電話応対でCS向上事例

-日本生命保険相互会社-
電話応対コンクール参加により「自分たちの仕事の先にある世界」を共有

日本生命保険相互会社は電話応対コンクール参加と上位進出により、コールセンターの役割と品質を社内に広く周知。またオペレーターの目標意識を高めることで、高いモチベーションを醸成しています。

事業内容と電話受付体制について教えてください。

  • ▲コールセンター
    大阪コールセンター長
    森川 正明氏氏
    ※取材時の肩書(2016年3月22日)

    「弊社は明治22年に設立された生命保険会社で、現在1,157万名(平成27年3月末現在)のお客さまにご愛顧いただいております。コールセンターは、ここ大阪と東京、そして昨年、新たに開設した福岡の3拠点体制です。地域分担制をとり、原則として首都圏エリアが東京、九州エリアが福岡、その他を大阪が担当しております。ただ繁忙期は一時的な区割りの見直しなども行い、柔軟に運用しています」(森川氏)

“支払問題”をきっかけに、積極的なコールセンター運営に転換

コールセンターは、どのような役割をされているのでしょうか。

「お客さまとの接点は基本的に代理店や営業職員ですが、契約からの時間の経過でフォローが十分ではなくなる例があります。コールセンターでは、お客さまからのお問い合わせや契約変更のお手続きに応対するほか、接点が不明瞭となってしまったお客さまにお電話を差し上げ、住所などにお変わりがないかなどのご確認もいたします」(森川氏)

コールセンターのこれまでの歩みについて教えてください。

「開設は平成13年ですが、初期はお問い合わせへの応対が基本でした。しかし平成19年の『支払問題』以降、弊社の方針が『積極的にお客さまに働きかけ、ご請求もれ、お支払いもれをなくすことに最大限努力する』と改められたことで、コールセンターの役割も変化しました。以降はお客さまのお電話に対し、保険契約の内容をご理解いただいているか、支払い対象となる入院や手術をされていないかを確認させていただき、営業職員が行う『ご契約内容確認活動』のサポートも積極的に行っています」(森川氏)

自社の品質を確かめるべく電話応対コンクールに参加

そういった流れの中、応対品質向上に向けてどのような取り組みをされてきたのでしょう。

「本格的な取り組みは平成20年からです。これまでの社内基準での品質確認に加え、すべてのオペレーターに年3回のモニタリングを通じて聞き取る力、説明するスキルのチェックを行い、SVが個別に改善指導することにしました。またお客さまにアンケートを実施し、その結果を所属内のメルマガでオペレーターと共有して指導に役立てることにしました。さらに世の中基準での応対レベル把握のため、平成24年からはコンクールにも参加しています」(森川氏)

コンクール参加のきっかけや参加された感想を教えてください。

  • ▲大阪にあるコールセンター。東京、大阪、福岡の拠点の中で最も大きく、200席がワンフロアに。社員の目に優しい特殊な照明も配備

    「きっかけは社外の方からのご案内でした。初年度は5名が参加し、2名が大阪府大会まで進みました。手探りでの参加でしたが、日常の業務と異なる題材での応対練習が品質向上に大きく役立つと考え、年々、参加者を増やしていきました」(金井氏)

社内での評価向上と、3拠点のライバル意識をモチベーションに

コンクール参加は、どのような成果に結びついたのでしょうか。

▲コールセンター 金井 和子氏

「まず他社のレベルに触れることができました。また平成26年、27年は、全国大会で弊社の選手が競技している姿を多くのオペレーターがネット中継で視聴し、自分たちが頑張っている業務の先にある世界をリアルに共有、モチベーションの高揚につながりました。また全国大会への進出は、社内的にも高い評価を得ることができました。コールセンターはどうしても“苦情受付窓口”ととられがちです。しかしこの活躍で、私たちがお客さまからのお叱りの声を受け止め、しっかりと解決できているという認識が広まったと思っています」(森川氏)

「東京、大阪、福岡それぞれの拠点でコンクールに挑むことは、良い意味でのライバル意識につながり、仕事にも好影響を与えると思います。現在の目標は、各拠点から全国大会に選手を送り出すことです。特に今年の全国大会は大阪での開催となるため、ここから会場に足を運ぶことも可能でしょう。全国レベルを知り、仕事に役立てる良い機会になるはずです」(金井氏)

電話応対技能検定(もしもし検定)については、いかがでしょうか。

「もしもし検定は電話応対に限らず、コミュニケーションを広範囲にわたって学べる資格だと感じています。現在、指導者級資格2名がおりますが、今後の展開について検討しています」(森川氏)

応対品質向上をさらに進め、業績への貢献を目標に

今後の目標があれば、教えてください。

「自宅への訪問、直接の面談を希望されないお客さまもいらっしゃいます。コールセンターはそうしたお客さまの心もしっかりと読み取り、臨機応変な対応をとることで、お客さまの満足度を高めたいと思います」(金井氏)

「解約のご連絡をくださるお客さまに対しても、その背景をしっかりとおうかがいできれば、内容の見直しや貸付制度のご利用など、お客さまの不利にならない方法をご案内できます。応対品質を向上させ、お客さまにご満足いただき、かつ弊社の業績に貢献できるよう、頑張っていきたいと思います」(森川氏)

会社名 日本生命保険相互会社
創立 1889年(明治22年)7月4日
所在地 大阪府大阪市中央区今橋3-5-12
代表取締役社長 筒井 義信
事業内容 生命保険業、付随業務・その他の業務
URL http://www.nissay.co.jp/

電話応対技能検定実施機関

公益財団法人日本電信電話ユーザ協会 京都支部

http://www.pi.jtua.or.jp/kyoto/

公益財団法人日本電信電話ユーザ協会 大阪支部

http://www.pi.jtua.or.jp/osaka/

株式会社NSGコーポレーション

http://nsg-corp.net/index.htm

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