電話応対でCS向上事例
-パナソニック コンシューマーマーケティング株式会社 CS社-「心からのありがとう」で、お客さまの気持ちに応え、高いCSを
パナソニック家電製品のアフターサービスを担うパナソニック コンシューマーマーケティング株式会社 CS社は、電話応対技能検定(もしもし検定)受検を通じ高いお客さま満足度達成を目指しています。
事業概要について教えてください。
-
▲代表取締役専務
CS社 社長
二宮 一正氏パナソニック コンシューマーマーケティング株式会社、略称PCMC社は、パナソニックグループにおいて、国内の家電の卸売販売とサービスを担当しています。そのPCMC社で、修理や設置、アフター&ビフォアサービスなどを行う部門が、私たちCS社です。現在の家電は高度化し、また複数の機器が一体で利用されるものも増加したことで、万一の故障の時にトラブルの原因がどこにあるのか、お客さまが判断できないケースが増えています。そこで私たちがお問い合わせの受付と原因の判断、修理の手配をワンストップで行い、お客さまの利便性を高めているのです。(二宮氏)
稼働日ベースで1日1万件以上のお問い合わせ、修理依頼に応対
組織について教えてください。
CS社では約2,400人がアフターサービスに関わる仕事をしています。拠点数は101箇所で、これは家電業界で最大規模です。こうしたネットワークによるサービスがパナソニックブランドの強みであり、お客さまへの約束だと考えています。修理は、これらの拠点からうかがう訪問修理と、修理拠点に商品をご送付いただく持込修理のいずれかになります。(二宮氏)
電話受付体制はどのようになっていますか。
年間ベースでの受話件数は、故障などトラブルについてのお電話が約230万件で、ウェブ、Faxでのお問い合わせを含めると約330万件となります。このお電話にフロントスタッフが応対し、トラブルの原因を推定したのち、出張修理の手配、もしくはお持ち込みでの修理の手順をご案内しております。(二宮氏)
2014年より社内資格保持者によるもしもし検定を導入
そうした業務において、電話応対品質の重要性をどのように感じますか。
トラブルでのご連絡の際、お客さまの中にあるマイナスの感情を、フロントのファーストコンタクトでの丁寧な応対で少なくともゼロ、可能であればプラスにして次のステップに進むことが重要です。ここで良い応対ができれば、訪問修理するサービススタッフへの好印象につながります。逆に最初の応対が悪ければ、サービススタッフもマイナスの感情をお持ちのお客さま宅を訪問するという悪循環になってしまいます。(二宮氏)
もしもし検定を導入した経緯について教えてください。
-
▲応対品質向上研修
企画運営担当
加藤 和則氏2014年4月、社内に電話応対品質の向上に取り組む部門を設置し、これまで現場レベルでの研修や改善努力では、なかなか成果の上がらなかったフロントのスキルアップを体系化し見直すこととしました。ここでの電話やマナー研修の調査でもしもし検定を知り、さらにパナソニックグループ内に指導者級資格保持者がいることも分かりました。そこでパナソニック本社と相談し、社内講師によるもしもし検定がスタートしました。(加藤氏)
検定を通じた本当の意味での「ありがとう」への気づき
検定の内容については、いかがでしたか。
社内講師が業務内容を踏まえてカリキュラムを作成したことで、研修内容がこれまで受けたような一般的なものではなく、すぐに業務に活かせるカリキュラムとなりました。これはスタッフのモチベーション向上にもつながり、現在は約260名のフロントスタッフの半数以上が3級を取得、2級にも15名が合格しています。今年度中にほぼ全員が3級資格保持者になる見込みです。(加藤氏)
-
▲西日本地区の修理工場のフロント。主に量販店からの受付を行う
-
検定を経験したことで、業務への意識は変わりましたか。
-
▲フロント業務
坂根 裕子氏講習で最初に言われた「ありがとうが習慣になっていませんか?」という言葉が、今も胸に残っています。つまりこれまでの「ありがとう」がおざなりだったことが分かったのです。こうしてお客さまの気持ちを考える意識と表現力をスキルアップの両輪として学びました。そして技術を磨く中、特に「間の取り方」の重要性に気づきました。間はお客さまへの気遣いであり、お客さまが理解を深める時間です。その使い方一つでお客さまの心を動かせる“愛”なのです。私は現在2級資格保持者ですが、こうしたトレーニングでお客さまに寄り添う心が分かり、ご満足いただける応対技術が身についたと思います。またお客さまの問題をより早い時間で解決できることが、自分の喜びにもつながっています。(坂根氏)
将来的にはエリアごとに上級資格保持者を配置し、さらなるCS 向上を
今後の目標について教えてください。
社内の修理サービス技術を競う「技能大会」に、2年前から「電話応対競技」を新設しました。また昨年からはサービススタッフによるお客さま宅ご訪問から修理を終えるまでの所作を競う「応対品質競技」も追加しています。こうした全体的な品質向上で、CSを少しでも高めることができたらと考えています。また検定については、CS社の中でも1級資格保持者を出し、全国7支社のそれぞれに応対品質リーダーを配置することを目指したいと考えています。(二宮氏)
会社名 | パナソニック コンシューマーマーケティング株式会社 CS社 |
---|---|
設立 | 2006年(平成18年)4月1日 |
本社所在地 | 大阪府大阪市中央区城見2-1-61 OBPパナソニックタワー |
代表取締役社長 | 吉清 和芳 |
代表取締役専務 (CS社 社長) |
二宮 一正 |
資本金 | 10億円 |
事業内容 | パナソニック コンシューマーマーケティング株式会社(略称PCMC)は、小売業態の特性に合わせた6分社体制で、CS社はお客さまが使われているパナソニック商品の修理・設置、アフター&ビフォアサービス、部品供給による修理サポートを行っている。 |
URL | http://www.panasonic.com/jp/company/pcmc.html |
電話応対技能検定実施機関
パナソニック株式会社
http://panasonic.jp/関連記事
-
2024.02.26 公開
-株式会社エミネット-
AI時代が来ても、お客さまに寄り添う応対で、笑顔になっていただける企業でありたい「自然と人を、笑顔でつなぐ。」という企業理念のもと、鳥取県から全国に美と健康に役...
-
2023.10.25 公開
-日東精工株式会社-
電話応対コンクールは自らの現在地を知る貴重な機会 「お客さま満足度120%」の電話応対を目指す日東精工株式会社は京都府北部の綾部市に本社を置き、ねじ製品をはじめとする工業製品...
-
2022.12.26 公開
-リコージャパン株式会社-
「お客様の立場で考え、行動する」ことで、カスタマーサクセスに貢献するコンタクトセンターへ複合機などのメーカーから、デジタルサービスの会社に変革しているリコーグループ。日...
-
2022.10.25 公開
-新明和工業株式会社-
これからもワンランク上の「ありがとうと言われる対応」を目指したい戦前の航空機製造に始まり、100年以上もモノづくりの事業を展開してきた新明和工業...
-
2021.08.25 公開
-株式会社イシダ-
「聞く力」と「伝える力」で機器の復旧時間を短縮しお客さま満足度につなげたい世界初の「組み合わせ計量機」の開発により、食品業界に計量革命をもたらした株式会社...
- 電話応対でCS向上コラム(288)
- 電話応対でCS向上事例(241)
- 金融業,保険業(46)
- 学術研究,専門・技術サービス業(1)
- 生活関連サービス業,娯楽業(10)
- 医療,福祉(13)
- 製造業(32)
- 情報通信業(16)
- 卸売業,小売業(24)
- 不動産業,物品賃貸業(4)
- 宿泊業,飲食サービス業(10)
- 教育,学習支援業(15)
- サービス業・その他(49)
- 座談会(1)
- 電話応対品質向上委員会(3)
- 建設業(5)
- 電気・ガス・熱供給・水道業(5)
- 運輸業,郵便業(7)
- ICTコラム(115)
- 企業ICT導入事例(170)
- ICTソリューション紹介(78)
電話応対でCS向上事例 新着記事
-
-指導者級資格保持者のための品質向上研究会レポート-
感情労働の現場で“燃え尽きない”ようにするためにコミュニケーションの「正しさ」とは -
-株式会社エミネット-
AI時代が来ても、お客さまに寄り添う応対で、笑顔になっていただける企業でありたい -
-株式会社きらぼし銀行-
「お客さまに寄り添える第一人者」をスローガンに業務知識とホスピタリティに満ちたオペレーター育成に取り組む -
-学校法人伊勢学園グループ 伊勢学園高等学校-
全学年で品格やマナーを身につける「教養」の授業を実施、もしもし検定受検で即戦力になる人材を育成 -
-武州ガス株式会社-
地域社会を支える公益事業者としてお客さまに安心・安全を感じていただける電話応対を追求