中小企業診断士から見たICT経営 Vol.75

安心して、いつでも・どこでも業務を止めない仕組みを実現

渋屋 隆一氏渋屋 隆一氏ITコンサルタント。中小企業診断士・情報処理技術者。IT業界を中心に、事業戦略の策定支援・新規事業支援や、経営とITをつなぐためのセミナー・研修を行っている。マーケッターとして経営・ITトレンドを広く見渡す目のバランスと、ITエンジニアとして現場の苦労を知った経験のバランスを大切にしている。

求められる情報漏えい対策

近年では、情報漏えいが事業に与えるインパクトが増大しています。1件の情報漏えい事故に対する評価が厳しくなっている状況で、大企業のみならず、中小企業にとっても適切な情報漏えい対策が求められます。

A社の事例

A社は、社員約200名のネット系金融業です。顧客対応を重視するA社では、幹部社員は休日や出張中においても意思決定を求められます。一方で、情報セキュリティに厳しい金融業という特性上、しっかりとした情報漏えい対策が必要です。それら両方を満たすシステムが求められていました。

従来、A社では幹部社員が承認業務を止めないよう、自宅用のPCを配布していました。しかしながら、以下のような問題点が存在していたのです。

【問題点1】情報漏えいリスクへの対応
【問題点2】自宅用PCは出張・休暇時の持ち運びが不便
【問題点3】自宅用PCの運用負荷

情報の安心を得ながら、いつでも・どこでも業務ができる仮想デスクトップ

仮想デスクトップ

そんな問題を抱えていたA社が知ったのが、仮想デスクトップでした。

仮想デスクトップとは、データセンター内で各個人のデスクトップを動かし、手元の端末からネットワークを通じて画面データだけを読み込み、操作を可能とする仕組みです。これによって、情報セキュリティの安心を得ながらも、いつでも・どこでも業務に対応できるようになるのです。

最近では、中小企業が手軽に利用できるクラウド型の仮想デスクトップサービスが始まりました。例えば、NTTネオメイトの「AQStage仮想デスクトップ」(http://www.ntt-neo.com/service/daas/)です。10名から利用でき、1名当たり、月額数千円のコスト負担で済みます。


クラウド型、仮想デスクトップサービスの導入効果

A社が従来の自宅用PCを利用した環境から、クラウド型 仮想デスクトップサービスに移行したことにより、以下のような効果を得ることが出来ました。

【導入効果1】端末からの情報漏えいを防止
【導入効果2】出張、休暇などにも柔軟に対応可能に
【導入効果3】自宅用PCの運用コストを削減
【導入効果4】タブレット専用アプリケーションの開発はなし
【導入効果5】大きな初期投資が不要

クラウド型 仮想デスクトップサービス 導入時のポイント

A社事例でご紹介したように、クラウド型 仮想デスクトップサービスをうまく活用すれば、様々な効果を享受することができますが、その導入には、注意すべきポイントがあります。

それは、クラウド上の仮想デスクトップと、自社内のシステムとの連携です。単にクラウドサービスを提供するだけでなく、貴社システムの全体的な提案をしてくれる事業者を選びましょう。

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