相手の気持ちを推し量り、気持ちに寄り添う

状況把握の大切さ

健康には自信があった私ですが、55歳の時に入退院を繰り返す病気になり、総合病院で定期的に検査を受けていました。ドクターとも長いお付き合いで、「咳や熱が出た時はいつでも連絡するように」と言われていました。

ある日、とても体がだるく、熱を測ると38度を超えていたので、先生と連絡を取りたくて夜10時ごろ病院に電話をすると、夜間窓口の男性は「先生はもう帰られています。10時以降は診察をしていないので明日電話してください」と終始事務的な応対。不安な気持ちよりも腹立たしく、「病院の応対ではない!」と言ってしまいそうでした。

「言語」より「非言語コミュニケーション」を意識する

このような応対もそうですが、電話応対での言語表現の上手な方が少ないように感じています。「お買い上げありがとうございます」「大変お待たせ致しました」の「言葉」に、感謝の気持ちや申し訳なさが伝わってこないのがとても残念です。

電話応対では非言語コミュニケーションの「音声表現」がとても大切で、それを意識して応対していると「事なきを得る」ことも多いです。

「耳」で聞くより「心」で聴く

先ほどの後日談ですが、翌日夕方6時にその病院の夜間窓口に行きました。先生から薬を用意しておくので取りに来るようにと言われたからです。窓口の男性は昨日の男性とは違っていましたが、またもや事務的な応対でしたので、薬を持ってきてくださった看護師の方に昨日からの経緯をお話しすると、真摯に私と向き合ってくださり、心が落ち着いていきました。

この看護師さんは、私が熱を出して不安を感じていたこと、先生と話をすることで安心したかったこと、病院だからこそ患者さまへの気遣いが欲しいことを感じ取って共感してくださいました。

共感とは「あなたの気持ちわかります」と感じることだと思っている方も多いのでは?私も以前はそう思っていました。本当の「共感」とは、例えば「私は不安な気持ちよくわかります」ではなく「あなたはとても不安なのですね」と自分より相手の気持ちに寄り添うこと。相手の方に「この人は私のことをわかってくれる」と感じて頂くことです。

この看護師さんにそれを感じることができました。

問い合わせでも苦情でも、「相手の気持ちを推し量りながら気持ちに寄り添う」ことが、確実にお客さま満足に繋がっていくと私は信じています。


次の講師は、オフィス成旺代表の伊藤 享子さん(電話応対技能検定指導者級資格保持者)です。指導者級2期生の同期で、知識は幅広く豊富でありながらもいつも謙虚で、ご縁をとても大事にされ、人から頼られるお茶目で心優しい方です
古川 文美子氏

古川 文美子

Fumiko Office 代表。企業にて窓口営業、人材の採用から育成の経験を踏まえ教育インストラクターとして活動。その経験を活かし研修講師となる。一般財団法人 日本教育推進財団 認定コミュニケーション・トレーナー。JHMA認定ホスピタリティ・コーディネータ おもてなしコーディネータ。電話応対技能検定指導者級資格保持者。

↑
PAGE TOP