中小企業診断士から見たICT経営 Vol.87

クラウド型デジタルサイネージを使って、“おてがる”な情報発信を

渋屋 隆一氏渋屋 隆一氏ITコンサルタント。中小企業診断士・情報処理技術者。IT業界を中心に、事業戦略の策定支援・新規事業支援や、経営とITをつなぐためのセミナー・研修を行っている。マーケッターとして経営・ITトレンドを広く見渡す目のバランスと、ITエンジニアとして現場の苦労を知った経験のバランスを大切にしている。

行政無線の問題点から、デジタルサイネージを模索

山形県A町は、豪雪地帯であり、高齢者が増えていることから、役場や警察・消防から町民に簡単・確実に情報を伝える方法を探していました。従来の行政無線は、屋外スピーカーの騒音被害が著しく、また高齢者が多いことから、耳が遠くなっており、聞き取りにくいという声も増えていました。そこで各戸に情報を配信し、音声だけでなく映像も流せる仕組みを探し始めました。

A町は、各戸のテレビに取り付けられる小型のデジタルサイネージ(デジタル技術を活用し、映像や情報を表示する媒体)を探しました。

一般的なデジタルサイネージの問題点

一般的なデジタルサイネージは難しく、専門家のノウハウが必要でした。また、日々の運用には動画配信に関連する様々な業務が伴います。そのため、人的資源に乏しいA町にとっては、負担が大きく、従来型デジタルサイネージを採用することはできませんでした。

クラウド型デジタルサイネージ

これらの問題を解決する仕組みを探していたA町が発見したのが、クラウド型のデジタルサイネージ「おてがるnet(http://www.otegaru.net/)」です。


おてがるnet

必要なものはテレビとWi-Fi環境だけ。名前の通り、導入・設置から動画コンテンツの作成、運用まで簡単で、コストもお手軽でした。

図

A町が試験的に利用したところ、これまで利用していた行政無線や、従来型デジタルサイネージと比較して、以下のような点で効果が得られると確信しました。

【導入効果1(住民)】情報が分かりやすく、見逃さない

音声だけでなく、映像を伴うため、耳が遠くなった高齢者が多いA町でも、「これなら私にも何を言われているのかが分かるので、助かる」という評価が得られています。

【導入効果2(住民)】騒音がなくなる

情報が各戸へ配信されるため、屋外スピーカーを使う必要はありません。行政無線の騒音被害に悩まされることがなくなります。

【導入効果3(導入・運用者)】専門家が不要

導入は、端末をディスプレイにつなぐだけです。専門家のノウハウは不要で、日々の運用においても雑務はサービス側で行ってくれるため、A町が苦労することはありません。

A町では、試験で期待通りの効果がでれば、インターネット環境を自治体、あるいは企業がスポンサーとなって提供することを検討しています。

まとめ

クラウド型のデジタルサイネージは、非常に簡単・手軽に利用できるようになりました。今回ご紹介したのは行政の取り組みですが、企業においてもさまざまなシーンで活用できそうです。コンテンツを配信する手段として、検討してはいかがでしょうか。

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