お客さまの立場や求めているものを理解する損保ジャパン日本興亜保険サービス株式会社

暗く、元気のないお客さま

電話応対では相手の気持ちを察し、同じ立場になって考えて話すことが重要です。これは頭では分かっていても、実践するのは容易ではありません。

先日、保険の手続きのため、12月から何度か電話でお話を進めていたお客さまと急に連絡が取れなくなり、困っていました。そこで、「年始なら電話に出ていただけるのでは」と考え、年明けの営業初日にお客さまの携帯へ電話をしました。案の定電話はつながり、「これでようやく手続きが進められる!」と思い、保険の手続きについて話を始めました。

ところが、そのお客さまは先月までの明るい声とは打って変わり、暗く、元気のないご様子でした。

最後かもしれないから…

「忙しい中、電話を煩わしいと感じているのでは…」と思いながらも、テンポ良く話を進めていったのですが、お客さまはさらに暗く、か細い声でこう言いました。

「年末に急きょ入院し、病室で携帯に出ている。書類を自宅で受け取ることもできないし、一人暮らしのため誰も頼る人がいないので病室に持って来てほしいのだが…」

こちらは東京、お客さまは滋賀にお住まいだったので、すぐに行くことはできません。そこで、私は何とか解決に向かうよう機転を利かせたつもりで「退院後の返送でも良いので郵送する」ことを伝えました。その瞬間、お客さまは「自分はステージ4の癌を患っている。いつ退院できるか分からないし、最後かもしれないから、顔くらい見せに来てもいいだろう!」と怒鳴り、電話を切ってしまったのです。

私はハッとしました。重い病にかかり、契約を見直していた時に容態が急変して入院…。一人で病と闘い、先行きの心配を抱えていたのでしょう。私は「病室に持って来てほしい」という言葉から、お客さまの状況や心情を察することをせず、お客さまを追い詰めてしまったのです。

お客さまとの接点を大切にする

その後、現地の営業担当者が病院へうかがうと、お客さまは「長年お世話になっていたから、最後に挨拶ができて良かった」と言ってくださったそうです。それを聞き、温厚なお客さまの人柄に寄り添うことをせず、追い込んでしまった自分の応対を深く反省しました。

電話応対の課題は業務の効率化や言葉づかいなどのスキル習得に向かいがちですが、それだけではお客さまが求める応対とは言えません。例え日々の業務に追われていても、お客さまとの接点を大切にする。そういう気持ちがないと何も伝わりません。

電話応対は「お客さまの立場や求めているものを理解するところから始まる」ということを改めて教えてもらった出来事でした。


次回の講師は、日本生命保険相互会社の滝沢 直子さん(電話応対技能検定指導者級資格保持者)です。です。長年、コールセンターのさまざまなチームでSV業務や教育担当をされています。常に物事を前向きに受け止め、長年培った経験と温かい人柄で周りの人を良い方向に導いていく頼もしい先生です

佐野 久子

損保ジャパン日本興亜保険サービス株式会社マーケット開拓室課長。電話応対技能検定指導者級資格保持者。コールセンター業務のマネージャーを務める傍ら営業店における電話応対の品質管理を担当。

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