電話応対でCS向上事例

-株式会社キッズ・コーポレーション-
システムをベースに、臨機応変な判断

コールセンター業務の形態は、自社の営業や製品のアフターサービスを担うものから、そうした業務を他社からアウトソースで受託するものまで、さまざまです。今回は、発注元企業とコンシューマーとの間に立ち、BtoCでの成約による付随商品の発送および関連する業務を受託するキッズ・コーポレーションを訪問し、同社の特殊な立ち位置での業務遂行のノウハウと、お客さま応対のコツについて話を聞きました。

御社は単なるコールセンターのアウトソースではないということです。具体的な業務内容について教えていただけますか?

  • ▲コールセンター管理局 課長
    竹村 真由美氏

    「弊社の主なお得意先は、大手通信会社さま、そしてインターネットプロバイダさまです。現在、家庭用の光ブロードバンド回線の契約では、新規契約のインセンティブとして、無線ルーターなどの光ブロードバンド周辺機器やタブレット、商品券などをプレゼントすることが一般的となっています。弊社はお得意先と、契約されたお客さまとの間に立ち、これら商品の発送管理を行っています」(コールセンター管理局 課長・竹村 真由美氏)

  • ▲新規契約のインセンティブとして、プレゼントされる商品

実際にそれらの発送は、どのような流れで行われるのでしょう?

「商品の発送は、光ブロードバンドを契約された契約者宅での工事日(利用可能となる日)にあわせ、行われます。具体的には、通信会社さまから工事予定日の連絡が入り、その日程にあわせて商品が到着するよう、手配するのです。ただ、同じ通信会社さまでも、支店や対象エリアによって商品が異なることが多く、また契約者が複数の商品から希望のものを選ぶという方式をとっている場合もあります。さらに地区ごと、期間ごとに複数のキャンペーンが並行していることもあるため、ひと口に『発送管理』と言っても、その業務は非常に複雑なものです」(竹村 真由美氏)

もしすべて手作業で進めるとすると、かなり煩雑になりますね。

「はい。弊社がこうした業務受託に進出したのは2年ほど前で、スタート時点では業務の規模も小さく、すべて手作業でした。しかし業容が拡大するにつれ、アナログでの管理はミスや遅滞の原因になり、それがお客さま満足度を損なうおそれが出てきました。そこで新たに専用のシステムを構築し、いまではお得意先からの指示をPCでチェックした後、そのまま商品の発送を委託している運送業者に伝達するようになっています」(竹村 真由美氏)

そのあたりの流れをもう少し詳しく教えていただけますか?

「お得意先からの指示は、基本的にネット経由で行われ、その伝達の確認、またはイレギュラー時の対応等があったときに電話でやりとりするようになっています。ただその指示書のフォーマットは、単票形式のもの、一覧表に追加していく形式のものなど、会社や支店ごとにさまざまなタイプが混在しています。そこで弊社では、そうしたフォーマットをバッチ処理で自動的にマイクロソフトアプリケーションAccess(※)のDBに取り込み、発送先ごとの処理状況が一覧表示できるシステムを構築しました。これにより、1日数百件にも上る配送先や商品が異なる依頼も、少ない人数で確実にこなすことができるのです」(竹村 真由美氏)

※ マイクロソフトアプリケーションAccess:マイクロソフトが、Microsoft Windows向けに販売している関係データベース管理システム(RDBMS)のソフトウェア。

そうした確実な処理は、お客さま満足度の向上に直結しますね。

「はい。弊社の業務でポイントとなるのは、弊社が通信会社さまやプロバイダーさまなどのお得意先の窓口として、契約者さまに商品発送している部分です。もし弊社のミスにより、間違った商品が届いたり、予定のお届け日までに届かなかったりすると、お得意先の企業イメージやサービスへの印象を大きく損なうことになってしまいます。また扱う商材も、光インターネットというインフラにかかわるものです。たとえば契約者さまがご指定した無線ルーターが開通日に届かなければ、契約者さまはインターネットが使えません。アクセスによる専用システムの構築で、人力によるミスや遅滞がなくなり、お得意先、契約者さまの双方にご満足いただいていると思っております」(竹村 真由美氏)

ほかにも、そうしたお得意先、契約者さまの間に立って業務を行う上で、難しい部分はあるのでしょうか?

「そうですね。お得意先も、その先にある各代理店さまからの契約情報をたばね、弊社に指示、発注しています。その取りまとめの段階でミスが出ることも、ゼロではありません。お得意先からの発注、弊社からの発送指示という流れに、締め切り日などの一定のルールは必要ですが、弊社では『最終的には契約者さまにご迷惑がかからないこと』を考え、コミュニケーターが臨機応変に判断し、配送業者に至急の指示を出すなどの対応をとらせていただいています。またその逆に、契約者さまに配送する直前に契約がキャンセルになったり、指定した商品を別の商品に取り替えてほしいという要望が寄せられることもあります。そうしたケースが誤発送や二重発送につながらないよう、あらゆる事態を想定した処理もシステムに組み込み、個別の契約者ごとに『いまどういうステータスなのか』を、弊社とお得意先の双方が参照できるようになっています」(竹村 真由美氏)

  • ▲コールセンター ,発送先確認作業

個人情報の管理も、たいへんだと思いますが?

「契約者の個人情報は、各お得意先指定の方法で保存し、発送業務が終わったらすみやかに消去するなど、厳重な管理を行っています。また他社と物理的に隔離した管理を行ってほしいという要望についても、人員、作業環境の双方で対応しております」(竹村 真由美氏)

御社の構築したシステムは、他の案件にも応用が効きそうですね。

「はい。現在のシステムはあらゆる可能性を想定していますから、こうした『複数商品の複数箇所への配送』という業務については、商材が何であろうと、確実かつローコストで、かつ個別のお客さまの満足度に十分配慮した対応ができると思っています」(竹村 真由美氏)

お客様の満足を第一に考えられた対応を積み重ねることで、御社のシステムも進化していくのですね。 今日は本当にありがとうございました。

会社名 株式会社キッズ・コーポレーション
設立 平成3年3月1日
本社所在地 大阪市中央区本町2丁目3番8号 10階
代表取締役社長 酒井 隆幸
資本金 5,000万円
事業内容 マーケティング戦略企画及びコンサルティング業務全般セールスプロモーション活動の企画・立案

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