売りで大きくなったお店を、卸売りに転換された理由はどこにあるのでしょう?

「沖縄返還の年(昭和47年)、すでに米販売が自由化されている沖縄を視察したのです。なんと、当時人口100万人程度の沖縄には、お米屋さんが1万件もあり、激しく競争していました。それが、自由化後の国内の米販売にも当てはまると気づいたのです。でもその沖縄でも、卸売業者はわずか15社ほど。つまり将来的な自由化のもとで生き残る道は、卸売りしかないと悟りました。最終的には米の卸売りが届け出制になった段階で弊社も卸売業に参入したのですが、事業をスムーズに転換できた理由のひとつは、この沖縄での経験を教訓に準備を続けてきたことだと思っています」(北本 明氏)

現社長の北本 武さんは、このように現会長が育ててきた事業を平成22年に継がれたわけですね。

代表取締役社長・北本 武氏

▲代表取締役社長 北本 武

「はい。弊社はこれまで、現会長のチャレンジを忘れない精神に基づき、事業を拡大してきました。お米にかかわる仕事というのは、お客さまの口に入るものを取り扱う大事な仕事であり、仕事をきちんと続けていくことが、社会的インフラの一部を担っていくことになると自負し、仕事に励んでおります」(代表取締役社長・北本 武氏)


いま、事業を進めていく上で、心がけて取り組んでいることはありますか?

「弊社はお米の卸から小売り、そして外食産業への供給まで、一貫して手がけてきました。そしていまは、大学などとの共同研究により、新しい品種の開発も進めています。お米という日本に欠かせない食糧について、生産者さま、消費者さま、双方の声に耳を傾け、『食を通じて社会に奉仕する』という社是のもと、安心できる食卓づくりを目指していきたいと思っています」(北本 武氏)

御社はお米については自社工場から、小売りのアンテナショップ、通販部門まで、そしてお米以外にもフランチャイズの菓子店、飲食店など、幅広い事業を展開されています。こうしたさまざまな分野での、お客さま応対のポイントについてお聞かせください。

「まず、弊社の『真っ直ぐに、真心込めて、真剣に』という心がけを、私を含め、社員一同、徹底することにしております。フランチャイズ店では、そのフランチャイズのマニュアルにのっとった接客はもちろんですが、各スタッフが『お客さまの気持ちをくみとること』を自分自身の頭で考え、実行するように指導しています。小売り部門では、お米販売のプロとして、お客さまが食べたいと思っているお米をきちんと選び、おすすめできるかが重要です。まずお客さまのご要望をしっかりおうかがいし、アドバイスします。また精米にかかる3分間も、お客さまを退屈させないよう、会話をつなぐようにしています。『お買い物が気持ちよかった』『おすすめしてもらったお米が好みだった』という経験が、次につながり、お得意さまを増やす原動力になるからです。また本社に隣接した工場のスタッフにも『全員営業』という気持ちでの挨拶を欠かさないという取り組みもはじめました。
 工場には、さまざまな業種から、見学のお客さまがみえられます。そうしたお客さまに『気持ちよい応対だった』と思っていただくことが大切だからです」(北本 武氏)

では最後に、今後手がけていく予定の事業などについて、お聞かせください。

「これからは国内にとどまらず、海外への事業展開を進めていきます。とくに東南アジアは世界的な米の産地ですが、ここに日本のノウハウを持ち込み、より美味しいお米を栽培できないかと考えているのです。こうして作ったお米は、アジア各地で展開する日本の外食産業に供給し、日本食を海外在住の邦人だけでなく、現地の人々にも広めていく一助になればと思っています。また、年に2度、3度と収穫できるので、大学との品種改良の研究においても、年に1度しか収穫できない日本国内に比べ、速度面で大きなメリットがあるでしょう」(北本 武氏)

小売りからスタートし、今では、研究(学)、生産(農業)、加工(工業)、販売(流通)と一貫した体制を築かれた幸福米穀。『食を通じて社会に奉仕する』という企業理念を1本の軸と定め、ブレる事無くその思いを追求されている事が今日の成功に結びついている事を実感しました。本日はありがとうございました。

幸福米穀
会社概要
幸福米穀株式会社
会社名
幸福米穀株式会社
設立
昭和43年4月24日
所在地
大阪府寝屋川市池田北町15番1号
代表者
代表取締役社長 北本 武
資本金
8,589万6千円
主要事業
米穀卸(普通精米・無洗米)、和洋菓子、アイスクリーム
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