電話応対でCS向上コラム

第5回 「聴く力」はコミュニケーションの基本

このところ、人間関係やビジネス活動で、「聴く力」の大切さが注目されています。上手に話すことより、上手に聴くことの方がはるかに難しいのです。そこで今回は自分では全く気がつかないで、相手を不愉快にしている「聴き方の5つのNG」について考えます。

①聞き手の顔も見ないで聴く
書類を見ながら、パソコンに向かったまま、新聞を読みながら、話し手の顔も見ないで聴く人がいます。耳は聴いているよと言っても、これはいけません。信頼を失います。聴くときには、体全体を話し手に向けて正対する姿勢が大事です。どうしても忙しい時には「ごめん!いま急ぎの用であなたの話をしっかり聴けない。時間が出来たら必ず連絡するから」と誠意を持って伝えましょう。
②相づちやうなずきが素っ気ない
自分がどのような相づちを打っているか、私たちはほとんど無意識です。相づちには、会話を弾ませる相づちと断ち切る相づちがあります。前者には「おっしゃるとおりです」「よく分かります」「いい話ですね」「なるほどそういうことですか」。後者には「そうですかねえ」「おっしゃることが分かりません」「それは違いますよ」「だから言ってるじゃないですか」「だめですよ」などがあります。前者は会話が穏やかに続きます。後者は言い争いになってしこりだけが残ります。私のお薦めの相づちは「おっしゃるとおりです」。後輩に教わったこの相づちは、私の人生を変えました。人はそれぞれに自分の正解を持っている。それを認めよう。それ以来、私は言い張ることを極力しないようになりました。「おっしゃるとおりです」のひと言で、意見の相違があっても、穏やかに話し合えるようになったのです。
③話をとって自分ばかり話をする
実に見事に人の話をとって、自分ばかり話す人が、皆さんの周りにはいませんか。こういう人は、人の話など聴いてはいません。そのことに気付いてさえいないのです。話し上手より聴き上手の方が間違いなく好かれるのです。

このほか
④すぐに結論付けて終わらせようとする
⑤終わりまで聴かずに感想や意見を言う
この「5つのNG」を意識することで、あなたのコミニュケーション力は格段に高まるでしょう。

岡部 達昭氏

日本電信電話ユーザ協会電話応対技能検定 専門委員会委員長。
NHKアナウンサー、(財)NHK放送研修センター理事、日本語センター長を経て現在は企業、自治体の研修講演などを担当する。「心をつかむコミュニケーション」を基本に、言葉と非言語表現力の研究を行っている。

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