電話応対でCS向上事例

-クーパービジョン・ジャパン株式会社-
電話応対コンクールで初めて知った電話応対の魅力が、仕事への意欲を喚起

使い捨てコンタクトレンズ専業メーカーのクーパービジョン・ジャパン株式会社は、電話応対コンクールへの参加を通じて「求められる応対の水準」を知り、自らの成長の目標としています。

事業概要について教えてください。

  • ▲営業企画部
    お客様相談室
    室長
    小出 繁一

    「弊社は使い捨てコンタクトレンズの専業メーカーです。使い捨てコンタクトレンズは1日タイプ、2週間タイプとも、つねにフレッシュなレンズを使うことで、より“目の健康”に配慮した製品です。これは『“見る”という日々の経験を、もっと素敵なものに』という弊社の目標、『安全に、安心してお使いいただけるコンタクトレンズをお客さまにご提供する』というポリシーとも一致します」(小出氏)

お客さまのため、あえて自社製品をおすすめしないことも

そうした製品を扱うことで、電話応対で特に配慮していることはありますか。

「使い捨てコンタクトレンズはある意味“日用品”的な存在になっていますが、使い方を誤ると大きな健康被害につながる可能性もある『高度管理医療機器』です。弊社はコンタクトレンズの販売だけでなく、その正しい使い方を周知することも責務と考え、電話応対にあたっています」(小出氏)

お客さま応対の具体的な内容について教えてください。

  • ▲営業企画部 お客様相談室
    晴山 里織氏

    「弊社へのお問い合わせは、製品の特徴、取扱店の場所から、目に違和感があるといったお悩みまでさまざまです」(晴山氏)

    「お客さま応対では、お客さまの健康に最大限の注意を払っています。弊社の製品を使ってみたいというお客さまからのお問い合わせに対しても、すぐに弊社製品をおすすめするのではなく、今お使いのレンズのことや不満に思っていることなどを細かくうかがいます。その結果によっては、今お使いのレンズのほうが適切であると判断すれば正直にお伝えしますし、弊社製品のほうが適合性が高いと考えた場合でも無理強いせず、『まずはお試しください』とご案内しています。コンタクトレンズはスペックがすべてではありません。お客さまが安全に、安心して快適にお使いいただけることが大切なのです」(小出氏)

「ルールのないコールセンター」からのスタート

そうしたお客さま応対で、特に注意していることはありますか。

「『お客さまの話をよく聴き、お問い合わせの背景に気を配る』ことです。例えば、レンズのお取り扱いについてご相談をいただいたお客さまが、よくよく話を聴いてみると、実は目の調子が気になっているけれども、眼科の受診をためらっていることが分かるということがよくあります。ではなぜ眼科へ行くことに抵抗を感じているのか、事情を訊いて受診に対する不安を取り除くようなご案内を心掛けています」(小出氏)

これまでの電話応対品質向上への取り組みについて教えてください。

「私が入社した6年前には、きちんとした電話応対のルールがなく、『何が良い応対か』という知識の共有がありませんでした。前職で電話応対に関わる仕事をしていた私にとって、これは解決すべき課題でした。ただ心の支えは、スタッフがそれぞれ、より良い応対をしたいというマインドを持っていたことです。そこで改革の初手として、業種業態を横断し『優れた応対』を目指すコンクールへの参加を決めたのです」(小出氏)

すべての業務が「お客さまのため」であるという気づき

コンクールの印象について、お聞かせいただけますか。

「室長の小出が出場した地区予選の会場で、私は選手の熱意に圧倒され、休憩スペースでは感極まったのか、泣いている選手も見ました。正直言ってその時の私に、コンクールのどこにそんな魅力があるのか、分かりませんでした。しかし翌年参加して、お客さまにご満足いただく理想の応対を求めるうち、どんどん真剣になっていく自分に気づいたのです。そしてその努力はすべて日常の仕事に直結していました。自分の言葉、ちょっとした間、オープンクエスチョンによる問いかけで相手の表情が変わり、またさらに新たな気づきにつながるのです。コンクールへの参加で仕事が本当に面白くなりました」(晴山氏)

その成果は、ふだんの仕事にどのように表れていますか。

  • ▲お客様相談室の様子

    「寄り添う気持ち、共感の姿勢を自然に取り入れることができるようになり、電話口の向こうにいるお客さまの顔がはっきり見えるようになりました。そして部内のミーティングから文書作成まで、私たちの関わる仕事は“人の心をどうつかむか”であり、そのゴールが“お客さまのため”であることにも気づきました」(晴山氏)

コミュニケーターの「地位向上」と「仕事の楽しさ」を目標に

今後の目標、また日本電信電話ユーザ協会への要望があれば教えてください。

「コンクール、そして並行して取得した電話応対技能検定(もしもし検定)2級で広がった電話応対の世界を、部署内のほかのメンバーにも知ってもらい、会社としてのさらなる研鑽に励みたいと思います」(晴山氏)

「かつて利用した電話応対診断を今年あらためて受けるとともに、企業電話応対コンテストへの参加により、部署全体の力の伸びを確かめたいと思います。そして将来的な目標は、コミュニケーターの地位向上です。電話応対業務は、その重要性にも関わらず、仕事自体への評価は決して高いとは言えません。私は、せめて自分の会社では、『電話応対は楽しい仕事だ』と思ってもらい、上層部の方々に『この部門は社内の重要部署の一つである』と認識していただきたいと考えています。そのために技術の向上と社内での啓蒙活動を続けていきます。当面の目標は、部署内の全員が晴山社員と同じ2級を取得することです。ユーザ協会の皆さまには、引き続きのご指導をよろしくお願いします」(小出氏)

会社名 クーパービジョン・ジャパン株式会社
設立 2001年(平成13年)7月9日
本社所在地 東京都渋谷区恵比寿2-36-13 広尾SKビル
代表取締役社長 中田 博之
資本金 4億9,900万円
事業内容 コンタクトレンズの販売
URL https://coopervision.jp/

電話応対技能検定実施機関

公益財団法人日本電信電話ユーザ協会 東京支部

https://www.pi.jtua.or.jp/tokyo/

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